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【咲SS】菫相談室 番外編 『竹井相談室(後半)』
<あらすじ>
咲「竹井相談室、開室中です」
久「なんか、来る人みんなヤンデレばっかりでしんどいわー」
「ちなみにこれの後編よ」
<バックナンバー>
本SSは菫相談室の番外編です。
菫相談室はこちら。
菫「第01話はこれだ」
照「第02話はこれ」
淡「第03話はこれだよ!」
尭深「…第04話はこれです」
番外編:菫「お互い、苦労するよな」久「ええ」
久「前編はこれよ!」
菫「後半はこれだ」
<登場人物>
竹井久,宮永咲,その他大勢
<症状>
・カオス
・ヤンデレ
・久だけ普通。
<その他>
※ギャグです。
※キャラ崩壊が激しいのでご注意
※久「ツッコミしないつもりだったのに気がついたらツッコんでたわ」
--------------------------------------------------------
久「ま、連れ戻されちゃったものは仕方ない。
せっかくだから、池田ァァッ!!さんの
悩み相談でもしましょうか」
咲「池田ァァッ!!さんは、何か悩みはないんですか?」
華菜「名前ネタ引っ張りすぎだろ…というか、
華菜ちゃんの悩みなんて、一つしかないし」
華菜「キャップをキャプテンに戻してほし」久「無理」
いし…せめて最後まで言わせろし!」
久「だってねぇ…それを解決できるなら
私だってこんなに苦労してないもの」
咲「いつもヤンデレに囲まれて困ってますもんね」
久「あなたも私を困らせる一人だからね?」
華菜「はぁ…じゃぁせめて、
キャップを鎮める策を与えてほしいし」
久「ま、それなら何とかなるかな…
あなたの携帯貸してくれる?」
華菜「何に使うんだ?」ハイ
久「声を録音するのよ」
……
久「はい、これでよし!」
カチ
『美穂子?もう寝ましょ?…私と一緒に…ね?』
華菜「おぉっ!確かにこれなら、きっと効き目抜群だし!」
華菜「さっそくキャップに使ってくるし!!」
久「美穂子によろしくねー」
--------------------------------------------------------
久「池田さんには苦労を掛けてるわね」
咲「部長が気に病むことじゃないと思いますけど…
向こうが勝手にヤンデレてるだけですし」
久「まあそうなんだけどね」
咲「それよりも、さっきみたいなボイス…
私にもくれませんか?」
久「なんて?」
咲「適当に色っぽく
しゃべってくれればいいですよ?
後は自分で加工しますから」
久「とりあえず怖すぎるから断るわね?」
--------------------------------------------------------
久「さて…次は春か。ここはさすがに安牌でしょ。
ほら、咲はとりあえず戻りなさい?」
咲「危なくなったらまた来ますね」
…バタン
--------------------------------------------------------
春「お邪魔します」
久「いらっしゃい。でも、あなたもよく来たわね」
春「久に会いたかったから、いい機会だと思った」
久「ふふ、ありがと。じゃあ、
あなたは特に悩みとかはないのかしら?」
春「ある。鹿児島と長野は遠い…
もっと気軽に会いたい」
久「うーん。それは難しいわね。
携帯とかじゃ駄目なのかしら?」
春「やっぱりできれば直接会いたい」
久「気持ちはわかるわね」
春「というわけで…解決策を持ってきた」
久「解決策って…黒糖?」
春「とりあえず、食べてみてほしい」
…ガチャッ
咲「はい、ドクターストップです」
久「咲が来たってことは…
この黒糖は危ないってこと?」
春「危なくない」
咲「だったら、まず自分で食べてみてよ」
春「久のために作った。久に食べてほしい」
咲「じゃあ、そこら辺に棲息していた
野生の華菜ちゃんで確認しましょうか」
華菜(簀巻き)「んー!?んー!?」
久「まさかの華菜ちゃん再登場」
咲「はい、華菜ちゃん。黒糖ですよ」
バリッ
華菜(簀巻き)
「ちょっ、そんな得体のしれないもの食べさs…んぐっ!」
華菜「んごっ…もがっ!」
咲「よく噛んで味わってくださいね」
ボリボリボリ…ゴクンッ
華菜(簀巻き)
「こ、こくとう、おいしいし。もっとほしいし」
華菜(簀巻き)
「もっと、もっとだし!こくとう!もっとだし!!」
久「え、何これ麻薬?」
春「ち、違う…ちょっと悪い神様に力を借りただけ」
久「悪いって言っちゃった」
春「もっと黒糖が好きになれば、喜界に来てくれると思った」
しゅるんっ
咲「まあ、惚れ薬じゃないだけ情状酌量の余地ありとして…
追い出すにとどめますね」
春(簀巻き)「私は…諦めない」ずるずる
華菜(簀巻き)
「こくとう!こくとうこくとうこくとう!!」ずるずる
久「…池田さんは元に戻るのよね?」
--------------------------------------------------------
久「いやー、まさか春があんなことするなんてねー」
咲「というか、なんであんなに好かれてるんですか…
試合以外接点無かったですよね?」
久「休憩中に黒糖をもらったのよ」
咲「黒糖もらっただけで落とすとか部長だけですから」
久「いや、それを私に言われても」
咲「というわけで、次は最初からいっしょにいますね?」
久「いや、明華はさすがに大丈夫でしょ…
って言いたいけど、春の例があるからなぁ」
--------------------------------------------------------
明華「失礼します」
久「いらっしゃい」
咲「どうも」
明華「あら、宮永さんもいらっしゃるんですね」
久「ごめんねー、どうしてもって聞かなくて」
咲「ボディーガードです」
明華「くすっ…別にいいですよ?」
明華「それにしても…久さんはずいぶん人気者なんですね。
私はたまたま京都にいたので来ましたが、
まさか行列ができるとは思ってませんでした」
久「まったくね。私なんかの何がそんなにいいのかしら」
咲「というか、なんで京都に?」
明華「私、傘を集めるのが趣味でして。
日本傘を求めて京都に来ていたんです」
久「明華は、いろんな国の
いろんな文化を取り入れてるものね」
明華「文化と言えば…日本では
麻雀中に歌う風習がないんですね。
そこは少し残念です」
久「対局中は禁止されてるのよね。綺麗な歌声だったから、
私としてはそのまま続けてもらってよかったんだけど」
明華「ふふっ…そう言ってもらえるとうれしいです。
じゃあ、せっかくだから一曲歌いましょうか」
久「おっ、いいわね!ぜひぜひ!」
咲「……」
明華「では…」すぅっ…
LALALALALALA…♪
久(ホント、綺麗な声ね…心に染み入ってくるみたい)
咲「……!」
LALALALALA…♪
久(聞いてると、なんだかすーっと、意識が遠くなって…)
久(……)
LA……
久(あれ?聞こえなくなった?)
久(簀巻き)「……?」
咲「まったく…油断も隙もない」
明華「あら…バレてしまいましたか」
咲「歌声で誘惑するとか、あなたはセイレーンですか」
明華「くすっ…なかなかの褒め言葉ですね」
久(簀巻き)
「ぷはっ!なんか急に
歌が聞こえなくなったと思ったら…
なんで簀巻きにされてるのよ!」
咲「むしろ、部長はもっと自分が
狙われているっていう自覚を持ってくださいよ。
後少しで堕ちてましたよ?」
久(簀巻き)
「えぇー…なんで私が明華に狙われるのよ」
明華「だって、私の方に吹くはずの風を、
久さんは奪っていったじゃないですか」
明華「私と風を分かち合える人なんて、
全世界を探しても、そうそういませんよ」
明華「それって、久さんが私の運命の人だからですよね?」
咲「とりあえずオラ○ジーナあげますから
フランスにお帰りください」
--------------------------------------------------------
久「うーん、まさか明華にまで狙われるとは…」
咲「彼女には何をしたんですか?」
久「いやいやいや、本当に何もしてないわよ!?
単に麻雀打っただけだってば!」
咲「部長はもう、麻雀打たないほうが
いいんじゃないですか?」
久「そんな殺生な!?」
咲「麻雀を打つだけで落とすとか…
さすがに部長側に問題ありですよ…」
咲「これは、次の渋谷さんも
すでに堕ちてると考えた方がいいですね」
久「私を何だと思ってるのよ」
咲「天然人たらし」
久「ひどい!」
--------------------------------------------------------
尭深「…私は堕ちてませんよ?」
久「ほっ」
咲「ここに来てる時点で説得力がゼロですけど」
尭深「…私は宮永先輩の偵察隊です」
久「偵察って…もう来年の対策?
うちなんか部員集めから再スタートなんだけど」
尭深「いえ…『あの咲がどうやって落とされたのか知りたい。
それを知れば私も咲を食べられる』だそうです」
久「…あなたのお姉さんって何でもありなのね」
咲「私としては、菫さんがあのお姉ちゃんを
どうやって落としたのかが気になりますけどね」
尭深「…というわけで、教えてもらえませんか?」
しゅるんっ
咲「いいですけど…別に面白くもなんともないですよ?
普通に部長に調教されただけですから」
尭深「…詳しく」
久(簀巻き)「んー!!んー!!」
咲「私も、最初から部長を好きだったわけじゃないんです。
でも、いつの間にかそうなるように、
仕向けられていたんですよね…」
久(簀巻き)「んー!!んー!!」ブンッブンッ
咲「麻雀で勝つ喜びを知った時も、
負ける悔しさを味わった時も、
それで合宿しようと思い立った時も」
久(簀巻き)「……」
咲「全部、裏で部長の手が回っていたんです」
久(簀巻き)「……」
咲「その後の長野の四校同時合宿も、
やっぱり部長が裏で手を引いてました」
咲「私たちは、自分の意思で動いていたようでいて…
その実、その行動は全て
部長に仕向けられたものだったんです」
久(簀巻き)「……」
咲「そういった部長の魔の手は
性的な方向にも及んでいきました。
でも、私はそれに気づきませんでした」
久(簀巻き)「!?」
咲「で、気づいたら私は部長の手足として動いていて、
自らの意思で部長にひざまずいて、
その足を舐めていたんです」
久(簀巻き)「んー!!んー!!」ブンッブンッ
咲「…と、言う感じでお姉ちゃんにお伝えください」
尭深「…了解。面白いことになりそう」
……
久「ぷはっ!ちょっと待ちなさい!
今の話、ほとんどが咲の捏造だからね!?」
咲「もう渋谷さんは帰りましたよ?」
久「ちょっと!?あんなの伝えられたら、
照さんの中で私がとんでもない
鬼畜になっちゃうじゃない!」
咲「違うんですか?」
久「違うわよ!?私がいつあなたに足を舐められたのよ!」
咲「一番最後だと一昨日の夜中3時32分ですね」
久「ホントに舐められてる!?というか寝てる時!」
咲「そもそも…『ほとんど捏造』って言いましたけど…
むしろ、半分以上は事実だったと思いますけど?」
久「なんのことかな?」
咲「…ま、いいです。ちなみに、その魔の手を本当に
性的な方向に伸ばしてもらってもいいんですよ?」
久「伸ばさないわよ!」
--------------------------------------------------------
胡桃「はー、やっと回ってきた…
もう回ってこないかと思ったよ」
久「ごめんね。一人一人がなかなか濃くって。
…いろんな意味で」
胡桃「なんか、宮永さんがちょいちょい入っていって、
簀巻きになった相談者を引きずって
出て行ったんだけど…」
胡桃「ここって、相談すると
簀巻きにされるとかないよね?」
久「悪事を働くとそうなります」
胡桃「悪事!?」
久「というわけで、できれば
胡桃がそうじゃないと助かるんだけど?」
胡桃「あ、私は普通に相談に来たよ!
というか、助けを求めに来たと言ってもいいかも」
久「助け…なんだか穏やかじゃないわね」
胡桃「うん。私達宮守って、部員全員が3年生でしょ?」
胡桃「だから、私たちが卒業したら、
必然的に廃部なんだけど…
トヨネがそれを嫌がってね…」
胡桃「みんな、トヨネの村に軟禁されちゃったの」
久「ガチ犯罪じゃない!!」
胡桃「私は、ちっちゃいから村の人に見逃されたんだけど…
他のみんなは、トヨネに食べられて酒池肉林」
胡桃「これは、何とかしないとって」
久「…なるほど…」
胡桃「そこで、相談なんだけど…」
久「……」ゴクリ
胡桃「大きくなる方法ってないかな?」
久「食べられたいの!?」
胡桃「当たり前でしょ!私だって同級生なんだよ!?」
胡桃「『こんなちっちゃい子まで…
毒牙にかけることあんめぇよ…!』
とか言われちゃったんだよ!?」
胡桃「大きなお世話だよ!私はこれでも高三だよ!
もう十八禁だよ!」
胡桃「私を食べろー!!」
久「あ、ごめん、あんまりそうやって叫ばれると…
私がロリコンで捕まっちゃうからやめてくれない?」
胡桃「えぇ!?」
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咲「久しぶりにまともな人でしたね」
久「いや、確かに私は狙われなかったけどね?
あれをまともって呼ぶのは抵抗があるかな」
咲「鹿倉さんと姉帯さんって、身長差何センチですっけ?」
久「70cmくらい?」
咲「下手したら潰しちゃいそうですね…」
久「まあでも、逃がしたのは姉帯さんじゃなくて
村の人みたいだし、自分で戻って行けば
姉帯さんは食べてくれるんじゃない?」
咲「なんか投げやりになってません?」
久「別にそういうわけじゃないけど…
実際二人が同級生なのは事実だし、
お互いに求めてるなら何も問題ないでしょ」
咲「そうですね…じゃあ、私たちも
そろそろゴールインしませんか?」
久「私たちはお互いに求めてないわよ?」
咲「まったく…どうして男の人ってこんなに
結婚したがらないのかな?」
久「勝手に男にしないでくれる!?」
--------------------------------------------------------
咲「何人かこなしてきましたけど…
時間的に、次の人が最後になりそうですね」
久「最後の人は誰?」
咲「国広さんです」
久「おー、完全安牌じゃない。よかったよかった」
咲「むしろ、安牌過ぎて
なんで来てるのか気になりますね」
久「特に理由なんかないんじゃない?
あの子ってそういう子でしょ」
咲「…確かに」
--------------------------------------------------------
久「ということで、
あなたが栄えある最後の相談者よ」
一「何か悪いなぁ。ボク達だったら
別に地元だからいつでも相談できるのに」
久「いや、そもそも長野限定だったはずなんだけどね?」
一「なんか全国から来てたよね。
北は岩手、南は鹿児島」
久「まったく、私なんかのどこがいいのかしら」
一「おかしなところじゃない?」
久「はっきり言ってくれるなぁ…
で、おかしな私に何の相談をしに来たの?」
一「いやぁ、ホントに来たがってたのは
ボクじゃなくて衣と透華なんだよね」
咲「それがどうして国広さんに?」
久「え、咲が来た!?」
咲「あ、そういうのじゃないですよ。
単純に私も混ざりたかっただけです」
一「どういうこと?」
久「これまでは『咲が来る=私の身が危険』だったのよ」
一「あはは、じゃぁ咲ちゃんは久のナイトなんだ」
咲「夜は逆転しますけどね」
久「さも当たり前のように嘘を盛り込まないでくれる?」
一「で、話を戻すと…最初来たがったのは
衣だったんだけど、透華が
『あなたが行ったら、
久に飼いならされてしまいますわ!!』
って言って止めたんだよ」
久「私を何だと思ってるのよ」
一「猛獣使い」
咲「当たってますね」
一「で、透華が
『代わりに私が行ってきますわ!』
とか言うからさ、今度はボクが止めたわけ」
一「久からしたら透華も衣も大して変わらないからね」
久「ねえ、私ってそんな鬼畜生に見える?
なんか今日一日で自信が無くなってきたわ」
咲「結婚してくれるなら
『大丈夫、部長は普通ですよ』
って言ってあげますよ」
久「やっぱ私のせいなのかしら」
一「うん、割とそうだと思うよ」
--------------------------------------------------------
咲「さて、と…これで終了ですね。
今日は本当にお疲れ様でした」
久「何言ってるの。まだ最後の大仕事が残ってるじゃない」
咲「…本当に行くんですか?」
久「まあね」
久「いくらなんでも、
嘆願書を書いた本人をスルーして
終了ってのはありえないでしょ」
咲「はあ…」
咲「だから部長は安心できないんですよ」
咲「自分が狙われてるってわかってるのに、
どこまでも無防備なんですから」
久「ま、なんだかんだ言っても、
大切な友達だもの」
久「それに…何かあったら、
咲が守ってくれるんでしょう?」
咲「……」
咲「ホント、ズルい人ですね」
咲「わかりましたよ…おつきあいします」
久「じゃぁ、行きましょうか!」
久「美穂子のいる病院へ!」
--------------------------------------------------------
美穂子「その必要はありませんよ?」
久「わわっ、美穂子!?」ビクゥッ!
咲「いやいや、なんでそこで怯えるんですか。
行く手間が省けただけじゃないですか」
久「もう条件反射なんだってば!」
美穂子「うふふ…上埜さんが来てくれるんだったら…
素直に待っていてもよかったですね」
美穂子「あの牢獄も、上埜さんと二人っきりなら
きっと天国になるでしょう」
美穂子「さ、上埜さん…行きましょう?」
咲「……」ザッ
美穂子「宮永さん…どいてくれないかしら?」
咲「お断りします。部長を守るって約束したので」
久「…なんか、ホントにナイトみたいね」
美穂子「守る必要はないですよ?
私は上埜さんを傷つけませんから」
久「あ、だったら私の事食べたりしないのね!?」
美穂子「純潔は例外です」にっこり
久「一番駄目な例外来ちゃった!」
咲「部長…どうするんですか?
こうなるのは予想できてましたよね?」
久「まぁねぇ。何か相談ある?なんて聞いたら100%
『上埜さんが結婚してくれません』で
返ってくると思ってたし」
久「ただね…どうしても一言だけ、
直接美穂子に言っておきたかったのよ」
美穂子「…何をですか?」
久「……」
久「…ねえ、美穂子」
久「私は、確かにあなたの思いを、
受け入れてあげることはできない」
美穂子「……」
久「でもね…それでもあなたは、
私にとって大切な人なの」
久「だからね…?『相談室』なんて…
他人行儀なものを嘆願しないで?」
美穂子「……っ!」
久「そんなものなくたって…
あなたが望むなら、
私はいつだって相談に乗ってあげるんだから」
美穂子「………」
久「…ね?」
美穂子「…はいっ…!」ポロポロ
咲「……」
咲(だから部長は…安心できないんだよ)
咲(もうこれでもかってくらい、
福路さんの心を奪ってるくせに)
咲(それで、何度も襲われてるくせに)
咲(なんで、さらに手を差し伸べちゃうのかな?)
咲(だから、天然人たらしなんて言われるんだよ…)
咲(……)
咲(…まぁ、私もそれにやられちゃった口だけど)
しゅるんっ
久(簀巻き)「…あれ?」
咲「言いたいことは言いましたよね?
もうそろそろ逃げますよ?」
久(簀巻き)
「え?いやその、私いいこと言ったわよね?」
咲「ええ。いいこと言いすぎて襲われる寸前です」
久(簀巻き)
「ここは、めでたしめでたしで
終わるところじゃないの?」
咲「ヤンデレがそんな空気読むと思いますか?」
美穂子「上埜さん!私、相談があります!!」
美穂子「結婚してください!!」
ヒュッ!
咲「逃げますよ!」
久(簀巻き)
「あっはっはー、最後くらい
綺麗にしめたかったなー!」
--------------------------------------------------------
咲「はあ、はぁ…ここまで逃げ切れば、
大丈夫ですかね…」
久(簀巻き)
「多分ね…というか、これ絶対
私が自分で走った方が楽だったでしょ」
咲「守るって、言っちゃいましたからね」
久「ふぅ、脱出。咲も、変なところで律儀よね」
久「ま、でも…ありがと。」
咲「気にしないでください、下心ありますから」
久「どんな下心かしら?」
咲「今日一日守ってあげましたから、ご褒美ください」
久「なるほど」
久「…でも、そもそも私が危険にさらされたのって、
咲が相談室開いたからよね?」
咲「個別に奇襲で襲われるよりも、
待ち受けて一度に撃破できる方が楽じゃないですか」
久「いや、そんな軍師みたいなこと言われても」
咲「…じゃぁ、何もなしですか?」
久「……」
久「もう、仕方ないわね」
チュッ…
咲「えへへ…正直不満ですけど、我慢してあげます」
久「そんな幸せそうな顔して言っても、
説得力無いわよ?」
咲「だって、どうせなら唇がよかったですし」
久「わがまま言わないの。
おでこだって、相当恥ずかしいんだから」
咲「えへへ…唇は、次の機会に取っておきますね?」
久「あはは、次なんか来ないってば」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
咲『こうして、たった一日だけの竹井相談室は、
無事幕を閉じました。』
咲『でも、果たしてこれで、本当に終わりでしょうか?』
咲『私はそうは思いません。』
咲『きっと、私がまた退屈しのぎしたくなった時。』
咲『また、私がキスしてほしくなった時。』
咲『竹井相談室は、開室されると思うんです。』
咲『それではまた、次の機会に。』
咲『竹井相談室、おしまい!』
久「いや、何かいい感じのモノローグでしめようとしてるけど、
言ってること最悪だからね!?」
(完)
咲「竹井相談室、開室中です」
久「なんか、来る人みんなヤンデレばっかりでしんどいわー」
「ちなみにこれの後編よ」
<バックナンバー>
本SSは菫相談室の番外編です。
菫相談室はこちら。
菫「第01話はこれだ」
照「第02話はこれ」
淡「第03話はこれだよ!」
尭深「…第04話はこれです」
番外編:菫「お互い、苦労するよな」久「ええ」
久「前編はこれよ!」
菫「後半はこれだ」
<登場人物>
竹井久,宮永咲,その他大勢
<症状>
・カオス
・ヤンデレ
・久だけ普通。
<その他>
※ギャグです。
※キャラ崩壊が激しいのでご注意
※久「ツッコミしないつもりだったのに気がついたらツッコんでたわ」
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久「ま、連れ戻されちゃったものは仕方ない。
せっかくだから、池田ァァッ!!さんの
悩み相談でもしましょうか」
咲「池田ァァッ!!さんは、何か悩みはないんですか?」
華菜「名前ネタ引っ張りすぎだろ…というか、
華菜ちゃんの悩みなんて、一つしかないし」
華菜「キャップをキャプテンに戻してほし」久「無理」
いし…せめて最後まで言わせろし!」
久「だってねぇ…それを解決できるなら
私だってこんなに苦労してないもの」
咲「いつもヤンデレに囲まれて困ってますもんね」
久「あなたも私を困らせる一人だからね?」
華菜「はぁ…じゃぁせめて、
キャップを鎮める策を与えてほしいし」
久「ま、それなら何とかなるかな…
あなたの携帯貸してくれる?」
華菜「何に使うんだ?」ハイ
久「声を録音するのよ」
……
久「はい、これでよし!」
カチ
『美穂子?もう寝ましょ?…私と一緒に…ね?』
華菜「おぉっ!確かにこれなら、きっと効き目抜群だし!」
華菜「さっそくキャップに使ってくるし!!」
久「美穂子によろしくねー」
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久「池田さんには苦労を掛けてるわね」
咲「部長が気に病むことじゃないと思いますけど…
向こうが勝手にヤンデレてるだけですし」
久「まあそうなんだけどね」
咲「それよりも、さっきみたいなボイス…
私にもくれませんか?」
久「なんて?」
咲「適当に色っぽく
しゃべってくれればいいですよ?
後は自分で加工しますから」
久「とりあえず怖すぎるから断るわね?」
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久「さて…次は春か。ここはさすがに安牌でしょ。
ほら、咲はとりあえず戻りなさい?」
咲「危なくなったらまた来ますね」
…バタン
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春「お邪魔します」
久「いらっしゃい。でも、あなたもよく来たわね」
春「久に会いたかったから、いい機会だと思った」
久「ふふ、ありがと。じゃあ、
あなたは特に悩みとかはないのかしら?」
春「ある。鹿児島と長野は遠い…
もっと気軽に会いたい」
久「うーん。それは難しいわね。
携帯とかじゃ駄目なのかしら?」
春「やっぱりできれば直接会いたい」
久「気持ちはわかるわね」
春「というわけで…解決策を持ってきた」
久「解決策って…黒糖?」
春「とりあえず、食べてみてほしい」
…ガチャッ
咲「はい、ドクターストップです」
久「咲が来たってことは…
この黒糖は危ないってこと?」
春「危なくない」
咲「だったら、まず自分で食べてみてよ」
春「久のために作った。久に食べてほしい」
咲「じゃあ、そこら辺に棲息していた
野生の華菜ちゃんで確認しましょうか」
華菜(簀巻き)「んー!?んー!?」
久「まさかの華菜ちゃん再登場」
咲「はい、華菜ちゃん。黒糖ですよ」
バリッ
華菜(簀巻き)
「ちょっ、そんな得体のしれないもの食べさs…んぐっ!」
華菜「んごっ…もがっ!」
咲「よく噛んで味わってくださいね」
ボリボリボリ…ゴクンッ
華菜(簀巻き)
「こ、こくとう、おいしいし。もっとほしいし」
華菜(簀巻き)
「もっと、もっとだし!こくとう!もっとだし!!」
久「え、何これ麻薬?」
春「ち、違う…ちょっと悪い神様に力を借りただけ」
久「悪いって言っちゃった」
春「もっと黒糖が好きになれば、喜界に来てくれると思った」
しゅるんっ
咲「まあ、惚れ薬じゃないだけ情状酌量の余地ありとして…
追い出すにとどめますね」
春(簀巻き)「私は…諦めない」ずるずる
華菜(簀巻き)
「こくとう!こくとうこくとうこくとう!!」ずるずる
久「…池田さんは元に戻るのよね?」
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久「いやー、まさか春があんなことするなんてねー」
咲「というか、なんであんなに好かれてるんですか…
試合以外接点無かったですよね?」
久「休憩中に黒糖をもらったのよ」
咲「黒糖もらっただけで落とすとか部長だけですから」
久「いや、それを私に言われても」
咲「というわけで、次は最初からいっしょにいますね?」
久「いや、明華はさすがに大丈夫でしょ…
って言いたいけど、春の例があるからなぁ」
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明華「失礼します」
久「いらっしゃい」
咲「どうも」
明華「あら、宮永さんもいらっしゃるんですね」
久「ごめんねー、どうしてもって聞かなくて」
咲「ボディーガードです」
明華「くすっ…別にいいですよ?」
明華「それにしても…久さんはずいぶん人気者なんですね。
私はたまたま京都にいたので来ましたが、
まさか行列ができるとは思ってませんでした」
久「まったくね。私なんかの何がそんなにいいのかしら」
咲「というか、なんで京都に?」
明華「私、傘を集めるのが趣味でして。
日本傘を求めて京都に来ていたんです」
久「明華は、いろんな国の
いろんな文化を取り入れてるものね」
明華「文化と言えば…日本では
麻雀中に歌う風習がないんですね。
そこは少し残念です」
久「対局中は禁止されてるのよね。綺麗な歌声だったから、
私としてはそのまま続けてもらってよかったんだけど」
明華「ふふっ…そう言ってもらえるとうれしいです。
じゃあ、せっかくだから一曲歌いましょうか」
久「おっ、いいわね!ぜひぜひ!」
咲「……」
明華「では…」すぅっ…
LALALALALALA…♪
久(ホント、綺麗な声ね…心に染み入ってくるみたい)
咲「……!」
LALALALALA…♪
久(聞いてると、なんだかすーっと、意識が遠くなって…)
久(……)
LA……
久(あれ?聞こえなくなった?)
久(簀巻き)「……?」
咲「まったく…油断も隙もない」
明華「あら…バレてしまいましたか」
咲「歌声で誘惑するとか、あなたはセイレーンですか」
明華「くすっ…なかなかの褒め言葉ですね」
久(簀巻き)
「ぷはっ!なんか急に
歌が聞こえなくなったと思ったら…
なんで簀巻きにされてるのよ!」
咲「むしろ、部長はもっと自分が
狙われているっていう自覚を持ってくださいよ。
後少しで堕ちてましたよ?」
久(簀巻き)
「えぇー…なんで私が明華に狙われるのよ」
明華「だって、私の方に吹くはずの風を、
久さんは奪っていったじゃないですか」
明華「私と風を分かち合える人なんて、
全世界を探しても、そうそういませんよ」
明華「それって、久さんが私の運命の人だからですよね?」
咲「とりあえずオラ○ジーナあげますから
フランスにお帰りください」
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久「うーん、まさか明華にまで狙われるとは…」
咲「彼女には何をしたんですか?」
久「いやいやいや、本当に何もしてないわよ!?
単に麻雀打っただけだってば!」
咲「部長はもう、麻雀打たないほうが
いいんじゃないですか?」
久「そんな殺生な!?」
咲「麻雀を打つだけで落とすとか…
さすがに部長側に問題ありですよ…」
咲「これは、次の渋谷さんも
すでに堕ちてると考えた方がいいですね」
久「私を何だと思ってるのよ」
咲「天然人たらし」
久「ひどい!」
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尭深「…私は堕ちてませんよ?」
久「ほっ」
咲「ここに来てる時点で説得力がゼロですけど」
尭深「…私は宮永先輩の偵察隊です」
久「偵察って…もう来年の対策?
うちなんか部員集めから再スタートなんだけど」
尭深「いえ…『あの咲がどうやって落とされたのか知りたい。
それを知れば私も咲を食べられる』だそうです」
久「…あなたのお姉さんって何でもありなのね」
咲「私としては、菫さんがあのお姉ちゃんを
どうやって落としたのかが気になりますけどね」
尭深「…というわけで、教えてもらえませんか?」
しゅるんっ
咲「いいですけど…別に面白くもなんともないですよ?
普通に部長に調教されただけですから」
尭深「…詳しく」
久(簀巻き)「んー!!んー!!」
咲「私も、最初から部長を好きだったわけじゃないんです。
でも、いつの間にかそうなるように、
仕向けられていたんですよね…」
久(簀巻き)「んー!!んー!!」ブンッブンッ
咲「麻雀で勝つ喜びを知った時も、
負ける悔しさを味わった時も、
それで合宿しようと思い立った時も」
久(簀巻き)「……」
咲「全部、裏で部長の手が回っていたんです」
久(簀巻き)「……」
咲「その後の長野の四校同時合宿も、
やっぱり部長が裏で手を引いてました」
咲「私たちは、自分の意思で動いていたようでいて…
その実、その行動は全て
部長に仕向けられたものだったんです」
久(簀巻き)「……」
咲「そういった部長の魔の手は
性的な方向にも及んでいきました。
でも、私はそれに気づきませんでした」
久(簀巻き)「!?」
咲「で、気づいたら私は部長の手足として動いていて、
自らの意思で部長にひざまずいて、
その足を舐めていたんです」
久(簀巻き)「んー!!んー!!」ブンッブンッ
咲「…と、言う感じでお姉ちゃんにお伝えください」
尭深「…了解。面白いことになりそう」
……
久「ぷはっ!ちょっと待ちなさい!
今の話、ほとんどが咲の捏造だからね!?」
咲「もう渋谷さんは帰りましたよ?」
久「ちょっと!?あんなの伝えられたら、
照さんの中で私がとんでもない
鬼畜になっちゃうじゃない!」
咲「違うんですか?」
久「違うわよ!?私がいつあなたに足を舐められたのよ!」
咲「一番最後だと一昨日の夜中3時32分ですね」
久「ホントに舐められてる!?というか寝てる時!」
咲「そもそも…『ほとんど捏造』って言いましたけど…
むしろ、半分以上は事実だったと思いますけど?」
久「なんのことかな?」
咲「…ま、いいです。ちなみに、その魔の手を本当に
性的な方向に伸ばしてもらってもいいんですよ?」
久「伸ばさないわよ!」
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胡桃「はー、やっと回ってきた…
もう回ってこないかと思ったよ」
久「ごめんね。一人一人がなかなか濃くって。
…いろんな意味で」
胡桃「なんか、宮永さんがちょいちょい入っていって、
簀巻きになった相談者を引きずって
出て行ったんだけど…」
胡桃「ここって、相談すると
簀巻きにされるとかないよね?」
久「悪事を働くとそうなります」
胡桃「悪事!?」
久「というわけで、できれば
胡桃がそうじゃないと助かるんだけど?」
胡桃「あ、私は普通に相談に来たよ!
というか、助けを求めに来たと言ってもいいかも」
久「助け…なんだか穏やかじゃないわね」
胡桃「うん。私達宮守って、部員全員が3年生でしょ?」
胡桃「だから、私たちが卒業したら、
必然的に廃部なんだけど…
トヨネがそれを嫌がってね…」
胡桃「みんな、トヨネの村に軟禁されちゃったの」
久「ガチ犯罪じゃない!!」
胡桃「私は、ちっちゃいから村の人に見逃されたんだけど…
他のみんなは、トヨネに食べられて酒池肉林」
胡桃「これは、何とかしないとって」
久「…なるほど…」
胡桃「そこで、相談なんだけど…」
久「……」ゴクリ
胡桃「大きくなる方法ってないかな?」
久「食べられたいの!?」
胡桃「当たり前でしょ!私だって同級生なんだよ!?」
胡桃「『こんなちっちゃい子まで…
毒牙にかけることあんめぇよ…!』
とか言われちゃったんだよ!?」
胡桃「大きなお世話だよ!私はこれでも高三だよ!
もう十八禁だよ!」
胡桃「私を食べろー!!」
久「あ、ごめん、あんまりそうやって叫ばれると…
私がロリコンで捕まっちゃうからやめてくれない?」
胡桃「えぇ!?」
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咲「久しぶりにまともな人でしたね」
久「いや、確かに私は狙われなかったけどね?
あれをまともって呼ぶのは抵抗があるかな」
咲「鹿倉さんと姉帯さんって、身長差何センチですっけ?」
久「70cmくらい?」
咲「下手したら潰しちゃいそうですね…」
久「まあでも、逃がしたのは姉帯さんじゃなくて
村の人みたいだし、自分で戻って行けば
姉帯さんは食べてくれるんじゃない?」
咲「なんか投げやりになってません?」
久「別にそういうわけじゃないけど…
実際二人が同級生なのは事実だし、
お互いに求めてるなら何も問題ないでしょ」
咲「そうですね…じゃあ、私たちも
そろそろゴールインしませんか?」
久「私たちはお互いに求めてないわよ?」
咲「まったく…どうして男の人ってこんなに
結婚したがらないのかな?」
久「勝手に男にしないでくれる!?」
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咲「何人かこなしてきましたけど…
時間的に、次の人が最後になりそうですね」
久「最後の人は誰?」
咲「国広さんです」
久「おー、完全安牌じゃない。よかったよかった」
咲「むしろ、安牌過ぎて
なんで来てるのか気になりますね」
久「特に理由なんかないんじゃない?
あの子ってそういう子でしょ」
咲「…確かに」
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久「ということで、
あなたが栄えある最後の相談者よ」
一「何か悪いなぁ。ボク達だったら
別に地元だからいつでも相談できるのに」
久「いや、そもそも長野限定だったはずなんだけどね?」
一「なんか全国から来てたよね。
北は岩手、南は鹿児島」
久「まったく、私なんかのどこがいいのかしら」
一「おかしなところじゃない?」
久「はっきり言ってくれるなぁ…
で、おかしな私に何の相談をしに来たの?」
一「いやぁ、ホントに来たがってたのは
ボクじゃなくて衣と透華なんだよね」
咲「それがどうして国広さんに?」
久「え、咲が来た!?」
咲「あ、そういうのじゃないですよ。
単純に私も混ざりたかっただけです」
一「どういうこと?」
久「これまでは『咲が来る=私の身が危険』だったのよ」
一「あはは、じゃぁ咲ちゃんは久のナイトなんだ」
咲「夜は逆転しますけどね」
久「さも当たり前のように嘘を盛り込まないでくれる?」
一「で、話を戻すと…最初来たがったのは
衣だったんだけど、透華が
『あなたが行ったら、
久に飼いならされてしまいますわ!!』
って言って止めたんだよ」
久「私を何だと思ってるのよ」
一「猛獣使い」
咲「当たってますね」
一「で、透華が
『代わりに私が行ってきますわ!』
とか言うからさ、今度はボクが止めたわけ」
一「久からしたら透華も衣も大して変わらないからね」
久「ねえ、私ってそんな鬼畜生に見える?
なんか今日一日で自信が無くなってきたわ」
咲「結婚してくれるなら
『大丈夫、部長は普通ですよ』
って言ってあげますよ」
久「やっぱ私のせいなのかしら」
一「うん、割とそうだと思うよ」
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咲「さて、と…これで終了ですね。
今日は本当にお疲れ様でした」
久「何言ってるの。まだ最後の大仕事が残ってるじゃない」
咲「…本当に行くんですか?」
久「まあね」
久「いくらなんでも、
嘆願書を書いた本人をスルーして
終了ってのはありえないでしょ」
咲「はあ…」
咲「だから部長は安心できないんですよ」
咲「自分が狙われてるってわかってるのに、
どこまでも無防備なんですから」
久「ま、なんだかんだ言っても、
大切な友達だもの」
久「それに…何かあったら、
咲が守ってくれるんでしょう?」
咲「……」
咲「ホント、ズルい人ですね」
咲「わかりましたよ…おつきあいします」
久「じゃぁ、行きましょうか!」
久「美穂子のいる病院へ!」
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美穂子「その必要はありませんよ?」
久「わわっ、美穂子!?」ビクゥッ!
咲「いやいや、なんでそこで怯えるんですか。
行く手間が省けただけじゃないですか」
久「もう条件反射なんだってば!」
美穂子「うふふ…上埜さんが来てくれるんだったら…
素直に待っていてもよかったですね」
美穂子「あの牢獄も、上埜さんと二人っきりなら
きっと天国になるでしょう」
美穂子「さ、上埜さん…行きましょう?」
咲「……」ザッ
美穂子「宮永さん…どいてくれないかしら?」
咲「お断りします。部長を守るって約束したので」
久「…なんか、ホントにナイトみたいね」
美穂子「守る必要はないですよ?
私は上埜さんを傷つけませんから」
久「あ、だったら私の事食べたりしないのね!?」
美穂子「純潔は例外です」にっこり
久「一番駄目な例外来ちゃった!」
咲「部長…どうするんですか?
こうなるのは予想できてましたよね?」
久「まぁねぇ。何か相談ある?なんて聞いたら100%
『上埜さんが結婚してくれません』で
返ってくると思ってたし」
久「ただね…どうしても一言だけ、
直接美穂子に言っておきたかったのよ」
美穂子「…何をですか?」
久「……」
久「…ねえ、美穂子」
久「私は、確かにあなたの思いを、
受け入れてあげることはできない」
美穂子「……」
久「でもね…それでもあなたは、
私にとって大切な人なの」
久「だからね…?『相談室』なんて…
他人行儀なものを嘆願しないで?」
美穂子「……っ!」
久「そんなものなくたって…
あなたが望むなら、
私はいつだって相談に乗ってあげるんだから」
美穂子「………」
久「…ね?」
美穂子「…はいっ…!」ポロポロ
咲「……」
咲(だから部長は…安心できないんだよ)
咲(もうこれでもかってくらい、
福路さんの心を奪ってるくせに)
咲(それで、何度も襲われてるくせに)
咲(なんで、さらに手を差し伸べちゃうのかな?)
咲(だから、天然人たらしなんて言われるんだよ…)
咲(……)
咲(…まぁ、私もそれにやられちゃった口だけど)
しゅるんっ
久(簀巻き)「…あれ?」
咲「言いたいことは言いましたよね?
もうそろそろ逃げますよ?」
久(簀巻き)
「え?いやその、私いいこと言ったわよね?」
咲「ええ。いいこと言いすぎて襲われる寸前です」
久(簀巻き)
「ここは、めでたしめでたしで
終わるところじゃないの?」
咲「ヤンデレがそんな空気読むと思いますか?」
美穂子「上埜さん!私、相談があります!!」
美穂子「結婚してください!!」
ヒュッ!
咲「逃げますよ!」
久(簀巻き)
「あっはっはー、最後くらい
綺麗にしめたかったなー!」
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咲「はあ、はぁ…ここまで逃げ切れば、
大丈夫ですかね…」
久(簀巻き)
「多分ね…というか、これ絶対
私が自分で走った方が楽だったでしょ」
咲「守るって、言っちゃいましたからね」
久「ふぅ、脱出。咲も、変なところで律儀よね」
久「ま、でも…ありがと。」
咲「気にしないでください、下心ありますから」
久「どんな下心かしら?」
咲「今日一日守ってあげましたから、ご褒美ください」
久「なるほど」
久「…でも、そもそも私が危険にさらされたのって、
咲が相談室開いたからよね?」
咲「個別に奇襲で襲われるよりも、
待ち受けて一度に撃破できる方が楽じゃないですか」
久「いや、そんな軍師みたいなこと言われても」
咲「…じゃぁ、何もなしですか?」
久「……」
久「もう、仕方ないわね」
チュッ…
咲「えへへ…正直不満ですけど、我慢してあげます」
久「そんな幸せそうな顔して言っても、
説得力無いわよ?」
咲「だって、どうせなら唇がよかったですし」
久「わがまま言わないの。
おでこだって、相当恥ずかしいんだから」
咲「えへへ…唇は、次の機会に取っておきますね?」
久「あはは、次なんか来ないってば」
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--------------------------------------------------------
咲『こうして、たった一日だけの竹井相談室は、
無事幕を閉じました。』
咲『でも、果たしてこれで、本当に終わりでしょうか?』
咲『私はそうは思いません。』
咲『きっと、私がまた退屈しのぎしたくなった時。』
咲『また、私がキスしてほしくなった時。』
咲『竹井相談室は、開室されると思うんです。』
咲『それではまた、次の機会に。』
咲『竹井相談室、おしまい!』
久「いや、何かいい感じのモノローグでしめようとしてるけど、
言ってること最悪だからね!?」
(完)
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久春も久明華ももっと読みたいです…
いつも更新乙です(ゝω・)
仕事で忙しいと思いますが
これからも更新楽しみに待ってます!
>咲がM
照「咲はドSだけどドMでもある」
菫「久以外にはただのドSだがな…」
>バカップル
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美穂子「阻止します」
>久春も久明華も
春「本編でもっと絡んでほしい」
明華「最悪、ふれあいは大会後になっちゃうんですかね…」
>本編
煌「方言、勉強中です!」
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