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【咲SS:咲照】照「咲に、姉としての威厳を見せる」【ギャグ】【カオス】
<あらすじ>
照「…咲はどこか私のことを
舐めているような気がする」
照「姉としての威厳を見せたい」
菫「…無理なんじゃないか?」
久「そういうことなら任せておいて!」
<登場人物>
宮永照,宮永咲,弘世菫,竹井久,大星淡,原村和,末原恭子,福与恒子,小鍛治健夜
<症状>
・カオス
<その他>
※照咲好きでかつゲスかわいい咲さんが好きな方への
誕生日祝いSS。ということで…
・照が若干ポンコツ
・咲が咲さん。毒多め。
--------------------------------------------------------
照「咲…私のプリン食べたでしょ」
咲「え?食べてないよ?」
照「白々しい…朝はまだプリンがあった。
そして今はない」
照「その間家にいたのは咲だけ。
この状況で他に誰が犯人になりえるというの」
咲「うーん…そもそもの前提が
間違ってるんじゃないかな?」
照「どういうこと」
咲「だからね?お姉ちゃんが
自分のものだと思っていたプリン…
それって、本当に
お姉ちゃんのものだったのかな?」
照「なん…だと…!」
咲「私、自分の名前を書いた
プリンしか食べてないよ?
お姉ちゃん、ちゃんと名前書いてた?」
照「……!!」
咲「…書いて、なかったよね?」にやぁっ
照「で、でも…4個入りのプリンを買ってきて
家族に1つずつ割り当てたんだから…
名前を書く必要なんか…!」
咲「あったでしょ?今まさに」
照「……負けた…!」ガクリッ…
咲「もう。プロ雀士なんだからプリン1個で
四つん這いになるほど落ち込まないでよ」
照「プロ雀士とか関係ない…!
私は今この瞬間プリンが食べたい…!」
咲「仕方ないなぁ…はいこれ」
照「こ、これは…プッチンプ○ン!!」
咲「さっき買ってきたんだよ。
見つからないように隠してたけど。
これで我慢してくれる?」
照「この際プリンなら何でもいい」もきゅもきゅ
照「…おいしい」ぱあああっ…
咲(…まあ、私が2個食べたのは
高級ふわとろ瓶詰プリンなんだけどね)
咲(お姉ちゃんチョロいなぁ)ふふっ
--------------------------------------------------------
数日後。
--------------------------------------------------------
照「…しまった。言いくるめられた」
菫「いきなり何の話だよ」
照「あの日私が食べ損ねたのは
1個270円の高級プリン。
対して咲が提供したのは
3個180円のプッチンプ○ン。しかも1個」
照「合わない…!圧倒的に割に合わない…!!」
菫「よくわからんが…私たちはプロ雀士だろう?
みみっちいこと言ってないで
むしろ妹に瓶詰プリンのセットでも
買っていってやrぐほぉっ!!」
照「……」ギュルギュル
照「咲も同じようなことを言っていた。
もしかして共謀してる?」ギュルギュル
菫「客観的な意見だ!私たちの給料なら
プリン風呂に入ることだって可能だろうが!」
照「…!プリン風呂…!なんという甘美な響き…!
我が家のお風呂は1600リットルで
プッチンプ○ンは75CC。
MLとCCは等しいから
浴槽の半分にプリンを敷き詰めると仮定すると、
10667個のプリンで」
菫「いや、今のそうやって
拾うところじゃなかったからな?
とにかくだ…こっちはもう社会人なんだから
プリンの1つや2つ大目に見てやれ」
照「…問題視しているのはそこじゃない。
咲はどこか私のことを舐めているような気がする」
照「私の方がお姉さん。ここは姉としての
威厳を見せなければならない」
菫「…プリン1個食べられただけで
目くじらを立てるようじゃ難しいが…
まあ気持ちはわからんでもない」
久「そういうことなら私に任せて!」にゅっ
菫「どこから湧いてきた」
久「やーねえチームメイトじゃない。
ちゃーんと物陰から話は
盗み聞ぎさせてもらったわ!」
菫「チームメイトが物陰で盗み聞ぎするなよ」
照「それはいいとして、
どうやって私の威厳を示すの?」
久「ふっふっふー!それは
その時になってからのお楽しみ!
今度の土曜日空けておいて!」
久「じゃあね!さっそく準備に奔走するわ!」
菫「また始まったか…趣味サプライズ」
照「いやな予感しかしない」
--------------------------------------------------------
土曜日。
--------------------------------------------------------
恒子『宮永家の真の支配者は私だ!
チキチキ!宮永家頂上決戦ーーー!!』
恒子『というわけで、暇?暇よね?
面白いもの見られるわよー?
という口車にほいほい乗せられた福与恒子と!』
健夜『せっかくのオフなのに気がついたら
新幹線に乗せられてまだ状況を把握してない
小鍛治健夜でお送りします…ふぁあ』
恒子『ちょっとすこやんだらしないなぁ。
これ一応カメラ回ってるよ?』
健夜『どうせこーこちゃんのブログでしょ?
もう今更過ぎるから気にしないよ…』
恒子『はい!ついにツッコミを放棄して
ただの凡アラフォーに成り下がった
健夜『そこは看過してないよ!?』
…すこやんは置いておいて
本企画の内容を説明してもらいましょう!
じゃあ主犯、説明よろしくー』
久『はーい説明バトンタッチしましたー。
この企画はご存知長野が誇る魔王宮永咲と、
そのポンコツお姉ちゃんである宮永照の二人で、
どっちが威厳があるのかを競ってもらいます!』
久『バトルの内容は3つ。
1つ目はディベート。
2つ目はお姉ちゃん力。
3つ目は…フリースタイル』
久『各バトルは審査員によって判定されます!
審査員のみなさんはこちら!
菫『…巻き込まれた弘世菫だ』
淡『みんな大好きあわあわだよー!』
和『咲さんの婚約者の原村和です』
恭子(簀巻き)
『なあ、なんで私ここにおるん?
なんで一人だけ縛られとるん?』
久『あ、ちなみに私も審査員側よ。
この後の司会は福与アナに任せるわ。
1バトルごとに審査員が判定して、
先に2勝した方が
より威厳があると認定されるから
二人とも頑張ってね!』
照「冒頭の説明に遺憾の意」
咲「こっちの台詞だよ…私はただの
大人しい文学少女だよ?」
恭子(簀巻き)
『はは、受けるわそのギャgカン!!
恭子(簀巻き)
『すんませんでした』カタカタ
--------------------------------------------------------
恒子『というわけで司会バトンタッチ!
まず1戦目のバトルはディベートだー!!
ぶっちゃけると口喧嘩だね!』
健夜『いやいや違うよ!?論を戦わせて
より理路整然と説明して
聴講者を納得させた方が
勝つバトルだからね!?』
恒子『なんか違うの?』
健夜『全然違うよ!ただの口喧嘩じゃ
こうなっちゃうでしょ!』
〜〜〜〜〜〜〜残念な口喧嘩の図〜〜〜〜〜〜〜〜
えり『いいですか!?三尋木プロはもっとこう…!』
咏『知らんし』
えり『それ何度目ですか!だからですね…!』
咏『わっかんねー』
えり『あああああっ!!もういいです!!』
咏『あ、もういいん?じゃぁ一件落着だねぃ。
ご飯食べに行こうぜぃ』
〜〜〜〜〜〜〜残念な口喧嘩の図〜〜〜〜〜〜〜〜
健夜『この場合だと口喧嘩では咏ちゃんの勝ちだけど
ディベートでは針生さんが勝つでしょ』
恒子『なるほどなるほどー。
じゃあディベートが何かよくわかったところで
お題の発表に行こう!お題はこちら!』
《お題:東京と長野。どちらを拠点にするべきか》
健夜『あ、意外とまともなお題なんだね』
恒子『これ、ファンの間でも
けっこうな話題になってるよね。
この機会に結論出してもらいましょう!』
照「私は東京派」
咲「私が長野派だね」
恒子『ファイッ!!』
照「まず始めに伝えておきたいのは…
長野は長野。東京は東京で
それぞれの魅力があると言うこと」
照「今から議論するのはあくまで私たち宮永家が
どちらを拠点にするかの議論であり、
その土地の優劣をつけるものではないことを
ご留意いただきたい」
照「本題に入ろう。私は東京派なわけだけど、
理由の一つとして交通の便を挙げたいと思う」
照「利便性という面で長野と東京を比較すると、
どうしても東京に軍配が上がる」
照「例えば飛行機。プロである以上どうしても
海外を含む遠征で飛行機を利用することになるけど、
長野の場合松本空港になる」
照「だがやはり便数、直行便ともに
東京の空港の方が便利と言わざるを得ない」
照「また、結局のところ
日本シリーズなどの重要な対局は
東京で実施されることが多い。
地方在住の雀士はその都度
移動を強いられることになる」
照「無論この一点のみをもって東京が長野より
優れていると断じるつもりはない。
だが、麻雀のプロとして活動する以上、
拠点選択の要因としては
非常に大きいと考える」
照「この点について咲はどのように考える?」
菫『おお、営業モードだな』
淡『テルの話って結構わかりやすいよねー。
対戦校の分析の時とかさ。
普段はポンコツでのほほんとしてるけど!』
恭子『内容もまあ妥当なところやな。
利便性ではさすがに東京には勝てんやろ』
和『でも長野には咲さんがいますよ?
これに勝る利便性はありません』
久『あはは、和は真面目に議論する気ないのね』
咲「利便性について否定するつもりはないよ。
でも、お姉ちゃんは大切なことを忘れてる」
咲「私たちはね、麻雀をするために
生きてるんじゃないんだよ?」
咲「私たち4人が家族として生きていく。
互いの絆を深めていく」
咲「終の棲家を決める上で一番重要なのってそこじゃないかな?
なのにまず最初に利便性しか挙がってこないって…
それってなんだか寂しいよ」
咲「お姉ちゃんがね?白糸台高校に思い入れがあるから
東京がいい、って言ったなら私も考えた」
咲「でも、今の話だとそうじゃないんだよね?
まず利便性の話をしたんだから」
咲「だったら私は清澄を譲る気はないよ」
咲「嶺の上に花が咲く。お前もそんな花のように、強く…
いつかお姉ちゃんがくれた言葉だよ。
それは私の中で大きな礎になってる」
咲「そんな大切な言葉のきっかけになった…
そして私を育んでくれた故郷を…
利便性なんかと引き換えにして離れたくはないな」
淡『痛い!これは痛い!
ガチで殴りに来てるよサキ!』
久『さすがは咲。嫌なところ突いてくるわね。
これじゃ仮に勝っても照は
冷血お姉ちゃんになっちゃうわ』
菫『姉の威厳という点で言えば
ここで引くのもありだと思うがな。
その場合この勝負は負けてしまうだろうが…』
照「ず、ズルい。そういう話を持ち出すのはズルい。
これは長野と東京どちらが拠点として
適しているかを議論する場のはず」
菫『…と思ったら威厳も勝負もどぶに捨てたな』
淡『あっはっは!ズルい!ズルいって!!
テルーかわいい!』
咲「一般的な話ならそうだけど…
宮永家の話に限定するって
言い出したのはお姉ちゃんだよ?
だから合わせてあげたんじゃない」
照「ぐっ…そ、そもそもその辺は前に、
どちらにも思い入れがあるから
互いに譲りがたいって結論になったはず」
照「そ、それにほら。咲も言ってたでしょ。
東京はスィーツの宝庫だし
本の新刊も発売日当日に手に入る。
そのことを話したら揺らいでたじゃない」
咲「お姉ちゃん?そんなディベートの枠を超えた
私たちだけの過去話をしても
聴講者の人困っちゃうよ?
議論したいならちゃんと筋道立てて話さないと」
照「……!」
久『ぐうの音も出ない正論ね』
菫『というかパニクるの早すぎだろ…
最後なんかただの都会に憧れる
田舎娘みたいになってるじゃないか』
淡『テル株ストップ安待ったなし!!』
咲「まあでもかわいそうだから
お姉ちゃんの反論にも答えてあげるよ…」
咲「確かにね、お菓子の供給が乏しかったり、
新刊の発売が遅いっていう問題はあるよね。
その辺は素直に東京が羨ましいと思うよ。
もちろん交通の便もね?」
咲「でもね。だったらなおさらお姉ちゃんは
長野に居なきゃ駄目なんだよ」
照「そ、それは…どうして…」
咲「だって、プロ雀士は地方の希望だから」
照「……!」
咲「実際、小鍛治プロが地元に戻ってから
茨城は活気づいてるでしょ?」
咲「お菓子が欲しいとか新刊が当日読みたいとか…
だから都会に移るとか、
お姉ちゃんレベルの人がそんなこと言ってちゃ駄目」
咲「長野を背負うプロ雀士なんだから…
『私が長野にスイパ○を連れてくる!
新刊が長野でも発売されるくらいに
長野を栄えさせる起爆剤になる!』
くらいは言ってよ」
咲「私に姉としての威厳を示したいって言うなら…
そのくらいの信念は最低限見せてほしいな」
照「…はい……」しゅん
淡『ゴングが鳴る前に勝負着いちゃった!』
菫『しゅん、はないだろしゅん、は。
せめて虚勢を張れよ』
久『うーん。なんだか照が
かわいそうになってくるけど…
これ、判定してあげた方が
いいのかしら?』
恒子『あ、勝負は続くから一応票数は出してねー』
久『公開処刑続行!』
恭子『……』
恭子(なあ久…このディベート、
本当に対等の条件やったん?)ひそ
久(あーさすが名参謀。気づいちゃうかー)ひそ
久(実はこのお題、咲から提案されたのよね。
悪くないお題だったから
そのまま採用したけど)ひそ
久(咲のことだから想定できるパターン全てに
反論を用意してたんじゃないかしら?)ひそ
恭子(やっぱりか…あれをノータイムで答えるとか
準備なしじゃ無理やろし。
チャンピオンめっちゃ不利やん)ひそ
久(通常の対決なら当然アウトだけどねー。
姉の威厳を見せたいっていうなら
妹の小細工ぐらい受け止めてしかるべきでしょ)ひそ
恒子『審査員の判定が出ました!
判定結果は…5−0で宮永咲の勝利!!』
照「……」がっくり
咲「…ほら、お姉ちゃん。
まだしょげるのは早いよ?」スッ
咲「まだ二つ勝負は残ってる。
そこで巻き返して、
私に姉の威厳を見せてほしいな」
照「……」ぱぁああっ
照「頑張る」グッ
恭子『地べたに這いつくばって
妹に手を差し出される姉か…』
菫『結論出たな。姉の威厳ゼロだ』
和『当然です。咲さんの威厳に叶う者なんて
この地球上に存在しません』
淡『もうここでやめちゃってもいいんじゃない?』
久『まあまあ。次は照のボーナスステージのはずだから
せめてそこまではやらせてあげて?』
--------------------------------------------------------
恒子『審査員の間で「もう終わっていいんじゃね?」
審議が始まったけどこのまま続行するよ!
次のバトルは…お姉ちゃん力!』
健夜『えーと…それ、何をするのか
全く分からないんだけど』
恒子『ああ、ルールは簡単だよ。
チャンピオンが何をしてもいいから
お姉ちゃんらしさを見せる』
恒子『それを見て魔王が姉の威厳を感じれば
チャンピオンの勝ち。
感じなければ魔王の勝ち』
恒子『主観的な評価になると魔王の負けが無くなるから、
判定自体は審査員にお願いするよ!』
恒子『というわけでチャンピオン頑張ってね!』
恒子『スタート!!』
照「……」
照(ふっ…三本勝負になった時、
私は久に裏取引をしてこの勝負をねじ込んだ)
照(そして…何をしたら咲の琴線に触れるかを
1日30分お風呂の中で考え続けてきた)
照(ゆえに私の負けはない!!)
照「……」すとん
照「咲。膝枕してあげる。おいで?」手招き
恒子『き…来たー!!膝枕!膝枕だー!!』
恒子『そこにあるのは慈愛!
これはお姉さん力の真骨頂!!』
恒子『これに対して妹の魔王の反応はいかに!』
咲「……」
咲「それ清水谷さんの技だよね?
ちゃんと著作権の許諾得た?」
照「え?わ、技?…ちょ、著作…?」
咲「あ、駄目そうだね」
咲「念のため確認するから
ちょっと待ってね?」ピッポッパ
プルルルー、プルルルー、
プルルルー、プルルルー、ガチャッ
竜華『はろー。どしたん?』
咲「あ、いきなりすいません。
ちょっとお聞きしたいことがありまして」
咲「お姉ちゃんが私を膝枕する件について
何かお話聞いてますか?」
竜華『へ?いや聞いてへんけど』
咲「いえ…お姉ちゃんが私に対してドヤ顔で
膝枕をすすめてくるんで、
何か清水谷さんからレクチャーを受けたのかと」
怜『はぁ?チャンピョンが膝枕ぁ?』
怜『膝枕なめんな!あんな鶏がらスープが
膝枕とかちゃんちゃらおかしいわ。
もっと無駄なお肉つけて出直せや!』
竜華『ちょ、それやとうちが
ぶくぶく太っとるみたいやん!?』
怜『あっ……』
怜『…せ、せやな。ご、ごめんな。
りゅ、りゅーかは太ないで?うん』
竜華『な、何やその反応!?
え、もしかしてうちって太っとるん!?』
怜『さ、咲ちゃん。これ以上はちょっと
竜華がかわいそなるから堪忍な』
竜華「ときぃいいいいいいっ!!!」
咲「はい、ありがとうございました」
ガチャッ…
咲「…と言うことらしいけど」
照「ちょ、ちょっと待って…
膝枕なんて別に誰の技でもない
世間一般的な行為でしょ?」
咲「お姉ちゃんの中ではそうなんだね。
でも私の中では清水谷さんの奥義なんだよ」
咲「世間一般がどうかは知らないけど…
私がそう思っている以上は、
ちゃんと事前に許諾を取ってほしかったな。
私まで犯罪者にされるところだったよ?」
照「えぇー………」
和『さすが咲さんです!膝枕は
ふくよかな人間にのみ許された奥義!
そう例えば私のような!』
菫『審査員含めツッコミ所満載だが…
これは難攻不落だな』
淡『でも、テルもまさかこれで
終わりってことはないよねー?』
久『…祈りましょう。照に何か策があることを』
照「……」おろおろ
照「……」おろおろ
恭子『あるように見えるか?』
照「…あ、そうだ。
プリン!プリン買ってあげる!」
菫『お前は娘との接し方がわからない駄目親か』
淡『駄目親テルーかわいい!』
咲「プリン!?」ぱぁぁっ
照「…!そう、プリン!
お姉ちゃんがプリン買ってあげる!
いくらでも食べていいよ!」
咲「本当!?何でもいいの!?」
照「いいでしょういいでしょう。
好きなもの言ってごらん?」
咲「じゃあね!とりあえず月曜日はおみ○まプリンで、
火曜日は最高級抹茶プ○ンで、
水曜日が湯布院の…」
照「その程度造作もない。
もっとお姉ちゃんを頼っていいよ?」
菫『…あいつ、この前270円の瓶詰プリン食べられて
ぶつくさ言ってたよな?』
淡『そもそもこれって姉として正しいのかなぁ。
どっちかというと貢いd』
久『そこまで!』
照「どう?お姉ちゃんすごいでしょ?」ドヤッ
咲「うん、すごいね!せっかくだから
もうちょっと頼っていい?
できれば食事当番と洗濯当番も…」
照「任せなさい」
咲「お姉ちゃんすごい!お姉ちゃんみたい!!」
照「ふふ、そうだろうそうだろう……うん?」
カンカンカーン!
恒子『はいここで試技終了!
判定は審査員の手に委ねられます!』
菫『…なんというか、うん。
まあ表面上は懐いてはいたな』
淡『いいなー。私もテルを
そそのかしてプリン食べたい!』
和『私もプリンを貢げば
咲さんの家族になれるでしょうか』
恭子『ポンコツ二人は置いとくとして…
うちにはチャンピオンが
手玉に取られとるようにしか
見えんかったけど』
久『んー、でもここまでして照の負けだと
あまりにもかわいそうだから…
ここは花を持たせてあげない?』
菫『そうだな』
恒子『審査員の判定が出ました!
判定結果は…4−1で宮永照の勝利!!』
照「ふっ…当然の結果」ドヤッ
咲「よかったねお姉ちゃん!
首の皮一枚繋がったね!」にっこり
--------------------------------------------------------
恒子『審査員の温情により
なんとかイーブンで迎えた
最終戦!泣いても笑っても
これで決着がつきます!』
恒子『最後のバトルは…フリースタイル!
なんかもうテキトーにやって相手より
自分が上だと言うことを主張してください!』
健夜『丸投げ!?もうちょっと何か考えとこうよ!』
恒子『いやぁ当初の予定ではどうせ魔王が
2勝して最終バトルまで
いかない予定だったんだよねー』
健夜『ひどすぎでしょ!?もうちょっと
宮永照さんのこと信じてあげようよ!』
恒子『ファイッ!』
健夜『いやファイッ!じゃなくて!!』
照「……」ぽかーん
照「え、本当に丸投げ?
何も聞いてないんだけど」
照「え、どうしよう、え?」
菫『ものすごい動揺しているな』
淡『まあアドリブ弱そうだしねー』
咲「…お姉ちゃんが何もしないなら
私から行くけど?」
照「…!ちょ、ちょっと待って。
今何かするから」
照「……」
照「……」
照「……」
照「……ひ」
咲「ひ?」
照「ひ、膝枕…する?」
咲「著作権許諾」
照「すいません」
照「……」
咲「……もういい?」
照「…はい」
菫『なんか見ててかわいそうになってきたな』
淡『これはこれで可愛いよテルー!』
久『逆に咲は何をする気なのかしらね?』
恭子『本人から聞いてへんの?』
久『うん。さっき福与アナも言ってたけど
本当はもうちょっと接戦気味ながらも
咲が2勝して終わる予定だったから』
咲「……」
咲「私、お姉ちゃんにずっと
言いたかったことがあるんだ」
咲「いい機会だから言っておくね」
咲「私は、お姉ちゃんに対して
色々と辛らつな態度を取ることがあるけど…」
咲「でもね。それって、
お姉ちゃんが好きだからなんだ」
照「……!」
咲「お姉ちゃんの気を惹きたい。
お姉ちゃんに甘えたい。
だから私は、お姉ちゃんにちょっかいを出すの」
咲「これまでも。ずっとこれからも。
お姉ちゃんのことが大好きです」
咲「どうか、ずっと私のお姉ちゃんでいてください」
照「……!」
照「わ、私も好き!咲のことが好き!!」
咲「誰よりも一番愛してる?」
照「愛してる…!世界で一番咲のことを愛してる…!!」
恭子『こんだけボロクソに貶めといて
ここでええ話に持ってくんか…
鬼やなあの魔王』
久『丸め込まれる照も照なんだけどねー』ケラケラ
菫『あいつ、これが一ブログとはいえ
白日の下に晒されること覚えてるのか?』
淡『ここだけ抜き出したら完全に告白だよね!』
久『咲は間違いなくボイスレコーダー
持ってるでしょうね』
和『そんなオカルト!そんなオカルト!!
そんなオカルトォオオ!』
カンカンカーン!!
恒子『ここで試技終了!というかもう
いい話に落ち着いたし、
どっちが上かとか別にいいよね!』
菫『引き分けでいいんじゃないか?』
淡『完全にサキの勝ちな気がするけどねー』
久『まあ照自身が喜んでるんだからいいんじゃない?』
和『オカルト』
恭子『腹減ってきたしマクド行かん?』
恒子『はい!審査員の判定が出そろいました!』
恒子『判定は…引き分け!!
二人とも、末永くお幸せに!!』
--------------------------------------------------------
数日後。
--------------------------------------------------------
照「咲…私のプリン食べたでしょ」
咲「え?食べてないよ?」もきゅもきゅ
照「白々しいを通り越してる…咲は昨日
自分の分食べてたじゃない」
照「なのに今またプリンをほおばってる。
完全に現行犯逮捕でしょ」
咲「うーん…そもそもの前提が
間違ってるんじゃないかな?」ゴクンッ
咲「この宮永家において、
私はお姉ちゃんのプリンを
好きな時に食べていいはずだよ?」
照「ど…どういうことなの」
咲「こういうこと」カチッ
照『お姉ちゃんがプリン買ってあげる!
いくらでも食べていい!』
咲「世界で一番私のことを愛してくれるお姉ちゃんは
私にプリンをいくらでもくれるんだよね?」
咲「それとも、この台詞は
その場しのぎの嘘だったの?」
照「そ…それは…でも…
自分用のプリンまで
剥奪されるのは耐えられない…!」
咲「もう…お姉ちゃんは仕方ないなぁ」
咲「はい、あーん」プリン
照「!あーん!」
もきゅもきゅ
照「…おいしい」ぱあああっ…
咲「よかった…はい、もう一回あーん」
照「あーん」
もきゅもきゅ
照「…おいしい」
咲「よかったね!」
咲「……」
咲(…お姉ちゃんは本当にチョロいなぁ)
咲(これからもずっと、チョロいままでいてね)
咲(私の、大好きなお姉ちゃん)
(完)
照「…咲はどこか私のことを
舐めているような気がする」
照「姉としての威厳を見せたい」
菫「…無理なんじゃないか?」
久「そういうことなら任せておいて!」
<登場人物>
宮永照,宮永咲,弘世菫,竹井久,大星淡,原村和,末原恭子,福与恒子,小鍛治健夜
<症状>
・カオス
<その他>
※照咲好きでかつゲスかわいい咲さんが好きな方への
誕生日祝いSS。ということで…
・照が若干ポンコツ
・咲が咲さん。毒多め。
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照「咲…私のプリン食べたでしょ」
咲「え?食べてないよ?」
照「白々しい…朝はまだプリンがあった。
そして今はない」
照「その間家にいたのは咲だけ。
この状況で他に誰が犯人になりえるというの」
咲「うーん…そもそもの前提が
間違ってるんじゃないかな?」
照「どういうこと」
咲「だからね?お姉ちゃんが
自分のものだと思っていたプリン…
それって、本当に
お姉ちゃんのものだったのかな?」
照「なん…だと…!」
咲「私、自分の名前を書いた
プリンしか食べてないよ?
お姉ちゃん、ちゃんと名前書いてた?」
照「……!!」
咲「…書いて、なかったよね?」にやぁっ
照「で、でも…4個入りのプリンを買ってきて
家族に1つずつ割り当てたんだから…
名前を書く必要なんか…!」
咲「あったでしょ?今まさに」
照「……負けた…!」ガクリッ…
咲「もう。プロ雀士なんだからプリン1個で
四つん這いになるほど落ち込まないでよ」
照「プロ雀士とか関係ない…!
私は今この瞬間プリンが食べたい…!」
咲「仕方ないなぁ…はいこれ」
照「こ、これは…プッチンプ○ン!!」
咲「さっき買ってきたんだよ。
見つからないように隠してたけど。
これで我慢してくれる?」
照「この際プリンなら何でもいい」もきゅもきゅ
照「…おいしい」ぱあああっ…
咲(…まあ、私が2個食べたのは
高級ふわとろ瓶詰プリンなんだけどね)
咲(お姉ちゃんチョロいなぁ)ふふっ
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数日後。
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照「…しまった。言いくるめられた」
菫「いきなり何の話だよ」
照「あの日私が食べ損ねたのは
1個270円の高級プリン。
対して咲が提供したのは
3個180円のプッチンプ○ン。しかも1個」
照「合わない…!圧倒的に割に合わない…!!」
菫「よくわからんが…私たちはプロ雀士だろう?
みみっちいこと言ってないで
むしろ妹に瓶詰プリンのセットでも
買っていってやrぐほぉっ!!」
照「……」ギュルギュル
照「咲も同じようなことを言っていた。
もしかして共謀してる?」ギュルギュル
菫「客観的な意見だ!私たちの給料なら
プリン風呂に入ることだって可能だろうが!」
照「…!プリン風呂…!なんという甘美な響き…!
我が家のお風呂は1600リットルで
プッチンプ○ンは75CC。
MLとCCは等しいから
浴槽の半分にプリンを敷き詰めると仮定すると、
10667個のプリンで」
菫「いや、今のそうやって
拾うところじゃなかったからな?
とにかくだ…こっちはもう社会人なんだから
プリンの1つや2つ大目に見てやれ」
照「…問題視しているのはそこじゃない。
咲はどこか私のことを舐めているような気がする」
照「私の方がお姉さん。ここは姉としての
威厳を見せなければならない」
菫「…プリン1個食べられただけで
目くじらを立てるようじゃ難しいが…
まあ気持ちはわからんでもない」
久「そういうことなら私に任せて!」にゅっ
菫「どこから湧いてきた」
久「やーねえチームメイトじゃない。
ちゃーんと物陰から話は
盗み聞ぎさせてもらったわ!」
菫「チームメイトが物陰で盗み聞ぎするなよ」
照「それはいいとして、
どうやって私の威厳を示すの?」
久「ふっふっふー!それは
その時になってからのお楽しみ!
今度の土曜日空けておいて!」
久「じゃあね!さっそく準備に奔走するわ!」
菫「また始まったか…趣味サプライズ」
照「いやな予感しかしない」
--------------------------------------------------------
土曜日。
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恒子『宮永家の真の支配者は私だ!
チキチキ!宮永家頂上決戦ーーー!!』
恒子『というわけで、暇?暇よね?
面白いもの見られるわよー?
という口車にほいほい乗せられた福与恒子と!』
健夜『せっかくのオフなのに気がついたら
新幹線に乗せられてまだ状況を把握してない
小鍛治健夜でお送りします…ふぁあ』
恒子『ちょっとすこやんだらしないなぁ。
これ一応カメラ回ってるよ?』
健夜『どうせこーこちゃんのブログでしょ?
もう今更過ぎるから気にしないよ…』
恒子『はい!ついにツッコミを放棄して
ただの凡アラフォーに成り下がった
健夜『そこは看過してないよ!?』
…すこやんは置いておいて
本企画の内容を説明してもらいましょう!
じゃあ主犯、説明よろしくー』
久『はーい説明バトンタッチしましたー。
この企画はご存知長野が誇る魔王宮永咲と、
そのポンコツお姉ちゃんである宮永照の二人で、
どっちが威厳があるのかを競ってもらいます!』
久『バトルの内容は3つ。
1つ目はディベート。
2つ目はお姉ちゃん力。
3つ目は…フリースタイル』
久『各バトルは審査員によって判定されます!
審査員のみなさんはこちら!
菫『…巻き込まれた弘世菫だ』
淡『みんな大好きあわあわだよー!』
和『咲さんの婚約者の原村和です』
恭子(簀巻き)
『なあ、なんで私ここにおるん?
なんで一人だけ縛られとるん?』
久『あ、ちなみに私も審査員側よ。
この後の司会は福与アナに任せるわ。
1バトルごとに審査員が判定して、
先に2勝した方が
より威厳があると認定されるから
二人とも頑張ってね!』
照「冒頭の説明に遺憾の意」
咲「こっちの台詞だよ…私はただの
大人しい文学少女だよ?」
恭子(簀巻き)
『はは、受けるわそのギャgカン!!
恭子(簀巻き)
『すんませんでした』カタカタ
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恒子『というわけで司会バトンタッチ!
まず1戦目のバトルはディベートだー!!
ぶっちゃけると口喧嘩だね!』
健夜『いやいや違うよ!?論を戦わせて
より理路整然と説明して
聴講者を納得させた方が
勝つバトルだからね!?』
恒子『なんか違うの?』
健夜『全然違うよ!ただの口喧嘩じゃ
こうなっちゃうでしょ!』
〜〜〜〜〜〜〜残念な口喧嘩の図〜〜〜〜〜〜〜〜
えり『いいですか!?三尋木プロはもっとこう…!』
咏『知らんし』
えり『それ何度目ですか!だからですね…!』
咏『わっかんねー』
えり『あああああっ!!もういいです!!』
咏『あ、もういいん?じゃぁ一件落着だねぃ。
ご飯食べに行こうぜぃ』
〜〜〜〜〜〜〜残念な口喧嘩の図〜〜〜〜〜〜〜〜
健夜『この場合だと口喧嘩では咏ちゃんの勝ちだけど
ディベートでは針生さんが勝つでしょ』
恒子『なるほどなるほどー。
じゃあディベートが何かよくわかったところで
お題の発表に行こう!お題はこちら!』
《お題:東京と長野。どちらを拠点にするべきか》
健夜『あ、意外とまともなお題なんだね』
恒子『これ、ファンの間でも
けっこうな話題になってるよね。
この機会に結論出してもらいましょう!』
照「私は東京派」
咲「私が長野派だね」
恒子『ファイッ!!』
照「まず始めに伝えておきたいのは…
長野は長野。東京は東京で
それぞれの魅力があると言うこと」
照「今から議論するのはあくまで私たち宮永家が
どちらを拠点にするかの議論であり、
その土地の優劣をつけるものではないことを
ご留意いただきたい」
照「本題に入ろう。私は東京派なわけだけど、
理由の一つとして交通の便を挙げたいと思う」
照「利便性という面で長野と東京を比較すると、
どうしても東京に軍配が上がる」
照「例えば飛行機。プロである以上どうしても
海外を含む遠征で飛行機を利用することになるけど、
長野の場合松本空港になる」
照「だがやはり便数、直行便ともに
東京の空港の方が便利と言わざるを得ない」
照「また、結局のところ
日本シリーズなどの重要な対局は
東京で実施されることが多い。
地方在住の雀士はその都度
移動を強いられることになる」
照「無論この一点のみをもって東京が長野より
優れていると断じるつもりはない。
だが、麻雀のプロとして活動する以上、
拠点選択の要因としては
非常に大きいと考える」
照「この点について咲はどのように考える?」
菫『おお、営業モードだな』
淡『テルの話って結構わかりやすいよねー。
対戦校の分析の時とかさ。
普段はポンコツでのほほんとしてるけど!』
恭子『内容もまあ妥当なところやな。
利便性ではさすがに東京には勝てんやろ』
和『でも長野には咲さんがいますよ?
これに勝る利便性はありません』
久『あはは、和は真面目に議論する気ないのね』
咲「利便性について否定するつもりはないよ。
でも、お姉ちゃんは大切なことを忘れてる」
咲「私たちはね、麻雀をするために
生きてるんじゃないんだよ?」
咲「私たち4人が家族として生きていく。
互いの絆を深めていく」
咲「終の棲家を決める上で一番重要なのってそこじゃないかな?
なのにまず最初に利便性しか挙がってこないって…
それってなんだか寂しいよ」
咲「お姉ちゃんがね?白糸台高校に思い入れがあるから
東京がいい、って言ったなら私も考えた」
咲「でも、今の話だとそうじゃないんだよね?
まず利便性の話をしたんだから」
咲「だったら私は清澄を譲る気はないよ」
咲「嶺の上に花が咲く。お前もそんな花のように、強く…
いつかお姉ちゃんがくれた言葉だよ。
それは私の中で大きな礎になってる」
咲「そんな大切な言葉のきっかけになった…
そして私を育んでくれた故郷を…
利便性なんかと引き換えにして離れたくはないな」
淡『痛い!これは痛い!
ガチで殴りに来てるよサキ!』
久『さすがは咲。嫌なところ突いてくるわね。
これじゃ仮に勝っても照は
冷血お姉ちゃんになっちゃうわ』
菫『姉の威厳という点で言えば
ここで引くのもありだと思うがな。
その場合この勝負は負けてしまうだろうが…』
照「ず、ズルい。そういう話を持ち出すのはズルい。
これは長野と東京どちらが拠点として
適しているかを議論する場のはず」
菫『…と思ったら威厳も勝負もどぶに捨てたな』
淡『あっはっは!ズルい!ズルいって!!
テルーかわいい!』
咲「一般的な話ならそうだけど…
宮永家の話に限定するって
言い出したのはお姉ちゃんだよ?
だから合わせてあげたんじゃない」
照「ぐっ…そ、そもそもその辺は前に、
どちらにも思い入れがあるから
互いに譲りがたいって結論になったはず」
照「そ、それにほら。咲も言ってたでしょ。
東京はスィーツの宝庫だし
本の新刊も発売日当日に手に入る。
そのことを話したら揺らいでたじゃない」
咲「お姉ちゃん?そんなディベートの枠を超えた
私たちだけの過去話をしても
聴講者の人困っちゃうよ?
議論したいならちゃんと筋道立てて話さないと」
照「……!」
久『ぐうの音も出ない正論ね』
菫『というかパニクるの早すぎだろ…
最後なんかただの都会に憧れる
田舎娘みたいになってるじゃないか』
淡『テル株ストップ安待ったなし!!』
咲「まあでもかわいそうだから
お姉ちゃんの反論にも答えてあげるよ…」
咲「確かにね、お菓子の供給が乏しかったり、
新刊の発売が遅いっていう問題はあるよね。
その辺は素直に東京が羨ましいと思うよ。
もちろん交通の便もね?」
咲「でもね。だったらなおさらお姉ちゃんは
長野に居なきゃ駄目なんだよ」
照「そ、それは…どうして…」
咲「だって、プロ雀士は地方の希望だから」
照「……!」
咲「実際、小鍛治プロが地元に戻ってから
茨城は活気づいてるでしょ?」
咲「お菓子が欲しいとか新刊が当日読みたいとか…
だから都会に移るとか、
お姉ちゃんレベルの人がそんなこと言ってちゃ駄目」
咲「長野を背負うプロ雀士なんだから…
『私が長野にスイパ○を連れてくる!
新刊が長野でも発売されるくらいに
長野を栄えさせる起爆剤になる!』
くらいは言ってよ」
咲「私に姉としての威厳を示したいって言うなら…
そのくらいの信念は最低限見せてほしいな」
照「…はい……」しゅん
淡『ゴングが鳴る前に勝負着いちゃった!』
菫『しゅん、はないだろしゅん、は。
せめて虚勢を張れよ』
久『うーん。なんだか照が
かわいそうになってくるけど…
これ、判定してあげた方が
いいのかしら?』
恒子『あ、勝負は続くから一応票数は出してねー』
久『公開処刑続行!』
恭子『……』
恭子(なあ久…このディベート、
本当に対等の条件やったん?)ひそ
久(あーさすが名参謀。気づいちゃうかー)ひそ
久(実はこのお題、咲から提案されたのよね。
悪くないお題だったから
そのまま採用したけど)ひそ
久(咲のことだから想定できるパターン全てに
反論を用意してたんじゃないかしら?)ひそ
恭子(やっぱりか…あれをノータイムで答えるとか
準備なしじゃ無理やろし。
チャンピオンめっちゃ不利やん)ひそ
久(通常の対決なら当然アウトだけどねー。
姉の威厳を見せたいっていうなら
妹の小細工ぐらい受け止めてしかるべきでしょ)ひそ
恒子『審査員の判定が出ました!
判定結果は…5−0で宮永咲の勝利!!』
照「……」がっくり
咲「…ほら、お姉ちゃん。
まだしょげるのは早いよ?」スッ
咲「まだ二つ勝負は残ってる。
そこで巻き返して、
私に姉の威厳を見せてほしいな」
照「……」ぱぁああっ
照「頑張る」グッ
恭子『地べたに這いつくばって
妹に手を差し出される姉か…』
菫『結論出たな。姉の威厳ゼロだ』
和『当然です。咲さんの威厳に叶う者なんて
この地球上に存在しません』
淡『もうここでやめちゃってもいいんじゃない?』
久『まあまあ。次は照のボーナスステージのはずだから
せめてそこまではやらせてあげて?』
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恒子『審査員の間で「もう終わっていいんじゃね?」
審議が始まったけどこのまま続行するよ!
次のバトルは…お姉ちゃん力!』
健夜『えーと…それ、何をするのか
全く分からないんだけど』
恒子『ああ、ルールは簡単だよ。
チャンピオンが何をしてもいいから
お姉ちゃんらしさを見せる』
恒子『それを見て魔王が姉の威厳を感じれば
チャンピオンの勝ち。
感じなければ魔王の勝ち』
恒子『主観的な評価になると魔王の負けが無くなるから、
判定自体は審査員にお願いするよ!』
恒子『というわけでチャンピオン頑張ってね!』
恒子『スタート!!』
照「……」
照(ふっ…三本勝負になった時、
私は久に裏取引をしてこの勝負をねじ込んだ)
照(そして…何をしたら咲の琴線に触れるかを
1日30分お風呂の中で考え続けてきた)
照(ゆえに私の負けはない!!)
照「……」すとん
照「咲。膝枕してあげる。おいで?」手招き
恒子『き…来たー!!膝枕!膝枕だー!!』
恒子『そこにあるのは慈愛!
これはお姉さん力の真骨頂!!』
恒子『これに対して妹の魔王の反応はいかに!』
咲「……」
咲「それ清水谷さんの技だよね?
ちゃんと著作権の許諾得た?」
照「え?わ、技?…ちょ、著作…?」
咲「あ、駄目そうだね」
咲「念のため確認するから
ちょっと待ってね?」ピッポッパ
プルルルー、プルルルー、
プルルルー、プルルルー、ガチャッ
竜華『はろー。どしたん?』
咲「あ、いきなりすいません。
ちょっとお聞きしたいことがありまして」
咲「お姉ちゃんが私を膝枕する件について
何かお話聞いてますか?」
竜華『へ?いや聞いてへんけど』
咲「いえ…お姉ちゃんが私に対してドヤ顔で
膝枕をすすめてくるんで、
何か清水谷さんからレクチャーを受けたのかと」
怜『はぁ?チャンピョンが膝枕ぁ?』
怜『膝枕なめんな!あんな鶏がらスープが
膝枕とかちゃんちゃらおかしいわ。
もっと無駄なお肉つけて出直せや!』
竜華『ちょ、それやとうちが
ぶくぶく太っとるみたいやん!?』
怜『あっ……』
怜『…せ、せやな。ご、ごめんな。
りゅ、りゅーかは太ないで?うん』
竜華『な、何やその反応!?
え、もしかしてうちって太っとるん!?』
怜『さ、咲ちゃん。これ以上はちょっと
竜華がかわいそなるから堪忍な』
竜華「ときぃいいいいいいっ!!!」
咲「はい、ありがとうございました」
ガチャッ…
咲「…と言うことらしいけど」
照「ちょ、ちょっと待って…
膝枕なんて別に誰の技でもない
世間一般的な行為でしょ?」
咲「お姉ちゃんの中ではそうなんだね。
でも私の中では清水谷さんの奥義なんだよ」
咲「世間一般がどうかは知らないけど…
私がそう思っている以上は、
ちゃんと事前に許諾を取ってほしかったな。
私まで犯罪者にされるところだったよ?」
照「えぇー………」
和『さすが咲さんです!膝枕は
ふくよかな人間にのみ許された奥義!
そう例えば私のような!』
菫『審査員含めツッコミ所満載だが…
これは難攻不落だな』
淡『でも、テルもまさかこれで
終わりってことはないよねー?』
久『…祈りましょう。照に何か策があることを』
照「……」おろおろ
照「……」おろおろ
恭子『あるように見えるか?』
照「…あ、そうだ。
プリン!プリン買ってあげる!」
菫『お前は娘との接し方がわからない駄目親か』
淡『駄目親テルーかわいい!』
咲「プリン!?」ぱぁぁっ
照「…!そう、プリン!
お姉ちゃんがプリン買ってあげる!
いくらでも食べていいよ!」
咲「本当!?何でもいいの!?」
照「いいでしょういいでしょう。
好きなもの言ってごらん?」
咲「じゃあね!とりあえず月曜日はおみ○まプリンで、
火曜日は最高級抹茶プ○ンで、
水曜日が湯布院の…」
照「その程度造作もない。
もっとお姉ちゃんを頼っていいよ?」
菫『…あいつ、この前270円の瓶詰プリン食べられて
ぶつくさ言ってたよな?』
淡『そもそもこれって姉として正しいのかなぁ。
どっちかというと貢いd』
久『そこまで!』
照「どう?お姉ちゃんすごいでしょ?」ドヤッ
咲「うん、すごいね!せっかくだから
もうちょっと頼っていい?
できれば食事当番と洗濯当番も…」
照「任せなさい」
咲「お姉ちゃんすごい!お姉ちゃんみたい!!」
照「ふふ、そうだろうそうだろう……うん?」
カンカンカーン!
恒子『はいここで試技終了!
判定は審査員の手に委ねられます!』
菫『…なんというか、うん。
まあ表面上は懐いてはいたな』
淡『いいなー。私もテルを
そそのかしてプリン食べたい!』
和『私もプリンを貢げば
咲さんの家族になれるでしょうか』
恭子『ポンコツ二人は置いとくとして…
うちにはチャンピオンが
手玉に取られとるようにしか
見えんかったけど』
久『んー、でもここまでして照の負けだと
あまりにもかわいそうだから…
ここは花を持たせてあげない?』
菫『そうだな』
恒子『審査員の判定が出ました!
判定結果は…4−1で宮永照の勝利!!』
照「ふっ…当然の結果」ドヤッ
咲「よかったねお姉ちゃん!
首の皮一枚繋がったね!」にっこり
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恒子『審査員の温情により
なんとかイーブンで迎えた
最終戦!泣いても笑っても
これで決着がつきます!』
恒子『最後のバトルは…フリースタイル!
なんかもうテキトーにやって相手より
自分が上だと言うことを主張してください!』
健夜『丸投げ!?もうちょっと何か考えとこうよ!』
恒子『いやぁ当初の予定ではどうせ魔王が
2勝して最終バトルまで
いかない予定だったんだよねー』
健夜『ひどすぎでしょ!?もうちょっと
宮永照さんのこと信じてあげようよ!』
恒子『ファイッ!』
健夜『いやファイッ!じゃなくて!!』
照「……」ぽかーん
照「え、本当に丸投げ?
何も聞いてないんだけど」
照「え、どうしよう、え?」
菫『ものすごい動揺しているな』
淡『まあアドリブ弱そうだしねー』
咲「…お姉ちゃんが何もしないなら
私から行くけど?」
照「…!ちょ、ちょっと待って。
今何かするから」
照「……」
照「……」
照「……」
照「……ひ」
咲「ひ?」
照「ひ、膝枕…する?」
咲「著作権許諾」
照「すいません」
照「……」
咲「……もういい?」
照「…はい」
菫『なんか見ててかわいそうになってきたな』
淡『これはこれで可愛いよテルー!』
久『逆に咲は何をする気なのかしらね?』
恭子『本人から聞いてへんの?』
久『うん。さっき福与アナも言ってたけど
本当はもうちょっと接戦気味ながらも
咲が2勝して終わる予定だったから』
咲「……」
咲「私、お姉ちゃんにずっと
言いたかったことがあるんだ」
咲「いい機会だから言っておくね」
咲「私は、お姉ちゃんに対して
色々と辛らつな態度を取ることがあるけど…」
咲「でもね。それって、
お姉ちゃんが好きだからなんだ」
照「……!」
咲「お姉ちゃんの気を惹きたい。
お姉ちゃんに甘えたい。
だから私は、お姉ちゃんにちょっかいを出すの」
咲「これまでも。ずっとこれからも。
お姉ちゃんのことが大好きです」
咲「どうか、ずっと私のお姉ちゃんでいてください」
照「……!」
照「わ、私も好き!咲のことが好き!!」
咲「誰よりも一番愛してる?」
照「愛してる…!世界で一番咲のことを愛してる…!!」
恭子『こんだけボロクソに貶めといて
ここでええ話に持ってくんか…
鬼やなあの魔王』
久『丸め込まれる照も照なんだけどねー』ケラケラ
菫『あいつ、これが一ブログとはいえ
白日の下に晒されること覚えてるのか?』
淡『ここだけ抜き出したら完全に告白だよね!』
久『咲は間違いなくボイスレコーダー
持ってるでしょうね』
和『そんなオカルト!そんなオカルト!!
そんなオカルトォオオ!』
カンカンカーン!!
恒子『ここで試技終了!というかもう
いい話に落ち着いたし、
どっちが上かとか別にいいよね!』
菫『引き分けでいいんじゃないか?』
淡『完全にサキの勝ちな気がするけどねー』
久『まあ照自身が喜んでるんだからいいんじゃない?』
和『オカルト』
恭子『腹減ってきたしマクド行かん?』
恒子『はい!審査員の判定が出そろいました!』
恒子『判定は…引き分け!!
二人とも、末永くお幸せに!!』
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数日後。
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照「咲…私のプリン食べたでしょ」
咲「え?食べてないよ?」もきゅもきゅ
照「白々しいを通り越してる…咲は昨日
自分の分食べてたじゃない」
照「なのに今またプリンをほおばってる。
完全に現行犯逮捕でしょ」
咲「うーん…そもそもの前提が
間違ってるんじゃないかな?」ゴクンッ
咲「この宮永家において、
私はお姉ちゃんのプリンを
好きな時に食べていいはずだよ?」
照「ど…どういうことなの」
咲「こういうこと」カチッ
照『お姉ちゃんがプリン買ってあげる!
いくらでも食べていい!』
咲「世界で一番私のことを愛してくれるお姉ちゃんは
私にプリンをいくらでもくれるんだよね?」
咲「それとも、この台詞は
その場しのぎの嘘だったの?」
照「そ…それは…でも…
自分用のプリンまで
剥奪されるのは耐えられない…!」
咲「もう…お姉ちゃんは仕方ないなぁ」
咲「はい、あーん」プリン
照「!あーん!」
もきゅもきゅ
照「…おいしい」ぱあああっ…
咲「よかった…はい、もう一回あーん」
照「あーん」
もきゅもきゅ
照「…おいしい」
咲「よかったね!」
咲「……」
咲(…お姉ちゃんは本当にチョロいなぁ)
咲(これからもずっと、チョロいままでいてね)
咲(私の、大好きなお姉ちゃん)
(完)
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ポンコツでもお姉ちゃんを好きな咲さん、すばらっ!
今の三年組はプロになったら宮永世代とか言われてるんでしょうか。
二年は衣、小蒔、憩が居るので判断が難しいですな。
ポンコツだけど咲さんがそばにいてくれるから問題ないね(白目)
でも二人の姉妹喧嘩ってわりとこんな感じかな〜? ちびま○子ちゃんみたいなつかみ合いの喧嘩なんて二人はしそうにないけれど。
あと、お姉ちゃんそれってダメな奥さんなんじゃ(殴
ずっこい咲さんだけど、お姉ちゃんが結婚するみたいな話になったら深刻にキレそう。だけどそれくらい好きなんだなとも思えるからかわいらしい
末原>
咲「だって末原さんだし…」
恭子「のび○みたいに言うのやめや!」
テルーちょーかわいいよー>
淡「ちょっとポンコツだとかわいいよねー!」
豊音「わかるよー!」
宮永世代>
照「時代は私」キリッ
咲「自意識過剰だなぁ。宮永世代だから。
お姉ちゃんとは言ってないから」
照咲は本当に可愛いよね>
照「私はともかくこの咲はちょっと…」
咲「かわいいよね?」
テルーあわいい>
淡「テルーあわいい!」
咲さんがそばにいてくれるから>
咲「お姉ちゃんがポンコツだから
ずっとそばに居て管理しないとね」首輪
照「咲…首輪…首輪だけは…」
こんな子一人はいるな>
照「どんな魔鏡に住んでるの?
こんな魔物そうはいない」
咲「今すぐかわいいって言ったら
許してあげるよ」
咲さんから相当程度には>
咲「たとえ照咲でも末原さんは末原さんです」
恭子「大人しくバケもん同士で
くっついとけや…!」カタカタ
お姉ちゃんが結婚するみたいな話>
咲「は?お姉ちゃんは結婚しないよ?」
咲「私がいるのにするはずがないよ?」
咲「可能性はゼロだよ?」
照「……」
菫「涙拭けよ」