現在リクエスト消化中です。リクエスト状況はこちら。
欲しいものリスト公開中です。
(amazonで気軽に支援できます。ブログ継続の原動力となりますのでよろしければ。
『リスト作成の経緯はこちら』)
PixivFANBOX始めました。ブログ継続の原動力となりますのでよろしければ。
『FANBOX導入の経緯はこちら』)

【咲-Saki-SS:爽仁】仁美「食べられる!!」【江崎ヒツジイラスト2(完結)】

<あらすじ>
食べてしまいたいほど君が好き。

<登場人物>
江崎仁美,獅子原爽

<症状>
・狂気

<その他>
・超小ネタ

--------------------------------------------------------



「はっ…はっ…はっ…はっ……!!」


元旦、私は雨が降りしきる中を駆け抜ける。


「はっーー…はっーー……!!」


息が続かない。奥歯が痛い。
体が鉛のように重い。

もうどれくらい走り続けただろうか。
そろそろもう限界だ。
心も、体も。
私は路地に逃げ込んで。
自重に耐え切れずへたりこんだ。

絶望的な気分で空を見上げる。
両側をビルで区切られた空。
それは元旦にも関わらず、空は灰色に濁っていて。
まるで私の人生を暗喩するかのようだった。

思わず眼尻に涙が浮かぶ。
どうしてこんなことになってしまったのか。
わからない。
何もわからない。


「なんもっ…かんもっ……」


わからない。


ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「!?」


遠くから足音が聞こえる。
まるで疲れを感じさせない規則的な足音。
そんな!なんで!?


「なあー、なんで逃げるんだーー?」


やがて黒い点が人形を形作る。
間違いない。奴だ。


ダッ…!


私は再び走り出す。
限界だ。ああ、限界だ。


でも走らないと殺される。


あふれる涙をぬぐう事すらできず、
私はただ走り続けた。



--------------------------------------------------------



一目見た時、ビビッと来たんだ。

電流が全身を一瞬で走り抜ける。
胸がドクンと波打つ。
そのまま、鼓動がどんどん激しくなっていく。
息をするのも苦しいほどに。
がらにもなく頬に熱がたまって、
自分が赤面していくのがわかる。


私は直感で悟った。

ああ、ヤバい。
これが一目惚れって奴なのか。


もっとも、相手の方はそうではなかった。

私の顔を見てまるで殺人鬼を
見るかのような怯えた顔をして、
はじかれるように逃げ出した。


「ちょっ、なんで逃げるんだよ!?」


わからなかった。
なぜ逃げられなければいけないのか。
私はこんなにもあいつに愛しさを感じているのに。


「待てよっ!」


私は反射的に走り出した。
逃げるなら、まずは捕まえなければならない。
そして、私のあいつに対するこの想いを知ってもらおう。



--------------------------------------------------------



逃げても逃げても、あの女は追いかけてきた。

目は爛々と輝き血走っている。
捕まったら最期だ。わかっている。
でも、残念ながら体力はあいつの方が上だった。


やがて、土をける足の力に勢いがなくなる。
かかとをべたりとつけた走り方に変わる。
足は地面から離れなくなり…


私は膝をついた。


ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…






ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…






ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…




ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…



ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…

ザッ…


「つーかーまーえーたっ!」



私の腕を女が掴む。
息ひとつ切らしていなかった。






私は震えながら振り向いた。
そこにあるのは女の顔。
狂気に染まった女の笑顔。


「あああああああああああああっっ……!!!」


私は絶望の叫び声をあげた。


私の人生は、ここで終わる。



(完)
 Yahoo!ブックマーク
posted by ぷちどろっぷ at 2015年01月02日 | Comment(8) | TrackBack(0) | 咲-Saki-
この記事へのコメント
あけましておめでとうございます。

ああ、この完は導入部の完ですね。

続き下さい。
Posted by ホーネット at 2015年01月02日 11:43
実は咲さんより背の低い爽と絹ちゃんより背の高い羊先輩。

ちなみに羊先輩はよくドリンクを飲んでいる。そして今恐怖を感じている……いつ決壊してもおかしくはない。
Posted by at 2015年01月02日 15:41
絵と話のギャップが凄まじいww
果たして羊先輩はどんな風に食べられちゃったんですかねえ
Posted by オリ at 2015年01月02日 20:29
やっぱり羊はライオンには勝てませんね!
Posted by 上上 at 2015年01月02日 23:05
どういうことだwww
Posted by at 2015年01月03日 00:05
まるで意味がわからんぞ!?
Posted by at 2015年01月03日 01:30
爽可愛すぎ。もっと有珠山系増えて欲しいな。
Posted by momo at 2015年01月03日 04:24
コメントありがとうございます!

導入部の完>
爽「ごめん、ぶっちゃけ羊先輩興味なかった!」
仁美「こん女…!」

背の高い羊先輩>
煌「後は実はとさかを入れると最高身長は
  安河内先輩がマックスですね!
  頂点とはすばらです!」
爽「ちなみに決壊は逃げてる途中にm」
仁美「言わんでよか!」

羊先輩はどんな風に>
爽「普通に鍋で」
仁美「や、生きとるよ?」

羊はライオンには>
爽「なるほど…私があいつにときめいたのは
  そういうことだったのか…!」
仁美「馬鹿なだけばい」

どういうことだw
まるで意味がわからんぞ!?>
淡「そんなあなた方にわたくしめが説明を!」

1.江崎仁美が羊っぽい髪型。
2.一部でヒツジ先輩と呼ばれている模様
3.じゃあ元旦は羊になった江崎先輩で埋まるよね
4.埋まらない、絶望した
5.絵を描いた。ジンギスカン食べたくなった
6.爽が沸いてきた
7.逃走劇開始
8.飽きた。別に江崎ヒツジ好きでもなかった

有珠山系増えて欲しい>
爽「まだ難しいかもなー。私とユキで
  盛り返して、それが単行本に載るころには
  有珠山旋風が巻き起こってるさ」
Posted by ぷちどろっぷ(管理人) at 2015年01月03日 22:25
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/109652029
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
 なんかブログランキング参加してみました。
 押してもらえると喜びます(一日一回まで)。
 
人気ブログランキング