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【咲SS:淡菫】淡「一家に一台あわあわ人形!」【ヤンデレ】
<タイトル>
淡「一家に一台あわあわ人形!」
<あらすじ>
弘世菫の卒業を機に、2人暮らしを始めた弘世菫と大星淡。
細々と暮らしたいという弘世菫の思いとは裏腹に、
彼女はインカレで鮮烈すぎるデビューを飾る。
果たしてその理由とは。
※淡「これの続きだよ!」
<登場人物>
大星淡,弘世菫,宮永照
<症状>
ヤンデレ(かわいい)
<その他>
※照が珍しく病んでません。
※原作キャラ崩壊しています。ご注意を。
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解説「ついに始まりました、
インターカレッジ麻雀全国大会個人戦!
今年も有力な選手が大勢集まっていますが、
注目している選手はいらっしゃいますか?」
藤田靖子
「やはりインハイ王者の宮永照は外せないだろうな。
彼女の力は、このインカレにおいても
頭2つは抜きん出ている。優勝候補の筆頭だろう」
解説「宮永選手に対抗できそうな選手はいますか?」
靖子「難しい質問ではあるが…一人心当たりがあるな。
同じ白糸台出身の1年生…弘世菫」
解説「宮永選手とともに白糸台高校の
黄金時代を築いた選手ですね。
しかし、弘世選手はこれまで個人戦では
目立った成績を上げていませんが…?」
靖子「確かに去年のインハイ個人戦では、
全国の出場枠にかすりもしなかったな。
だが…彼女は大会ルールに泣かされたタイプだ。
去年の大会ルールは、得失点差制だったから、
火力の強い選手が圧倒的に有利だった。
実は、視点を変えて勝率に目を向けると…
彼女は2位にジャンプアップする」
解説「2位!?じゃぁ、あの大星選手よりも
上ということですか!?」
靖子「現に個人戦では大星にも勝っているぞ。
もっとも、あの時大星はその時点で
個人戦2位抜けがほぼ確定状態だったし、
あのダブリーも使ってなかったがな」
解説「ですが…今年のインターカレッジも、
去年のインターハイと
ルールは変わっていませんよ?」
靖子「今年の彼女は、去年とはまるで違う。
彼女が全国に駒を進めているのがその証明だろう。
また、確かな裏付けもある」
解説「そ、それは…?」
靖子「あの、あわあわ人形だ」
解説「真面目に解説してください」
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靖子『あの、あわあわ人形だ』
照「さすがにプロともなると気づくんだね」
菫「そんなことはどうでもいい…!
もう、あの人形のことは
触れないでくれ…!頼む…!!」
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『インカレ地区予選個人戦前日』
淡「さて、明日からインカレの個人戦が始まるわけだけど…
菫先輩、わかってるよね?
絶対活躍しなくちゃだめだよ!?」
菫「団体戦は優勝したんだからいいだろう」
淡「駄目だよ!インカレの団体戦なんて
誰もたいして意識してないってば!
やっぱり個人戦で注目されないと!!」
菫「別に注目されたくてやってるわけじゃないんだが」
淡「私が困るの!もっと菫先輩が活躍して
特別扱いされないと…!
菫先輩がショボいから、
私、選手控え室に入れなかったんだよ!?」
菫「入学してないくせに大会に連れてきてもらえた挙句、
ホテルに泊めてもらえる時点で、
気持ち悪いくらいの特別待遇だと思うんだが…
おかげで、周りの目が痛い」
淡「そこで、私は考えました!」
菫「聞けよ」
ごそごそ
淡「菫よ…そなたに、このあわあわ人形を授けよう」
菫「なんだ、あわあわ人形って…
って、でかっ!?なんだこれは!?」
淡「大星淡人形(1/2スケール)!
これを抱いて麻雀を打てば、
あなたもダブリーカン裏間違いなし!」
菫「…まさか、これを抱きながらインカレで打てというのか?」
淡「イエス!」
菫「…私に、社会的に死ねというのか!?」
淡「イエス!」
菫「否定しろよ!というか、ダブリーカン裏って、
私の打ち筋全否定じゃないか!?
私は自分の麻雀をやめる気はないぞ!」
淡「もー、わがままだなぁ…
じゃぁ、こっちのクォーターあわあわ(1/4)で
我慢してあげるよ…」

クォーターあわあわ「……」
菫「どっちがわがままだ…!
で、こいつにはどんな効果があるんだ?」
淡「いつも私を側に感じられます!」
菫「何の役にも立たないということだな?」
淡「ひどい!」
菫「とにかく、私は絶対にいやだからな!
ペンギンのぬいぐるみでもあれだけ騒がれるのに、
実在する人間の人形とか、どんな公開処刑だ!」
淡「ふーん、そういうわがまま言っちゃうんだ」
菫「いや、これはまともな人間なら誰でも断るだろう!?」
淡「菫、まだ私のことをよくわかってないね?
一般常識なんて、ヤンデレには通用しないよ?」
淡「これを抱いてインカレ出てくれないなら…
私にも考えがあるんだからね!」
菫「ふん、そんな脅しに屈するか!」
淡「服ビリビリにして自分の腕に
矢を突き刺した状態で交番にかけこんで、
『す、菫先輩が…!!』って連呼してやる!!」
菫「よく見たらかわいい人形じゃないか。
これならインカレに持って行っても
受け入れてもらえるかもしれないな!」
淡「や、やだなぁもう菫先輩ったら…
かわいいだなんて本当のこと…
て、照れちゃうよ?」
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照「それで、人形を抱いてきたんだ…」
あわあわ人形「……」
菫「あぁ、どちらにせよ社会的には抹殺されるが…
私はまだ、同情の余地がある方を選んだ」
照「でもこうなると、私も楽勝とはいかなさそうだね」
菫「お前は何と戦ってるんだ」
照「普通に麻雀だけど。もしかして、菫、
その人形の恐ろしさに気づいてないの?」
菫「この人形が私に与える社会的影響なら
十分すぎるほど危惧しているが?」
照「…気づいてないならいい」
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ワイワイ、ガヤガヤ
亦野「ん、どうしたんだ…?やけに部室が騒がしいけど…
おーい、集中しなきゃだめだぞー」
尭深「…誠子ちゃん…これを鎮静化するのは無理」
亦野「尭深まで…一体何があったって言うのさ?」
尭深「…これを見て」
亦野「…ん?インカレの予選中継?
それなら後から録画したのを皆で見るはずじゃ…
亦野「って、これは…!?」
尭深「…弘世先輩が人形を抱きながら麻雀を打ってる」
部員A「すごいんですよ弘世先輩!
さっきから、大きな上がりを連発してるんです!!」
部員B「部員も全員大盛り上がりです!」
部員C「でも、なんで人形なんか抱いてるんだろうね」
部員D「ていうか、あれって大星さんに似てない?」
部員B「やっぱりあのうわさ、本当だったんだ…」
部員C「うわさって?」
部員B「弘世先輩って、大星さんと同棲してるらしいよ?
もう、大星さんにべったりだって…
週刊誌にも書かれてるし」
部員A「なるほど…だから人形があって初めて
本来の力が出せるってことなんだ!
愛のなせる業だね!!」
ワイワイ、ガヤガヤ
亦野「弘世先輩…心中、お察しします…」
尭深「…目が死んだ魚みたいになってる」
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菫「ロン…12000」
解説「おーとっ!弘世選手のハネ満直撃炸裂!!
オーラスを待たずに試合終了だー!!」
靖子「…勝ったくせに逃げるように走り去っていったな」
解説「喜ぶどころか、目もどこか虚ろで泣きそうでしたね…」
解説「それにしても、これまでの弘世選手は
狙った相手から直取りができる分、
あまり大きな手役を作ることはなかったはずですが…
これはどういうことでしょうか?」
靖子「今大会の彼女は、聴牌スピードが大幅に上がっている。
ゆえに、大きな役を作る余裕ができるんだろう。
ロンの12000は三倍満の親っかぶりに等しいから、
これは脅威だぞ」
解説「そ…その根源となっているのが…」
靖子「そう」
靖子「あわあわ人形だ」
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照(麻雀において、菫と淡の相性は最悪と言っていい)
照(菫のスタイルは、相手の当たり牌を予測し、
そこからこぼれる牌を狙い撃つというもの)
照(それは逆に言えば、相手より早く
手役を完成させる必要があるということ)
照(にもかかわらず、淡と対局するとほぼ確実に
自分は五向聴スタート)
照(これでは勝つのは難しい)
照(でも、菫は淡と暮らし始めてから、
そんな麻雀を毎晩強いられてきた。
負けたら『夜の』罰ゲームというおまけつきで…)
照(結果、強制的に毎晩魔物としての力を磨かれた菫は…
淡に対抗して、聴牌スピードが
大幅に上がるようになった)
照(問題は、それが発揮されるのは淡がいる時だけ、
ということだけど…)
照(あわあわ人形が、疑似的に淡がいる効果をもたらす)
照(淡の絶対安全圏がない状態で、
仮に絶対安全圏があったとしても
それに打ち勝てる聴牌スピードを持ち、
かつ相手を狙い撃ちできる菫…)
照(これは、面白くなってきた)
照(菫の社会的生命の行方と同じくらい…)
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記者「決勝進出おめでとうございます!
破竹の快進撃でしたね!」
菫「…ありがとうございます」
記者「弘世選手というと、高火力でゴリ押しするよりは、
取るべき相手から必要なだけ点数を
直取りをする印象がありましたが、
今日はずいぶん違いましたね。
変化に至った経緯をお聞きしてもよろしいですか?」
菫「ここ最近魔物連中と特訓する機会があったので、
そのおかげで聴牌スピードが
上がったのが原因かもしれません」
記者「その魔物というのは、やはり
そこにいらっしゃる方のことでしょうか!?」
あわあわ人形「……」
菫「ノーコメントです」
記者「弘世選手というと、大星選手との熱愛が有名ですが、
やはり今回も愛の力によるものということで
よろしいのでしょうか!?」
菫「今回もってなんですか!?
そもそも私はあいつとつきあった覚えはない!!」
記者「し、しかし…その人形の名札の裏部分に、
『私の愛する淡』の文字が刻まれているようですが…」
菫「あわぃいいいいいっ!!?」
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淡「やるじゃん菫先輩!大活躍だよ!!」
菫「なぁ、もう明後日の決勝、棄権してもいいか?
若干心が折れそうなんだが」
淡「あれだけ活躍しておいて
なんで棄権する必要があるのさ?」
菫「うるさい!今日一日だけで、
私がこれまで築いてきたイメージが
一瞬にして崩壊したんだぞ!」
照「冷酷無比なシャープシューター、
一夜にして人形遊びが大好きな乙女に転身」
菫「お前も追い打ちをかけるな!」
誠子「…白糸台では、弘世先輩と淡は
公認カップル扱いになっちゃってますね…」
尭深「…というか、なんで記者会見にまで
人形を連れて行ったんですか…」
菫「仕方ないだろう!連れてかないと淡の奴が
会場でガチ泣きするんだぞ!?」
誠子「完全に手玉に取られてますね…」
尭深「…いっそ本人を連れて行けばいいのに」
淡「まったくもって!」
菫「こんなのを連れて行ったら、
記者の前で何を話すかわからないだろうが!」
淡「私たち、結婚します!!」
菫「するな!」
菫「くそっ…私は諦めないぞ…
いつかこの誤ったイメージを払拭して
硬派な打ち手という評価を取り戻してやる…!」
照「菫じゃ無理だと思うよ」
照(自分の服全てに「淡ラブ」の刺繍が
ほどこされていることにすら
気づかない菫では、ね…)
淡「……」
淡「……!」
淡「まぁ、本気でいやそうだし、
決勝はあわあわ人形なしでいいよ?」
菫「ほ、本当か!?」
淡「淡に二言はない!」
菫「ありがとう…!本当にありがとう…!!
これで、今日はぐっすり眠れそうだ…!」
尭深(…悩みの原因を作ったのは淡ちゃんなんだけど…)
誠子(弘世先輩、こんなにポンコツだったっけ…)
照「……!」
照(…なるほど、そういうことか…)
照(…でも、菫本人が気づいてないなら黙っておこう…)
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インターカレッジ決勝戦終了後。
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記者「決勝戦お疲れ様でした…」
菫「……」
記者「一昨日の準決勝とは異なり、
以前の弘世選手の打ち筋に
戻ったように感じましたが、いかがでしょうか?」
菫「…そうですね」
記者「決勝戦での失速の原因については、ご本人としては
どのように考えられているのでしょうか?」
菫「……ノーコメントで」
記者「失礼ながら…失速の原因は、
あわあわ人形がなかったから…
ではないのでしょうか?」
菫「……」
記者「あわあわ人形がなかったために、
弘世選手本来の力が
発揮できなかったのではないでしょうか?」
菫「……」
記者「弘世選手?あわあわ?」
菫「…その通りですよちくしょう!」
記者「!やはり、弘世選手は大星選手がいないと
ダメという事ですね!?」
菫「そこまでは言ってない!
あんた裏で大星とつながってんじゃないのか!?」
菫(くそっ!やけにすんなり人形同行を諦めるから
おかしいとは思ったんだ!)
菫(これが狙いだったのか…!…淡ぃいいいい!!!)
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『 ウィークリー麻雀TODAY 記事一覧
【特集 弘世菫失速の理由】
宮永照に並ぶ期待の新鋭、弘世菫。
準決勝までは飛ぶ鳥を落とす勢いだった彼女が、
決勝戦で大きく失速した理由…それは
『だって、あわあわ人形がなかったから!』
愛する人の人形がないと力を発揮できない!?
意外にかわいいシャープシューターの素顔に迫る!
……
』
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淡「……」
パサリ
淡「うんうん、わかってるじゃんウィークリー麻雀TODAY!」
淡「やっぱり菫先輩は、私がいないとダメなんだよね!!」
(完)
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クォーターあわあわ可愛い!
次も期待してます!
書いてて淡がかわいくなってきたので
ついイラストまで描いてしまいました。
ちなみにこのシリーズは次で完結です。