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【咲SS:照淡】菫「白糸台の魔物二匹による被害レポート」
<タイトル>
菫「白糸台の魔物二匹による被害レポート」
<あらすじ>
本レポートは、筆者である白糸台高校麻雀部部長弘世菫が、
同高校麻雀部に棲息する二匹の魔物により
被った被害の内容を報告するものである。
<登場人物>
宮永照,大星淡,弘世菫,渋谷尭深,亦野誠子(チーム虎姫,白糸台)
<症状>
軽い依存。
カオス
<その他>
※原作キャラが崩壊しています。ご注意を。
--------------------------------------------------------
<はじめに>
本レポートは、筆者である白糸台高校麻雀部部長弘世菫が、
同高校麻雀部に棲息する二匹の魔物により
被った被害の内容を報告するものである。
本書の構成は筆者による実体験と、そこから学んだ
教訓、対策を組み合わせたものとなっている。
本書の目的は、筆者の卒業後
その業務を引き継いだ担当者が同様の事態に遭遇した際に、
基本的に事態を収束させることは
不可能であることを早い段階で理解させ、
担当者を悟りの境地に導くことにある。
本書を手にした担当者が自らの職務を放棄せず、
それを全うする一助になれば幸いである。
========================================================
『事例1:なんかエロい場合』
========================================================
<実体験>
照「ツモ…5800で上がり止め。私の勝ち」
淡「あー!負けたー!後少しだったのにー!!」
照「淡…約束、わかってるよね?」
淡「むー…仕方がない!
敗者は勝者に食われるのみ…好きにして!」
照「では…いただきます」
淡「あぁ…テル…あ、ちょっと、いきなり、そこはっ…」
照「どこから食べるかは私が決める」
淡「だっだめっ、そこ、なくなったら、わたし、
だめになるっ」
照「駄目になってもいい。私が責任取ってあげる」
淡「ぁぁっ…あっ…あっあっあっ」
菫「お前らいい加減にしろ!」
照「菫…邪魔しないで」
淡「あっ…あっ…」
菫「なんでプリン食べるだけでそんな
いかがわしい展開になるんだ!?」
淡「だってお母さーん!」
菫「誰がお母さんだ!?」
淡「プリンのカラメルは最後に食べるもんでしょ!?」
菫「すまん、心底どうでもいい」
照「淡は何もわかってない…
それはプッチンプ○ンを
プッチンしない人の妄言」
菫「お前も何を言ってるんだ」
照「プッチンプ○ンをプッチンしてカップから出すと、
必然的にカラメルが上にくる。
カラメルと黄身の部分を
合わせて食べるからおいしい」
淡「そんなの知らないよ!
黄身はまず黄身だけで味わって、
最後にカラメルと混ぜて食べないと、
2つの味が楽しめないじゃない!」
菫「うん、何でもいいから麻雀打て?」
淡「わかってもらえなかった…」
照「悲しいね。人間ってみんな悲しい」
淡「元はと言えば、争いの火種を生んだのは菫先輩なのにね」
照「仕方がない…菫はそういう生物だと諦めるしかない」
菫「部員のために3個入りを4パックも買ってきた
私に対するねぎらいの言葉がそれか!?
しかもお前達には丸々1パックずつ
くれてやったじゃないか!」
照「その後で、私はもういらないなんて言って、
余りを1個出すからでしょ」
淡「その1個を奪い合うことで争いが生まれる…!
つまりは、最初から私たちの仲を引き裂くのが
目的だったんでしょ!?
言いなよ!本当のことをさ!」
菫「そうかそうか、射抜かれたいか」
照「きゃー」
淡「きゃー♪」
菫「あ、こら待て!逃げるな!!」
------------------------------------------------
<教訓>
このように、化け物どもが一見
いかがわしいと思える行動を取っていた場合でも、
まずは落ち着いて現状を把握することが重要である。
大抵の場合は、プリンを食べさせ合っていた、
マッサージをしていた、耳掃除をしていたなど、
行為そのものは問題ないことが多い。
化け物は、あなたを動揺させ、
神経を逆なでするために
これらの行動を取っているのである。
なお、このような事態に遭遇した場合、
一見無視することが最善のように感じられるが、
残念ながらそれは愚策である。
どの道無視してもしつこくまとわりついてくる上、
最初は問題なかった(フェイクの)行為を
続けるうちに、化け物たちが本気で
盛り出すケースも存在するためである。
これらのケースに発展した場合、
あなたが性的な危険にさらされることになるため、
諦めて早い段階で神経をすり減らすことを推奨する。
========================================================
『事例2:電波を通信している場合』
========================================================
<実体験>
淡「……」
照「……」
淡「…あっあっ」ピコピコ
照「…んっ…くふっ…」ピコピコ
菫「…お前たち、何やってるんだ?」
照「ん?」ぐるっ
淡「あー!!通信切れたー!」
淡「もう、何するの菫先輩!せっかく
通信が確立されたところだったのにー!」
菫「通信ってなんだ…単に向かいあって
いかがわしい声を出してただけだろう」
淡「失礼な!」
照「仕方ない。無学な菫にもわかるように
懇切丁寧に説明する」
淡「括目して聞け!」
菫「射抜いていいか?」
照「実は私たちは菫「無視か」
最近、携帯電話などの
デジタルなインタフェースを使用しなくても
相互に連絡を取り合うことができることに
気づいた」
淡「気づいた!」
照「具体的には、髪の毛のこの部分を利用する」
菫「ホーンか」
淡「私はホーンがないからこうやって作る!」
ぶわあああ…
菫「ワカメか」
淡「言っちゃったね!?私のこの
金の糸が織りなすしなやかな光の流線を
ワカメって言っちゃったね!?」
菫「で、ワカメをどうするんだ?」
淡「無視!?まぁ見てなよ!」
うにょうにょうにょうにょ…
シャキーン!
淡「こんな感じで尖らせてアンテナにします!」
菫「ことさらキモいな」
照「後は私のホーンと淡のアンテナで
お互いのオーラを伝送すると、
お互いの考えていることを
伝えることができる」
菫「そうか」
照「…思ったより驚かないね」
菫「まぁお前たちならそのくらいはできるだろう」
菫「というかそれ、通信可能範囲は
どのくらいなんだ?」
照「約50cm」
淡「しかも向かい合う必要があるよ!」
菫「普通にしゃべれよ」
照「近くにいながらにして
会話することができない時に有効」
菫「何の役にも立たないな」
淡「ふふーん。無知ってのはこれだから困るね」
照「まったくもって。この通信手段には、
言葉や携帯には無い
大きなメリットが存在する」
菫「それは何だ?」
照「なんか気持ちいい」
菫「よし、今後はその通信禁止な?」
淡「なんで!?」
菫「当たり前だ!真面目に聞いていたら、
つまりは変態が向かいあって
トリップしてるだけじゃないか!」
淡「わかってもらえなかった…」
照「悲しいね。人間ってみんな悲しい」
照「でも、諦めたらそこでおしまい。
今回は私達がもう少し歩み寄ろう」
淡「そうだね…世話が焼けるなぁ」
淡「そうだ!だったら、
菫先輩にも体験してもらおうよ!」
照「それは名案」
ガシッ
菫「おい、何をする気だ!?」
照「菫を間に挟んで通信する」
淡「私たちの電波が菫先輩を通過するよ!」
照「きっと、菫も気持ちいい」
菫「やめろ!私を変態行為に巻き込むな!」
照「もう遅い」ピコピコ
淡「通信始まってるよー」ピコピコ
菫「んなっ!?」ビビクンッ
照「……」ピコピコ
菫「なっ、なんだこれっ!?」ビクッ
淡「…あっあっ」ピコピコ
菫「やっ、やめろっ!何かいやだ!」ビビクンッ
照「…んっ…よくなってきた」ピコピコ
淡「…うんっ…菫先輩通すと
またちょっと違っていいかもっ…」ピコピコ
菫「だ、誰か助けてくれぇー!!」ビビクーンッ
……これ以降の展開は本書の対象年齢に
合致しないため記載を割愛する。
------------------------------------------------
<教訓>
このように、化け物どもが向かいあって
いかがわしい声をあげている時は警戒が必要である。
可能であれば行為を妨害した上で
速やかにその場を退散することを推奨する。
ただし、捕まって間に取り込まれてしまった場合、
筆舌に尽くしがたい醜態を晒すことになるため、
決して無理はせず時には妨害を諦める勇気も必要である。
<追記>
後述する事例により、本電波を受信するためには
被害者側にも相応の素質が必要であることが判明した。
素質のない人間に対しては無害なので
遠慮なく妨害すること。
========================================================
『事例3:どちらか片方が不在の場合(照)』
========================================================
<実体験>
照「……」
菫「お、珍しいな…お前が淡と一緒にいないのは」
照「テストの結果が悪すぎて追試らしい」
菫「あいつらしいな」
照「……」
照「……」ピコピコ
菫「ちょっ!?いきなり電波たれ流すな!!」ビクン
照「…さみしい」ピコピコ
照「淡がいないとさみしい」ピコピコ
照「淡としゃべりたい」ピコピコピコ
菫「ちょ、おい!?なんか前よりも
出力強くないか!?」ビクビクッ
照「今なら飛距離を延ばせそう」ピコピコピコピコ
菫「くっ…やめろ!そんなのを淡のところまで流したら
学校中がピンクになっちゃうだろ!?」ビビクンッ
照「大丈夫。実は電波を受信できるのは魔物だけ。
この学校では淡の他は菫くらい」ピコピコピコピコピコ
菫「どちらにせよ私は被害をくらうだろうがー!!」ビビクーンッ
------------------------------------------------
<教訓>
このように、つがいの化け物が片方しかいない場合は
注意が必要である。
特に、普段であれば一緒にいるはずの時に
いない場合は極めて精神的に
不安定な状態にあることが多い。
本事例の場合、一定以上の素質がない場合無害であるが、
次の事例のようなケースに陥る場合もある。
可能であればそっとしておくのが望ましい。
========================================================
『事例4:どちらか片方が不在の場合(淡)』
========================================================
<実体験>
淡「……」
菫「お、珍しいな…お前が照と一緒にいないのは」
淡「…補習だって」
菫「なるほど。あいつ意外に真面目だからな」
淡「ねえ、なんでテルは補習受けるの?
補習って自主参加だよね?」
菫「いろんな可能性を考慮してだろう。
別にプロの道が全てじゃないし、
進学の道だってある」
淡「…そんなことを聞いてるんじゃないよ」
菫「…淡?」
ゴッ…
淡「私と離れ離れになるってわかってるのに、
どうしてテルは補習を受けるの?」
ゴゴ
淡「テルは私がいなくても平気なの?」
ゴゴゴゴ
淡「私ってその程度なの?」
菫「…あっ、淡…落ちつ」
ゴゴゴゴゴゴゴ
淡「私と一緒にいるより補習の方が大事なの!?」
菫「落ち着け!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
淡「落ち着いてられるわけないよ!!
私、今捨てられそうになってるんだよ!?」
菫「くっ…完全に目がイッてしまっている…!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
淡「いやだいやだいやだいやだいやだ
テル捨てないで捨てないで捨てないで」
ベチベチベチベチベチッ!!
菫「いたたたたっ!?
ワカメを振り回すな!!
地味に痛い!!」
ガチャッ
照「私が淡を捨てるはずがない」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ…
淡「…テル!?」
菫「……」ぐったり
照「私が補習を受けるのは、将来のため…
ひいては淡のため」
淡「わ…私の、ため?」
照「そう。淡と二人っきりの勉強会を開いて、
マンツーマンで教えるため」
照「そのためにはまず私が
それなりに勉強できる必要がある」
フッ
淡「テルーーーッ!!!」
ぎゅーっ!!
照「…さみしい思いをさせてごめん」
淡「ううん…私こそ、テルのこと
疑ってごめんなさい…!」
照「淡…」
淡「テル…」
菫「……」ぐったり
------------------------------------------------
<教訓>
このように、つがいの化け物が片方しかいない場合、
化け物の気が立って暴れ出すことも多い。
しかも、事態を鎮静化するためには
結局パートナーの力が必要なことがほとんどであり、
なんとか収束させようと思っても
本事例のようになることが多い。
なお、今回のケースは、
噛み砕いてしまえば
「先輩が補習で遅いのでさみしい」
というだけのことである。
それだけのことでここまでの大事に
発展しまうあたりからも、
これら二匹の精神状態がいかに不安定であるかを
うかがうことができる。
========================================================
『事例5:喧嘩した場合』
========================================================
<実体験>
菫「ふぅ…すまん、遅くなった。
OG連中の相手も楽じゃないな…」
尭深「…お帰りなさい」どよーん
誠子「お帰りなさい…」どよーん
菫「ん?なんか随分空気が重いようだが…
何かあったのか?」
尭深「…宮永先輩と淡ちゃんが…」
誠子「喧嘩しました…!」
菫「……!」
菫「よし、私は照の方を見てくる。
二人は淡の方を頼む」
尭深「…お断りします」
誠子「ワカメはもういやです」
菫「わがまま言うな!私だっていやだ!
この部での被ワカメ回数は
私がダントツなんだぞ!?」
尭深「…でも、弘世先輩が宮永先輩の方に行ったら
もれなく電波の餌食じゃないですか…」
誠子「いいんですか?またビビクンですよ?」
菫「ワカメよりはましだ!それに、
まぁその、なんだかんだで…気持ちいいし…」
尭深「…やっぱり弘世先輩も化け物枠…
…私たちが、弘世先輩を守らないと…!」
誠子「…弘世先輩があの二人に洗脳されると
割と本気で困るんで、やっぱり私たちが
宮永先輩の方に行きますねっ!!」
ダッ
菫「お、おい、尭深、亦野!?」
……
菫「くそっ、押し切られた!
あいつら、なんかいい感じのこと言って、
結局はワカメされたくないだけだろ…!」
…ゴゴゴゴゴッ…
菫「淡の居場所は…屋上か…
オーラだけで場所がわかるって、
これ絶対淡の奴荒れてるだろ…」
バタン
菫「淡…いるか?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
淡「……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「うわぁ」
菫「まったく…そんなになるまで、
一体何で喧嘩したんだ」
淡「…テルが卒業したら、
私も学校やめてついてくって言ったら
断られた」
菫「…そりゃ断るだろ」
淡「なんで?離れ離れになっちゃうんだよ?
補習なんて目じゃないくらい」
淡「ついていきたいって思うのが普通でしょ」
菫「照が言っていただろう。補習は将来のためだと。
それはお前にも当てはまる」
菫「ここで学校をやめてしまったら、
お前はどうやって生きていくんだ。
照のすねをかじり続ける気か?」
淡「麻雀でプロになるよ」
菫「照は大学に行くらしいぞ。
それじゃぁ、どの道別れることになる」
淡「……!?」
菫「なぁ淡…大人になれ。別に卒業したからって
会えないわけじゃないんだ」
菫「テルの大学は、ここからそんなに遠くない。
放課後会うことだってでき淡「ストップ」
菫「る…なんだ?」
淡「…ねえ、なんで、さっきから私が知らないことを
菫先輩が知ってるの?」
菫「…そりゃ、同じ3年なんだから
進路のことくらい話すだろ」
淡「ふーん…もしかして、菫先輩の行く大学って、
テルと同じだったりする?」
菫「……まぁ、な」
淡「ふーん…そっかー」
淡「そーゆーことかー。ふーん」
菫「い、一応言っておくが、私は照に合わせて
大学を決めたんじゃないぞ?むしろ」
淡「むしろ?」
菫(しまった!失言だった!!)
淡「むしろ?…ねぇ、むしろ何?」
菫「言葉の綾だ。深い意味はない」
淡「…ふーん…まぁいいや。ねぇ、菫先輩?」
菫「…なんだ」
淡「私ね、菫先輩のこと、好きだよ?テルの次にだけど」
菫「な、なんだ藪から棒に」
淡「テルが望むなら、菫先輩も入れて、
3匹で一緒に暮らしてあげてもいいと思ってる」
菫「謹んでお断り申し上げる」
淡「でもね、その場合でも、
やっぱり一番は私じゃないとダメなんだよ」
菫「聞けよ」
ゴッ…
淡「だからね?」
ゴゴゴゴ
淡「菫先輩が、私からテルの一番を奪おうとするなら…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
淡「ちょっと、菫先輩でも許せないな」
菫「ちょ、なんでそうなるんだ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
淡「うるさい!問答無用!!」
ベチベチベチベチベチッ!!
菫「いたたたた!?やっぱりこうなるんじゃないか!?
だからこっちには来たくなかったんだ!!」
ピコピコピコピコ
菫「てっ、うひゃっ!?」ビクッ
ダッダッダ…バタン!
照「…さみしくなってきた」ピコピコ
菫「なんでお前までこっち来るんだ!?
尭深と亦野はどうした!?
というか通信止めろ!!」ビビクン
淡「…ねぇ!?なんか私より菫先輩の方が
テル電波の受信感度よくない!?
許しがたいんだけど!!」
ベチベチベチベチベチッ!!
菫「理不尽っ!!」
照「…淡。どうか聞いてほしい」
照「私が、淡に高校をやめてほしくないのは、
私のわがまま」ピコピコ
淡「わかってるよ!!本当は私から離れて
菫先輩と大学生活を満喫したいんでしょ!?」
ベチベチベチベチベチッ!!
照「…違う。私が、淡に高校をやめてほしくないのは…
淡が、インハイで活躍するところを
もっと見たいから」
淡「…え?」
ベチッ…!
照「私の大切な淡を、みんなに自慢したい」ピコピコ
淡「…テル…」
ベチッベチッ…
照「そして、将来はプロで一緒のチームに入りたい。
そのためには、まずはインハイで
活躍しておくのが望ましい」ピコピコ
照「私がいきなりプロに行かないのは、
プロは遠征とかもあるし、
ドラフトにかけられると
どこに行くことになるかわからないから。
私は淡と離れたくない」ピコピコ
淡「…テル…そこまで考えてたんだ…」
ベチッ
照「会えなくて寂しいのは私も同じ。
でも、大学はできるだけ
白糸台に近いところを選ぶし、
住むところも高校と大学の間を選ぶ」ピコピコ
照「だから…同棲しよう、淡」ピコピコ
淡「テルーーーーーーっ!!!」
ベチィッ!!
ぎゅーっ!!
照「……淡」ピコピコ
淡「……テル」ピコピコ
菫「……」ぐったりビビクンビビクン
------------------------------------------------
<教訓>
このように化け物どもが喧嘩した場合、
下手に首をつっこむとろくなことにならない。
事態の鎮静化についても、
やはり本人同士で話し合わないと解決しないことが多く
結局は放置するしかないと言える。
ただし、だからといって放置しておくと
事態の収束がいつになるのかわからない。
このため、誰か一人を人柱として使用し、
事態収束の媒介にした後で静観することを推奨する。
なお、体験中にて登場する「ワカメ」とは、
化け物の髪の毛をオーラにより逆立たせ、
それをオーラと共にゆらゆらと
振り回すことを指す。
これが攻撃に用いられる場合、
オーラが上乗せされている分、
一般的な女子高生が本気で振るうビンタよりも
はるかに攻撃力が高い。
このため、あまり耐久力のない部員がくらうと
一撃で沈んでしまう可能性がある。
可能であれば、耐久力の高い部員(渋谷尭深、亦野誠子)を
「ワカメ係」として専任させるのが望ましい。
よって来年一年間は渋谷尭深、亦野誠子を
「ワカメ係」として推薦する。
--------------------------------------------------------
<むすび>
以上、簡単ではあるが筆者の体験例に基づく
ナレッジベースを公開した。
執筆時間の都合上から、本書に載せることができた事例は
膨大な被害体験のうちのわずか数例ではあるが、
参考になれば幸いである。
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<FAQ>
FAQの欄を余白として残す。
今後化け物に対応した際に、問題発生時に適宜書き込んで
対策情報を充実させていくのに使用していただきたい。
(Q1)
来年から化け物は一人になるのでは?
(A1)
卒業する一匹は、卒業しても
頻繁に顔を出すと言っていました。
甘い期待を抱かないことです。
(Q2)
魔物や化け物というのは言い過ぎではありませんか?
(A2)
まずはピコピコとワカメをくらってから言いなさい。
(Q3)
それを喰らえるあなたも化け物では?
(A3)
黙秘権を行使します。
(Q4)
ピコピコに興味があります。どんな感じなんですか?
(A4)
脳みそに何かがぬるりと入り込んでくる感じです。
自分の脳内が得体のしれない何かに
かき回されるような感じです。
さらに「淡…淡…」「テルー…テルー…」といった
呼びかけだけで頭の中が満たされていきます。
割と本気で危険なので興味を持たないように。
(Q5)
渋谷さんは耐久力は高くないのでは?
(A5)
逃げようとするな。お前らは絶対に許さない。
(Q6)
テルと私は運命共同体ですか?
(A6)
もちろん。ずっと一生にいよう。
(A6’)
テルー…大好き!!
(A6’’)
私も淡が好き。
(A6’’’)
加害者がしれっと書き込むな!!
ノロケはよそでやれ!!
(完)
菫「白糸台の魔物二匹による被害レポート」
<あらすじ>
本レポートは、筆者である白糸台高校麻雀部部長弘世菫が、
同高校麻雀部に棲息する二匹の魔物により
被った被害の内容を報告するものである。
<登場人物>
宮永照,大星淡,弘世菫,渋谷尭深,亦野誠子(チーム虎姫,白糸台)
<症状>
軽い依存。
カオス
<その他>
※原作キャラが崩壊しています。ご注意を。
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<はじめに>
本レポートは、筆者である白糸台高校麻雀部部長弘世菫が、
同高校麻雀部に棲息する二匹の魔物により
被った被害の内容を報告するものである。
本書の構成は筆者による実体験と、そこから学んだ
教訓、対策を組み合わせたものとなっている。
本書の目的は、筆者の卒業後
その業務を引き継いだ担当者が同様の事態に遭遇した際に、
基本的に事態を収束させることは
不可能であることを早い段階で理解させ、
担当者を悟りの境地に導くことにある。
本書を手にした担当者が自らの職務を放棄せず、
それを全うする一助になれば幸いである。
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『事例1:なんかエロい場合』
========================================================
<実体験>
照「ツモ…5800で上がり止め。私の勝ち」
淡「あー!負けたー!後少しだったのにー!!」
照「淡…約束、わかってるよね?」
淡「むー…仕方がない!
敗者は勝者に食われるのみ…好きにして!」
照「では…いただきます」
淡「あぁ…テル…あ、ちょっと、いきなり、そこはっ…」
照「どこから食べるかは私が決める」
淡「だっだめっ、そこ、なくなったら、わたし、
だめになるっ」
照「駄目になってもいい。私が責任取ってあげる」
淡「ぁぁっ…あっ…あっあっあっ」
菫「お前らいい加減にしろ!」
照「菫…邪魔しないで」
淡「あっ…あっ…」
菫「なんでプリン食べるだけでそんな
いかがわしい展開になるんだ!?」
淡「だってお母さーん!」
菫「誰がお母さんだ!?」
淡「プリンのカラメルは最後に食べるもんでしょ!?」
菫「すまん、心底どうでもいい」
照「淡は何もわかってない…
それはプッチンプ○ンを
プッチンしない人の妄言」
菫「お前も何を言ってるんだ」
照「プッチンプ○ンをプッチンしてカップから出すと、
必然的にカラメルが上にくる。
カラメルと黄身の部分を
合わせて食べるからおいしい」
淡「そんなの知らないよ!
黄身はまず黄身だけで味わって、
最後にカラメルと混ぜて食べないと、
2つの味が楽しめないじゃない!」
菫「うん、何でもいいから麻雀打て?」
淡「わかってもらえなかった…」
照「悲しいね。人間ってみんな悲しい」
淡「元はと言えば、争いの火種を生んだのは菫先輩なのにね」
照「仕方がない…菫はそういう生物だと諦めるしかない」
菫「部員のために3個入りを4パックも買ってきた
私に対するねぎらいの言葉がそれか!?
しかもお前達には丸々1パックずつ
くれてやったじゃないか!」
照「その後で、私はもういらないなんて言って、
余りを1個出すからでしょ」
淡「その1個を奪い合うことで争いが生まれる…!
つまりは、最初から私たちの仲を引き裂くのが
目的だったんでしょ!?
言いなよ!本当のことをさ!」
菫「そうかそうか、射抜かれたいか」
照「きゃー」
淡「きゃー♪」
菫「あ、こら待て!逃げるな!!」
------------------------------------------------
<教訓>
このように、化け物どもが一見
いかがわしいと思える行動を取っていた場合でも、
まずは落ち着いて現状を把握することが重要である。
大抵の場合は、プリンを食べさせ合っていた、
マッサージをしていた、耳掃除をしていたなど、
行為そのものは問題ないことが多い。
化け物は、あなたを動揺させ、
神経を逆なでするために
これらの行動を取っているのである。
なお、このような事態に遭遇した場合、
一見無視することが最善のように感じられるが、
残念ながらそれは愚策である。
どの道無視してもしつこくまとわりついてくる上、
最初は問題なかった(フェイクの)行為を
続けるうちに、化け物たちが本気で
盛り出すケースも存在するためである。
これらのケースに発展した場合、
あなたが性的な危険にさらされることになるため、
諦めて早い段階で神経をすり減らすことを推奨する。
========================================================
『事例2:電波を通信している場合』
========================================================
<実体験>
淡「……」
照「……」
淡「…あっあっ」ピコピコ
照「…んっ…くふっ…」ピコピコ
菫「…お前たち、何やってるんだ?」
照「ん?」ぐるっ
淡「あー!!通信切れたー!」
淡「もう、何するの菫先輩!せっかく
通信が確立されたところだったのにー!」
菫「通信ってなんだ…単に向かいあって
いかがわしい声を出してただけだろう」
淡「失礼な!」
照「仕方ない。無学な菫にもわかるように
懇切丁寧に説明する」
淡「括目して聞け!」
菫「射抜いていいか?」
照「実は私たちは菫「無視か」
最近、携帯電話などの
デジタルなインタフェースを使用しなくても
相互に連絡を取り合うことができることに
気づいた」
淡「気づいた!」
照「具体的には、髪の毛のこの部分を利用する」
菫「ホーンか」
淡「私はホーンがないからこうやって作る!」
ぶわあああ…
菫「ワカメか」
淡「言っちゃったね!?私のこの
金の糸が織りなすしなやかな光の流線を
ワカメって言っちゃったね!?」
菫「で、ワカメをどうするんだ?」
淡「無視!?まぁ見てなよ!」
うにょうにょうにょうにょ…
シャキーン!
淡「こんな感じで尖らせてアンテナにします!」
菫「ことさらキモいな」
照「後は私のホーンと淡のアンテナで
お互いのオーラを伝送すると、
お互いの考えていることを
伝えることができる」
菫「そうか」
照「…思ったより驚かないね」
菫「まぁお前たちならそのくらいはできるだろう」
菫「というかそれ、通信可能範囲は
どのくらいなんだ?」
照「約50cm」
淡「しかも向かい合う必要があるよ!」
菫「普通にしゃべれよ」
照「近くにいながらにして
会話することができない時に有効」
菫「何の役にも立たないな」
淡「ふふーん。無知ってのはこれだから困るね」
照「まったくもって。この通信手段には、
言葉や携帯には無い
大きなメリットが存在する」
菫「それは何だ?」
照「なんか気持ちいい」
菫「よし、今後はその通信禁止な?」
淡「なんで!?」
菫「当たり前だ!真面目に聞いていたら、
つまりは変態が向かいあって
トリップしてるだけじゃないか!」
淡「わかってもらえなかった…」
照「悲しいね。人間ってみんな悲しい」
照「でも、諦めたらそこでおしまい。
今回は私達がもう少し歩み寄ろう」
淡「そうだね…世話が焼けるなぁ」
淡「そうだ!だったら、
菫先輩にも体験してもらおうよ!」
照「それは名案」
ガシッ
菫「おい、何をする気だ!?」
照「菫を間に挟んで通信する」
淡「私たちの電波が菫先輩を通過するよ!」
照「きっと、菫も気持ちいい」
菫「やめろ!私を変態行為に巻き込むな!」
照「もう遅い」ピコピコ
淡「通信始まってるよー」ピコピコ
菫「んなっ!?」ビビクンッ
照「……」ピコピコ
菫「なっ、なんだこれっ!?」ビクッ
淡「…あっあっ」ピコピコ
菫「やっ、やめろっ!何かいやだ!」ビビクンッ
照「…んっ…よくなってきた」ピコピコ
淡「…うんっ…菫先輩通すと
またちょっと違っていいかもっ…」ピコピコ
菫「だ、誰か助けてくれぇー!!」ビビクーンッ
……これ以降の展開は本書の対象年齢に
合致しないため記載を割愛する。
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<教訓>
このように、化け物どもが向かいあって
いかがわしい声をあげている時は警戒が必要である。
可能であれば行為を妨害した上で
速やかにその場を退散することを推奨する。
ただし、捕まって間に取り込まれてしまった場合、
筆舌に尽くしがたい醜態を晒すことになるため、
決して無理はせず時には妨害を諦める勇気も必要である。
<追記>
後述する事例により、本電波を受信するためには
被害者側にも相応の素質が必要であることが判明した。
素質のない人間に対しては無害なので
遠慮なく妨害すること。
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『事例3:どちらか片方が不在の場合(照)』
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<実体験>
照「……」
菫「お、珍しいな…お前が淡と一緒にいないのは」
照「テストの結果が悪すぎて追試らしい」
菫「あいつらしいな」
照「……」
照「……」ピコピコ
菫「ちょっ!?いきなり電波たれ流すな!!」ビクン
照「…さみしい」ピコピコ
照「淡がいないとさみしい」ピコピコ
照「淡としゃべりたい」ピコピコピコ
菫「ちょ、おい!?なんか前よりも
出力強くないか!?」ビクビクッ
照「今なら飛距離を延ばせそう」ピコピコピコピコ
菫「くっ…やめろ!そんなのを淡のところまで流したら
学校中がピンクになっちゃうだろ!?」ビビクンッ
照「大丈夫。実は電波を受信できるのは魔物だけ。
この学校では淡の他は菫くらい」ピコピコピコピコピコ
菫「どちらにせよ私は被害をくらうだろうがー!!」ビビクーンッ
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<教訓>
このように、つがいの化け物が片方しかいない場合は
注意が必要である。
特に、普段であれば一緒にいるはずの時に
いない場合は極めて精神的に
不安定な状態にあることが多い。
本事例の場合、一定以上の素質がない場合無害であるが、
次の事例のようなケースに陥る場合もある。
可能であればそっとしておくのが望ましい。
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『事例4:どちらか片方が不在の場合(淡)』
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<実体験>
淡「……」
菫「お、珍しいな…お前が照と一緒にいないのは」
淡「…補習だって」
菫「なるほど。あいつ意外に真面目だからな」
淡「ねえ、なんでテルは補習受けるの?
補習って自主参加だよね?」
菫「いろんな可能性を考慮してだろう。
別にプロの道が全てじゃないし、
進学の道だってある」
淡「…そんなことを聞いてるんじゃないよ」
菫「…淡?」
ゴッ…
淡「私と離れ離れになるってわかってるのに、
どうしてテルは補習を受けるの?」
ゴゴ
淡「テルは私がいなくても平気なの?」
ゴゴゴゴ
淡「私ってその程度なの?」
菫「…あっ、淡…落ちつ」
ゴゴゴゴゴゴゴ
淡「私と一緒にいるより補習の方が大事なの!?」
菫「落ち着け!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
淡「落ち着いてられるわけないよ!!
私、今捨てられそうになってるんだよ!?」
菫「くっ…完全に目がイッてしまっている…!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
淡「いやだいやだいやだいやだいやだ
テル捨てないで捨てないで捨てないで」
ベチベチベチベチベチッ!!
菫「いたたたたっ!?
ワカメを振り回すな!!
地味に痛い!!」
ガチャッ
照「私が淡を捨てるはずがない」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ…
淡「…テル!?」
菫「……」ぐったり
照「私が補習を受けるのは、将来のため…
ひいては淡のため」
淡「わ…私の、ため?」
照「そう。淡と二人っきりの勉強会を開いて、
マンツーマンで教えるため」
照「そのためにはまず私が
それなりに勉強できる必要がある」
フッ
淡「テルーーーッ!!!」
ぎゅーっ!!
照「…さみしい思いをさせてごめん」
淡「ううん…私こそ、テルのこと
疑ってごめんなさい…!」
照「淡…」
淡「テル…」
菫「……」ぐったり
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<教訓>
このように、つがいの化け物が片方しかいない場合、
化け物の気が立って暴れ出すことも多い。
しかも、事態を鎮静化するためには
結局パートナーの力が必要なことがほとんどであり、
なんとか収束させようと思っても
本事例のようになることが多い。
なお、今回のケースは、
噛み砕いてしまえば
「先輩が補習で遅いのでさみしい」
というだけのことである。
それだけのことでここまでの大事に
発展しまうあたりからも、
これら二匹の精神状態がいかに不安定であるかを
うかがうことができる。
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『事例5:喧嘩した場合』
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<実体験>
菫「ふぅ…すまん、遅くなった。
OG連中の相手も楽じゃないな…」
尭深「…お帰りなさい」どよーん
誠子「お帰りなさい…」どよーん
菫「ん?なんか随分空気が重いようだが…
何かあったのか?」
尭深「…宮永先輩と淡ちゃんが…」
誠子「喧嘩しました…!」
菫「……!」
菫「よし、私は照の方を見てくる。
二人は淡の方を頼む」
尭深「…お断りします」
誠子「ワカメはもういやです」
菫「わがまま言うな!私だっていやだ!
この部での被ワカメ回数は
私がダントツなんだぞ!?」
尭深「…でも、弘世先輩が宮永先輩の方に行ったら
もれなく電波の餌食じゃないですか…」
誠子「いいんですか?またビビクンですよ?」
菫「ワカメよりはましだ!それに、
まぁその、なんだかんだで…気持ちいいし…」
尭深「…やっぱり弘世先輩も化け物枠…
…私たちが、弘世先輩を守らないと…!」
誠子「…弘世先輩があの二人に洗脳されると
割と本気で困るんで、やっぱり私たちが
宮永先輩の方に行きますねっ!!」
ダッ
菫「お、おい、尭深、亦野!?」
……
菫「くそっ、押し切られた!
あいつら、なんかいい感じのこと言って、
結局はワカメされたくないだけだろ…!」
…ゴゴゴゴゴッ…
菫「淡の居場所は…屋上か…
オーラだけで場所がわかるって、
これ絶対淡の奴荒れてるだろ…」
バタン
菫「淡…いるか?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
淡「……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
菫「うわぁ」
菫「まったく…そんなになるまで、
一体何で喧嘩したんだ」
淡「…テルが卒業したら、
私も学校やめてついてくって言ったら
断られた」
菫「…そりゃ断るだろ」
淡「なんで?離れ離れになっちゃうんだよ?
補習なんて目じゃないくらい」
淡「ついていきたいって思うのが普通でしょ」
菫「照が言っていただろう。補習は将来のためだと。
それはお前にも当てはまる」
菫「ここで学校をやめてしまったら、
お前はどうやって生きていくんだ。
照のすねをかじり続ける気か?」
淡「麻雀でプロになるよ」
菫「照は大学に行くらしいぞ。
それじゃぁ、どの道別れることになる」
淡「……!?」
菫「なぁ淡…大人になれ。別に卒業したからって
会えないわけじゃないんだ」
菫「テルの大学は、ここからそんなに遠くない。
放課後会うことだってでき淡「ストップ」
菫「る…なんだ?」
淡「…ねえ、なんで、さっきから私が知らないことを
菫先輩が知ってるの?」
菫「…そりゃ、同じ3年なんだから
進路のことくらい話すだろ」
淡「ふーん…もしかして、菫先輩の行く大学って、
テルと同じだったりする?」
菫「……まぁ、な」
淡「ふーん…そっかー」
淡「そーゆーことかー。ふーん」
菫「い、一応言っておくが、私は照に合わせて
大学を決めたんじゃないぞ?むしろ」
淡「むしろ?」
菫(しまった!失言だった!!)
淡「むしろ?…ねぇ、むしろ何?」
菫「言葉の綾だ。深い意味はない」
淡「…ふーん…まぁいいや。ねぇ、菫先輩?」
菫「…なんだ」
淡「私ね、菫先輩のこと、好きだよ?テルの次にだけど」
菫「な、なんだ藪から棒に」
淡「テルが望むなら、菫先輩も入れて、
3匹で一緒に暮らしてあげてもいいと思ってる」
菫「謹んでお断り申し上げる」
淡「でもね、その場合でも、
やっぱり一番は私じゃないとダメなんだよ」
菫「聞けよ」
ゴッ…
淡「だからね?」
ゴゴゴゴ
淡「菫先輩が、私からテルの一番を奪おうとするなら…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
淡「ちょっと、菫先輩でも許せないな」
菫「ちょ、なんでそうなるんだ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
淡「うるさい!問答無用!!」
ベチベチベチベチベチッ!!
菫「いたたたた!?やっぱりこうなるんじゃないか!?
だからこっちには来たくなかったんだ!!」
ピコピコピコピコ
菫「てっ、うひゃっ!?」ビクッ
ダッダッダ…バタン!
照「…さみしくなってきた」ピコピコ
菫「なんでお前までこっち来るんだ!?
尭深と亦野はどうした!?
というか通信止めろ!!」ビビクン
淡「…ねぇ!?なんか私より菫先輩の方が
テル電波の受信感度よくない!?
許しがたいんだけど!!」
ベチベチベチベチベチッ!!
菫「理不尽っ!!」
照「…淡。どうか聞いてほしい」
照「私が、淡に高校をやめてほしくないのは、
私のわがまま」ピコピコ
淡「わかってるよ!!本当は私から離れて
菫先輩と大学生活を満喫したいんでしょ!?」
ベチベチベチベチベチッ!!
照「…違う。私が、淡に高校をやめてほしくないのは…
淡が、インハイで活躍するところを
もっと見たいから」
淡「…え?」
ベチッ…!
照「私の大切な淡を、みんなに自慢したい」ピコピコ
淡「…テル…」
ベチッベチッ…
照「そして、将来はプロで一緒のチームに入りたい。
そのためには、まずはインハイで
活躍しておくのが望ましい」ピコピコ
照「私がいきなりプロに行かないのは、
プロは遠征とかもあるし、
ドラフトにかけられると
どこに行くことになるかわからないから。
私は淡と離れたくない」ピコピコ
淡「…テル…そこまで考えてたんだ…」
ベチッ
照「会えなくて寂しいのは私も同じ。
でも、大学はできるだけ
白糸台に近いところを選ぶし、
住むところも高校と大学の間を選ぶ」ピコピコ
照「だから…同棲しよう、淡」ピコピコ
淡「テルーーーーーーっ!!!」
ベチィッ!!
ぎゅーっ!!
照「……淡」ピコピコ
淡「……テル」ピコピコ
菫「……」ぐったりビビクンビビクン
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<教訓>
このように化け物どもが喧嘩した場合、
下手に首をつっこむとろくなことにならない。
事態の鎮静化についても、
やはり本人同士で話し合わないと解決しないことが多く
結局は放置するしかないと言える。
ただし、だからといって放置しておくと
事態の収束がいつになるのかわからない。
このため、誰か一人を人柱として使用し、
事態収束の媒介にした後で静観することを推奨する。
なお、体験中にて登場する「ワカメ」とは、
化け物の髪の毛をオーラにより逆立たせ、
それをオーラと共にゆらゆらと
振り回すことを指す。
これが攻撃に用いられる場合、
オーラが上乗せされている分、
一般的な女子高生が本気で振るうビンタよりも
はるかに攻撃力が高い。
このため、あまり耐久力のない部員がくらうと
一撃で沈んでしまう可能性がある。
可能であれば、耐久力の高い部員(
「ワカメ係」として専任させるのが望ましい。
よって来年一年間は
「ワカメ係」として推薦する。
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<むすび>
以上、簡単ではあるが筆者の体験例に基づく
ナレッジベースを公開した。
執筆時間の都合上から、本書に載せることができた事例は
膨大な被害体験のうちのわずか数例ではあるが、
参考になれば幸いである。
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<FAQ>
FAQの欄を余白として残す。
今後化け物に対応した際に、問題発生時に適宜書き込んで
対策情報を充実させていくのに使用していただきたい。
(Q1)
来年から化け物は一人になるのでは?
(A1)
卒業する一匹は、卒業しても
頻繁に顔を出すと言っていました。
甘い期待を抱かないことです。
(Q2)
魔物や化け物というのは言い過ぎではありませんか?
(A2)
まずはピコピコとワカメをくらってから言いなさい。
(Q3)
それを喰らえるあなたも化け物では?
(A3)
黙秘権を行使します。
(Q4)
ピコピコに興味があります。どんな感じなんですか?
(A4)
脳みそに何かがぬるりと入り込んでくる感じです。
自分の脳内が得体のしれない何かに
かき回されるような感じです。
さらに「淡…淡…」「テルー…テルー…」といった
呼びかけだけで頭の中が満たされていきます。
割と本気で危険なので興味を持たないように。
(Q5)
渋谷さんは耐久力は高くないのでは?
(A5)
逃げようとするな。お前らは絶対に許さない。
(Q6)
テルと私は運命共同体ですか?
(A6)
もちろん。ずっと一生にいよう。
(A6’)
テルー…大好き!!
(A6’’)
私も淡が好き。
(A6’’’)
加害者がしれっと書き込むな!!
ノロケはよそでやれ!!
(完)
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今回も楽しく読めました!!
次回更新も楽しみにまってます
別に淡だけ意識してかわいく書いてるわけじゃないんですけど、なんかかわいくなりますね…咲さんは重くなるのに。
菫さんは振り回されてこそ映える。