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【咲SS:照菫】 照「…私達が…」菫「…病気?」 【後編】

『菫「…私達が…」照「…病気?」』 【後編】

<あらすじ>
現状を打開するために宮永照更正計画を始動したチーム虎姫。
だが、実際に実行してみると、
意外な結果に…?

前編はこちら。

<登場人物>
宮永照,弘世菫,大星淡,渋谷尭深,亦野誠子(チーム虎姫,白糸台)

<症状>
依存(症状悪化),狂気

<その他>
※原作キャラ崩壊しています。ご注意を。
※照が人間やめてます。ご注意を。

<キーワード>
宮永照,弘世菫,大星淡,渋谷尭深,亦野誠子,チーム虎姫,白糸台,SS,咲-saki-

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『 ■ 宮永照更正計画のお知らせ ■


  宮永照の弘世菫依存症を軽減するために
  チーム虎姫主導で更正計画を実施します。
  
  実施中は混乱が予想されるため、
  宮永照、弘世菫の両人から
  距離を取るようにお願いします。
  
  <計画実行期間>
  ○月◇日から一週間
  
  <責任者>
  渋谷尭深
  
  <お願い事項>
  ・本件は部外に漏らさないようにお願いします。
    
  ・オーラ耐性が強く、計画に協力してもよい部員は
   当日A指導室に集まってください。
  
  ※問題が発生する恐れがあります。
   理解のある部員だけ集まってください

                 渋谷 尭深』



部員B「…え?何これ。大丈夫なの?」

部員C「大丈夫なわけないでしょ。
    近づくなって書いてあるし」

部員D「怖い…宮永先輩怖い…」

部員A「というか、問題発生前提って」

部員E「…まぁいざとなったら
    虎姫が何とかするでしょう。
    あそこは魔物の巣窟だし」



--------------------------------------------------------



照「た…大変なことになった」

菫「まぁ仕方ないだろう。
  実際、周りに迷惑かけていたわけだし」

照「なんで菫はそんなに落ち着いてるの…!
  私達、強制的に離れ離れにされちゃうんだよ?」

菫「いやいや、離れ離れって言っても
  学校にいる間だけだし、家では一緒だろう?」

照「菫は学校にいる間息を止められるの!?」

菫「…それは無理だが」

照「つまりそういうことだよ!」

菫「…じゃぁこうしよう、照。
  この一週間、周りに迷惑をかけなかったら…」

照「かけなかったら?」

菫「何か一つ言う事を聞いてやる」

照「……何でも?」

菫「まぁ、私にできることであれば何でも」

照「名前とか彫っていい?」

菫「…どこに彫る気だ」

照「…腕とかは?」

菫「却下だな。見られると大騒ぎになる」

照「見られないと意味ないじゃない」

菫「それがお前のしわざだとバレたら
  私たちは強制的に引き離されることになるぞ」

照「…むぅ…じゃぁ、お腹にする」

菫「まぁそれならいいだろう」



--------------------------------------------------------



淡「今日からテル更正計画かー。
  大丈夫そうなの?」

尭深「…多分、ものすごい荒れると思う」

誠子「ほとんどショック療法だからなぁ。
   まぁ最悪、吹っ飛ばされるくらいは
   覚悟しておかないと」

尭深「…とりあえず、宮永先輩の方は
   誠子ちゃんと淡ちゃんよろしくね。
   弘世先輩の方は私がご一緒するから」

淡「お任せあれ!」

誠子「なんか不安になるからやめろ」

菫「照、大丈夫か?最初はたった1時間だからな」

照「うん、名前のためにも頑張る」

淡「名前って?」

菫「何、こっちの話だ」



--------------------------------------------------------



尭深「…今日は掲示板にあったように、
   宮永先輩の改善計画の実施初日です」

誠子「この指導室には、比較的オーラ耐性が強く、
   かつ志願してくれた人のみ集まってもらっています」

淡「皆さんご協力ありがとうございます!」

尭深「…おそらく今日は何かしら
   騒動が発生すると思いますが、
   宮永先輩と弘世先輩のために
   どうかお力を貸してください」

淡「何かあったら即避難してくださいね!」

誠子「それでは、二部屋に分かれて
   練習を開始してください!」





----------------------------
【5分経過】菫サイド
----------------------------

そわそわ

菫「なぁ、尭深。照の様子を見てきていいか?」

尭深「…まだ5分も経ってませんよ?」

そわそわ

菫「でも、ほら。前は4分で
  限界だったんだぞ?」

尭深「…事前に申告済みなら多少は
   大丈夫なんですよね?」

そわそわ、そわそわ

菫「だが、いつもなら一緒にいる時間に
  確定で一時間会えないというのは
  前代未聞だぞ」

尭深「…何か起きるとは思いますが、
   ある程度は織り込んでます」



----------------------------
【5分経過】照サイド
----------------------------

照「……」

淡「テルー、大丈夫?」

照「…割と大丈夫」

淡「思ったより余裕だね!」

誠子「いやいや、油断するなよ淡。
   先輩、もう目のハイライト消えてるから」



----------------------------
【10分経過】菫サイド
----------------------------

うろうろ

菫「10分か…そろそろ
  見に行った方がいいだろう?」

尭深「…駄目です。我慢してください」

うろうろうろうろ

菫「だが、しかし…照が、
  照が泣いてるかもしれないぞ?
  他にも、お菓子が足りなくて
  困ってるかもしれない」

尭深「…弘世先輩はお菓子持ってるんですか?」

菫「当たり前だ!いつ照が
  欲しがってもいいように常備している!
  だから、ほら、な?」

尭深「…もしかして、
   弘世先輩の方が重症なのでは…」



----------------------------
【10分経過】照サイド
----------------------------

照「…ちょっときつくなってきた」


ずぉ


誠子「淡!相殺だ!!」

淡「うん!」


ズォッ!


淡「テルー、しっかりして!傷は浅いよ!」

照「淡…菫分が足りない」

淡「菫先輩なら50分後に戻ってくるよ!」

照「あ…あと…50分…も…?
  カップラーメン16個分…!?」
  
淡「あー、そう言われるとなんか長いね!」

誠子「じっ、時間を考えるのはやめましょう!
   そのうち必ず会えますから!」



----------------------------
【20分経過】菫サイド
----------------------------

菫「……」

尭深「……」


キィィ…ン


尭深「!?」


部員F「…ぶ…部長のオーラが…」

部員G「…あ…あったかくない…」

菫「…照が。照が寂しがっている気がする」


キィィィイー…ン


尭深「…オーラをしまってください。
   宮永先輩ならまだ大丈夫です」


キィィィイー…ン


菫「…だが、しかし…あの照だぞ…?
  間違いなく、もう限界が来てるに決まっている」

尭深「…宮永先輩が限界なら、
   きっとこっちに来ますから。
   入れ違いになったら困りますよ?」

菫「…むう…」



----------------------------
【21分経過】照サイド
----------------------------

ピクン

照「菫が私を呼んでる…」

淡「え?」

誠子「弘世先輩ならまだ指導中ですよ?」

照「ううん、呼んでる。今オーラを出してた」

淡「私は何も感じなかったよ?」

照「淡と私では年季が違う。
  私が菫のオーラを感知しそこねるはずがない。
  間違いなくこれは菫のオーラ」


ずぉっ


誠子「淡!」

淡「かしこまり!」




ブォオオオオオオオオオオン!!!!


淡「うわひゃぁっ!?」

誠子「竜巻…っ!」

照「菫…今行くね」

タッ


淡「ちょっ!?テルー!?
  テルー、カムバーッック!!」



----------------------------
【22分経過】菫サイド
----------------------------

ガタッ!

菫「!?」

尭深「…どうしました?」

菫「…照のオーラが近づいてきている…!」

尭深「…!?」

菫「やっぱりあいつには耐えられなかったんだ!
  迎えに行ってやらなければ!!」

尭深「…駄目です!」

菫「すまないが、邪魔をしないでくれないか!!」



キィィィ…キィイーーーーン!



部員H「きゃぁああっ!!」

部員G「あっ…あったかくないぃっー!!」

尭深「先輩!?…皆さん、
   つらい人は避難してください!」


菫「照!今行くぞ!!」


ダッ!


尭深「…って先輩!?先輩!!
   戻ってください!先輩!!」



--------------------------------------------------------



照「菫っ!!」

菫「照っ!!」


ぎゅっ…!


照「菫っ…菫っ…!」

菫「…よしよし。よく頑張ったな」

淡「よく頑張ってないよ!?
  無念のリタイアだよ!!」

誠子「弘世先輩もな」

尭深「…タイム、22分…大失敗ですね…」



--------------------------------------------------------



淡「……」

尭深「……」

誠子「……」

照「……」

菫「……」

尭深「…えー、では、反省会を始めます」

菫「…22分なら、初回にしては
  なかなかいいタイムなんじゃないか?」

誠子「いつからタイム制の競技になったんですか」

淡「まさか菫先輩の方が先に駄目になるとはねー」

尭深「…私も、弘世先輩がここまで
   重症とは思いませんでした」

菫「…すまん。正直自分でも驚いている」

誠子「というか、30分くらいなら取材とかで
   普通に離れてる時ありますよね?」

菫「いや、1時間確定で会えない…
  と最初から知っているとどうもな」

照「でも私はうれしい。菫の愛を再確認できた」

菫「けがの功名だな」

誠子「いやいや、そういう主旨じゃありませんから」

尭深「…まぁ、確かに今日は初日ですし…
   少しずつ頑張っていきましょうか」




----------------------------
【2日目】25分
----------------------------

菫「照が呼んでいる!!」

誠子「ちょっ!?」



----------------------------
【3日目】31分
----------------------------

照「菫分が切れた」

尭深「…待ってください!」



----------------------------
【4日目】32分
----------------------------

照「そうだ、菫のとこ、行こう」

淡「京都!?」



----------------------------
【5日目】34分
----------------------------

照「もう、ゴールしてもいいよね…?」

誠子「あー、はい、
   行ってきてください…」



--------------------------------------------------------



尭深「…結局、5日目で最長34分ですか…」

淡「まるで成長していない…!」

照「このままやっても埒(らち)が明かないんじゃない?」

淡「本人が言った!?」

菫「まぁ、だが…確かにな」

誠子「一応、治す気はあるんですよね?」

照「?ないけど?」

淡「言い切った!?」

尭深「…弘世先輩もですか?」

菫「いや、私は周りに迷惑をかけるのは
  本意ではないんだが…
  実際あの状況に置かれると、どうもな」

菫「…うん、そうだな。
  確かにこのままでは申し訳ない。
  皆、後は私に任せてくれないか」

尭深「…何か策があるんですか?」

菫「…まぁ、無くもない」

照「…菫?」

菫「大丈夫。お前も納得する方法だ」

淡「だってさー。たかみー、どうする?」

尭深「…まぁ、確かに今のままだと
   これ以上の進展は難しそうだし…」

誠子「…じゃぁ、一度お任せしますか」

菫「ああ、任せてくれ。必ず改善してみせる」



--------------------------------------------------------



照「…菫、本当にいいの?
  これ、一度やったら後から元に戻せないよ?」

菫「私はかまわない。
  それとも、お前はいやか?」

照「…私は、菫がいいなら…そうしたい」

菫「…なら問題ないさ…始めよう」



ずるるるる…



照「…菫…はいるよ…?」

菫「……あぁ」



ずっ…ずずっ…ずぷりっ



菫「…あっ…ぐっ…」

照「…んっ…すみれっ…、だいじょうぶっ…?」

菫「…まだっ…だいじょう…ぶ」



ずずずずっ…ずぶっ…



菫「…てっ…てるっ…はいっ…たっ…!」

照「…すみ…れっ…いまから……
  …『切る』よっ……んっ!!」



ぶちんっ!!



照「…いっっ…!!」

菫「…てっ…てるっ!…だいじょ…ぶ?」

照「…っ!…っ…!……っ!!」

菫「…てっ…てるぅっ…」

照「……だ…い……じょ、うぶっ…!」



ずるんっ……



照「…はぁ…はぁ……
  ……おわ…た…よ……」


菫「……て…る……
  …て…る…
  …わたし…の…なか…に…いる?」


照「…うん…それ……わたし…だよ…?
  あとは……ねてるうちに……
  なじむ……はずだから…
  ゆっくり、やすも……」


菫「…うん……よろ…しく…てる…」


照「…こちら…こ…そ」










--------------------------------------------------------








…次の日。








--------------------------------------------------------



菫「みんな、特打ちするよ。
  理論系の打ち筋の者はA指導室に来てくれ!」

照「能力系の人は私が教える。C指導室に来て」



--------------------------------------------------------



菫「よし!今日の部活は終了だ!
  各自、牌譜を提出して帰っていいよ。お疲れ様」

照「お疲れ様」

部員「お疲れ様でした!!」


バタン


部員B「今日はお二人とも暴れなかったね!」

部員C「うん、指導も今までより
    ずっと細かく見てもらえたし…
    これからはいつもこうだといいな!」

部員E「でも…なんか違和感を感じたわね…
    特に…弘世さんの方に…」

部員B「あ、先輩も感じました?
    何か、言葉遣いとか
    いつもと違いましたよね?」

部員D「……」

部員A「どうしたの?さっきから
    ずっと震えてるけど」

部員D「…どうしてっ……」

部員A「ん?」

部員D「…どうしてっ…
    あんなことができるのっ…!?」

部員E「…何のこと?」

部員D「おかしいよっ…あの人たち…
    あんなの、おかしい…!」




部員D「狂ってるっ…!!」




--------------------------------------------------------



菫「どうだ?やればできるでしょ?」

照「できるでしょ?」

淡「あ、いや…確かに劇的に改善されてるんだけど…」

誠子「えーっと…」

尭深「…一体、何をしてしまったら…
  『そう』、なるんですか…?」

照「私のオーラの一部を切り離して菫の中に注入した」

淡「えぇっ!?」

誠子「そんなこと、できるもんなんですか!?」

照「私はほら、宮永家だから」

菫「まぁそういうわけで、今は私の中で照が息づいている」

照「もう、私たちは離れていても一人じゃない」

菫「私の中の照と意識を共有できるから」

照「だから、距離が離れるくらい大丈夫」

淡「……」

誠子「……」

尭深「……」

菫「どうした?」

淡「えと…それって…その…
  デメリットは、ないの?」

照「正直いっぱいある」

淡「あるの!?」

尭深「…もしかして…
   オーラって、魂みたいなものだから…」

菫「うん。ちょっと、自分が照なのか
  菫なのか時々わからなくなる時があるかも」

照「私の方はオーラを欠損したから
  体力が著しく落ちた」
  
誠子「どっちも大事じゃないですか!?」

菫「後は、私が交通事故とかで死ぬと
  照も一緒に死んでしまうことになるな」

照「まぁでもそこは、どのみち
  菫が逝ったら私も後を追うから、
  別にデメリットにはならないよ」

淡「テルー…!」

尭深「…なんてことを…!」

誠子「すいませんっ…!私たちが…私たちが、
   余計なことをしたばっかりに…!!」

照「…?」

菫「…あ、いや…何か深刻な
  雰囲気になっているところ悪いんだけど…」




菫「これ…そんな騒ぎ立てるほどのことか?」




--------------------------------------------------------


















--------------------------------------------------------


『ヒーローインタビュー!!
 今日は、大将で起用されて、大逆転で見事チームを
 勝利に導いた弘世菫選手にお越しいただきました!』
 いやー弘世選手、今日は大活躍でしたね!!』

『ありがとうございます!』

『弘世選手というと、いつもは
 まるでスナイパーのように
 相手を狙い打つ打ち筋が印象的ですが、
 今日は違いましたね!』

『そうですね…今日は圧倒的火力が必要だったので、
 少し照の力を借りました』

『そうそう!今日は確かに、
 「まるで宮永選手そのもの」でしたね!
 弘世選手は時折宮永選手のような打ち筋を見せますが…
 一体どうしたらそんなことが可能なんですか?』

『…ああ、あれはけっこう簡単ですよ?』




『…ただ……私の中の照に任せるんです』




--------------------------------------------------------



『…ただ……私の中の照に任せるんです』



誠子「宮永先輩も…弘世先輩も…
   結局治らなかったな」

尭深「うん…むしろ、
   悪化しちゃってる気がする」

淡「…いいんじゃない?
  二人とも幸せそうだし。
  二人にはあれが正解だったんだよ」

淡「…だって、ほら」



淡「テルも菫先輩も、
  あんなに笑顔なんだもん」





(完)
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posted by ぷちどろっぷ at 2014年08月03日 | Comment(2) | TrackBack(0) | 咲-Saki-
この記事へのコメント
……え?怜竜も似たようなことしてるしあんまり問題ないよね?
と思ってしまいました。
Posted by chemis at 2014年08月03日 22:59
コメントありがとうございます!

>chemisさん

原作の怜竜がすごすぎるのです(苦笑)
あれも普通なら十分ツッコミ対象だと思います。
Posted by 管理人(ぷちどろっぷ) at 2014年08月07日 23:03
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