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【咲SS:菫咲】菫「私が照の代わりになる」【ヤンデレ】【あまあま】
<あらすじ>
咲「弘世さんがお姉ちゃんになりました!」
菫「放置するのはあまりにも不憫だったからな」
照「…どうなっても知らないよ?」
<登場人物>
宮永咲,弘世菫,宮永照,大星淡,竹井久
<症状>
・ヤンデレ(かわいい?)
・依存
<その他>
※以下のリクエストに対する作品です。
当初の予定と異なり、若干ギャグ風味が抜けました。
・咲さんが菫さんとヤンデレな仲
※軽いレベルの性的描写有り。
苦手な方は回避推奨。
--------------------------------------------------------
菫「まったく、あのポンコツは…
方向音痴の癖に、どうしてこう
無駄に行動的なんだ」
菫「何が『駄菓子が私を呼んでいる』だ…
この辺りに、駄菓子屋などないというのに…ん?」
咲「うぅ…ここどこ…?」ウルウル
菫(…あのホーン、妙に既視感があるな…
もしかして照の親戚か?)
菫(同じところを行ったり来たりしている…
もしかして、照と同じで方向音痴なのか?)
菫「なあ、そこの君」
咲「ひゃっ、ひゃいっ!?」
菫「ああ…驚かせてしまったならすまない。
もしかして、道に迷っているのか?」
咲「あ…は、はい!お、おトイレに行きたくて…!
じ、実は、もう、限界で……!」
菫「…急ごうか。連れていってやるから」
……
咲「あ、ありがとうございました…」
菫「なに、大したことじゃない。
この程度なら慣れっ子だからな」
咲「そ、それって、やっぱり
お姉ちゃんが原因なんですか?」
菫「お姉ちゃん…?」
咲「あ、私、宮永咲って言います。
宮永照の妹です」
咲「白糸台の、弘世さんですよね?
雑誌で見たことがあります」
咲「あ、ちなみにこの角が宮永家の証です」ぴこぴこ
菫「確かに、そのホーンは気になっていたが…
あいつ『私に、妹はいない』なんて言っていたぞ?」
咲「うぅ…お姉ちゃん、まだ怒ってるんだ…!」
菫「…あのポンコツが怒り続けるなんて、
相当のことだと思うが…
君は、何かしてしまったのか?」
咲「は…はい…と言っても、確証はないんですけど…」
菫「…それは?」
咲「多分、お姉ちゃんのプリンを
間違えて食べちゃったからだと思います…!」
菫「あー…」
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菫「というわけで、プリン買ってきてやったから、
彼女を許してやってくれないか?」
照「…菫は私をなんだと思ってるの」もきゅもきゅ
照「いくらなんでも、プリン一つ食べられたくらいで
私はそこまで怒りはしない」ゴクン
淡「じゃあ、冷蔵庫に入ってる照のプリンもーらいっ!」
照「…コークスクリュー!」キッ
ドゴォッッッッッ!!
淡「うきゃっほう!?」ガハッ!!
照「……ただし、後輩は別」
菫「…まあ、淡が死んだのはいいとして…
じゃあ、なんで咲ちゃんを無視するんだ」
照「…菫には関係ない」
菫「関係あるから聞いてるんだよ。
咲ちゃんに泣きつかれてしまったからな」
照「……」
照「はぁ…菫の世話焼きもここまでくると、
もはや完全に病気レベル」
菫「失礼な」
照「仕方ないから菫には話しておく」
照「咲は、精神を病んでいる。
これ以上、咲に関わらない方がいい」
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まだ昔、咲と私が一緒に暮らしていた頃
咲は私に懐いていて、どこに行くにもついてきた
私もそれを特に気にせず、咲の好きなようにさせていた
小学校まではそれでよかった
休み時間や授業中に咲が入ってきても、
まだ幼いからと許された
でも、私が中学生になって、通う学校を違えた時
咲は泣いて嫌がった
小学校を休んで私についてきた
私の教室に入り込んできて、出て行こうとしなかった
咲は、それを二週間も繰り返した
そこでようやく、私達は気づいた
咲はどうやら普通じゃないと
病院で診断を受けて、ついた病名は依存症
咲は、やっぱり病気だった
私はすぐに、母と一緒に引っ越した
これ以上、咲を依存させないために
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照「というわけで、今の咲はリハビリ中」
照「ここで会ったら、咲は元に戻ってしまう。
それはこれまでの咲の努力を無にすることにもなる」
照「だから、私は咲には会わないし、
いないものとして扱う」
菫「…そうだったのか…しかし、ぱっと見た感じ
精神に異常をきたしているようには見えなかったが」
照「それだけ回復してきたってことじゃない?
だったらなおさら、咲には会えない」
菫「…しかし、それではあまりにもかわいそうだ。
聞けば、お前に会うためだけに、
わざわざインターハイに出場して
ここまで来たらしいじゃないか」
照「…前言撤回。咲は全然回復してない。
そもそもその発想が異常すぎる」
照「どちらにせよ、今咲と会うわけにはいかない」
菫「…私はどうすればいいんだ?」
照「何とか、いい感じで追い払ってほしい。
できれば、咲を悪戯に刺激しないように」
菫「…それ、かなりの無理難題じゃないか。
どうやら、とんでもない
貧乏くじを引いてしまったようだな…」
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菫「…というわけでだ、照は会う気がないらしい」
咲「お…お姉ちゃん…そんなっ…」ぐすっ
菫「な、泣かないでくれ!別にあいつも、
咲ちゃんを嫌ってるわけじゃないんだ!」
咲「じゃあ、なんでお姉ちゃん、
会ってくれないんですか…?」
菫「……」
菫(言ってしまってもいいんだろうか…
君が、依存しているからだと)
菫(いや、さすがに駄目だよな…くそっ、
なんてごまかせばいいんだ)
咲「…せめて、せめて少しだけでも、
何とかなりませんか?」
咲「一言だけでもいいんです、
お姉ちゃんと、お話したいんです」
咲「一言だけで、いいですから…!!」ポロポロ
菫「……」ズキン
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菫「…と言うわけで、何とかならないか?
せめて、一言だけでも…」
照「はぁ…菫って、人には意外と甘いよね」
菫「…返す言葉もない」
照「いい機会だから言っておく。
菫は、人を切り捨てることを覚えた方がいい」
照「そうやって世話を焼いた結果、
今まで何人の部員に襲われてきたか覚えてる?」
菫「…18人、うち一名は淡(バカ)だが」
照「それだけの被害に遭って、
なんで懲りないのかわからないんだけど…」
菫「そ、今はその話は関係ないだろう!?」
照「大ありだよ。咲は、
これまで菫を襲ってきたどの部員よりも
はるかに危険」
照「このまま関わってたら…
菫、本当に危ないよ?」
照「次はきっぱり断ってきて。
私じゃなくて、他ならぬ菫のために」
菫「……」
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菫「…すまん。やっぱり聞き入れてもらえなかった…」
咲「…そうですか…」
咲「……」キラッ
菫「ちょ、ちょっと待て!
なんでナイフなんか持ってるんだ!?」
咲「…決めてたんです。今度お姉ちゃんが
会ってくれないなら、もう全部諦めようって」
咲「お姉ちゃんに伝えてもらえますか?
今までごめんなさいって。
もし許してくれるなら、
せめてあの世で会ってくださいって」
菫「早まるな!何も死ぬことないだろう!?」
咲「大丈夫です。遺書も書いてありますから…
弘世さんの、ご迷惑にはなりません」
菫「そういう問題じゃない!!」
菫(くそっ!まさかいきなり自殺まで飛躍するとは…
どうすればいい!?)
菫(どうすれば、彼女を救える!?)
咲「…さようなら、お姉ちゃん」ポロポロ
菫「……っ!」
菫「咲!!」
ぎゅっ…!!
カランカランッ…
咲「あっ…ナイフ…」
菫「早まるな!お前はまだ15そこそこなんだろう!?」
菫「これからまだ、いろんな人と出会うはずだ!
その中には、照以上に愛せる人もいるかもしれない!」
菫「こんなに早く、人生を諦めるな!!」
咲「……」
咲「でも、もう無理なんです」
咲「お姉ちゃんに会うことだけを考えて、
ここまで頑張って来たのに」
咲「一目、会うことすら叶わないなんて…」
咲「もう、耐えられないんです」
菫「……」
菫「……」
菫「……私じゃ、駄目か?」
咲「……え?」
菫「君が、立ち直れるまで。
私が、照の代わりになる」
菫「それじゃあ、駄目か?」
咲「……」
咲「…わかりません」
菫「そうか」
菫「『駄目』じゃないならいいさ」
なでなで
咲「あっ…それ…」
菫「すまん、嫌だったか?」
咲「あ、いえ…それ、お姉ちゃんが昔、
よくやってくれたなって…」
菫「…そうか」
なでなで
咲「…本当に、いいんですか?」
菫「何がだ?」
咲「私、弘世さんにあまえてもいいんですか?」
菫「…お安い御用だ。私は一人っ子だったから、
妹が欲しいと思った事もあるしな」
咲「じゃあ、少しの間だけ…
あまえさせてください」
菫「ああ。好きなだけあまえてくれ」
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菫「…ということで、お前に関しては
しっかりと断ち切ってきたぞ」
照「…明らかに状況は悪化してると思うんだけど?」
菫「なんでだよ。咲ちゃんは、お前を諦めた。
しばらくの間私が面倒見て、
後は咲ちゃんが立ち直れば、
それで万事解決だろう?」
照「…菫はヤンデレを甘く見すぎ」
菫「ヤンデレ?なんだそれは」
照「人を愛しすぎて精神を病んだ人の事。
咲は、筋金入りのヤンデレ」
淡「かく言う私もヤンデレでね!」
菫「なんだ、こいつもヤンデレなのか?
だったら全然問題ないじゃないか」
照「淡、話をややこしくしないで」
淡「でもさ、テルー。ちょっとこっち来て?」
照「ん…何?」
トコトコトコ
淡『私思うんだけどさー。ぶっちゃけ、
なんか問題あるのかな?』
照『大ありでしょ…このままじゃ、咲が菫に依存する』
淡『それのなにが問題なの?』
照『菫が疲弊する』
淡『だから、それのなにが問題なの?』
照『……あれ?問題ないかも』
淡『でしょ?それに菫先輩は世話焼きだし、
妹は甘えん坊なんだよね?』
淡『なら、意外にうまくやってけるんじゃない?』
照『…ふむ。一理ある。もう菫の事はほおっておこう。
どうせ自業自得だし』
トコトコトコ
照「ということで、もう好きにしたらいい」
菫「なんだその180度方向転換は!?」
照「菫に賭けてみることにした。
ぜひ、いけに…私の代わりとして頑張ってほしい」
菫「今生贄って言おうとしたよな!?」
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咲「……♪」
久「あら、咲。いつになく機嫌がいいじゃない。
ついにお姉さんに会えたのかしら?」
咲「あ、いえ…お姉ちゃんには会えませんでした」
久「なら、その笑顔の理由はなに?」
咲「えへへ…弘世さんが、慰めてくれたから」
久「弘世さんって…白糸台のシャープシューター?」
咲「はい、シャープシューターです」
咲「弘世さん、お姉ちゃんの代わりになってくれるって。
あまえていいって言ってくれたんです」
久「はぁ!?なんでそうなるの!?」
咲「え、あの…私が、挫けそうだったから…かな?」
久「それで、代わりになるって言ってきたの?」
咲「はい。…嬉しかったなぁ」
久「…そう」
久「私、ちょっと電話してくるわね?」
咲「あ、どうぞ」
久「……」
スタスタ
咲「えへへ、これからどうしようかな?
弘世さん、お弁当作ったら食べてくれるかな?」
咲「弘世さん、何が好きなんだろ?
肉じゃがとか好きだったら嬉しいな」
咲「あ、お姉ちゃんの代わりなら、
一緒に寝てくれるよね?
今日から向こうで寝ようかな?」
久「……」
スタスタ
……
久「照、あなたの親友さんが
危機的状況に陥ってるんだけど?」
照『菫は生贄になった』
久「いやいやそれ、本人はどれだけ
危険なのかわかった上でやってるの?」
照『耳にタコができるくらい説明した。
その上で自分から全力で地雷を踏みに行った』
久「あー…弘世さんってそういう人なんだ」
照『なので、もう諦めることにした。
何が起きても菫の自業自得だから気にしなくていい』
久「まあ、それでいいならこっちも助かるけど」
久「あ、咲は今日からそっちに泊まるみたいだから、
受け入れ態勢整えといてね?」
照『…了解。じゃあ、私がそっちに泊まる』
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菫「さ、咲ちゃん?こんな時間にどうしたんだ?」
咲「お、遅くなっちゃってごめんなさい。
思ったより準備に時間がかかっちゃって」
咲「今日からこっちに泊まります!
よろしくお願いします!」
菫「え!?…ああ、こちらこそよろしく」
菫(なるほど…照の奴がやけに慌ただしく
出て行ったのはこういう事だったのか…)
咲「あ、私、料理作ってきたんです!
お口にあうかわかりませんけど…どうぞ!」
菫「あ、ああ…ありがとう」
菫(ホテルの夕食を取ったばかりなんだが…)
菫「咲ちゃんは、ご飯はもう食べたのか?」
咲「いえ…これ作ってたら時間が無くなっちゃって」
菫「そうか…じゃあ、一緒に食べようか」
咲「はい!」
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菫「ごちそうさま。美味しかったよ。
咲ちゃんは料理が上手いんだな」
咲「えへへ…うちは私が料理担当ですから」
菫「その年で家事をこなしているのか…
咲ちゃんは偉いな」
なでなで
咲「え、えへへ…えへへ…」
菫「だが、急にこっちに来てよかったのか?
清澄でもミーティングとかはあるんだろう?」
咲「ミーティングより、弘世さんの方が大切ですから」
菫「そ、そうか…だが、仲間も大切だぞ?
高校の仲間は一生の友になるってよく言うしな」
咲「はい。あ、弘世さんはお風呂入りました?」
菫「いや、まだだが」
咲「い、一緒に入っていいですか…?
昔は、お姉ちゃんも一緒に入ってくれたんです」
菫「いいだろう。じゃあ、今から入ろうか」
咲「はい!」
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菫「…ふぅ、気持ちいいな」
咲「…はい」
咲「さすがに白糸台ともなると、
個室のお風呂も大きいんですね」
菫「強豪だから、と言う前に白糸台はお嬢様学校だからな。
あまり質を下げると文句を言う部員が出てくる。
…めんどくさいことだ」
咲「でも、そのおかげでこうして
二人で入れるんだから…よかったです」
菫(まあそれでもさすがに、二人で入ると
肌が触れ合ってしまうんだがな…)
菫「さ、あったまったら身体を洗おうか」ザパッ
咲「はい」ザパッ
……
菫「…?どうした?洗わないのか?」
咲「え、えと…」
菫「?」
咲「あ、洗ってくれませんか?」
菫「えぇ!?」
咲「あ、いえ!ご、ごめんなさい!
自分で、洗います…」
菫(咲ちゃん…なんて悲しそうな顔を…)
菫(そうか、照が咲ちゃんと別れたのは、中学生の頃。
咲ちゃんはまだ小学生だった)
菫(なら、照が咲ちゃんを洗ってやっていても
おかしくはないのか…)
菫「…照は、君をどうやって洗ってたんだ?」
咲「……!お、お姉ちゃんは、スポンジを使わないで
こう、手で優しくこすってくれました」
菫「手で!?」
咲「や…やっぱり変ですか?
ぶ、部長も驚いてましたし…」
菫(言われてみれば…確かに照は、
スポンジを使ってなかったな…)
菫(だ、だが…この年で、他人を手で洗うとか…
そ、それってアリなのか?)
咲「……」うるうる
菫(…だが、この目には逆らえない)
菫「…うまくできなかったら許してくれ」
咲「あっ…はい!」ぱぁあああ
にゅるんっ
咲「んっ…!」
菫「あ、すまない!冷たかったか?」
咲「い、いえ…!」
にゅるっ…にゅるんっ…
咲「んっ…ふぅっ…ぁっ…」
菫「あ、あの…咲ちゃん?
なんかつらそうだし、もうやめておくか?」
咲「い、いえ、そういうのじゃなくて…
その…気持ちよくて…」
菫(…それ、余計に駄目じゃないか!?)
にゅるにゅるにゅる…
咲「ふぅ…」
菫「…後ろと手は終わったが……前も?」
咲「は…い…お姉ちゃんは、してくれてました…」
菫「そ、そうか…だ、だがさすがに、
この年でそこまでされるのは、
恥ずかしくないか?」
咲「わ、私は、大丈夫ですから…」
菫「そ、そうか…じゃあ、失礼する」
にゅる
咲「ひゃぁんっ!!」
菫「わ、す、すまん!!」
咲「あ、いえ、ごめんなさい!
ちょっと、今まで感じたことない感覚で」
菫「…やめとくか?」
咲「あ、その…もう一回」
菫「……」
にゅるっ…にゅるるっ…!
咲「ぁっ…ぁっ……!」
菫(これは身体を洗ってるだけ…!
これは身体を洗ってるだけ…!
これは身体を…)
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咲「……」くったり
菫「さ、咲ちゃん…大丈夫か?」
咲「はい…大丈夫です…」
菫「お風呂上がりは、いつもこうなのか?」
咲「いえ…今回が初めてです…
多分、菫さんのやり方が…
その、気持ちよかったから…」
菫「…なんかすまない」
咲「えぇ!?よかったんですよ!?
気持ちよかったです!」
菫「た、頼むから何度も言わないでくれ!」
菫「と、とりあえず…私は何か飲み物を買ってくるよ。
咲ちゃんはしばらく休んでいるといい」
菫「楽になったら着替えるんだぞ?
いつまでもバスタオルだけだと風邪をひくからな」
咲「あっ…やだっ!」
ぎゅっ…
菫「…?咲ちゃん?」
咲「いっちゃやだ…」
菫「…飲み物を買いに行くだけだ。すぐ戻ってくるさ」
咲「そ、それでも…一人にしないでください…」
菫「わ、わかったから!もう行かないから!」
菫(は、半裸のままくっつかないでくれ…!!)
菫「…ならいっそ、もうこのまま寝てしまうか…」
咲「そうですね…」ぬぎっ
菫「さ、咲ちゃん?どうしてバスタオルを脱いで、
そのままベッドに入るんだ?」
咲「…昔、お姉ちゃんと寝る時は裸だったんです」
菫(宮永照ぅう!何やってんだお前ぇぇえええ!!!)
咲「…菫さんも……いいですか?」
菫「…一応部屋は個々に割り当てられているんだが」
咲「……」ウルウル
菫「…はぁ」
菫「…わかったよ、私の負けだ」
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咲「……♪」
菫「……」
咲「……♪」
ぎゅーっ…
菫(…なんだこの状況は)
菫(いくらセミダブルとはいえ、
二人で寝るには少し狭いこのベッドで)
菫(なぜか私は、咲ちゃんと抱きあいながら
顔を突き合わせている…)
菫(…しかも、互いに一糸まとわぬ姿で)
菫(小学校の頃ならともかく…
これ、普通にまずいんじゃないか?)
菫(やめるべきか…だが照の代わりになるって
言ってしまったし…初日から無下に拒絶するのも…)
咲「菫さん?」
菫「!…どうした、咲ちゃん?」
咲「…いえ、何か難しい顔で
考え事してるみたいだったので…」
咲「…やっぱり、迷惑だったのかなって…」シュン
菫「……!」
菫「咲ちゃんが悪いんじゃない。
ただ、私の心の準備が足りてなかっただけだ」
菫「ずっと、寂しかったんだもんな…
そりゃ、あまえたくもなるさ」
菫「しばらくは、好きなだけあまえるといい」
咲「……!」
咲「じゃ、じゃぁ…一つ、お願いしてもいいですか?」
菫「…なんだ?」
咲「そ、その…さきって、呼んでもらっていいですか?」
菫「ん?今も呼んでいるだろう?」
咲「あ、その…ちゃん付けなしで…
あの時みたいに…」
菫「…そんな事ならお安い御用だ。
じゃあ、これからは咲と呼ばせてもらうよ」
咲「す、菫さん!嬉しい!!」ぱぁあああ
ぎゅーっ!!
菫「あ、あまり密着しないでくれ!心の準備が!!」
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菫「……」げっそり
淡「昨晩はお楽しみでしたね」
照「…ずいぶんやつれてるね」
菫「…主にお前のせいでな」
照「私のせい?なんで?」
菫「なんで妹まで素手で洗ってるんだ!
スポンジ使えよ!!」
照「…スポンジで強くこすると肌が傷つく。
手でこするくらいがちょうどいい」
菫「なんで裸で抱きあって寝るんだよ!」
照「当時全裸で寝る健康法が流行ってたから
乗っかっただけ。
それもずっとやってたわけじゃないし」
照「というか、菫…今言ったの、
まさか咲にやったわけじゃないよね?」
菫「……」
淡「えぇ!?じゃあ菫先輩、
妹さんをすみずまでなで回した上に、
すっぽんぽんでくっついて寝ちゃったの!?」
照「…さすがに今の年齢でやるのはどうかと思う」
淡「責任取るレベルだよ!責任!」
菫「うるさい!咲が求めるんだから
仕方ないだろう!?」
照「…そうかもね」
照(さすが菫。あっさりと最悪の禁忌を犯す)
照(これでは、もう…咲は菫を、
絶対に逃がしたりしないだろう)
照(…まあ、菫の自業自得だから何も言わないけど…)
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咲「菫お姉ちゃん…んっ…」
菫「なあ、咲…本当に、『これ』もやってたのか?」
咲「うん。あの時はほっぺだったけど」
菫「それをもっと早く言えよ!?
というかなんで唇に格上げしたんだ!
私ファーストキスだったんだぞ!?」
咲「私も初めてだったよ?」
菫「そういう問題じゃないんだが…!」
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菫「なあ、咲…その、そういうところを
触ってくるの、やめてくれないか?」
咲「え、でも…菫お姉ちゃん、
私のはお風呂の時にいっぱい触ってるよね?」
菫「あれは、身体を洗ってるだけだろう?」
咲「じゃあ、私も体を洗う」
菫「だ、駄目だ!そもそもこういうのは、
将来を誓った相手とすることだろう?」
菫「姉妹でやるようなことじゃない!」
咲「……」
咲「…菫お姉ちゃんは、
本当のお姉ちゃんじゃないもん」
菫「……!?」
咲「だから、結婚だってできるもん」
菫「……」
咲「あまさせてくれるっていうのは嘘だったの…?
中途半端に私を慰めて、
最後には捨てちゃうつもりだったの…?」
菫「…そんなことはないが」
咲「だよね!だったら一生、
一緒に居てくれるんだよね!?」
咲「もっといっぱい、あまえさせてよ!」
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咲「……」
菫「……」
咲「えへへ…しちゃったね」
菫「……すまない」
咲「謝るようなことはしてないよ?」
咲「ただ、責任取ってくれれば」
菫「…ああ」
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咲「菫お姉ちゃん、今日は用事ないんだよね?」
菫「ああ、咲の方は?」
咲「私もないよ。今日はずーっと一緒にいようね」
菫「そうだな。どこか出かけるか?」
咲「ううん、ここでいい。
不純物が混ざるのいやだから」
咲「ずっと、菫お姉ちゃんだけに浸っていたいから」
菫「…そうか、でもまずは朝風呂でも入ろう。
ベタベタして仕方がない」
咲「…どうせまたベトベトになっちゃうけどね」
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咲「…もうすぐ個人戦、終わっちゃうね」
菫「…そうだな」
咲「大会が終わっちゃったら…
私達、どうなるの?」
菫「別に、どうもしないさ。
今の関係をやめるつもりはない」
咲「でも、離れ離れになっちゃうよ?」
菫「…卒業したら、そっちに行くよ」
咲「待てないよ。半年も待てない」
菫「…だが」
咲「学校やめて、ついていっていい?」
菫「…駄目だ。咲はまだ一年生じゃないか」
咲「菫お姉ちゃんと離れるの、やだ」
菫「…私だって、嫌だよ」
咲「不安なの。離れるの不安なの。
照お姉ちゃんの時もそうだった」
咲「もう、絶対に離れたくないよ」
菫「…咲」
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菫「…というわけで、籍を入れることにした」
淡「うわー!菫先輩とサキ、結婚するんだー!!
いいなー!!」
照「…もう一度言ってもらっていい?」
菫「ん?聞こえなかったか?
咲と、籍を入れることにした」
淡「おめでとう!!」
照「いい病院紹介しようか?大丈夫、
精神病院に通うのは恥ずかしい事じゃない。
私も行ってたことがある」
菫「私は別に狂ってなんかいない!」
菫「……」
菫「いや、前言を撤回しよう…
ちょっとだけ、狂ってるかもしれないな」
淡「えー?ちょっとどころかすごい狂ってるよー」
照「急にマフラーしてくるようになったから
松実さんリスペクトかと思ったら、
下には病的な量のキスマーク」
淡「お昼は用意してもらえるのにわざわざ愛妻弁当!」
照「この短期間のためだけに、
わざわざプリペイド携帯まで与えて
会えない間はメールと電話の嵐」
淡「サキはサキで対局が終わるなり、
インタビューより先に菫先輩に会いに来るし!」
照「で、帰ったら帰ったで、
お風呂も一緒に入って
念入り(意味深)に身体を洗って」
淡「夜はずーっとお楽しみタイム!!
ここまでくると完全に中毒だよね!」
菫「…まあ、否定はできないな」
照「でも、さすがに入籍はやりすぎ。
一体何があったっていうの?」
菫「ああ…もうすぐ個人戦も終わって、
咲は長野に帰ってしまうだろう?」
菫「しばらく会えなくなるって言ったら、
咲がおかしくなってしまってな」
淡(最初からおかしいのは黙っておこう。
空気が読める私かっこいい!!)
菫「それで、咲を安心させるには
どうしたらいいかと考えたんだが…
やはり、結婚するのが一番かと思ってな」
照「……」
照(なぜそこで結婚という結論に
至るのかさっぱりわからないけど…
まあいいや。菫もきっと病んでるんでしょ)
照「…菫にヤンデレの素質があるとは思わなかった」
淡「ヤンデレで両想いとかいいなー!」
菫「失礼な。私は自分の言葉の責任を取っているだけだ」
菫「む、いかん。もう3分も経過してしまった。
咲を寂しがらせてしまう」メルメル
照「…本当に、二人はお似合いだよ」
淡「いいなー」
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咲「…なんだか、夢みたい」
菫「ああ…結婚式は、日を改めて
落ち着いてからやるつもりだったんだけどな」
咲「りゅーもんさんに感謝しないとね」
菫「ああ。おかげで盛大に祝うことができる」
咲「……」
咲「…菫お姉ちゃん、ありがとう」
菫「ん?なんだ急に」
咲「私の、わがままに付き合ってくれて」
咲「照お姉ちゃんより、大切な人になってくれて」
菫「……」
菫「最初は、ここまでするつもりはなかったんだけどな」
菫「世話を焼いているうちに、目が離せなくなって…」
菫「いつの間にか、いないと落ち着かなくなって…」
菫「咲が居ないと、駄目になっていた」
菫「だから、私からも言わせてくれ」
菫「私と結ばれてくれて、ありがとう」
咲「…えへへ」
チュッ…
咲「結婚しておく前にね?
言っておかなくちゃいけないことがあるんだ」
菫「…なんだ?」
咲「私ね…実は、ちょっと病気なんだ」
咲「好きな人以外、見えなくなっちゃう。
好きな人以外、考えられなっちゃう。
好きな人を、束縛したくなっちゃう」
咲「だから、絶対迷惑かけちゃうと思う…
ごめんなさい」
菫「…これまた、ずいぶんと今更だな」
菫「咲が病気なのは、最初から知っていた」
菫「それでも私は咲を選んだんだ」
菫「大丈夫。私は咲を捨てたりしない。
たとえ、刺されたりしたとしても」
菫「これからも、よろしくな?」
咲「…はい!」
(完)
咲「弘世さんがお姉ちゃんになりました!」
菫「放置するのはあまりにも不憫だったからな」
照「…どうなっても知らないよ?」
<登場人物>
宮永咲,弘世菫,宮永照,大星淡,竹井久
<症状>
・ヤンデレ(かわいい?)
・依存
<その他>
※以下のリクエストに対する作品です。
当初の予定と異なり、若干ギャグ風味が抜けました。
・咲さんが菫さんとヤンデレな仲
※軽いレベルの性的描写有り。
苦手な方は回避推奨。
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菫「まったく、あのポンコツは…
方向音痴の癖に、どうしてこう
無駄に行動的なんだ」
菫「何が『駄菓子が私を呼んでいる』だ…
この辺りに、駄菓子屋などないというのに…ん?」
咲「うぅ…ここどこ…?」ウルウル
菫(…あのホーン、妙に既視感があるな…
もしかして照の親戚か?)
菫(同じところを行ったり来たりしている…
もしかして、照と同じで方向音痴なのか?)
菫「なあ、そこの君」
咲「ひゃっ、ひゃいっ!?」
菫「ああ…驚かせてしまったならすまない。
もしかして、道に迷っているのか?」
咲「あ…は、はい!お、おトイレに行きたくて…!
じ、実は、もう、限界で……!」
菫「…急ごうか。連れていってやるから」
……
咲「あ、ありがとうございました…」
菫「なに、大したことじゃない。
この程度なら慣れっ子だからな」
咲「そ、それって、やっぱり
お姉ちゃんが原因なんですか?」
菫「お姉ちゃん…?」
咲「あ、私、宮永咲って言います。
宮永照の妹です」
咲「白糸台の、弘世さんですよね?
雑誌で見たことがあります」
咲「あ、ちなみにこの角が宮永家の証です」ぴこぴこ
菫「確かに、そのホーンは気になっていたが…
あいつ『私に、妹はいない』なんて言っていたぞ?」
咲「うぅ…お姉ちゃん、まだ怒ってるんだ…!」
菫「…あのポンコツが怒り続けるなんて、
相当のことだと思うが…
君は、何かしてしまったのか?」
咲「は…はい…と言っても、確証はないんですけど…」
菫「…それは?」
咲「多分、お姉ちゃんのプリンを
間違えて食べちゃったからだと思います…!」
菫「あー…」
--------------------------------------------------------
菫「というわけで、プリン買ってきてやったから、
彼女を許してやってくれないか?」
照「…菫は私をなんだと思ってるの」もきゅもきゅ
照「いくらなんでも、プリン一つ食べられたくらいで
私はそこまで怒りはしない」ゴクン
淡「じゃあ、冷蔵庫に入ってる照のプリンもーらいっ!」
照「…コークスクリュー!」キッ
ドゴォッッッッッ!!
淡「うきゃっほう!?」ガハッ!!
照「……ただし、後輩は別」
菫「…まあ、淡が死んだのはいいとして…
じゃあ、なんで咲ちゃんを無視するんだ」
照「…菫には関係ない」
菫「関係あるから聞いてるんだよ。
咲ちゃんに泣きつかれてしまったからな」
照「……」
照「はぁ…菫の世話焼きもここまでくると、
もはや完全に病気レベル」
菫「失礼な」
照「仕方ないから菫には話しておく」
照「咲は、精神を病んでいる。
これ以上、咲に関わらない方がいい」
--------------------------------------------------------
まだ昔、咲と私が一緒に暮らしていた頃
咲は私に懐いていて、どこに行くにもついてきた
私もそれを特に気にせず、咲の好きなようにさせていた
小学校まではそれでよかった
休み時間や授業中に咲が入ってきても、
まだ幼いからと許された
でも、私が中学生になって、通う学校を違えた時
咲は泣いて嫌がった
小学校を休んで私についてきた
私の教室に入り込んできて、出て行こうとしなかった
咲は、それを二週間も繰り返した
そこでようやく、私達は気づいた
咲はどうやら普通じゃないと
病院で診断を受けて、ついた病名は依存症
咲は、やっぱり病気だった
私はすぐに、母と一緒に引っ越した
これ以上、咲を依存させないために
--------------------------------------------------------
照「というわけで、今の咲はリハビリ中」
照「ここで会ったら、咲は元に戻ってしまう。
それはこれまでの咲の努力を無にすることにもなる」
照「だから、私は咲には会わないし、
いないものとして扱う」
菫「…そうだったのか…しかし、ぱっと見た感じ
精神に異常をきたしているようには見えなかったが」
照「それだけ回復してきたってことじゃない?
だったらなおさら、咲には会えない」
菫「…しかし、それではあまりにもかわいそうだ。
聞けば、お前に会うためだけに、
わざわざインターハイに出場して
ここまで来たらしいじゃないか」
照「…前言撤回。咲は全然回復してない。
そもそもその発想が異常すぎる」
照「どちらにせよ、今咲と会うわけにはいかない」
菫「…私はどうすればいいんだ?」
照「何とか、いい感じで追い払ってほしい。
できれば、咲を悪戯に刺激しないように」
菫「…それ、かなりの無理難題じゃないか。
どうやら、とんでもない
貧乏くじを引いてしまったようだな…」
--------------------------------------------------------
菫「…というわけでだ、照は会う気がないらしい」
咲「お…お姉ちゃん…そんなっ…」ぐすっ
菫「な、泣かないでくれ!別にあいつも、
咲ちゃんを嫌ってるわけじゃないんだ!」
咲「じゃあ、なんでお姉ちゃん、
会ってくれないんですか…?」
菫「……」
菫(言ってしまってもいいんだろうか…
君が、依存しているからだと)
菫(いや、さすがに駄目だよな…くそっ、
なんてごまかせばいいんだ)
咲「…せめて、せめて少しだけでも、
何とかなりませんか?」
咲「一言だけでもいいんです、
お姉ちゃんと、お話したいんです」
咲「一言だけで、いいですから…!!」ポロポロ
菫「……」ズキン
--------------------------------------------------------
菫「…と言うわけで、何とかならないか?
せめて、一言だけでも…」
照「はぁ…菫って、人には意外と甘いよね」
菫「…返す言葉もない」
照「いい機会だから言っておく。
菫は、人を切り捨てることを覚えた方がいい」
照「そうやって世話を焼いた結果、
今まで何人の部員に襲われてきたか覚えてる?」
菫「…18人、うち一名は淡(バカ)だが」
照「それだけの被害に遭って、
なんで懲りないのかわからないんだけど…」
菫「そ、今はその話は関係ないだろう!?」
照「大ありだよ。咲は、
これまで菫を襲ってきたどの部員よりも
はるかに危険」
照「このまま関わってたら…
菫、本当に危ないよ?」
照「次はきっぱり断ってきて。
私じゃなくて、他ならぬ菫のために」
菫「……」
--------------------------------------------------------
菫「…すまん。やっぱり聞き入れてもらえなかった…」
咲「…そうですか…」
咲「……」キラッ
菫「ちょ、ちょっと待て!
なんでナイフなんか持ってるんだ!?」
咲「…決めてたんです。今度お姉ちゃんが
会ってくれないなら、もう全部諦めようって」
咲「お姉ちゃんに伝えてもらえますか?
今までごめんなさいって。
もし許してくれるなら、
せめてあの世で会ってくださいって」
菫「早まるな!何も死ぬことないだろう!?」
咲「大丈夫です。遺書も書いてありますから…
弘世さんの、ご迷惑にはなりません」
菫「そういう問題じゃない!!」
菫(くそっ!まさかいきなり自殺まで飛躍するとは…
どうすればいい!?)
菫(どうすれば、彼女を救える!?)
咲「…さようなら、お姉ちゃん」ポロポロ
菫「……っ!」
菫「咲!!」
ぎゅっ…!!
カランカランッ…
咲「あっ…ナイフ…」
菫「早まるな!お前はまだ15そこそこなんだろう!?」
菫「これからまだ、いろんな人と出会うはずだ!
その中には、照以上に愛せる人もいるかもしれない!」
菫「こんなに早く、人生を諦めるな!!」
咲「……」
咲「でも、もう無理なんです」
咲「お姉ちゃんに会うことだけを考えて、
ここまで頑張って来たのに」
咲「一目、会うことすら叶わないなんて…」
咲「もう、耐えられないんです」
菫「……」
菫「……」
菫「……私じゃ、駄目か?」
咲「……え?」
菫「君が、立ち直れるまで。
私が、照の代わりになる」
菫「それじゃあ、駄目か?」
咲「……」
咲「…わかりません」
菫「そうか」
菫「『駄目』じゃないならいいさ」
なでなで
咲「あっ…それ…」
菫「すまん、嫌だったか?」
咲「あ、いえ…それ、お姉ちゃんが昔、
よくやってくれたなって…」
菫「…そうか」
なでなで
咲「…本当に、いいんですか?」
菫「何がだ?」
咲「私、弘世さんにあまえてもいいんですか?」
菫「…お安い御用だ。私は一人っ子だったから、
妹が欲しいと思った事もあるしな」
咲「じゃあ、少しの間だけ…
あまえさせてください」
菫「ああ。好きなだけあまえてくれ」
--------------------------------------------------------
菫「…ということで、お前に関しては
しっかりと断ち切ってきたぞ」
照「…明らかに状況は悪化してると思うんだけど?」
菫「なんでだよ。咲ちゃんは、お前を諦めた。
しばらくの間私が面倒見て、
後は咲ちゃんが立ち直れば、
それで万事解決だろう?」
照「…菫はヤンデレを甘く見すぎ」
菫「ヤンデレ?なんだそれは」
照「人を愛しすぎて精神を病んだ人の事。
咲は、筋金入りのヤンデレ」
淡「かく言う私もヤンデレでね!」
菫「なんだ、こいつもヤンデレなのか?
だったら全然問題ないじゃないか」
照「淡、話をややこしくしないで」
淡「でもさ、テルー。ちょっとこっち来て?」
照「ん…何?」
トコトコトコ
淡『私思うんだけどさー。ぶっちゃけ、
なんか問題あるのかな?』
照『大ありでしょ…このままじゃ、咲が菫に依存する』
淡『それのなにが問題なの?』
照『菫が疲弊する』
淡『だから、それのなにが問題なの?』
照『……あれ?問題ないかも』
淡『でしょ?それに菫先輩は世話焼きだし、
妹は甘えん坊なんだよね?』
淡『なら、意外にうまくやってけるんじゃない?』
照『…ふむ。一理ある。もう菫の事はほおっておこう。
どうせ自業自得だし』
トコトコトコ
照「ということで、もう好きにしたらいい」
菫「なんだその180度方向転換は!?」
照「菫に賭けてみることにした。
ぜひ、いけに…私の代わりとして頑張ってほしい」
菫「今生贄って言おうとしたよな!?」
--------------------------------------------------------
咲「……♪」
久「あら、咲。いつになく機嫌がいいじゃない。
ついにお姉さんに会えたのかしら?」
咲「あ、いえ…お姉ちゃんには会えませんでした」
久「なら、その笑顔の理由はなに?」
咲「えへへ…弘世さんが、慰めてくれたから」
久「弘世さんって…白糸台のシャープシューター?」
咲「はい、シャープシューターです」
咲「弘世さん、お姉ちゃんの代わりになってくれるって。
あまえていいって言ってくれたんです」
久「はぁ!?なんでそうなるの!?」
咲「え、あの…私が、挫けそうだったから…かな?」
久「それで、代わりになるって言ってきたの?」
咲「はい。…嬉しかったなぁ」
久「…そう」
久「私、ちょっと電話してくるわね?」
咲「あ、どうぞ」
久「……」
スタスタ
咲「えへへ、これからどうしようかな?
弘世さん、お弁当作ったら食べてくれるかな?」
咲「弘世さん、何が好きなんだろ?
肉じゃがとか好きだったら嬉しいな」
咲「あ、お姉ちゃんの代わりなら、
一緒に寝てくれるよね?
今日から向こうで寝ようかな?」
久「……」
スタスタ
……
久「照、あなたの親友さんが
危機的状況に陥ってるんだけど?」
照『菫は生贄になった』
久「いやいやそれ、本人はどれだけ
危険なのかわかった上でやってるの?」
照『耳にタコができるくらい説明した。
その上で自分から全力で地雷を踏みに行った』
久「あー…弘世さんってそういう人なんだ」
照『なので、もう諦めることにした。
何が起きても菫の自業自得だから気にしなくていい』
久「まあ、それでいいならこっちも助かるけど」
久「あ、咲は今日からそっちに泊まるみたいだから、
受け入れ態勢整えといてね?」
照『…了解。じゃあ、私がそっちに泊まる』
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
菫「さ、咲ちゃん?こんな時間にどうしたんだ?」
咲「お、遅くなっちゃってごめんなさい。
思ったより準備に時間がかかっちゃって」
咲「今日からこっちに泊まります!
よろしくお願いします!」
菫「え!?…ああ、こちらこそよろしく」
菫(なるほど…照の奴がやけに慌ただしく
出て行ったのはこういう事だったのか…)
咲「あ、私、料理作ってきたんです!
お口にあうかわかりませんけど…どうぞ!」
菫「あ、ああ…ありがとう」
菫(ホテルの夕食を取ったばかりなんだが…)
菫「咲ちゃんは、ご飯はもう食べたのか?」
咲「いえ…これ作ってたら時間が無くなっちゃって」
菫「そうか…じゃあ、一緒に食べようか」
咲「はい!」
--------------------------------------------------------
菫「ごちそうさま。美味しかったよ。
咲ちゃんは料理が上手いんだな」
咲「えへへ…うちは私が料理担当ですから」
菫「その年で家事をこなしているのか…
咲ちゃんは偉いな」
なでなで
咲「え、えへへ…えへへ…」
菫「だが、急にこっちに来てよかったのか?
清澄でもミーティングとかはあるんだろう?」
咲「ミーティングより、弘世さんの方が大切ですから」
菫「そ、そうか…だが、仲間も大切だぞ?
高校の仲間は一生の友になるってよく言うしな」
咲「はい。あ、弘世さんはお風呂入りました?」
菫「いや、まだだが」
咲「い、一緒に入っていいですか…?
昔は、お姉ちゃんも一緒に入ってくれたんです」
菫「いいだろう。じゃあ、今から入ろうか」
咲「はい!」
--------------------------------------------------------
菫「…ふぅ、気持ちいいな」
咲「…はい」
咲「さすがに白糸台ともなると、
個室のお風呂も大きいんですね」
菫「強豪だから、と言う前に白糸台はお嬢様学校だからな。
あまり質を下げると文句を言う部員が出てくる。
…めんどくさいことだ」
咲「でも、そのおかげでこうして
二人で入れるんだから…よかったです」
菫(まあそれでもさすがに、二人で入ると
肌が触れ合ってしまうんだがな…)
菫「さ、あったまったら身体を洗おうか」ザパッ
咲「はい」ザパッ
……
菫「…?どうした?洗わないのか?」
咲「え、えと…」
菫「?」
咲「あ、洗ってくれませんか?」
菫「えぇ!?」
咲「あ、いえ!ご、ごめんなさい!
自分で、洗います…」
菫(咲ちゃん…なんて悲しそうな顔を…)
菫(そうか、照が咲ちゃんと別れたのは、中学生の頃。
咲ちゃんはまだ小学生だった)
菫(なら、照が咲ちゃんを洗ってやっていても
おかしくはないのか…)
菫「…照は、君をどうやって洗ってたんだ?」
咲「……!お、お姉ちゃんは、スポンジを使わないで
こう、手で優しくこすってくれました」
菫「手で!?」
咲「や…やっぱり変ですか?
ぶ、部長も驚いてましたし…」
菫(言われてみれば…確かに照は、
スポンジを使ってなかったな…)
菫(だ、だが…この年で、他人を手で洗うとか…
そ、それってアリなのか?)
咲「……」うるうる
菫(…だが、この目には逆らえない)
菫「…うまくできなかったら許してくれ」
咲「あっ…はい!」ぱぁあああ
にゅるんっ
咲「んっ…!」
菫「あ、すまない!冷たかったか?」
咲「い、いえ…!」
にゅるっ…にゅるんっ…
咲「んっ…ふぅっ…ぁっ…」
菫「あ、あの…咲ちゃん?
なんかつらそうだし、もうやめておくか?」
咲「い、いえ、そういうのじゃなくて…
その…気持ちよくて…」
菫(…それ、余計に駄目じゃないか!?)
にゅるにゅるにゅる…
咲「ふぅ…」
菫「…後ろと手は終わったが……前も?」
咲「は…い…お姉ちゃんは、してくれてました…」
菫「そ、そうか…だ、だがさすがに、
この年でそこまでされるのは、
恥ずかしくないか?」
咲「わ、私は、大丈夫ですから…」
菫「そ、そうか…じゃあ、失礼する」
にゅる
咲「ひゃぁんっ!!」
菫「わ、す、すまん!!」
咲「あ、いえ、ごめんなさい!
ちょっと、今まで感じたことない感覚で」
菫「…やめとくか?」
咲「あ、その…もう一回」
菫「……」
にゅるっ…にゅるるっ…!
咲「ぁっ…ぁっ……!」
菫(これは身体を洗ってるだけ…!
これは身体を洗ってるだけ…!
これは身体を…)
--------------------------------------------------------
咲「……」くったり
菫「さ、咲ちゃん…大丈夫か?」
咲「はい…大丈夫です…」
菫「お風呂上がりは、いつもこうなのか?」
咲「いえ…今回が初めてです…
多分、菫さんのやり方が…
その、気持ちよかったから…」
菫「…なんかすまない」
咲「えぇ!?よかったんですよ!?
気持ちよかったです!」
菫「た、頼むから何度も言わないでくれ!」
菫「と、とりあえず…私は何か飲み物を買ってくるよ。
咲ちゃんはしばらく休んでいるといい」
菫「楽になったら着替えるんだぞ?
いつまでもバスタオルだけだと風邪をひくからな」
咲「あっ…やだっ!」
ぎゅっ…
菫「…?咲ちゃん?」
咲「いっちゃやだ…」
菫「…飲み物を買いに行くだけだ。すぐ戻ってくるさ」
咲「そ、それでも…一人にしないでください…」
菫「わ、わかったから!もう行かないから!」
菫(は、半裸のままくっつかないでくれ…!!)
菫「…ならいっそ、もうこのまま寝てしまうか…」
咲「そうですね…」ぬぎっ
菫「さ、咲ちゃん?どうしてバスタオルを脱いで、
そのままベッドに入るんだ?」
咲「…昔、お姉ちゃんと寝る時は裸だったんです」
菫(宮永照ぅう!何やってんだお前ぇぇえええ!!!)
咲「…菫さんも……いいですか?」
菫「…一応部屋は個々に割り当てられているんだが」
咲「……」ウルウル
菫「…はぁ」
菫「…わかったよ、私の負けだ」
--------------------------------------------------------
咲「……♪」
菫「……」
咲「……♪」
ぎゅーっ…
菫(…なんだこの状況は)
菫(いくらセミダブルとはいえ、
二人で寝るには少し狭いこのベッドで)
菫(なぜか私は、咲ちゃんと抱きあいながら
顔を突き合わせている…)
菫(…しかも、互いに一糸まとわぬ姿で)
菫(小学校の頃ならともかく…
これ、普通にまずいんじゃないか?)
菫(やめるべきか…だが照の代わりになるって
言ってしまったし…初日から無下に拒絶するのも…)
咲「菫さん?」
菫「!…どうした、咲ちゃん?」
咲「…いえ、何か難しい顔で
考え事してるみたいだったので…」
咲「…やっぱり、迷惑だったのかなって…」シュン
菫「……!」
菫「咲ちゃんが悪いんじゃない。
ただ、私の心の準備が足りてなかっただけだ」
菫「ずっと、寂しかったんだもんな…
そりゃ、あまえたくもなるさ」
菫「しばらくは、好きなだけあまえるといい」
咲「……!」
咲「じゃ、じゃぁ…一つ、お願いしてもいいですか?」
菫「…なんだ?」
咲「そ、その…さきって、呼んでもらっていいですか?」
菫「ん?今も呼んでいるだろう?」
咲「あ、その…ちゃん付けなしで…
あの時みたいに…」
菫「…そんな事ならお安い御用だ。
じゃあ、これからは咲と呼ばせてもらうよ」
咲「す、菫さん!嬉しい!!」ぱぁあああ
ぎゅーっ!!
菫「あ、あまり密着しないでくれ!心の準備が!!」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
菫「……」げっそり
淡「昨晩はお楽しみでしたね」
照「…ずいぶんやつれてるね」
菫「…主にお前のせいでな」
照「私のせい?なんで?」
菫「なんで妹まで素手で洗ってるんだ!
スポンジ使えよ!!」
照「…スポンジで強くこすると肌が傷つく。
手でこするくらいがちょうどいい」
菫「なんで裸で抱きあって寝るんだよ!」
照「当時全裸で寝る健康法が流行ってたから
乗っかっただけ。
それもずっとやってたわけじゃないし」
照「というか、菫…今言ったの、
まさか咲にやったわけじゃないよね?」
菫「……」
淡「えぇ!?じゃあ菫先輩、
妹さんをすみずまでなで回した上に、
すっぽんぽんでくっついて寝ちゃったの!?」
照「…さすがに今の年齢でやるのはどうかと思う」
淡「責任取るレベルだよ!責任!」
菫「うるさい!咲が求めるんだから
仕方ないだろう!?」
照「…そうかもね」
照(さすが菫。あっさりと最悪の禁忌を犯す)
照(これでは、もう…咲は菫を、
絶対に逃がしたりしないだろう)
照(…まあ、菫の自業自得だから何も言わないけど…)
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
咲「菫お姉ちゃん…んっ…」
菫「なあ、咲…本当に、『これ』もやってたのか?」
咲「うん。あの時はほっぺだったけど」
菫「それをもっと早く言えよ!?
というかなんで唇に格上げしたんだ!
私ファーストキスだったんだぞ!?」
咲「私も初めてだったよ?」
菫「そういう問題じゃないんだが…!」
--------------------------------------------------------
菫「なあ、咲…その、そういうところを
触ってくるの、やめてくれないか?」
咲「え、でも…菫お姉ちゃん、
私のはお風呂の時にいっぱい触ってるよね?」
菫「あれは、身体を洗ってるだけだろう?」
咲「じゃあ、私も体を洗う」
菫「だ、駄目だ!そもそもこういうのは、
将来を誓った相手とすることだろう?」
菫「姉妹でやるようなことじゃない!」
咲「……」
咲「…菫お姉ちゃんは、
本当のお姉ちゃんじゃないもん」
菫「……!?」
咲「だから、結婚だってできるもん」
菫「……」
咲「あまさせてくれるっていうのは嘘だったの…?
中途半端に私を慰めて、
最後には捨てちゃうつもりだったの…?」
菫「…そんなことはないが」
咲「だよね!だったら一生、
一緒に居てくれるんだよね!?」
咲「もっといっぱい、あまえさせてよ!」
--------------------------------------------------------
咲「……」
菫「……」
咲「えへへ…しちゃったね」
菫「……すまない」
咲「謝るようなことはしてないよ?」
咲「ただ、責任取ってくれれば」
菫「…ああ」
--------------------------------------------------------
咲「菫お姉ちゃん、今日は用事ないんだよね?」
菫「ああ、咲の方は?」
咲「私もないよ。今日はずーっと一緒にいようね」
菫「そうだな。どこか出かけるか?」
咲「ううん、ここでいい。
不純物が混ざるのいやだから」
咲「ずっと、菫お姉ちゃんだけに浸っていたいから」
菫「…そうか、でもまずは朝風呂でも入ろう。
ベタベタして仕方がない」
咲「…どうせまたベトベトになっちゃうけどね」
--------------------------------------------------------
咲「…もうすぐ個人戦、終わっちゃうね」
菫「…そうだな」
咲「大会が終わっちゃったら…
私達、どうなるの?」
菫「別に、どうもしないさ。
今の関係をやめるつもりはない」
咲「でも、離れ離れになっちゃうよ?」
菫「…卒業したら、そっちに行くよ」
咲「待てないよ。半年も待てない」
菫「…だが」
咲「学校やめて、ついていっていい?」
菫「…駄目だ。咲はまだ一年生じゃないか」
咲「菫お姉ちゃんと離れるの、やだ」
菫「…私だって、嫌だよ」
咲「不安なの。離れるの不安なの。
照お姉ちゃんの時もそうだった」
咲「もう、絶対に離れたくないよ」
菫「…咲」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
菫「…というわけで、籍を入れることにした」
淡「うわー!菫先輩とサキ、結婚するんだー!!
いいなー!!」
照「…もう一度言ってもらっていい?」
菫「ん?聞こえなかったか?
咲と、籍を入れることにした」
淡「おめでとう!!」
照「いい病院紹介しようか?大丈夫、
精神病院に通うのは恥ずかしい事じゃない。
私も行ってたことがある」
菫「私は別に狂ってなんかいない!」
菫「……」
菫「いや、前言を撤回しよう…
ちょっとだけ、狂ってるかもしれないな」
淡「えー?ちょっとどころかすごい狂ってるよー」
照「急にマフラーしてくるようになったから
松実さんリスペクトかと思ったら、
下には病的な量のキスマーク」
淡「お昼は用意してもらえるのにわざわざ愛妻弁当!」
照「この短期間のためだけに、
わざわざプリペイド携帯まで与えて
会えない間はメールと電話の嵐」
淡「サキはサキで対局が終わるなり、
インタビューより先に菫先輩に会いに来るし!」
照「で、帰ったら帰ったで、
お風呂も一緒に入って
念入り(意味深)に身体を洗って」
淡「夜はずーっとお楽しみタイム!!
ここまでくると完全に中毒だよね!」
菫「…まあ、否定はできないな」
照「でも、さすがに入籍はやりすぎ。
一体何があったっていうの?」
菫「ああ…もうすぐ個人戦も終わって、
咲は長野に帰ってしまうだろう?」
菫「しばらく会えなくなるって言ったら、
咲がおかしくなってしまってな」
淡(最初からおかしいのは黙っておこう。
空気が読める私かっこいい!!)
菫「それで、咲を安心させるには
どうしたらいいかと考えたんだが…
やはり、結婚するのが一番かと思ってな」
照「……」
照(なぜそこで結婚という結論に
至るのかさっぱりわからないけど…
まあいいや。菫もきっと病んでるんでしょ)
照「…菫にヤンデレの素質があるとは思わなかった」
淡「ヤンデレで両想いとかいいなー!」
菫「失礼な。私は自分の言葉の責任を取っているだけだ」
菫「む、いかん。もう3分も経過してしまった。
咲を寂しがらせてしまう」メルメル
照「…本当に、二人はお似合いだよ」
淡「いいなー」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
咲「…なんだか、夢みたい」
菫「ああ…結婚式は、日を改めて
落ち着いてからやるつもりだったんだけどな」
咲「りゅーもんさんに感謝しないとね」
菫「ああ。おかげで盛大に祝うことができる」
咲「……」
咲「…菫お姉ちゃん、ありがとう」
菫「ん?なんだ急に」
咲「私の、わがままに付き合ってくれて」
咲「照お姉ちゃんより、大切な人になってくれて」
菫「……」
菫「最初は、ここまでするつもりはなかったんだけどな」
菫「世話を焼いているうちに、目が離せなくなって…」
菫「いつの間にか、いないと落ち着かなくなって…」
菫「咲が居ないと、駄目になっていた」
菫「だから、私からも言わせてくれ」
菫「私と結ばれてくれて、ありがとう」
咲「…えへへ」
チュッ…
咲「結婚しておく前にね?
言っておかなくちゃいけないことがあるんだ」
菫「…なんだ?」
咲「私ね…実は、ちょっと病気なんだ」
咲「好きな人以外、見えなくなっちゃう。
好きな人以外、考えられなっちゃう。
好きな人を、束縛したくなっちゃう」
咲「だから、絶対迷惑かけちゃうと思う…
ごめんなさい」
菫「…これまた、ずいぶんと今更だな」
菫「咲が病気なのは、最初から知っていた」
菫「それでも私は咲を選んだんだ」
菫「大丈夫。私は咲を捨てたりしない。
たとえ、刺されたりしたとしても」
菫「これからも、よろしくな?」
咲「…はい!」
(完)
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弘世様には自主的に白糸台ロードを形成するファンがいるからね。18回も襲われるのも仕方ないね。
でも、ありですね!
初期の照菫では菫さんが依存してるパターンもあったけど、最近は襲われてる菫さんのイメージしかなかったから、咲さん大好き菫さんを見てなんだかほっこりした
原作で絡みのない人とでもかなり面白いですね、更新が楽しみで仕方ないです
ぷちどろっぷさんの話はキャラが良い味出してて面白いです
これからも応援してます
菫さんを襲った18人と咲さんの絡みも見たいです。
仕方ない>
照「白糸台ロードは菫を狙う猛獣が作る獣道」
菫「やめろ!すごい通りづらくなる!!」
久々の菫さんだと思ったら>
咲「言われてみたら菫さん久しぶりですね」
淡「アップしてない奴は驚きの淡照菫率だけどね」
照「ここから菫の逆襲が始まる」
なんだかほっこり>
菫「そうだよ。本当の私はこういう
頼りになるお姉さん系なんだよ」
照「頼りになるお姉さん、妹の秘部を素手で洗う」
淡「頼りになるお姉さん、妹と一夜の過ち」
菫「原因作ったのは照だろうが!」
菫咲とは、新しい>
咲「リクエストに感謝ですね。
たぶん自分では書かなかったと思います」
菫「応援もありがたいな。
これからも頑張っていくから見守っててくれ」
原作で絡みのない人>
菫「原作のキャラがしっかりしているから
だろうな。原作に感謝だ」
咲「えーと…それは、原作でも私が
病んでるって言いたいのかな?」
菫「…エールもありがとう!
これからも頑張っていくよ」
咲「…ごまかしたね?」
菫さんを襲った18人と咲さんの絡み>
照「所詮は菫が撃退できる程度の人間。
咲にはかなわない」
菫「別に咲がそんなに危険とは思わないが」
照「……そう」
照(…ナイフ持ち出してきたのをもう忘れてる…)
咲菫をこのように調理するとは、咲久とはまた違う菫さんの包容力・器の大きさが感じられました!
相談室風味な白糸台メンバーのやりとりもノンシリアスには安心出来るエッセンス……読み返してきます!
特にこの話は菫さんという新しい対象を見つけ鞍替えしいつの間にか本命になるという箇所が流れるようで読んでいて目が離せませんでした
他にもペットの話はトキとリューカに依存しながらも遠慮し二人を失ってヒサに繋がる部分にサキの愛情深さを感じました
そこで浮かんだんですけど移り気があるとはいえ一人に一途な咲さんなら照→久→和→優希→団体戦で健闘した池田や個人戦の美穂子やモモ→全国まで駆けつけてくれた一や衣と気にいった皆をどんどん自分だけのものにする話があったら面白そうですよね