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【咲-Saki-SS:久?】和「竹井久被害者の会…?」【カオス】【ギャグ】
<あらすじ>
久「なんか最近、竹井久被害者の会みたいなのがあるらしいのよ」
和「自業自得ですね」
久「どんな会なのか調べてきてくれない?」
和「なんで私が…」
久「咲の飲みかけペットボトル」
和「まずは潜入すればいいんですね?」
<登場人物>
竹井久,原村和,加治木ゆみ,宮永咲,福路美穂子,国広一,東横桃子
<症状>
※カオス
<その他>
※ギャグです。
--------------------------------------------------------
「竹井久の誕生日は?」
「11月13日」
「旧姓は?」
「上埜」
「身長は?」
「164cm」
「今年のインターハイ長野県予選の決勝戦で
竹井久が稼いだ点数は?」
「+39100」
「久さん?」
「かわいい!!」
「……テストは合格だ。君を、
我々の一員として迎え入れる事を認めよう。
ようこそ、竹井久被害者の会へ」
「歓迎するよ、原村和」
--------------------------------------------------------
和『竹井久被害者の会…ですか?』
久『そ。失礼しちゃうわよね?いったい私が
何をしたっていうのよ』
和『タラシたんじゃないですか?』
久『いやいや、事実無根だってば。
私、生まれてこの方誰かと
付き合った事なんてないのよ?』
久『そんなわけで、この怪しい会が何をしているのかを
秘密裏に潜入して突き止めてほしいのよ』
和『なんで私なんですか?』
久『いやー、他の部員は全員すでに
この会の会員になってる可能性があるのよね』
久『その点、和なら咲一筋だから、
間違ってもそんな会には入ってないでしょう?』
和『否定はしませんけど…
私にメリットが全くありませんよ』
久『引き受けてくれたら、咲の飲みかけペットボトルを
毎週1本提供するわ』
和『わかりました。
とりあえず潜入すればいいんですね?』
久『そうね。そもそも何をしている会なのか、
違法性はないのか、危険性はないのか。
その辺を調べて頂戴』
久『明らかに危なそうな会だったら
また別途対策を考えましょう』
久『それじゃぁ、よろしくね!』
--------------------------------------------------------
和(…なんて事があってここまで来たわけですけど…)
和(まさか、入試があんなに難しいとは思いませんでした)
和(部長に言われて事前に勉強していなかったら
まず通りませんでしたね…)
和「入会させていただけるのはありがたいんですが…
そもそも、この会はどんな会なんですか?」
和「私は勝手にファンクラブのようなものを
想像していたんですが」
ゆみ「大きく間違ってはいないな。
久を慕う者たちを集めて、会誌を発行したり
オフ会なんかを定期的に開いている」
ゆみ「会費も大した額じゃないし、
会合なんかも自由参加だ。
そんなに構える必要はないだろう」
ゆみ「…君が、ただの久フリークなら」
和「…どういう事ですか?」
ゆみ「本来入りたての君に説明する事ではないんだが…
被害者の会は大きく3種類に分かれているんだ」
ゆみ「大多数は普通のファンクラブ会員。
これは特に問題ない」
ゆみ「次に運営側。これは被害者の会を管理して、
この会が本人および会員に危害を加える存在に
ならないように適切に運営する側だ」
ゆみ「…そして、最後に残るのが危険人物グループ」
和「危険人物ですか!?」
ゆみ「ああ。久を自分のものにするためなら、
いかなる手段も厭わない異常者のグループだ」
和「な、なんでそんな人たちを会員にしてるんですか?」
ゆみ「我々の側からしたら監視目的だ。
危険因子が久に危害を及ぼさないように」
ゆみ「あいつらからすれば、他者への牽制と
情報収集が目的だろう」
ゆみ「そんなわけでだ。危険グループには
近寄らない方がいいだろう」
ゆみ「念のため聞いておくが…
君自身が『そう』だと言う事はないな?」
和「わ、私は他人を蹴落としてまで
部長を手に入れようとは思いません」
ゆみ「それが聞けて安心したよ」
和「その…参考までに聞いておきたいんですが…
危険人物グループには
どんな方がいらっしゃるんですか?」
ゆみ「君の知った顔も何人かいるが…
その辺をあげるとするなら」
ゆみ「福路美穂子、渋谷尭深、滝見春、藤田靖子」
ゆみ「そして……」
ゆみ「宮永咲」
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和(正直、ショックでした…まさか咲さんが
被害者の会に入っているなんて)
和(しかも…危険人物認定までされているなんて)
和(一体部長の何がそこまで、
咲さんを惹きつけるというのでしょうか)
和「そういえば、何か分厚い冊子を渡されましたね…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
和『…何ですかこれは?』
ゆみ『被害者の会会員に配布している教典だ。
まあ、入会特典と思ってもらえばいい』
≪竹井久教典≫
和『…随分と分厚いですけど…
何ページあるんですか』
ゆみ『第4版は292ページだったな』
ゆみ『暗記しておいてくれ。会員同士の
秘密の合言葉に使う事もあるからな』
和『暗記!?約300ページあるのにですか!?』
ゆみ『…?なに、どれも久に関する情報ばかりだ。
被害者なら余裕だろう?』
和『…そうですね』
和(…一見まともに見えますけど…
どうやらこの人も普通ではありませんね)
ゆみ『一週間後にテストするから、
それまでに読み込んでおいてくれ』
和『…はい』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
和「私も暗記が苦手な方ではありませんが…
300ページを一週間は
なかなかにハードではないでしょうか」
和「咲さんならともかく、
正直そういう目で見ていない
部長の事をひたすら勉強するのは
つらいものがありますね…」
和「そもそも、300ページも
一体何を書いているのか…」ぺらり
≪第一章 竹井久とは≫
和「参考書じゃないんですから……」
和「とはいえ、これを乗り越えれば、
咲さんの飲みかけペットボトルを
舐めしゃぶり放題だと考えれば、
やらざるをえませんね」
和「…頑張りましょう」
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久「やっほー、和。例の件どうだった?」
和「首尾よく潜入できましたよ」
久「おお、さっすが和!で、どんな感じだったの?」
和「まだ入り込んだばかりなので何とも言えませんが…
運営側はまともそうでした」
和「ただ、何人かの危険人物を
監視しているとの事でしたので…
会の方針は別として、
安全だと断定するには至りませんね」
久「き、危険人物…そんなのいるんだ。
名前は聞いてきた?」
和「…聞きましたけど、あくまで聞いただけなので
私の方で裏付けを取ってません。
間違いだったら申し訳ないので、
もう少しだけ時間をください」
和(…咲さん)
久「そか。引き続きよろしくね!
はい、これ報酬」
和「こ、これは確かに…!咲さんの飲みかけ!」
和「ああ、ああ…咲さんのいい香りがします…!!」ペロペロ
和「咲さんかわいい!咲さんかわいい!」
久「…ホント、和が味方側でよかったわ」
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和「…今週の会誌は≪竹井久のかっこよさに迫る!≫ですか」
和「まあ、確かにかっこいいと思う時はありますけどね。
私もなんだかんだ言って全幅の信頼を置いてますし」
和「ただ、これも100ページ越えですか…
会費は月1000円だというのに、
一体どこから資金を調達してるんですかね」
……
和「…今週の会誌は≪竹井久の歴史を振り返る≫ですか」
和「……」
和「なんだか、玄さんに似てますね…
誰もいない部室で、ただ一人誰かを待ち続ける」
和「…私にはできませんでした。見切りをつけて、
一人だけで進む道を選んでしまいました」
和「あの人の社交性はただの処世術かと思ってましたけど…
もしかしたら、孤独の寂しさを知っているから、
人懐っこくなっているのかしれませんね」
和「とりあえず、一途な思いは伝わりました」
……
和「…今週はすごいですね。
全国大会準決勝のムービーですか」
和「…どうやって撮ったんですかね。
アングル的に、どう考えても
テレビ関係者じゃないと撮影できないんですが…」
『(なんか出てる)』
和「……かわいいですね」
和「い、いや、
咲さんのかわいさには及びませんけど」
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一か月後。
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久『和、メール着信よ?早くみてくれない?』
久『和、メール着信よ?早くみてくれない?』
和「あ、メールですね」ポチポチ
久「え、えーと和?今のは何なのかしら?」
和「あ、これは仕方ないんです。
被害者の会のルールで、部長の声を
着ボイスにしないといけないみたいで」
和「前に会員の前で咲さんボイスを流したら
『こいつ異教徒やん!』と
糾弾されてしまいました」
久「そ、そうなんだ…てっきり和まで
おかしくなっちゃったのかと思ったわ」
久(なんか最近…私を見る目が妙に熱っぽい気がするし…)
和「ちなみに指摘される前に言っておきますけど、
携帯の待ち受けが部長になっているのも
同じ理由なので心配しないでくださいね?」
久「そ、そか。ちなみにどんな奴?」
和「これです」
『なんか出てる』
久「ちょ、何これ!?」
和「全国大会の準決勝の時の映像です。
これが一番かわいいと思ったので」
久「…か、かわ……えーと…あ、そうだ!
報酬を渡さないとね!
はい、いつもの咲の飲みかけ!」
和「ありがとうございます!
これのために頑張ってるようなものですからね!」ペロペロ
和「おいしい…やっぱり咲さん汁は格別ですね」ペロペロ
久「……」ほっ
久(大丈夫よね。咲の飲みかけにちゃんと反応しているし)
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和「……」トントン
?『…山』
和「…久」
ガチャッ
はじめ
「ようこそ被害者の会へ」
和「私は、合言葉は『久さんかわいい』の方が
いいと思いますけどね」
はじめ
「あはは、それじゃ合言葉にならないよ。
『久さんかわいい』なんて、一般人でも
つい呟いちゃうような言葉じゃないか。
まぐれ当たりが頻発しちゃうよ」
和「…言われてみればそうですね。
久さんかわいい」
はじめ
「久さんかわいい」
桃子「久さんかわいいっす」ぬっ
和「…!東横さんもいらっしゃってたんですか」
桃子「さっき入ってきたっす。
久さんかわいいっす」
和「少し意外ですね…東横さんは
加治木さん一筋ではないんですか?」
桃子「その先輩が久さんを守ると決めた以上、
私にとっても久さんは守る対象っす」
桃子「それで、一緒になって見守ってたら、
知らないうちに落とされてたっす」
はじめ「わかる」
和「わかります」
はじめ
「ボクも最初は、原村さんがこの会に入ったから
透華に様子見て来いって言われたのがきっかけだしなぁ」
はじめ
「あ、まぁそれでも入試に受かるくらいには
久の事も好きだったけどね?」
和「気が付いたら、いつの間にか落とされている。
部長の恐ろしいところですね」
はじめ
「まったくだよ。久さんかわいい」
和「久さんかわいい」
桃子「久さんかわいいっす」
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……
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和「ふう、今日も日課の
久さんかわいい書き込みを始めますか」
和「『ひささんかわいい』っと…」カタカタカタッ
咲「精が出るね、和ちゃん」
和「…!?さ、咲さん!?どうして!!」
咲「どうしてって…ここ、被害者の会のラウンジだよ?
私がいてもおかしくないでしょ?」
和「そ、それは…そうですけど…」
和(これまで、危険人物認定された人は、
このラウンジに来る事はなかった…!)
和(というより…会員特典を受け取りに来る以外で
姿を現す事はなかったのに…!)
咲「ねえ、和ちゃん。ちょっと場所を変えようか。
二人で話したい事があるんだ」
和「…はい」
和(どうしてでしょうか…咲さんが、怖く感じる)
和(まあ、そんな咲さんもありですけど)
……
和「…で、話とは何ですか?」
咲「うん。和ちゃんにも、
私の計画に加わってほしいんだ」
和「…計画、ですか?」
咲「うん。と言っても、
和ちゃんに拒否権はないけどね」
咲「…どうせ部長のスパイなんでしょ?」
和「…!」
和(って、驚く事もありませんね…
清澄の部員なら、むしろ私がここにいる事に
違和感を感じない方がおかしいですし)
和「…もし咲さんが考える通りなら、
私を計画に誘い込むのは悪手なのでは?」
和「計画を聞くだけ聞いて、そのまま
部長に報告するかもしれませんよ?」
咲「あはは。そうなりそうだと思ってたら、
最初から声をかけないよ?」
咲「…和ちゃん、堕ちちゃったんでしょ?」
和「…!?」
咲「被害者の会の掲示板、最近数分おきに
書きこんでるよね」
咲「最初はスパイってバレないための工作かと思ったけど…
それならそれで、加速度的に
書き込み量が増えてるのがおかしい」
咲「単にスパイの工作ってだけなら…
そんな目立つ事はしないよね?」
咲「その内容も、本気で部長の事が
好きだとしか思えないような内容ばかり」
咲「大方部長のスパイって立場上、
大っぴらに部長に愛を叫べないから
掲示板で発散してるんじゃない?」
和「…そう思わせる事自体が、
スパイとしての目的だとしたら?」
咲「その時は殺すよ」
和「な…!ど、どういう事ですか!?」
咲「私は、和ちゃんの書き込みを見て心を動かされた。
和ちゃんも、本当に部長を好きになったんだって。
だからこそ、今こうして話をもちかけてるんだよ?」
咲「もし、あれが単なる嘘で。
悪戯に部長の愛を偽っていただけなら…」
咲「私は、和ちゃんを許さない」
和「……それは…」
和(というかこの人、本当に
あの咲さんなんですか…!?)
和(あの、トイレに辿り着けなくて
前かがみになって涙ぐんでた咲さんなんですか…!?)
咲「まあ、別にそこで問答しなくていいよ。
私は、和ちゃんがこっち側に来たんだって
確信してるから」
咲「そんな和ちゃんには、これから話す計画は
悪い提案じゃないと思うよ?」
和「……」
和「…計画を聞いてから考える、
というのはありですか?」
咲「もちろんなしだよ?」
咲「というか拒否権はないってば。
もし拒否するって言ったら、
和ちゃんがスパイだって暴露するから」
咲「ここって元々牽制目的の場所だから、
危険人物全員が一斉に和ちゃんの敵に回るよ?」
和「……!」
和(危険人物が、全員…!)
和(私が危険にさらされるのはともかく、
焦った危険人物が部長に襲い掛かる可能性もある…)
和(部長だけは、なんとしても守らないと…)
和「……わかりました。
咲さんの計画に乗ります」
咲「そうこなくっちゃ!」
和「…部長を悲しませるような
真似だけはやめてくださいね?」
咲「大丈夫!部長も気に入ってくれると思うよ?」
咲「……最終的には、ね」
--------------------------------------------------------
美穂子
「あら?あそこにいるのは原村さんね。
最近頭角を現してきた、
久好きランキング6位の子…」
咲『〜〜』
和『〜〜』
美穂子
「…宮永さんと何か話してる…気になるわ」
咲『じゃあね、和ちゃん』
和『……』
美穂子
「宮永さんが去った…
原村さん、何か考え込んでるわね」
和『……』はぁっ…
とぼとぼとぼ
美穂子
「溜息をついて去って行った…」
美穂子
「!何か忘れていったわ。何かのメモ…?」ぴらっ
美穂子
「!これは…!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『 ■ 部長監禁計画 ■
【決行日時】
10月7日 21時
【計画内容】
<21時>
部長宅近くの公園に集合
<〜22時>
計画の手順確認
<22時30分>
1.部長の家のチャイムを鳴らす
2.出てきた部長に
相談したい事があると持ち掛ける
3.公園に誘い出す
<22時40分:公園>
4.相談者が部長の気を惹く
5.注意力が散漫になった部長を後ろから
スタンガンで痺れさせる
6.間髪入れずクロロホルムで意識を奪う
7.用意した車で逃走
8.部長の状態を確認しながら奈良まで移動
9.山奥の小屋に部長を搬送
【注意事項】
●部長は勘が鋭いので気取られないように。
相談者は疑われていない者が望ましい。
→和ちゃん?
●小屋には先客あり。
被害者同士で手を組まれると厄介なので
極力新子さんとは接触されないようにする。
存在も明かしてはいけない
』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美穂子
「…なんて事…!早く上埜さんに知らせないと!」
美穂子
「……!」
美穂子
「ううん、待って?これは、ある意味
チャンスじゃないかしら?」
美穂子
「この作戦の裏をかいて、
上埜さんがピンチになった時に颯爽と現れて、
上埜さんを救ったら…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
久『そ、そんな…和まで
そっち側だったなんて…!』
和『けっけっけ!信じたお前が
馬鹿だったんだよぉ!』
咲『さっさと車に乗り込んでもらおうかぁ?
その後はお楽しみタイムだぜぇ〜〜?』にたぁっ
久『み、美穂子…助けて…!』ガタガタガタ
?『そこまでよ!!』
和『だ、誰だ!?』
美穂子『……上埜さん、助けに来たわ!』
久『美穂子!!』ぱぁっ
和『なっ…よりによってとっても強くって
すっごく可愛くて部長の寵愛を
一身に受けている福路美穂子だとぉ!?』
咲『くっ!原村ァ!こいつを倒せぇ!』
和『ィーーーー!!』
美穂子
『戦闘員なんかじゃ私は倒せないわ』ウィンク
ピカーッ!
和『ぬわーーーっ!!!』バタッ
久『美穂子!!』ダッ
咲『あ、待て!!』
美穂子
『上埜さん!!』ダッ
ぎゅうっ……
久『美穂子…美穂子…』
久『怖かった…!!』ぐすっ
美穂子
『大丈夫よ。私が来た以上、
上埜さんには指一本触れさせないから』
咲『く、くそ!まだ終わってねぇぞぉ!!』
美穂子
『無駄よ?』ウィンク
ピカーッ!!
咲『ぬわーーーっ!!!』バタッ
久『素敵!美穂子結婚して!
今すぐ婚姻届取ってくるから!!』
美穂子
『あらあら、せっかちなんだから。でも…』
美穂子
『婚姻届なら、ここにあるわ。
…しかも、私の分はもう署名済みよ?』にこっ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美穂子
「…ありね。ここは、少し危険だけど
上埜さんにはおとりになってもらいましょう」
美穂子
「そうと決まれば…
早く婚姻届を取りに行かないと」
--------------------------------------------------------
…10月7日 20時
--------------------------------------------------------
和「……」ピンポーン
……
久『はーい。どちら様ですかー?』
和「部長、緊急事態です!
竹井久被害者の会で、部長を拉致する
計画が持ち上がっています!」
久『え、えぇ!?』
和「計画は今日23時!このままここにいたら
捕まってしまいます!」
久『嘘!?誰よそんな事する奴は!』
和「首謀者は福路さんで…
手下に風越の部員が数名です!」
久『そ、そんな…どうしよう!?』
和「龍門渕は被害者の会の息がかかってなかったので、
匿ってもらえるように頼みました」
和「今、執事の萩原さんが車で待機してくださってます!
早く避難しましょう!」
久『…5分だけ待って!すぐ出られるようにするから!』
……
ガチャッ!
久「お待たせ!」
和「急ぎましょう。まだ時間はありますが、
こちらの動きを気取られるかもしれません」
和「…あ、あの車です」
ハギヨシ
「…お待ちしておりました」ぺこり
ハギヨシ
「透華お嬢様の命に従い、
竹井様の安全を確保させていただきます」
久「…ありがとうございます」
久「…和も、何から何までありがとう」
和「お礼の言葉は後にしましょう。
今は、ともかく逃げないと」
和「それに、お礼を言うべきは
私だけではありません。
この、卑劣な計画を暴いたのは……」
和「私ではなく、咲さんですから」
--------------------------------------------------------
ブロロロー…
和「萩原さん、止まっていただけますか?」
ハギヨシ
「かしこまりました」
キキーッ!
久「…公園?こんなところでどうするの?」
和「いえ、咲さんが情報を掴んだのは事実ですけど、
万が一ガセネタという可能性もありますから」
和「携帯電話を鳴らしてもらえますか?
取られる前に切ってもらって構いません」
久「…なるほど、そういう事ね」
久「わかったわ」ピッポッパ
プルルルー、プルルルー
『美穂子ー、私から電話よ?取ってー』大音量
『美穂子ー、私から電話よ?取ってー』大音量
『美穂子ー、私から電話よ?取ってー』大音量
久「こわっ!?」ブツッ
久「つ、つい切っちゃったけど…
公園中に着ボイスが鳴り響いたわね」
和「…残念ながら確定ですね」
ハギヨシ
「犯人が近くにいるようですし、
早く離れた方が賢明でしょう」
ハギヨシ
「このまま龍門渕邸に向かいます」
久「よろしくお願いします」
久「……」
久「美穂子…」
久「怪しいとは思ってたけど
やっぱりそうだったのね!」
久「あ、携帯電源切っとかないと」
ブロロロー…
--------------------------------------------------------
咲「よかった、部長…!無事だったんですね!」
久「咲…ありがとう!あなたが
突き止めてくれてなかったら、
私あのまま食べられてたわ!」
咲「りゅーもんさんには話を通しておいたので、
しばらくはあそこの離れで生活してください」
咲「多分大丈夫だと思いますけど、
万が一福路さんが襲ってくるかもしれないので」
久「和もだけど、本当に何から何まで…
ありがとね」にこっ
咲「…!い、いいえ…いいんです!
私達、部長の事が大好きですから!」
咲(久さんかわいい)
和(久さんかわいい)
久「美穂子もなぁ〜、あなたたちみたいに
愛してくれるならいくらでも受け入れるのに」
咲(久さんかわいい)
和(久さんかわいい)
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
ゆみ「…久の奴はまだ見つからないか?」
桃子「駄目っす…集められた被害者の会のメンバー
総出で探しましたけど見つからないっす」
ゆみ「…こうなると、怪しいのは龍門渕だが…」
桃子「あそこは治外法権っす…手を出せないっすよ」
ゆみ「……」ピッポッパ
プルルルー、プルルルー
ガチャッ
はじめ
『こんな時間に珍しいね。何か問題でも起きた?』
ゆみ「単刀直入に聞こう。久は無事か?」
はじめ
『さすが加治木さん。鋭いね』
はじめ
『大丈夫、久は無事だよ。こっちで匿っておくよ』
ゆみ「一応聞いておくが…君たちが
監禁しているわけではないな?」
はじめ
『あはは、龍門渕に危険人物はいないよ?
だから匿ってるんじゃないか。
なんなら久の声も聞くかい?
もう今は寝てるから叩き起こす事になるけど』
ゆみ「いや、そこまでは必要ない…
安心したよ。久を頼む」
はじめ
『りょーかい』
ブツッ
ゆみ「…居所が割れた。捜索を打ち切ろう」
桃子「いいんすか?」
ゆみ「危険人物と龍門渕が組んでいる可能性は残るが…
今龍門渕と争っても勝ち目はないだろう」
ゆみ「向こうが匿っていると言うのなら、
そのまま信じて様子を見に行けばいいさ」
ゆみ「福路か宮永に直接捕まっているよりはましだ…
この際、ある程度は目をつぶろう」
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--------------------------------------------------------
和『今日も、離れの部長を三人で起こしました』
和『寝ぼけた部長をそっと優しく撫でまわして、
甘い鳴き声をあげさせるのが最近のお気に入りです』
和『最初の頃はいやがってた部長も、
私達の献身的な≪お世話≫のおかげで、
ずいぶん角が取れてきました』
和『最近では、私達にあまえてくれるようになってきて…
本当にかわいいんです。久さんかわいい』
和「あ、駄目です。発作が抑えられなくなってきました」
和『久さんかわいい!久さんかわいい!』
和『久さんかわいい!咲さんかわいい!』
和『久さんかわいい!久さんかわいい!』
ガチャッ
咲「和ちゃん、日記書き終わった?
そろそろ夜伽の時間だよ?」
和「久さんかわ……
あ、そうですね…行きましょうか」
咲「もう久さんかわいいはいいの?」
和「衝動は渦巻いてますけど…
本物のかわいい久さんが待ってますから」
和「言いながら離れに向かう事にしましょう」
咲「そうだね。久さんかわいい」
和「久さんかわいい」
……
『久さんかわいい』
『久さんかわいい』
はじめ
「……」
はじめ
「ホント、久は魔性の女だね。
自分が送り込んだスパイまで
落としちゃうなんてさ」
はじめ
「久を外界に放置しておいたら、
これからもどんどん被害者が増える。
それは久にとっても好ましくない事だ」
はじめ
「だから、これ以上被害者を増やさないように…
ボクたちが一生外界から隔離しないとね」
『国広さーん、夜伽始めますよー』
『衣はもう待ちきれないぞ!』
はじめ
「おっといけない急がないと。
でも、その前に…」
はじめ
「久さんかわいい!!」
(完)
久「なんか最近、竹井久被害者の会みたいなのがあるらしいのよ」
和「自業自得ですね」
久「どんな会なのか調べてきてくれない?」
和「なんで私が…」
久「咲の飲みかけペットボトル」
和「まずは潜入すればいいんですね?」
<登場人物>
竹井久,原村和,加治木ゆみ,宮永咲,福路美穂子,国広一,東横桃子
<症状>
※カオス
<その他>
※ギャグです。
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「竹井久の誕生日は?」
「11月13日」
「旧姓は?」
「上埜」
「身長は?」
「164cm」
「今年のインターハイ長野県予選の決勝戦で
竹井久が稼いだ点数は?」
「+39100」
「久さん?」
「かわいい!!」
「……テストは合格だ。君を、
我々の一員として迎え入れる事を認めよう。
ようこそ、竹井久被害者の会へ」
「歓迎するよ、原村和」
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和『竹井久被害者の会…ですか?』
久『そ。失礼しちゃうわよね?いったい私が
何をしたっていうのよ』
和『タラシたんじゃないですか?』
久『いやいや、事実無根だってば。
私、生まれてこの方誰かと
付き合った事なんてないのよ?』
久『そんなわけで、この怪しい会が何をしているのかを
秘密裏に潜入して突き止めてほしいのよ』
和『なんで私なんですか?』
久『いやー、他の部員は全員すでに
この会の会員になってる可能性があるのよね』
久『その点、和なら咲一筋だから、
間違ってもそんな会には入ってないでしょう?』
和『否定はしませんけど…
私にメリットが全くありませんよ』
久『引き受けてくれたら、咲の飲みかけペットボトルを
毎週1本提供するわ』
和『わかりました。
とりあえず潜入すればいいんですね?』
久『そうね。そもそも何をしている会なのか、
違法性はないのか、危険性はないのか。
その辺を調べて頂戴』
久『明らかに危なそうな会だったら
また別途対策を考えましょう』
久『それじゃぁ、よろしくね!』
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和(…なんて事があってここまで来たわけですけど…)
和(まさか、入試があんなに難しいとは思いませんでした)
和(部長に言われて事前に勉強していなかったら
まず通りませんでしたね…)
和「入会させていただけるのはありがたいんですが…
そもそも、この会はどんな会なんですか?」
和「私は勝手にファンクラブのようなものを
想像していたんですが」
ゆみ「大きく間違ってはいないな。
久を慕う者たちを集めて、会誌を発行したり
オフ会なんかを定期的に開いている」
ゆみ「会費も大した額じゃないし、
会合なんかも自由参加だ。
そんなに構える必要はないだろう」
ゆみ「…君が、ただの久フリークなら」
和「…どういう事ですか?」
ゆみ「本来入りたての君に説明する事ではないんだが…
被害者の会は大きく3種類に分かれているんだ」
ゆみ「大多数は普通のファンクラブ会員。
これは特に問題ない」
ゆみ「次に運営側。これは被害者の会を管理して、
この会が本人および会員に危害を加える存在に
ならないように適切に運営する側だ」
ゆみ「…そして、最後に残るのが危険人物グループ」
和「危険人物ですか!?」
ゆみ「ああ。久を自分のものにするためなら、
いかなる手段も厭わない異常者のグループだ」
和「な、なんでそんな人たちを会員にしてるんですか?」
ゆみ「我々の側からしたら監視目的だ。
危険因子が久に危害を及ぼさないように」
ゆみ「あいつらからすれば、他者への牽制と
情報収集が目的だろう」
ゆみ「そんなわけでだ。危険グループには
近寄らない方がいいだろう」
ゆみ「念のため聞いておくが…
君自身が『そう』だと言う事はないな?」
和「わ、私は他人を蹴落としてまで
部長を手に入れようとは思いません」
ゆみ「それが聞けて安心したよ」
和「その…参考までに聞いておきたいんですが…
危険人物グループには
どんな方がいらっしゃるんですか?」
ゆみ「君の知った顔も何人かいるが…
その辺をあげるとするなら」
ゆみ「福路美穂子、渋谷尭深、滝見春、藤田靖子」
ゆみ「そして……」
ゆみ「宮永咲」
--------------------------------------------------------
和(正直、ショックでした…まさか咲さんが
被害者の会に入っているなんて)
和(しかも…危険人物認定までされているなんて)
和(一体部長の何がそこまで、
咲さんを惹きつけるというのでしょうか)
和「そういえば、何か分厚い冊子を渡されましたね…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
和『…何ですかこれは?』
ゆみ『被害者の会会員に配布している教典だ。
まあ、入会特典と思ってもらえばいい』
≪竹井久教典≫
和『…随分と分厚いですけど…
何ページあるんですか』
ゆみ『第4版は292ページだったな』
ゆみ『暗記しておいてくれ。会員同士の
秘密の合言葉に使う事もあるからな』
和『暗記!?約300ページあるのにですか!?』
ゆみ『…?なに、どれも久に関する情報ばかりだ。
被害者なら余裕だろう?』
和『…そうですね』
和(…一見まともに見えますけど…
どうやらこの人も普通ではありませんね)
ゆみ『一週間後にテストするから、
それまでに読み込んでおいてくれ』
和『…はい』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
和「私も暗記が苦手な方ではありませんが…
300ページを一週間は
なかなかにハードではないでしょうか」
和「咲さんならともかく、
正直そういう目で見ていない
部長の事をひたすら勉強するのは
つらいものがありますね…」
和「そもそも、300ページも
一体何を書いているのか…」ぺらり
≪第一章 竹井久とは≫
和「参考書じゃないんですから……」
和「とはいえ、これを乗り越えれば、
咲さんの飲みかけペットボトルを
舐めしゃぶり放題だと考えれば、
やらざるをえませんね」
和「…頑張りましょう」
--------------------------------------------------------
久「やっほー、和。例の件どうだった?」
和「首尾よく潜入できましたよ」
久「おお、さっすが和!で、どんな感じだったの?」
和「まだ入り込んだばかりなので何とも言えませんが…
運営側はまともそうでした」
和「ただ、何人かの危険人物を
監視しているとの事でしたので…
会の方針は別として、
安全だと断定するには至りませんね」
久「き、危険人物…そんなのいるんだ。
名前は聞いてきた?」
和「…聞きましたけど、あくまで聞いただけなので
私の方で裏付けを取ってません。
間違いだったら申し訳ないので、
もう少しだけ時間をください」
和(…咲さん)
久「そか。引き続きよろしくね!
はい、これ報酬」
和「こ、これは確かに…!咲さんの飲みかけ!」
和「ああ、ああ…咲さんのいい香りがします…!!」ペロペロ
和「咲さんかわいい!咲さんかわいい!」
久「…ホント、和が味方側でよかったわ」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
和「…今週の会誌は≪竹井久のかっこよさに迫る!≫ですか」
和「まあ、確かにかっこいいと思う時はありますけどね。
私もなんだかんだ言って全幅の信頼を置いてますし」
和「ただ、これも100ページ越えですか…
会費は月1000円だというのに、
一体どこから資金を調達してるんですかね」
……
和「…今週の会誌は≪竹井久の歴史を振り返る≫ですか」
和「……」
和「なんだか、玄さんに似てますね…
誰もいない部室で、ただ一人誰かを待ち続ける」
和「…私にはできませんでした。見切りをつけて、
一人だけで進む道を選んでしまいました」
和「あの人の社交性はただの処世術かと思ってましたけど…
もしかしたら、孤独の寂しさを知っているから、
人懐っこくなっているのかしれませんね」
和「とりあえず、一途な思いは伝わりました」
……
和「…今週はすごいですね。
全国大会準決勝のムービーですか」
和「…どうやって撮ったんですかね。
アングル的に、どう考えても
テレビ関係者じゃないと撮影できないんですが…」
『(なんか出てる)』
和「……かわいいですね」
和「い、いや、
咲さんのかわいさには及びませんけど」
--------------------------------------------------------
一か月後。
--------------------------------------------------------
久『和、メール着信よ?早くみてくれない?』
久『和、メール着信よ?早くみてくれない?』
和「あ、メールですね」ポチポチ
久「え、えーと和?今のは何なのかしら?」
和「あ、これは仕方ないんです。
被害者の会のルールで、部長の声を
着ボイスにしないといけないみたいで」
和「前に会員の前で咲さんボイスを流したら
『こいつ異教徒やん!』と
糾弾されてしまいました」
久「そ、そうなんだ…てっきり和まで
おかしくなっちゃったのかと思ったわ」
久(なんか最近…私を見る目が妙に熱っぽい気がするし…)
和「ちなみに指摘される前に言っておきますけど、
携帯の待ち受けが部長になっているのも
同じ理由なので心配しないでくださいね?」
久「そ、そか。ちなみにどんな奴?」
和「これです」
『なんか出てる』
久「ちょ、何これ!?」
和「全国大会の準決勝の時の映像です。
これが一番かわいいと思ったので」
久「…か、かわ……えーと…あ、そうだ!
報酬を渡さないとね!
はい、いつもの咲の飲みかけ!」
和「ありがとうございます!
これのために頑張ってるようなものですからね!」ペロペロ
和「おいしい…やっぱり咲さん汁は格別ですね」ペロペロ
久「……」ほっ
久(大丈夫よね。咲の飲みかけにちゃんと反応しているし)
--------------------------------------------------------
和「……」トントン
?『…山』
和「…久」
ガチャッ
はじめ
「ようこそ被害者の会へ」
和「私は、合言葉は『久さんかわいい』の方が
いいと思いますけどね」
はじめ
「あはは、それじゃ合言葉にならないよ。
『久さんかわいい』なんて、一般人でも
つい呟いちゃうような言葉じゃないか。
まぐれ当たりが頻発しちゃうよ」
和「…言われてみればそうですね。
久さんかわいい」
はじめ
「久さんかわいい」
桃子「久さんかわいいっす」ぬっ
和「…!東横さんもいらっしゃってたんですか」
桃子「さっき入ってきたっす。
久さんかわいいっす」
和「少し意外ですね…東横さんは
加治木さん一筋ではないんですか?」
桃子「その先輩が久さんを守ると決めた以上、
私にとっても久さんは守る対象っす」
桃子「それで、一緒になって見守ってたら、
知らないうちに落とされてたっす」
はじめ「わかる」
和「わかります」
はじめ
「ボクも最初は、原村さんがこの会に入ったから
透華に様子見て来いって言われたのがきっかけだしなぁ」
はじめ
「あ、まぁそれでも入試に受かるくらいには
久の事も好きだったけどね?」
和「気が付いたら、いつの間にか落とされている。
部長の恐ろしいところですね」
はじめ
「まったくだよ。久さんかわいい」
和「久さんかわいい」
桃子「久さんかわいいっす」
--------------------------------------------------------
……
--------------------------------------------------------
和「ふう、今日も日課の
久さんかわいい書き込みを始めますか」
和「『ひささんかわいい』っと…」カタカタカタッ
咲「精が出るね、和ちゃん」
和「…!?さ、咲さん!?どうして!!」
咲「どうしてって…ここ、被害者の会のラウンジだよ?
私がいてもおかしくないでしょ?」
和「そ、それは…そうですけど…」
和(これまで、危険人物認定された人は、
このラウンジに来る事はなかった…!)
和(というより…会員特典を受け取りに来る以外で
姿を現す事はなかったのに…!)
咲「ねえ、和ちゃん。ちょっと場所を変えようか。
二人で話したい事があるんだ」
和「…はい」
和(どうしてでしょうか…咲さんが、怖く感じる)
和(まあ、そんな咲さんもありですけど)
……
和「…で、話とは何ですか?」
咲「うん。和ちゃんにも、
私の計画に加わってほしいんだ」
和「…計画、ですか?」
咲「うん。と言っても、
和ちゃんに拒否権はないけどね」
咲「…どうせ部長のスパイなんでしょ?」
和「…!」
和(って、驚く事もありませんね…
清澄の部員なら、むしろ私がここにいる事に
違和感を感じない方がおかしいですし)
和「…もし咲さんが考える通りなら、
私を計画に誘い込むのは悪手なのでは?」
和「計画を聞くだけ聞いて、そのまま
部長に報告するかもしれませんよ?」
咲「あはは。そうなりそうだと思ってたら、
最初から声をかけないよ?」
咲「…和ちゃん、堕ちちゃったんでしょ?」
和「…!?」
咲「被害者の会の掲示板、最近数分おきに
書きこんでるよね」
咲「最初はスパイってバレないための工作かと思ったけど…
それならそれで、加速度的に
書き込み量が増えてるのがおかしい」
咲「単にスパイの工作ってだけなら…
そんな目立つ事はしないよね?」
咲「その内容も、本気で部長の事が
好きだとしか思えないような内容ばかり」
咲「大方部長のスパイって立場上、
大っぴらに部長に愛を叫べないから
掲示板で発散してるんじゃない?」
和「…そう思わせる事自体が、
スパイとしての目的だとしたら?」
咲「その時は殺すよ」
和「な…!ど、どういう事ですか!?」
咲「私は、和ちゃんの書き込みを見て心を動かされた。
和ちゃんも、本当に部長を好きになったんだって。
だからこそ、今こうして話をもちかけてるんだよ?」
咲「もし、あれが単なる嘘で。
悪戯に部長の愛を偽っていただけなら…」
咲「私は、和ちゃんを許さない」
和「……それは…」
和(というかこの人、本当に
あの咲さんなんですか…!?)
和(あの、トイレに辿り着けなくて
前かがみになって涙ぐんでた咲さんなんですか…!?)
咲「まあ、別にそこで問答しなくていいよ。
私は、和ちゃんがこっち側に来たんだって
確信してるから」
咲「そんな和ちゃんには、これから話す計画は
悪い提案じゃないと思うよ?」
和「……」
和「…計画を聞いてから考える、
というのはありですか?」
咲「もちろんなしだよ?」
咲「というか拒否権はないってば。
もし拒否するって言ったら、
和ちゃんがスパイだって暴露するから」
咲「ここって元々牽制目的の場所だから、
危険人物全員が一斉に和ちゃんの敵に回るよ?」
和「……!」
和(危険人物が、全員…!)
和(私が危険にさらされるのはともかく、
焦った危険人物が部長に襲い掛かる可能性もある…)
和(部長だけは、なんとしても守らないと…)
和「……わかりました。
咲さんの計画に乗ります」
咲「そうこなくっちゃ!」
和「…部長を悲しませるような
真似だけはやめてくださいね?」
咲「大丈夫!部長も気に入ってくれると思うよ?」
咲「……最終的には、ね」
--------------------------------------------------------
美穂子
「あら?あそこにいるのは原村さんね。
最近頭角を現してきた、
久好きランキング6位の子…」
咲『〜〜』
和『〜〜』
美穂子
「…宮永さんと何か話してる…気になるわ」
咲『じゃあね、和ちゃん』
和『……』
美穂子
「宮永さんが去った…
原村さん、何か考え込んでるわね」
和『……』はぁっ…
とぼとぼとぼ
美穂子
「溜息をついて去って行った…」
美穂子
「!何か忘れていったわ。何かのメモ…?」ぴらっ
美穂子
「!これは…!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『 ■ 部長監禁計画 ■
【決行日時】
10月7日 21時
【計画内容】
<21時>
部長宅近くの公園に集合
<〜22時>
計画の手順確認
<22時30分>
1.部長の家のチャイムを鳴らす
2.出てきた部長に
相談したい事があると持ち掛ける
3.公園に誘い出す
<22時40分:公園>
4.相談者が部長の気を惹く
5.注意力が散漫になった部長を後ろから
スタンガンで痺れさせる
6.間髪入れずクロロホルムで意識を奪う
7.用意した車で逃走
8.部長の状態を確認しながら奈良まで移動
9.山奥の小屋に部長を搬送
【注意事項】
●部長は勘が鋭いので気取られないように。
相談者は疑われていない者が望ましい。
→和ちゃん?
●小屋には先客あり。
被害者同士で手を組まれると厄介なので
極力新子さんとは接触されないようにする。
存在も明かしてはいけない
』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美穂子
「…なんて事…!早く上埜さんに知らせないと!」
美穂子
「……!」
美穂子
「ううん、待って?これは、ある意味
チャンスじゃないかしら?」
美穂子
「この作戦の裏をかいて、
上埜さんがピンチになった時に颯爽と現れて、
上埜さんを救ったら…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
久『そ、そんな…和まで
そっち側だったなんて…!』
和『けっけっけ!信じたお前が
馬鹿だったんだよぉ!』
咲『さっさと車に乗り込んでもらおうかぁ?
その後はお楽しみタイムだぜぇ〜〜?』にたぁっ
久『み、美穂子…助けて…!』ガタガタガタ
?『そこまでよ!!』
和『だ、誰だ!?』
美穂子『……上埜さん、助けに来たわ!』
久『美穂子!!』ぱぁっ
和『なっ…よりによってとっても強くって
すっごく可愛くて部長の寵愛を
一身に受けている福路美穂子だとぉ!?』
咲『くっ!原村ァ!こいつを倒せぇ!』
和『ィーーーー!!』
美穂子
『戦闘員なんかじゃ私は倒せないわ』ウィンク
ピカーッ!
和『ぬわーーーっ!!!』バタッ
久『美穂子!!』ダッ
咲『あ、待て!!』
美穂子
『上埜さん!!』ダッ
ぎゅうっ……
久『美穂子…美穂子…』
久『怖かった…!!』ぐすっ
美穂子
『大丈夫よ。私が来た以上、
上埜さんには指一本触れさせないから』
咲『く、くそ!まだ終わってねぇぞぉ!!』
美穂子
『無駄よ?』ウィンク
ピカーッ!!
咲『ぬわーーーっ!!!』バタッ
久『素敵!美穂子結婚して!
今すぐ婚姻届取ってくるから!!』
美穂子
『あらあら、せっかちなんだから。でも…』
美穂子
『婚姻届なら、ここにあるわ。
…しかも、私の分はもう署名済みよ?』にこっ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美穂子
「…ありね。ここは、少し危険だけど
上埜さんにはおとりになってもらいましょう」
美穂子
「そうと決まれば…
早く婚姻届を取りに行かないと」
--------------------------------------------------------
…10月7日 20時
--------------------------------------------------------
和「……」ピンポーン
……
久『はーい。どちら様ですかー?』
和「部長、緊急事態です!
竹井久被害者の会で、部長を拉致する
計画が持ち上がっています!」
久『え、えぇ!?』
和「計画は今日23時!このままここにいたら
捕まってしまいます!」
久『嘘!?誰よそんな事する奴は!』
和「首謀者は福路さんで…
手下に風越の部員が数名です!」
久『そ、そんな…どうしよう!?』
和「龍門渕は被害者の会の息がかかってなかったので、
匿ってもらえるように頼みました」
和「今、執事の萩原さんが車で待機してくださってます!
早く避難しましょう!」
久『…5分だけ待って!すぐ出られるようにするから!』
……
ガチャッ!
久「お待たせ!」
和「急ぎましょう。まだ時間はありますが、
こちらの動きを気取られるかもしれません」
和「…あ、あの車です」
ハギヨシ
「…お待ちしておりました」ぺこり
ハギヨシ
「透華お嬢様の命に従い、
竹井様の安全を確保させていただきます」
久「…ありがとうございます」
久「…和も、何から何までありがとう」
和「お礼の言葉は後にしましょう。
今は、ともかく逃げないと」
和「それに、お礼を言うべきは
私だけではありません。
この、卑劣な計画を暴いたのは……」
和「私ではなく、咲さんですから」
--------------------------------------------------------
ブロロロー…
和「萩原さん、止まっていただけますか?」
ハギヨシ
「かしこまりました」
キキーッ!
久「…公園?こんなところでどうするの?」
和「いえ、咲さんが情報を掴んだのは事実ですけど、
万が一ガセネタという可能性もありますから」
和「携帯電話を鳴らしてもらえますか?
取られる前に切ってもらって構いません」
久「…なるほど、そういう事ね」
久「わかったわ」ピッポッパ
プルルルー、プルルルー
『美穂子ー、私から電話よ?取ってー』大音量
『美穂子ー、私から電話よ?取ってー』大音量
『美穂子ー、私から電話よ?取ってー』大音量
久「こわっ!?」ブツッ
久「つ、つい切っちゃったけど…
公園中に着ボイスが鳴り響いたわね」
和「…残念ながら確定ですね」
ハギヨシ
「犯人が近くにいるようですし、
早く離れた方が賢明でしょう」
ハギヨシ
「このまま龍門渕邸に向かいます」
久「よろしくお願いします」
久「……」
久「美穂子…」
久「怪しいとは思ってたけど
やっぱりそうだったのね!」
久「あ、携帯電源切っとかないと」
ブロロロー…
--------------------------------------------------------
咲「よかった、部長…!無事だったんですね!」
久「咲…ありがとう!あなたが
突き止めてくれてなかったら、
私あのまま食べられてたわ!」
咲「りゅーもんさんには話を通しておいたので、
しばらくはあそこの離れで生活してください」
咲「多分大丈夫だと思いますけど、
万が一福路さんが襲ってくるかもしれないので」
久「和もだけど、本当に何から何まで…
ありがとね」にこっ
咲「…!い、いいえ…いいんです!
私達、部長の事が大好きですから!」
咲(久さんかわいい)
和(久さんかわいい)
久「美穂子もなぁ〜、あなたたちみたいに
愛してくれるならいくらでも受け入れるのに」
咲(久さんかわいい)
和(久さんかわいい)
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
ゆみ「…久の奴はまだ見つからないか?」
桃子「駄目っす…集められた被害者の会のメンバー
総出で探しましたけど見つからないっす」
ゆみ「…こうなると、怪しいのは龍門渕だが…」
桃子「あそこは治外法権っす…手を出せないっすよ」
ゆみ「……」ピッポッパ
プルルルー、プルルルー
ガチャッ
はじめ
『こんな時間に珍しいね。何か問題でも起きた?』
ゆみ「単刀直入に聞こう。久は無事か?」
はじめ
『さすが加治木さん。鋭いね』
はじめ
『大丈夫、久は無事だよ。こっちで匿っておくよ』
ゆみ「一応聞いておくが…君たちが
監禁しているわけではないな?」
はじめ
『あはは、龍門渕に危険人物はいないよ?
だから匿ってるんじゃないか。
なんなら久の声も聞くかい?
もう今は寝てるから叩き起こす事になるけど』
ゆみ「いや、そこまでは必要ない…
安心したよ。久を頼む」
はじめ
『りょーかい』
ブツッ
ゆみ「…居所が割れた。捜索を打ち切ろう」
桃子「いいんすか?」
ゆみ「危険人物と龍門渕が組んでいる可能性は残るが…
今龍門渕と争っても勝ち目はないだろう」
ゆみ「向こうが匿っていると言うのなら、
そのまま信じて様子を見に行けばいいさ」
ゆみ「福路か宮永に直接捕まっているよりはましだ…
この際、ある程度は目をつぶろう」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
和『今日も、離れの部長を三人で起こしました』
和『寝ぼけた部長をそっと優しく撫でまわして、
甘い鳴き声をあげさせるのが最近のお気に入りです』
和『最初の頃はいやがってた部長も、
私達の献身的な≪お世話≫のおかげで、
ずいぶん角が取れてきました』
和『最近では、私達にあまえてくれるようになってきて…
本当にかわいいんです。久さんかわいい』
和「あ、駄目です。発作が抑えられなくなってきました」
和『久さんかわいい!久さんかわいい!』
和『久さんかわいい!咲さんかわいい!』
和『久さんかわいい!久さんかわいい!』
ガチャッ
咲「和ちゃん、日記書き終わった?
そろそろ夜伽の時間だよ?」
和「久さんかわ……
あ、そうですね…行きましょうか」
咲「もう久さんかわいいはいいの?」
和「衝動は渦巻いてますけど…
本物のかわいい久さんが待ってますから」
和「言いながら離れに向かう事にしましょう」
咲「そうだね。久さんかわいい」
和「久さんかわいい」
……
『久さんかわいい』
『久さんかわいい』
はじめ
「……」
はじめ
「ホント、久は魔性の女だね。
自分が送り込んだスパイまで
落としちゃうなんてさ」
はじめ
「久を外界に放置しておいたら、
これからもどんどん被害者が増える。
それは久にとっても好ましくない事だ」
はじめ
「だから、これ以上被害者を増やさないように…
ボクたちが一生外界から隔離しないとね」
『国広さーん、夜伽始めますよー』
『衣はもう待ちきれないぞ!』
はじめ
「おっといけない急がないと。
でも、その前に…」
はじめ
「久さんかわいい!!」
(完)
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続編期待です。
そしてちゃっかり衣も落とされてますやん久さんかわいい。久さんかわいい。久しんかわいい。
教典ちょっと読んでみたいかも(笑)
これは洋榎ちゃんも当たり前に落とされてますね。
ピンチを助けて結ばれるという、都合の良い子供じみた妄想をするキャップがかわいくて仕方ない。
久さんかわいい!
しかも危険人物の仲間入りとか、いったい何をw
スパイすらも落としてしまう久さんかわいいの魔性の魅力にはかなわないですね!
疑いもなく着いていった久さんかわいい!
どんどん皆を墜とす久さんかわいい!
久さんかわいい!久さんかわいい!
久さんかわいい!久さんかわいい!
久さんk………(ここから先は文字が掠れて見えない。)
久さんかわいい!咲さんかわいい!←ココ
久さんかわいい!久さんかわいい!
和ならまだ咲さんかわいい!に戻れる可能性が。
まあ咲さんが久さんかわいい!状態だし無理か・・・
被害者同士で手を組まれると厄介なので
極力新子さんとは接触されないようにする。
存在も明かしてはいけない
に誰も反応しないだと・・・?
これはグッドエンドかな、当人は幸せそうだし(白目)
和「…久」
こんな不意打ち笑わずに入れるかよwwwwwww
こいつら腐ってやがる!遅すぎたんだ!
続編期待>
久「これ続くとしても私の監禁シーンが
延々と語られるだけよ?」
咲「後は福路さん強襲くらいですか」
久さんが原作との差異>
久「うん。私は変わってないつもり」
和「他は全員変わりましたけどね。
久さんのせいで」
教典ちょっと読んでみたい>
久「ていうか教典って何よ」
和「ナルシストになったら困るので渡しません」
これは洋榎ちゃんも>
ゆみ「濃厚接触者だから仕方ないな」
洋榎「2回も対局してもぅたしなぁ」
久和はアリ>
和「実は個人的には咲和より
アリだったりします。マイナーですが」
なんだこりゃw>
ゆみ「竹井久被害者の会だ」
キャップがかわい>
美穂子「私ものすごい被害者ですよね…」
久「いや謀略で負けただけでしょ」
尭深さんまで>
尭深「菫相談室の私とは別ですから…」
ゆみ「農耕接触者だk(略)」
だまされて監禁されて玩具にされる>
久「字にすると怖すぎよね…
完全に犯罪じゃない」
和「最終的には幸せにするので許してください」
久「咲みたいなことを…!」
魔性の魅力>
久「味方が片っ端から敵に回っていく恐怖」
和「ゾンビみたいですね」
久「それだ!」
疑いもなく着いていった久さん>
和「ちょっとチョロ久ですかね?」
久「いやハギヨシさんまで抱き込むとか
思わないでしょ」
伝染していくのか>
和「部長ですからね」
久「いや私が悪いみたいに言わないでよ」
戻れる可能性が>
和「誤解なきように。私は咲さんかわいいを
やめてはいませんよ?」
咲「和ちゃん的には両手に花だよね」
ありね。じゃねーよ>
咲「素直に暴露してたら
勝ちだったんですけどね」
美穂子「…それがないと確信したから
実行したんでしょう…?」ギリッ
誰も反応しないだと>
憧「そうよね!?ここ結構重要よね!?」
穏乃「憧は部屋に戻ろうね」
これはグッドエンドかな>
久「調教されて洗脳されたのは
ハッピーなのかしら」
和「幸せを感じてるならハッピーでしょう」
山久>
和「これはこれで合言葉として陳腐ですよね」
咲「わかる人なら一発だよね」