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【作品設定紹介】【咲SS:咲久】ヤンデレごっこ(咲久編)

本ブログのSSは、無駄に長くなるので
記事の中に後書きなどは
入れないようにしています。

とはいえ、作中で全て設定や伏線を
回収しているわけではないので、
細かく知りたいという奇特な方もいるかもしれません。
何より、SSを書いている本人が
続き物の設定を忘れるという
愚挙を犯す可能性があります。

というわけで、作品の記事とは別枠で
そのSSの作品紹介を掲示します。

興味のない人は退散を。

※これだけ読んでも意味不明なので
 ぜひ先に本編をお読みいただけると幸いです。

【咲SS:咲久】ヤンデレごっこ 【前編】


※ここで紹介している設定はあくまで
 当ブログ作品に関する設定のため、
 原作世界とは全然関係がないのでご注意ください。

※興味のある奇特な方は、
 当ブログ内の検索で【作品設定紹介】で検索すると
 まとめて読みやすいと思います。

※かなり詳細に記述しているので
 むしろ食傷気味になる方の方が多そうですが、
 質問などがあればコメント欄に記述いただければ
 そのうち回答するかもしれません。

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【ヤンデレごっこ(咲久編) 】


テーマはそのままヤンデレ。
かつ、ヤンデレ同士ではなく、
片割れがごく普通の一般人だったら?
という想定で書いてます。

当ブログの名前にも入っているにもかかわらず、
直球のヤンデレって書いてない気がしたので、
ここらで一発軽めに書いてみるか!と思った次第。

結果的には軽いどころか、本ブログで一番長ったらしくなってしまいました。
推敲できないと文章は長くなるという悪い見本ですね…


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【作中より前の人物設定】
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以下、作中以前の時系列上の人物設定です。
咲原作から勝手に変えちゃってる点が
多分にあります。すいません。

<竹井久>
本作品における中心人物です。
彼女は特に原作から変えていない認識です。

<宮永咲>
本作品における中心人物その2です。
原作とは大幅に異なる点として、
一人の人を病的なまでに愛してしまう、
ヤンデレの気質を持っています。
しかしながら、彼女は幼いころに
一度痛い目を見ているので、
それを表に出そうとはしません。


<天江衣>
本作品におけるちょい役です。

その力をして親族にうとまれ、
屋敷の離れに軟禁されていたこと、
真の友と呼べる存在がいない(と本人は思っている)
ことから、自分を受け入れてくれる誰かを
切望している点は原作と変わりません。


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【作中の解説】
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竹井久が宮永咲と出会います。

宮永咲はあまり人と関わろうとはせず、
本の世界に没頭したいと考えていましたが、
原作と同様に竹井久が半ば強引に
麻雀部に引きこみます。

そんな彼女のことを、当初宮永咲は
「ちょっと苦手」と感じていました。


しかしながら、その第一印象は、
部活を同じくすることで少しずつ変わっていきます。
洞察力が鋭く、それでいてまめな竹井久は、
宮永咲にあれこれと気を配ったためです。
それは、宮永咲本人も気づかないような
細かい点にまでおよびました。

とはいえ、それは宮永咲にのみ
向けられたものではなく、
竹井久と関わる者全員が享受しているものです。

そのこと自体は宮永咲も気づいていますが、
だからこそ、その注意が全て自分に向いた時、
どれほどの愛情を注いでもらえるのかと
彼女は夢想するようになります。


そんな中、罰ゲームにヤンデレごっこが登場します。
この罰ゲーム自体は、
作中で竹井久が看過しているように、
片岡優希が須賀京太郎をいじるために入れたものです。

補足となりますが、この罰ゲームは
主に罰ゲームに参加する5人が、
各人2枚ずつ好きなものを書いて入れてます。

当初は須賀京太郎を入れて6人で回していましたが、
全国に向けた練習において、
須賀京太郎ではあまりに力不足なので、
この時は一時的に彼を除いて練習しています。

なので、須賀京太郎がこの罰ゲームを引くことは
ありえないわけで、片岡優希も
そのことには気づいたのですが、
めんどくさがって罰ゲームの内容を変えなかったのです。


竹井久は、罰ゲームの相手に宮永咲を指定します。
この時、彼女は宮永咲の中に潜む
狂気には気づいていません。

洞察力の鋭い彼女でしたが、
宮永咲にとってそれは長年隠し続けてきた
トップシークレットであり、
さすがに付き合いの短い段階で
見通せるものではなかったのです。


かくして始まったヤンデレごっこの中で、
あまりの熱愛ぶりに竹井久は
宮永咲が本気なのではないかと疑念を持ちます。
そして、それは正解でした。
少なくとも、宮永咲はお遊びで
竹井久をかどわかそうとしたのでは
ありませんでした。

しかしながら作中では、
宮永咲が一連の行動を
「楽しい」と評したことで
竹井久は宮永咲が演技していると
判断してしまいます。
これは彼女には珍しい完全なミスリードです。
それだけ、この時の彼女は
冷静さを失っていたのです。

宮永咲が「楽しい」といったのは、
竹井久を手玉にとることではなく、
手紙を書いたりお弁当を作ったりして
誰かと一緒に過ごすことについてです。
さらに言えば、この時彼女は本心を隠しており、
「ちょっと」どころではなく心底楽しんでいました。


自分が手玉に取られて遊ばれていると
誤認した竹井久は、対抗するために
宮永咲に携帯を渡します。

理由は作中にもあるように、
気軽に応戦するためです。

実は、ここでも竹井久は事実を誤認していました。

宮永咲は確かに文学少女ですが、
結局は普通の女子高生にすぎず、
形式ばった文体の文章を書くのは
彼女にとっても相応に骨が折れる作業です。

つまり、5通の手紙を毎日書き続けるというのは、
宮永咲にとってもかなりの労苦であり、
「これは十分ヤンデレの範疇だ」
という自意識はあったのです。

にも関わらず竹井久が携帯電話を渡してきたため、
宮永咲はそれを「もっと愛を重たくしていいよ」
という意思表示だと受け止めます。

そのため、彼女はこのあたりから少しずつ
本性をあらわにし始めました。


時を同じくして、竹井久はこのあたりから
宮永咲の異常性に気付き始めますが、
それをたしなめることはしませんでした。
その理由は3つありました。

一つは、それが『ごっこ』であり、
宮永咲はただゲームのルールに
のっとっているだけだと思ったこと。

次に、この時点での愛情の重たさは
重たさを感じつつもまだ
大きな実害を伴うものではなかったこと。

最後に、彼女自身この罰ゲームを
「ホラー娯楽にありあちな怖いもの見たさ」
的な捉え方で楽しんでいたためです。

これらの理由から、竹井久は宮永咲の
愛情行為を、多少負担に思いながらも
見事に全て受け切ります。

しかしそれは、宮永咲が竹井久に
どっぷりとはまる要因となってしまいます。


初回のヤンデレごっこ最終日。

このまま終わらせたくない宮永咲は、
竹井久に一つの仮説を投げかけます。


「…もし私が、もっとヤンデレっぽくなったら、
 部長は、受け入れてくれますか?」


これは、実は竹井久にとって
人生を左右する大きな
ターニングポイントでした。

彼女はここで、最悪のミスを犯してしまいます。
次の約束を取り付けてしまったのです。

竹井久はこの問いかけを
「『ごっこ』のグレードを上げること」
と解釈しましたが、宮永咲はこの時点で、
すでに『ごっこ』で終わらせるつもりは
ありませんでした。


そして、二回目の罰ゲームが始まります。
この時、罰ゲームの文言から『ごっこ』が消え去り、
『本気で』という文言が加わったことからもわかるように、
宮永咲は本気で彼女に溺れようとしています。

さらには、「心中は勘弁してね」と
竹井久がつぶやいたことで、
宮永咲は「心中以外は許容範囲」
であると認識しました。


合宿中、宮永咲は竹井久から
離れようとはしませんでした。
一度、対局目的ですんなりと
竹井久の元を離れていますが、
これは竹井久の言う
「アメ」による結果ではありません。

一時でもそばを離れたのは、
一度離れておいた方が
結果的に次同じ命令をされた時に
拒否しやすくなるという宮永咲の打算からです。

実際には、宮永咲は竹井久を一望できる
卓を選び、竹井久をずっと監視していましたし、
結果的に対局は、彼女の思惑通り
すぐに終わってしまいました。


この時、加治木ゆみと天江衣が
竹井久に忠告していますが、
それはまさに的を射たものでした。

加治木ゆみはこの時同じくして東横桃子に
追いすがられていたからです。
(加治木ゆみ本人も気づいてはいませんが
 この対局は東横桃子に監視されています)

また、天江衣は自身が世間から切り離されて、
長い間孤独を経験していることから、
病的なまでに真の理解者を求める
宮永咲の思いを正確に読み取っていたのです。


ですが、竹井久はこの忠告を受け取りながらも、
真剣に咲を拒絶することは考えませんでした。

これは、前述した3つの理由もあるのですが、
何より彼女自身が世話焼きで
人好きであることが大きく起因しています。

しっかりと約束した上で受け入れてしまった後輩を、
後から拒絶するという行為は、
竹井久には考え難いことでした。


合宿2日目には、夢乃マホが登場します。
竹井久が彼女を呼んだ理由は作中にある通りです。

ですが、宮永咲にとっては彼女が
恐ろしい脅威と映りました。

携帯を事前にチェックしていた宮永咲は、
竹井久の交友関係が異常に広く、
その中にはプロも含まれていることは
把握していました。

しかしながら、いくら後輩の出身校とはいえ、
見ず知らずの中学生の牌譜に将来性を見出し、
コンタクトを取って合宿に呼び出す…
その行動は、竹井久の
コミュニケーション能力の高さを
宮永咲に改めて知らしめる結果となりました。

その社会性に、宮永咲は大きく恐怖します。
それは、言うまでもなく宮永咲が竹井久を
独占するための大きな阻害要因となることでしょう。

作中で彼女は何かを呟いていますが、
これは「潰さなきゃ」とつぶやいています。

この時宮永咲は、夢乃マホを
竹井久が新たに作り出した人脈の象徴であり、
根絶するべき敵であると認識したのです。

こうして、本来は宮永咲に喝を入れる役割を担っていた
夢乃マホは、全力を出した宮永咲に
いいようにやられてしまいます。

もっとも、夢乃マホは天然かつ頑張り屋なので
しょんぼりとしつつもくじけたりはしなかったのですが、
それは作中において大した影響を与えませんでした。


ここにきて竹井久は、
宮永咲が本気であることに、本心では気づいています。
そして当然ながら、
このままほおっておいたら
大変なことになることにも気づいていました。

実際のところ、元々鋭い彼女は、
気づいていながらも序盤のミスリードを盾に
気づいていないふりをしていただけあったのです。

さらに聡明な彼女は、二週間という長い間
宮永咲の執着にさらされたことで、
だんだん自分が慣れてきていることにも気づいています。

そして、自身の心が宮永咲の狂気に
侵食されつつあることも。

比重こそ重たいものではありましたが、
宮永咲のそれは確かに愛情からくるものです。

その愛情を一身に受け続けた彼女は、
それが段階的に重さを増していったこともあり、
その愛情に確かな喜びも感じていたのです。


「病気だと称されるくらいに熱烈に愛されるなら、
 それはそれで素敵なんじゃないかしら?」

という感じでしょうか。

それ自体は、健常な人間でも容易にできる
想像であり、ifの世界の範疇であれば
問題がないものです。

しかし、それは竹井久にとっては
現実となりうるものでした。


結果、何の行動も起こさなかった竹井久は、
龍門渕透華の手にかかり
龍門渕家の離れに監禁されてしまいます。

龍門渕透華が宮永咲に手を貸した理由は、
そこまで深刻なものではありません。

宮永咲は、満月の天江衣を
正面から打ち倒した唯一の存在であること。

そんな宮永咲は、天江衣にとって
唯一無二の存在になれるかもしれないこと。

さらには、県予選から合宿を通して、
竹井久自身も非常に魅力的な存在であることが
わかったこと。

龍門渕透華としては特に
動かない理由はありませんでした。


もっとも、そんな龍門渕透華の過保護とは裏腹に、
本作中における天江衣は健全な力強さを持っています。

彼女は、宮永咲との邂逅で新たな道を見出し、
今まさに羽ばたいていこうとしていたところでした。

そんな天江衣は、道を切り開いてくれた宮永咲自身が
自ら外界との接点を断ち切ろうとしていること、
そしてそれは宮永咲が真に愛した竹井久をも
巻き込むことを憂慮しています。

「望蜀(ぼうしょく)だな」

これは、天江衣の偽らざる本心です。
人の欲望にはきりがないことを示す言葉ですが、
永らく分かり合える人間に恵まれなかった(と考えていた)
彼女からすれば、すでにそんな存在を得ているにも関わらず、
それを独り占めしようとする宮永咲の行動は、
過ぎた欲望に感じたのでしょう。


監禁されたことに気づいた竹井久は、
驚くほど冷静に対応します。
しかし、実際のところは
作中にもある通り、
あまりにも非現実的過ぎて
飲み込み切れていないだけです。

そして、その状況のまま、
自分の人生と後輩の命を天秤にかけられ、
彼女は後者を選んでしまいました。

こうなってしまえば、
後はもう奈落の底まで一直線です。


なお、一時は龍門渕のメイド+天江衣も
部屋に立ち入ることを許可されていました。
これは単純な理由で、
宮永咲だけで竹井久の面倒を全て見るのは
素人目にも重労働だと考えられたからです。

天江衣も許可されていたのは、
そもそも今回の計画に龍門渕透華が手を貸した理由が、
天江衣のためであることを考えれば
当然のことでしょう。

しかし、そこで出会った国広一と竹井久が
仲良くなってしまってからは、
宮永咲は自分以外の
一切の人間が入室することを禁止します。

こうして、竹井久は完全に宮永咲以外との
接点がなくなってしまいました。



ここまで読むと、
「なんか竹井久ポンコツさんだな」と
感じる方もいるかもしれません。

しかし、作中で竹井久が言うように、
自分の周りに本当に病的な人間がいて、
その人間に愛された結果
監禁されて一生を終えるなんて絵空事を想像して、
具体的に対策できる人は
どれほどいるでしょうか。
作中での竹井久の行動も、
等身大の人間の行動として考えれば
ごく当たり前の行動と言えるでしょう。



最後に、天江衣はこの二人の状況を、
根之堅州國(ねのかたすくに)と表現します。
この言葉自体は原作にもあったように
黄泉(死人の世界)を指す言葉です。

完全に時を止めてしまい、動き出そうとせず
社会と隔絶された彼女たちは、
死んでいると揶揄されても
仕方がないのかもしれません。

この言葉には、天江衣の
「本当は現世(うつしよ)に戻って生き返ってほしい」
という思いが込められていましたが、
残念ながらその言葉は宮永咲には届きませんでした。



この話がハッピーエンドかといわれると、
管理者的にはちょっと微妙なところです。

なぜならこの期におよんでも、
竹井久は狂気には陥っていないのです。

動くべきタイミングで動けなかったこと、
それにより今の結末を招いてしまったこと、
それでいて今の状況がそこまで苦ではないことから、
惰性で現状に甘んじているに過ぎません。

まあ、この状況を受け入られる時点で
やはり普通の人間とは一線を画していますが、
病気かといわれると疑問符が残ります。


まぁでも、ヤンデレがその愛を全力で注いだにも関わらず、
その対象が不幸を感じていないという点では、
やっぱりこの話もハッピーエンドなのかもしれません。

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posted by ぷちどろっぷ at 2014年08月28日 | Comment(3) | TrackBack(0) | 咲-Saki-
この記事へのコメント
ここまで設定を練っていたとは・・・
本編と併せて何度も楽しめますね。
Posted by at 2014年08月29日 22:22
コメントありがとうございます!

自分自身この手の裏設定を読むのが好きなので
とりあえず記載していますが、
喜んでいただけて幸いです。

設定を読んだ後に本編を読むと
また違った味わいがあるかもしれません。
Posted by ぷちどろっぷ(管理人) at 2014年08月31日 22:27
はえー…これは良い裏話。
Posted by 名無し at 2014年09月29日 21:19
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