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【咲SS:菫淡】淡「私たち、結婚します!」【ヤンデレ】【完結】
<タイトル>
淡「私たち、結婚します!」
<あらすじ>
弘世菫の卒業と共に、高校を自主退学した大星淡。
インカレの大会に、大星淡の人形を持ち込んだ弘世菫。
世間を散々賑わせた、お騒がせカップルの行方はいかに!?
淡「完結編だよ!!」
<バックナンバー>
淡「これが始まりだよ!」
淡「これの続きだよ!」
<登場人物>
大星淡,弘世菫,宮永照,竹井久,末原恭子,福与恒子,小鍛治健夜,渋谷尭深,亦野誠子
<症状>
ヤンデレ(かわいい)
<その他>
※照が珍しく病んでません。
※原作キャラ崩壊しています。ご注意を。
※スミレさんが原作より強い(根拠はあり)。
※末原さんがカタカタしますが一応普通に強キャラ設定です。
--------------------------------------------------------
照「二人とも、合格おめでとう」
尭深「…ありがとうございます」
誠子「ありがとうございます!」
照「これで、うちの大学もますます強化される」
誠子「といっても、団体戦は宮永先輩と弘世先輩だけでも
無双状態ですから、あんまり意味ないですけどね」
照「否定はしない。でも、私たちがいなくなった後、
次を担うのはあなたたちであってほしい」
尭深「はい」
誠子「はい!」
照「…ということで、ここが一軍ルーム。
と言ってもここは、菫と私の個人ルーム扱いだけど」
誠子「虎姫ルームみたいなもんですかね?」
照「そう。公式試合優秀者にはこれとは別に
個人ルームも割り当ててもらえるから頑張って」
ガチャッ
照「菫、ただいま」
菫「ああ、おかえり…お、尭深に亦野も来たのか!
ってことは合格したんだな!おめでとう!」
尭深「……」
誠子「……」
菫「ん?どうした二人とも?」
誠子「えーっと…」
尭深「…その人形は?」
あわあわ人形(等身大)×2
あわあわ人形(ハーフ)×2
あわあわ人形(クオーター)×2
あわあわ人形(ミニ)×2
あわあわ
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
菫人形(等身大)×2
菫人形(ハーフ)×2
菫人形(クオーター)×2
菫人形(ミニ)×2
「……」
「……」
「……」
「……」
菫「これか?見ての通りだが」
尭深「…なんで、人形がこんなにたくさんあるんですか…?」
あわあわ
「そりゃぁ用途に応じて使い分けるためだよ!」
誠子「うぁあああっ!?しゃべったぁああああ!?」
淡「そりゃしゃべるよ、人間だもの」
誠子「なんで人形に紛れてるんだよ!?」
淡「サプライズイベントです!」
尭深「…用途って?誠子「ノーリアクション!?」
淡「えっと、大きい奴が普段使いで、
後は外に持ってく時の携帯用だね!」
菫「クォーターは対局でも使用するな」
淡「ミニは、表立って人形を持っていけないような
お堅いところ用だね!」
菫「2体ずつあるのは交互に洗うためだ」
誠子「まさか当然の事のように説明されるとは」
尭深「…汚染されちゃったんですか?」
照「…今では菫も汚染する側」
--------------------------------------------------------
福与恒子
「今年も始まりました、毎年恒例プロアマ交流マッチ!
今回はしょっぱなからドリームカードだー!!」
小鍛治健夜
「かたや大学に進学した宮永選手と弘世選手。
かたやプロに入籍した竹井選手と末原選手。
この四人の対局を見たかった人は多いと思います」
恒子「ぶっちゃけすこやんプロは誰が勝つと思いますか!?」
健夜「すこやんプロ!?せめて開始1分くらいは
おとなしく解説しようよ!?」
健夜「…コホン、そうですね…三人の力は拮抗していますから、
誰が勝つかの予想は難しいですが…
注目したいとすれば、その中で一人だけ
オプションがない末原選手がどう動くかは気になりますね」
恒子「ぼっち末原の明日はどっちだ!?」
健夜「失礼だよ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
照「…負けない。この日のために、わざわざ人形もこしらえた」
咲人形「……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「それはこっちの台詞だ。所詮は娯楽番組ではあるが、
あまり醜態を晒すと淡がうるさいからな」
あわあわ人形「……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
久「ま、照には負けないかな?何しろこっちは
本物の咲が作った人形だしね!」
咲さん人形「……」
ちょーん
恭子「……」
恭子「……」カタ
恭子「……」カタカタカタカタ
恭子(き、聞いてへん…聞いてへんよ…!)
恭子(なんやこれ!?なんやのこれ!?)
恭子(なんで、なんで魔物が揃い踏みして、
みんなして人形抱えとるん!?)
恭子(うち、普通の麻雀打ちに来ただけなんやけど!?)
……
菫「全開で行かせてもらう!絶対安全領域!!」
恭子(なんやこのひっどい配牌は…!)タン
菫「ロン!!」ドシュッ!!
恭子(はっ…!?)ズドッ
恒子『末原選手、早速シャープシューターの罠に引っかかったー!』
健夜『大星さんの加護で配牌が悪くなっている状態で、
最速の役作りをすると狙われる…これは脅威ですね』
……
照「それでも私は上回る…ツモ」バラララッ
恭子(速すぎやろ!?)
恒子『さすがチャンピオン!超スピードは健在だー!』
健夜『残りの選手も序盤の宮永選手には
対抗しない方針のようですね…
あのスピードは相当なものだと思います』
……
久「リーチ!」
恭子(来た!竹井の悪待ち…!ここはまずは安牌から…!)タン
久「あ、それ切っちゃうかー、カン!」
ヒュッ…パシッ…ダァアン!!
久「嶺上開花!!」
恭子「フリテン牌で大明槓して嶺上!?」
恒子『どゆこと?』
健夜『普通フリテン状態でロンはできませんが、
今回の交流マッチルールでは
フリテンの牌で大明槓した後に、
王牌でツモあがりすることは
認められています。しかも責任払いです。
もっとも通常であればまず考慮しないケースですが…
宮永咲さんの加護がある竹井選手に対して
これはうかつでしたね』
照「…さすがにやる」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「だが、勝つのは私だ」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
久「さて、それはどうかしら?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
恭子「ふ、ふつ、ふつーのまーじゃん、さ、させ」カタカタ
--------------------------------------------------------
恭子『ふ、ふつ、ふつーのまーじゃん、さ、させ』
洋榎「ちょ!恭子やられっぱなしやないか!
それでもプロか!?
うちが参加しとれば逆にサンコロにしたるのに!」
絹恵「いやあれはしゃーないよ…
うちも、あの卓には混ざりたないなぁ」
漫「末原先輩…うちが、うちが人形を渡しとれば…!」
由子「人形で強くなるとか、そんなオカルトありえんのよー」
--------------------------------------------------------
照「あの対局以来、インカレやプロの大会でも、
強い人は大切な人の人形を装備するのが標準になった」
誠子「いや、なってませんからね!?
せいぜい三尋木プロとか野依プロとか
ちょっとアレな方向のプロの方だけですからね!?」
淡「トッププロにも影響を与える私!」
尭深「…弘世先輩は嫌がってたんじゃなかったんですか?」
菫「まぁ、正直最初は死ぬほど嫌だったんだが…
実際人形がないと弱くなるのは事実だし、
早い段階で散々アレで弄られたからな」
菫「開き直っていつも持って行ってたら、
いつの間にか、ないと落ち着かなくなってな」
照「見事なパブロフの犬」
菫「お前だって咲ちゃんの人形を持ってきたじゃないか」
照「あれはただのパフォーマンス。
もしかして末原さんまで人形持ってきてたら
私が『ぼっちだよー』になっちゃうし」
菫「なんだその理由は…愛がなさすぎだろう」
照「まさか菫に愛を語られるとは」
尭深「…弘世先輩、もしかして淡ちゃんより悪化してませんか?」
菫「む、それは心外だな。さすがに淡ほどひどくはないぞ?」
菫「淡、ちょっと人形無しで部屋の外に出てみろ」
淡「死ねって言うの!?」
菫「…キスマーク」
淡「ぐっ…30秒だよ!?30秒が限界だからね!?」
菫「1分我慢しろ」
淡「死ねって言うの!?」
菫「いいのか?好きなところにお前の痕をつけられるんだぞ?
こんな機会を逃していいのか?」
淡「ぐっ…わかったよ!その代わり、
痕つけたままインタビューとか受けてもらうからね!」
パタパタ…ガチャン
菫「……」
照「……」
尭深「……」
誠子「……」
ガチャン!!ダダダダ
淡「グスッ、ムリぃいいい!!
一分とかムリだってばぁぁぁあああ!!!」
ぎゅーっ!!
菫「悪かった悪かった…でも、約束は約束だから
キスマークはなしな?」ゾクゾク
淡「ひどぃいいい!!!びぇえええん!!」
誠子「これはひどい」
照「…菫、すごくエロい顔してる」
尭深「…明らかに淡ちゃんをいじめて興奮してますね…」
誠子「ちなみに、弘世先輩は人形なくても平気なんですか?」
菫「ふっ…淡と一緒にするな。
私の場合は、ちょっと震えが止まらなくなるだけだ」
誠子「割と重症じゃないですか!?」
照「この二人に付き合わされるこっちの身にもなってほしい」
照「…前もこんなことがあった」
--------------------------------------------------------
菫「……」カチカチカチ
照「……」
菫「…ふふっ」カチカチカチ
照「菫、キモい」
菫「いきなりひどいな!?」
照「だって…さっきからずっと携帯をいじって
ニヤニヤしてる」
菫「仕方ないだろう。こんなものを見せられては」
照「こんなもの?」
菫「これだ」
『From:淡
---------------------------------------------------
スミレ、もうすぐ講義終わるよね?今からそっち行くよー』
『From:淡
---------------------------------------------------
あーもう、実習がある講義って大キライ!
紛れ込んでるとバレちゃうし! 』
『From:淡
---------------------------------------------------
スミレ?携帯見てる? 』
『From:淡
---------------------------------------------------
ねぇスミレ?なんで返事くれないの? 』
『From:淡
---------------------------------------------------
スミレ?返事ほしいよ。さみしいよ 』
『From:淡
---------------------------------------------------
スミレ?携帯見てよ!お願いだから!! 』
『From:淡
---------------------------------------------------
なんで電話も取ってくれないの!?
携帯電源入ってるよね!? 』
『From:淡
---------------------------------------------------
もしかして、私なんか悪いことした?
謝るから、ごめんなさい 』
『From:淡
---------------------------------------------------
むしはもうやだよ!あやまるからゆrしてよ!
なnでもするから!! 』
照「これはひどい」
菫「だんだん焦って正気を失っていくのが
たまらなく可愛いいだろう?」ゾクゾクッ
照「そのうち本当に刺されるよ?」
菫「そしたら、その後淡は自分のしたことに愕然として、
血まみれのまま泣きじゃくって、
私の後を追うんだろうな…
想像しただけでこう、ぐっとこないか?」
照「どうしよう親友が手遅れ」
--------------------------------------------------------
照「…とまぁ、こんな感じ」
淡「あれはひどかったよね!スミレは畜生だよ!鬼畜生!」
菫「その後好きなようにさせてやっただろう?」
尭深「…なんというか…」
誠子「淡がひどくなったの、弘世先輩のせいじゃないですか?」
照「正解」
淡「責任取ってよ!具体的には結婚して!」
誠子「責任重!?」
菫「……」
淡「…え、ちょっと、なんでそこでだまっちゃうの!?」
菫「心配するな淡。私は、
自分で責任を取れないことはしない主義だ」
淡「え、それって…」
菫「次の公式試合を楽しみにしているといい」
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--------------------------------------------------------
菫「と、言うわけで…照。悪いが今日は勝たせてもらうぞ」
照「私にとっては、この試合は大した意味をもたない」
照「でも、菫にとっては、大きな意味を持つんだね」
菫「ああ」
照「だったら…逆に手を抜くわけにはいかない。
全力で…全身全霊をもって臨ませてもらう」
菫「ああ、それでいい。こちらとしても、
全力のお前を倒さなければ意味がない」
菫「この戦い…私の命を懸けてでも、絶対に勝つ」
--------------------------------------------------------
恒子『さて始まりました春季大会個人決勝戦!
どうやら今回も宮永選手とシャープシューターの
直接対決になりそうですね!』
健夜『なんで弘世さんだけ絶対名前で呼ばないの!?』
恒子『二人の対戦はもはや恒例となっていますが、
過去の対戦では全てチャンピオンこと
宮永選手が勝利しています!
すこやんプロ的には、勝敗の行方は
どう予想してますか!?』
健夜『すこやんプロって言うのやめてよ!?』
健夜『…コホン、そうですね…
過去の対戦成績だけで判断するなら、
宮永選手が勝つ可能性が高いと思います』
健夜『ですが…これまで弘世選手は、
あまり個人戦には興味がないというか…
執着していないように見えました』
健夜『でも、今回の弘世選手は違います。
絶対に勝つ、という決意を持って
臨んでいるように見えました』
健夜『だから、勝敗の行方は分かりません。
ただ、言えることは…二人の対局の中でも、
過去最高のハイレベルな戦いになると思います』
--------------------------------------------------------
菫「……」
照「……!」
照(絶対安全領域…!)
恒子『おーっと!これは珍しい!
宮永選手の配牌が二向聴だー!』
健夜『大学に入ってから弘世選手は、
聴牌スピードの向上と相手の配牌を悪くする
能力を身につけたようですが…
公式試合で後者を使ったのは初めてですね』
恒子『なんで?いつも使えばいいのに』
健夜『過去に記者会見で本人が答えていますが…
自分自身の力じゃないから大会では
頼らないと言っていましたね』
恒子『でも…今回その戒めを破った…?』
健夜『それだけ、今回の一戦に懸ける
思いが強いことの表れかと思います』
照「ツモ。500オール」
恒子『それでもチャンピオンは防げない!
先制は宮永照だー!!』
健夜『宮永選手も、今回は様子見をしませんでしたね。
弘世選手に集中しているという事でしょうか』
菫「……」
菫(さすが照…これでも初手は食い止められないか)
菫(だが…そんなことは最初からわかっていたこと)
菫(狙うは、スピードが遅くなる満貫からだ…!)
……
照「三本場」
照「……!」
照(今度は、三向聴)
照(菫…本気なんだね)
…
菫「ロン!タンヤオ、イーペイ、ドラ1!
40符は5200!!」
恒子『シャープシューターの一閃!
チャンピオンの連続和了は3でストップ!』
健夜『宮永選手の連続和了が三本場目で破られたのは、
大学に入ってからはこれが初めてですね』
恒子『でも、チャンピオンの点数は動いてないので
まだチャンピオンのトップは変わりません!』
菫「……」
菫(そう…結局のところ、照に勝つには
照自身から直取りするか、
照の連荘の合計を上回る点数を
他家から奪う必要がある)
菫(このままでは、ジリ貧なのは事実)
菫(だが、焦るな…今はじっと、時を待て)
……
……
恒子『局面はついにオーラス!
チャンピオンとシャープシューターの対決も
最終局面を迎えました!』
恒子『一進一退の攻防を繰り広げる二人ですが、
わずかにチャンピオンが上を行く展開!
これまでシャープシューターは
まだ一度も宮永選手に
直撃をぶち当てることができてません!』
健夜『ですが…二人の間に決定的な
点差もついてはいません。
弘世選手は、宮永選手に満貫を直撃するか、
ハネマンあがりで逆転が可能です』
菫「……」
菫(直撃8000、もしくは12000でまくれる)
菫(守備も堅い照を射抜くよりは、後者の方が楽だろう)
菫(だが…照、私はあえて、お前を射抜く)
菫(お前に対する、淡の憧憬を拭い去るために…!)
菫(そのために本人の力を借りるのはかっこ悪いが…
淡…力を貸してくれ!)
照「……!」
照(ここに来て…四向聴…!)
照「……!?」
菫「……」ピクン
照(菫…その癖は…直したはずじゃ…)
菫「……」
菫(隠すつもりなどない。私は、お前を狙うぞ)
菫(お前を射抜いて、倒してみせる!)
恒子『ここに来て、チャンピオンの配牌は四向聴!
さらに、シャープシューターは絶好の配牌!
天はシャープシューターに味方したか!?』
健夜『これは、運まかせではありませんね…
弘世選手の能力だと思います。
ただ、自身の聴牌スピードアップと、
他家のスピードダウンの両方を
かけたのは今回が初めてです。
…無理をしていなければよいのですが』
菫「…っ!」
くらっ
菫「…失礼」
照「……!」
照(菫…もしかして、『重ね掛け』してるの?)
照(それは…園城寺さんと同じ。今の菫には過ぎた力)
照(あんな風に、倒れてでも…勝ちたいというの?)
菫(無茶は承知だ!)
菫(絶対安全領域は、元々私のものじゃない)
菫(そもそも単体でも多用することはできない)
菫(だが…)
菫(ここで勝たなければ…どのみち私に明日はない!)
照「……」
照(菫が、私を狙っているのは明白…)
照(そして、菫が無理しているのも確実…)
照(私がこの試合に安全に勝ちたいなら、
ここはベタオリすればいい)
照(流れればそのまま私の勝ち、
仮に続いても、菫に2回連続
重ね掛けする力は残ってないはず)
照(でも…この挑戦から逃げることは…
この最終局で、私が菫に負けたことを認めるのと同じ)
照(いいよ、菫。その挑戦、受けてあげる)
照(その上で…私はあなたの上を行く!)
恒子『…!チャンピオンは素直に役を作っていきます!
これはチャンピオン、自分が
的になっていることに気づいてないか!?』
健夜『いえ、間違いなく気づいていると思います。
その上で、押し勝つつもりなのでしょう』
恒子『この最終局面でガチンコバトル!
面白くなってきました!!』
菫「……っ」タン
ぐらっ
菫(目が、かすむ…的が…ぶれる…)
照「……」タン
照(菫…相当無理してる…)
菫「……」タン
ぐらりっ
菫(めまいがする…身体から、力が、抜けていく…)
照「……」タン
照(菫…)
菫「……」
ぐらあっ…
照「……!?」
菫(……)
菫(…すまない、淡…意識が……)
菫(………)
淡『スミレ!!』
菫(……!)
菫(…ありがとう、淡)
照「……!」
照(菫の目に…力が戻った?)
照「……」
照「……」タン
菫(……!!)
菫「ロン!」
照「……!」
菫「……」
菫「中、三暗刻、ドラ1!」
菫「……8000!!」
恒子『ちょっ…直撃ー!!!オーラスに来て
シャープシューターの真骨頂が炸裂!!!
チャンピオンに満貫直撃だー!!』
恒子『そして…決着!!!
まくったー!シャープシューター、
ついに、チャンピオン宮永照の
不敗神話を破りました!!!』
健夜『執念、ですね…まさに、その一言です。
思いの強さでもぎ取った勝利だと思います』
菫「……」
菫「……」
ぐらぁ…
照「菫!!」
ガシッ…
菫「……すまない、助かった」
照「…ここで、倒れるのは無しでしょ」
菫「…ああ」
菫「…淡を、迎えに行かなければ」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
カシャカシャッ!カシャカシャッ!
記者「優勝おめでとうございます!」
菫「ありがとうございます」
記者「これまでも弘世選手は輝かしい成績を
あげてきましたが、宮永選手を抑えての優勝は
初めてかと思います。今の心境はいかがですか?」
菫「今回の戦いは、絶対に負けられなかったので
私の全てを懸けて臨みました。
今は勝つことができてほっとしています」
記者「確かに、今回の弘世選手には
鬼気迫るものを感じました。
今回の大会には、特別な
思い入れがあったということですか?」
菫「失礼ながら、大会自体には特別な
思い入れがあるわけではありません。
ただ、私の中で今日という日を、
一つの区切りにするつもりでしたので」
記者「その、区切りとは何ですか?」
菫「……」
記者「弘世選手?」
菫「私は、公式の大会で照を倒したら、
ある告白をすると決めていました」
菫「今、ここに宣言します」
菫「淡…好きだ」
淡「……!」
菫「私と、一生を共にしてほしい」
淡「……ぐすっ…」
淡「…はいっ…!」
--------------------------------------------------------
菫『私と、一生を共にしてほしい』
照「なるほど…それであの闘牌か」
尭深「…すごい、戦いでしたね…」
誠子「これ、宮永先輩は知ってたんですか?」
照「ううん。淡も知らなかったみたいだし、
誰も知らなかったと思う。
まぁでも、菫の気合の入れようからして、
何かあるとは思ったけど」
誠子「手を抜いたりはしてないんですよね?」
照「まさか。全力中の全力だった」
照「単に、二人の絆が私を上回ったってことでしょ」
尭深「…今回の一騎打ち、名勝負として
記憶に残るでしょうね…
みんなの中でも…淡ちゃんの中でも」
照「菫は朴念仁でドSのくせに、
こういうところだけは
絶対に外さないからたちが悪い」
誠子「こんなプロポーズされたら、
淡の奴また悪化しそうですね」
尭深「…間違いない」
照「まぁ、それならそれで菫が何とかするでしょ。
お互いもう末期なんだし」
照「まぁ、何はともあれ…」
照「おめでとう、二人とも」
--------------------------------------------------------
菫「というわけで、ご覧の通りです」
淡「私たち、結婚します!」
(完)
淡「私たち、結婚します!」
<あらすじ>
弘世菫の卒業と共に、高校を自主退学した大星淡。
インカレの大会に、大星淡の人形を持ち込んだ弘世菫。
世間を散々賑わせた、お騒がせカップルの行方はいかに!?
淡「完結編だよ!!」
<バックナンバー>
淡「これが始まりだよ!」
淡「これの続きだよ!」
<登場人物>
大星淡,弘世菫,宮永照,竹井久,末原恭子,福与恒子,小鍛治健夜,渋谷尭深,亦野誠子
<症状>
ヤンデレ(かわいい)
<その他>
※照が珍しく病んでません。
※原作キャラ崩壊しています。ご注意を。
※スミレさんが原作より強い(根拠はあり)。
※末原さんがカタカタしますが一応普通に強キャラ設定です。
--------------------------------------------------------
照「二人とも、合格おめでとう」
尭深「…ありがとうございます」
誠子「ありがとうございます!」
照「これで、うちの大学もますます強化される」
誠子「といっても、団体戦は宮永先輩と弘世先輩だけでも
無双状態ですから、あんまり意味ないですけどね」
照「否定はしない。でも、私たちがいなくなった後、
次を担うのはあなたたちであってほしい」
尭深「はい」
誠子「はい!」
照「…ということで、ここが一軍ルーム。
と言ってもここは、菫と私の個人ルーム扱いだけど」
誠子「虎姫ルームみたいなもんですかね?」
照「そう。公式試合優秀者にはこれとは別に
個人ルームも割り当ててもらえるから頑張って」
ガチャッ
照「菫、ただいま」
菫「ああ、おかえり…お、尭深に亦野も来たのか!
ってことは合格したんだな!おめでとう!」
尭深「……」
誠子「……」
菫「ん?どうした二人とも?」
誠子「えーっと…」
尭深「…その人形は?」
あわあわ人形(等身大)×2
あわあわ人形(ハーフ)×2
あわあわ人形(クオーター)×2
あわあわ人形(ミニ)×2
あわあわ
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
菫人形(等身大)×2
菫人形(ハーフ)×2
菫人形(クオーター)×2
菫人形(ミニ)×2
「……」
「……」
「……」
「……」
菫「これか?見ての通りだが」
尭深「…なんで、人形がこんなにたくさんあるんですか…?」
あわあわ
「そりゃぁ用途に応じて使い分けるためだよ!」
誠子「うぁあああっ!?しゃべったぁああああ!?」
淡「そりゃしゃべるよ、人間だもの」
誠子「なんで人形に紛れてるんだよ!?」
淡「サプライズイベントです!」
尭深「…用途って?誠子「ノーリアクション!?」
淡「えっと、大きい奴が普段使いで、
後は外に持ってく時の携帯用だね!」
菫「クォーターは対局でも使用するな」
淡「ミニは、表立って人形を持っていけないような
お堅いところ用だね!」
菫「2体ずつあるのは交互に洗うためだ」
誠子「まさか当然の事のように説明されるとは」
尭深「…汚染されちゃったんですか?」
照「…今では菫も汚染する側」
--------------------------------------------------------
福与恒子
「今年も始まりました、毎年恒例プロアマ交流マッチ!
今回はしょっぱなからドリームカードだー!!」
小鍛治健夜
「かたや大学に進学した宮永選手と弘世選手。
かたやプロに入籍した竹井選手と末原選手。
この四人の対局を見たかった人は多いと思います」
恒子「ぶっちゃけすこやんプロは誰が勝つと思いますか!?」
健夜「すこやんプロ!?せめて開始1分くらいは
おとなしく解説しようよ!?」
健夜「…コホン、そうですね…三人の力は拮抗していますから、
誰が勝つかの予想は難しいですが…
注目したいとすれば、その中で一人だけ
オプションがない末原選手がどう動くかは気になりますね」
恒子「ぼっち末原の明日はどっちだ!?」
健夜「失礼だよ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
照「…負けない。この日のために、わざわざ人形もこしらえた」
咲人形「……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「それはこっちの台詞だ。所詮は娯楽番組ではあるが、
あまり醜態を晒すと淡がうるさいからな」
あわあわ人形「……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
久「ま、照には負けないかな?何しろこっちは
本物の咲が作った人形だしね!」
咲さん人形「……」
ちょーん
恭子「……」
恭子「……」カタ
恭子「……」カタカタカタカタ
恭子(き、聞いてへん…聞いてへんよ…!)
恭子(なんやこれ!?なんやのこれ!?)
恭子(なんで、なんで魔物が揃い踏みして、
みんなして人形抱えとるん!?)
恭子(うち、普通の麻雀打ちに来ただけなんやけど!?)
……
菫「全開で行かせてもらう!絶対安全領域!!」
恭子(なんやこのひっどい配牌は…!)タン
菫「ロン!!」ドシュッ!!
恭子(はっ…!?)ズドッ
恒子『末原選手、早速シャープシューターの罠に引っかかったー!』
健夜『大星さんの加護で配牌が悪くなっている状態で、
最速の役作りをすると狙われる…これは脅威ですね』
……
照「それでも私は上回る…ツモ」バラララッ
恭子(速すぎやろ!?)
恒子『さすがチャンピオン!超スピードは健在だー!』
健夜『残りの選手も序盤の宮永選手には
対抗しない方針のようですね…
あのスピードは相当なものだと思います』
……
久「リーチ!」
恭子(来た!竹井の悪待ち…!ここはまずは安牌から…!)タン
久「あ、それ切っちゃうかー、カン!」
ヒュッ…パシッ…ダァアン!!
久「嶺上開花!!」
恭子「フリテン牌で大明槓して嶺上!?」
恒子『どゆこと?』
健夜『普通フリテン状態でロンはできませんが、
今回の交流マッチルールでは
フリテンの牌で大明槓した後に、
王牌でツモあがりすることは
認められています。しかも責任払いです。
もっとも通常であればまず考慮しないケースですが…
宮永咲さんの加護がある竹井選手に対して
これはうかつでしたね』
照「…さすがにやる」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「だが、勝つのは私だ」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
久「さて、それはどうかしら?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ
恭子「ふ、ふつ、ふつーのまーじゃん、さ、させ」カタカタ
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恭子『ふ、ふつ、ふつーのまーじゃん、さ、させ』
洋榎「ちょ!恭子やられっぱなしやないか!
それでもプロか!?
うちが参加しとれば逆にサンコロにしたるのに!」
絹恵「いやあれはしゃーないよ…
うちも、あの卓には混ざりたないなぁ」
漫「末原先輩…うちが、うちが人形を渡しとれば…!」
由子「人形で強くなるとか、そんなオカルトありえんのよー」
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照「あの対局以来、インカレやプロの大会でも、
強い人は大切な人の人形を装備するのが標準になった」
誠子「いや、なってませんからね!?
せいぜい三尋木プロとか野依プロとか
ちょっとアレな方向のプロの方だけですからね!?」
淡「トッププロにも影響を与える私!」
尭深「…弘世先輩は嫌がってたんじゃなかったんですか?」
菫「まぁ、正直最初は死ぬほど嫌だったんだが…
実際人形がないと弱くなるのは事実だし、
早い段階で散々アレで弄られたからな」
菫「開き直っていつも持って行ってたら、
いつの間にか、ないと落ち着かなくなってな」
照「見事なパブロフの犬」
菫「お前だって咲ちゃんの人形を持ってきたじゃないか」
照「あれはただのパフォーマンス。
もしかして末原さんまで人形持ってきてたら
私が『ぼっちだよー』になっちゃうし」
菫「なんだその理由は…愛がなさすぎだろう」
照「まさか菫に愛を語られるとは」
尭深「…弘世先輩、もしかして淡ちゃんより悪化してませんか?」
菫「む、それは心外だな。さすがに淡ほどひどくはないぞ?」
菫「淡、ちょっと人形無しで部屋の外に出てみろ」
淡「死ねって言うの!?」
菫「…キスマーク」
淡「ぐっ…30秒だよ!?30秒が限界だからね!?」
菫「1分我慢しろ」
淡「死ねって言うの!?」
菫「いいのか?好きなところにお前の痕をつけられるんだぞ?
こんな機会を逃していいのか?」
淡「ぐっ…わかったよ!その代わり、
痕つけたままインタビューとか受けてもらうからね!」
パタパタ…ガチャン
菫「……」
照「……」
尭深「……」
誠子「……」
ガチャン!!ダダダダ
淡「グスッ、ムリぃいいい!!
一分とかムリだってばぁぁぁあああ!!!」
ぎゅーっ!!
菫「悪かった悪かった…でも、約束は約束だから
キスマークはなしな?」ゾクゾク
淡「ひどぃいいい!!!びぇえええん!!」
誠子「これはひどい」
照「…菫、すごくエロい顔してる」
尭深「…明らかに淡ちゃんをいじめて興奮してますね…」
誠子「ちなみに、弘世先輩は人形なくても平気なんですか?」
菫「ふっ…淡と一緒にするな。
私の場合は、ちょっと震えが止まらなくなるだけだ」
誠子「割と重症じゃないですか!?」
照「この二人に付き合わされるこっちの身にもなってほしい」
照「…前もこんなことがあった」
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菫「……」カチカチカチ
照「……」
菫「…ふふっ」カチカチカチ
照「菫、キモい」
菫「いきなりひどいな!?」
照「だって…さっきからずっと携帯をいじって
ニヤニヤしてる」
菫「仕方ないだろう。こんなものを見せられては」
照「こんなもの?」
菫「これだ」
『From:淡
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スミレ、もうすぐ講義終わるよね?今からそっち行くよー』
『From:淡
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あーもう、実習がある講義って大キライ!
紛れ込んでるとバレちゃうし! 』
『From:淡
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スミレ?携帯見てる? 』
『From:淡
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ねぇスミレ?なんで返事くれないの? 』
『From:淡
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スミレ?返事ほしいよ。さみしいよ 』
『From:淡
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スミレ?携帯見てよ!お願いだから!! 』
『From:淡
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なんで電話も取ってくれないの!?
携帯電源入ってるよね!? 』
『From:淡
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もしかして、私なんか悪いことした?
謝るから、ごめんなさい 』
『From:淡
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むしはもうやだよ!あやまるからゆrしてよ!
なnでもするから!! 』
照「これはひどい」
菫「だんだん焦って正気を失っていくのが
たまらなく可愛いいだろう?」ゾクゾクッ
照「そのうち本当に刺されるよ?」
菫「そしたら、その後淡は自分のしたことに愕然として、
血まみれのまま泣きじゃくって、
私の後を追うんだろうな…
想像しただけでこう、ぐっとこないか?」
照「どうしよう親友が手遅れ」
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照「…とまぁ、こんな感じ」
淡「あれはひどかったよね!スミレは畜生だよ!鬼畜生!」
菫「その後好きなようにさせてやっただろう?」
尭深「…なんというか…」
誠子「淡がひどくなったの、弘世先輩のせいじゃないですか?」
照「正解」
淡「責任取ってよ!具体的には結婚して!」
誠子「責任重!?」
菫「……」
淡「…え、ちょっと、なんでそこでだまっちゃうの!?」
菫「心配するな淡。私は、
自分で責任を取れないことはしない主義だ」
淡「え、それって…」
菫「次の公式試合を楽しみにしているといい」
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菫「と、言うわけで…照。悪いが今日は勝たせてもらうぞ」
照「私にとっては、この試合は大した意味をもたない」
照「でも、菫にとっては、大きな意味を持つんだね」
菫「ああ」
照「だったら…逆に手を抜くわけにはいかない。
全力で…全身全霊をもって臨ませてもらう」
菫「ああ、それでいい。こちらとしても、
全力のお前を倒さなければ意味がない」
菫「この戦い…私の命を懸けてでも、絶対に勝つ」
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恒子『さて始まりました春季大会個人決勝戦!
どうやら今回も宮永選手とシャープシューターの
直接対決になりそうですね!』
健夜『なんで弘世さんだけ絶対名前で呼ばないの!?』
恒子『二人の対戦はもはや恒例となっていますが、
過去の対戦では全てチャンピオンこと
宮永選手が勝利しています!
すこやんプロ的には、勝敗の行方は
どう予想してますか!?』
健夜『すこやんプロって言うのやめてよ!?』
健夜『…コホン、そうですね…
過去の対戦成績だけで判断するなら、
宮永選手が勝つ可能性が高いと思います』
健夜『ですが…これまで弘世選手は、
あまり個人戦には興味がないというか…
執着していないように見えました』
健夜『でも、今回の弘世選手は違います。
絶対に勝つ、という決意を持って
臨んでいるように見えました』
健夜『だから、勝敗の行方は分かりません。
ただ、言えることは…二人の対局の中でも、
過去最高のハイレベルな戦いになると思います』
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菫「……」
照「……!」
照(絶対安全領域…!)
恒子『おーっと!これは珍しい!
宮永選手の配牌が二向聴だー!』
健夜『大学に入ってから弘世選手は、
聴牌スピードの向上と相手の配牌を悪くする
能力を身につけたようですが…
公式試合で後者を使ったのは初めてですね』
恒子『なんで?いつも使えばいいのに』
健夜『過去に記者会見で本人が答えていますが…
自分自身の力じゃないから大会では
頼らないと言っていましたね』
恒子『でも…今回その戒めを破った…?』
健夜『それだけ、今回の一戦に懸ける
思いが強いことの表れかと思います』
照「ツモ。500オール」
恒子『それでもチャンピオンは防げない!
先制は宮永照だー!!』
健夜『宮永選手も、今回は様子見をしませんでしたね。
弘世選手に集中しているという事でしょうか』
菫「……」
菫(さすが照…これでも初手は食い止められないか)
菫(だが…そんなことは最初からわかっていたこと)
菫(狙うは、スピードが遅くなる満貫からだ…!)
……
照「三本場」
照「……!」
照(今度は、三向聴)
照(菫…本気なんだね)
…
菫「ロン!タンヤオ、イーペイ、ドラ1!
40符は5200!!」
恒子『シャープシューターの一閃!
チャンピオンの連続和了は3でストップ!』
健夜『宮永選手の連続和了が三本場目で破られたのは、
大学に入ってからはこれが初めてですね』
恒子『でも、チャンピオンの点数は動いてないので
まだチャンピオンのトップは変わりません!』
菫「……」
菫(そう…結局のところ、照に勝つには
照自身から直取りするか、
照の連荘の合計を上回る点数を
他家から奪う必要がある)
菫(このままでは、ジリ貧なのは事実)
菫(だが、焦るな…今はじっと、時を待て)
……
……
恒子『局面はついにオーラス!
チャンピオンとシャープシューターの対決も
最終局面を迎えました!』
恒子『一進一退の攻防を繰り広げる二人ですが、
わずかにチャンピオンが上を行く展開!
これまでシャープシューターは
まだ一度も宮永選手に
直撃をぶち当てることができてません!』
健夜『ですが…二人の間に決定的な
点差もついてはいません。
弘世選手は、宮永選手に満貫を直撃するか、
ハネマンあがりで逆転が可能です』
菫「……」
菫(直撃8000、もしくは12000でまくれる)
菫(守備も堅い照を射抜くよりは、後者の方が楽だろう)
菫(だが…照、私はあえて、お前を射抜く)
菫(お前に対する、淡の憧憬を拭い去るために…!)
菫(そのために本人の力を借りるのはかっこ悪いが…
淡…力を貸してくれ!)
照「……!」
照(ここに来て…四向聴…!)
照「……!?」
菫「……」ピクン
照(菫…その癖は…直したはずじゃ…)
菫「……」
菫(隠すつもりなどない。私は、お前を狙うぞ)
菫(お前を射抜いて、倒してみせる!)
恒子『ここに来て、チャンピオンの配牌は四向聴!
さらに、シャープシューターは絶好の配牌!
天はシャープシューターに味方したか!?』
健夜『これは、運まかせではありませんね…
弘世選手の能力だと思います。
ただ、自身の聴牌スピードアップと、
他家のスピードダウンの両方を
かけたのは今回が初めてです。
…無理をしていなければよいのですが』
菫「…っ!」
くらっ
菫「…失礼」
照「……!」
照(菫…もしかして、『重ね掛け』してるの?)
照(それは…園城寺さんと同じ。今の菫には過ぎた力)
照(あんな風に、倒れてでも…勝ちたいというの?)
菫(無茶は承知だ!)
菫(絶対安全領域は、元々私のものじゃない)
菫(そもそも単体でも多用することはできない)
菫(だが…)
菫(ここで勝たなければ…どのみち私に明日はない!)
照「……」
照(菫が、私を狙っているのは明白…)
照(そして、菫が無理しているのも確実…)
照(私がこの試合に安全に勝ちたいなら、
ここはベタオリすればいい)
照(流れればそのまま私の勝ち、
仮に続いても、菫に2回連続
重ね掛けする力は残ってないはず)
照(でも…この挑戦から逃げることは…
この最終局で、私が菫に負けたことを認めるのと同じ)
照(いいよ、菫。その挑戦、受けてあげる)
照(その上で…私はあなたの上を行く!)
恒子『…!チャンピオンは素直に役を作っていきます!
これはチャンピオン、自分が
的になっていることに気づいてないか!?』
健夜『いえ、間違いなく気づいていると思います。
その上で、押し勝つつもりなのでしょう』
恒子『この最終局面でガチンコバトル!
面白くなってきました!!』
菫「……っ」タン
ぐらっ
菫(目が、かすむ…的が…ぶれる…)
照「……」タン
照(菫…相当無理してる…)
菫「……」タン
ぐらりっ
菫(めまいがする…身体から、力が、抜けていく…)
照「……」タン
照(菫…)
菫「……」
ぐらあっ…
照「……!?」
菫(……)
菫(…すまない、淡…意識が……)
菫(………)
淡『スミレ!!』
菫(……!)
菫(…ありがとう、淡)
照「……!」
照(菫の目に…力が戻った?)
照「……」
照「……」タン
菫(……!!)
菫「ロン!」
照「……!」
菫「……」
菫「中、三暗刻、ドラ1!」
菫「……8000!!」
恒子『ちょっ…直撃ー!!!オーラスに来て
シャープシューターの真骨頂が炸裂!!!
チャンピオンに満貫直撃だー!!』
恒子『そして…決着!!!
まくったー!シャープシューター、
ついに、チャンピオン宮永照の
不敗神話を破りました!!!』
健夜『執念、ですね…まさに、その一言です。
思いの強さでもぎ取った勝利だと思います』
菫「……」
菫「……」
ぐらぁ…
照「菫!!」
ガシッ…
菫「……すまない、助かった」
照「…ここで、倒れるのは無しでしょ」
菫「…ああ」
菫「…淡を、迎えに行かなければ」
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--------------------------------------------------------
カシャカシャッ!カシャカシャッ!
記者「優勝おめでとうございます!」
菫「ありがとうございます」
記者「これまでも弘世選手は輝かしい成績を
あげてきましたが、宮永選手を抑えての優勝は
初めてかと思います。今の心境はいかがですか?」
菫「今回の戦いは、絶対に負けられなかったので
私の全てを懸けて臨みました。
今は勝つことができてほっとしています」
記者「確かに、今回の弘世選手には
鬼気迫るものを感じました。
今回の大会には、特別な
思い入れがあったということですか?」
菫「失礼ながら、大会自体には特別な
思い入れがあるわけではありません。
ただ、私の中で今日という日を、
一つの区切りにするつもりでしたので」
記者「その、区切りとは何ですか?」
菫「……」
記者「弘世選手?」
菫「私は、公式の大会で照を倒したら、
ある告白をすると決めていました」
菫「今、ここに宣言します」
菫「淡…好きだ」
淡「……!」
菫「私と、一生を共にしてほしい」
淡「……ぐすっ…」
淡「…はいっ…!」
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菫『私と、一生を共にしてほしい』
照「なるほど…それであの闘牌か」
尭深「…すごい、戦いでしたね…」
誠子「これ、宮永先輩は知ってたんですか?」
照「ううん。淡も知らなかったみたいだし、
誰も知らなかったと思う。
まぁでも、菫の気合の入れようからして、
何かあるとは思ったけど」
誠子「手を抜いたりはしてないんですよね?」
照「まさか。全力中の全力だった」
照「単に、二人の絆が私を上回ったってことでしょ」
尭深「…今回の一騎打ち、名勝負として
記憶に残るでしょうね…
みんなの中でも…淡ちゃんの中でも」
照「菫は朴念仁でドSのくせに、
こういうところだけは
絶対に外さないからたちが悪い」
誠子「こんなプロポーズされたら、
淡の奴また悪化しそうですね」
尭深「…間違いない」
照「まぁ、それならそれで菫が何とかするでしょ。
お互いもう末期なんだし」
照「まぁ、何はともあれ…」
照「おめでとう、二人とも」
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菫「というわけで、ご覧の通りです」
淡「私たち、結婚します!」
(完)
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素晴らしいヤンデレ菫淡でした
純愛…だと!?
もっと不安定…だと…!?
正直個人的にもこれより前がけっこう普通というか別にヤンデレじゃないよね?
と思ったのでちょっと重くしたつもりだったのですよー。
情緒不安定な淡も含めて
新しいネタで菫淡考えてみますよー。
もう今更なのでいいかなと思いつつ一応指摘させていただきます。リーチしたら大明槓はできません。
久「そもそもフリテンだろうと
安牌ではないわよね。4枚出てないわけだし」
咲「気づいてるならさっさと謝ってください」
久「ごめんなさい!」