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【咲-Saki-SS:白糸台】淡「淡ちゃん総受けキス22タイトル!」その1【ノーマル】

<あらすじ>
「キスってする場所によって意味が変わるよね!
 みんなで勉強しようよ!!」

そんな淡の言葉から始まった、
淡総受け短編集です。


<登場人物>
大星淡,宮永照,弘世菫,亦野誠子,渋谷尭深

<症状>
・特になし


<その他>
・Twitter上で仲良くさせていただいている
 恵野さんのイラストに対する短編集です。
 (本人からSSをくっつけるのと
 イラストを紹介する事に関する許可はいただき済み)

・少しずつ追加していきます。


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淡「キスって、する場所によって意味が違うらしいね!」

菫「手にしたら敬愛、とかそういう奴か?」

淡「それそれ!あれってちょっといいよね!
  わかる人にだけ思いが伝わる、
  みたいな感じでさ!」

照「花言葉みたいなものかな」

淡「いえす!そんなわけで今日は
  キスの場所による意味の違いを勉強しましょう!」

淡「そんなわけで、トートツに
  淡ちゃん総受けキス22スタイル!
  はーじまーるよー!!」


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『淡総受けでKISS22TITLE』




(Twitterで仲良くしていただいている
 恵野さんのイラストとのコラボです)



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『(01)髪にキス(思慕)』
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「ちょっともうテルー!
 本ばっかり読んでないで構ってよ!」


ゆさゆさ、ゆさゆさ。

愛しいあの子が私をゆする。
激しい動きに視界は揺れて、
満足に活字が読み取れない。


「淡…もうちょっとだけ待って。
 後少しで終わるから」

「知ーらーなーいー!
 構ってくれるまでゆすり続けるからね!」


ゆさゆさ、ゆさゆさ。

なおも淡が私をゆする。
ああ、この子はわかっていないんだろう。
私が本を読む本当の理由を。


今日は淡と二人きり。広い部室に二人きり。

だからこうして気を紛らわせてでもいないと、
溢れかえる激情を抑える事ができないのだけれど。


「えいっ、抱きつき攻撃だよっ!」


そんな私の苦労も知らず、
淡はひたすら自らの貞操を危険にさらす。
抱き締められた時にふわりと漂った
シャンプーの芳香が、
さらに私の理性を削り取っていく。


「……」


私は本をぱたりと閉じる。
そして身を捩って淡に問いかけた。


「…シャンプー、変えた?」

「お、さすが利きシャンプー名人!
 さてはて何だかわかるかなー?」


ようやく興味を持ってもらえた事に
気を良くしたのか。
淡は目を輝かせて胸を張る。

私は淡の髪の毛をひと房手に取ると…
自分の鼻に近づけた。


(…いい香り)


シャンプーの銘柄はすぐにわかった。
でも私はわからないふりをして、
そのまま堪能し続ける。
時には髪に頬ずりしながら。


「て、テルー…?そろそろ、わかった?」


少しずつ恥ずかしくなってきたのだろう。
淡は頬を朱に染めて、おずおず解答を催促してくる。


「…もう少し」


延長を申し出ながら、私はなおも髪の毛を味わう。
こっそりと、髪に唇を落としながら。

髪の毛への口づけ。
その意味のなすところは思慕。
まあ、淡はそんな事知らないだろうけど。

なんて、少しだけ乙女チックな事を考えながら、
息いっぱいに吸い込んだ。
芳醇な薔薇の香りが、私の鼻腔を優しくくすぐる。

もっとも、わかってないのはお互い様。
私がそう気づいたのは、
もう少しだけ後の事だった。




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『(02)額にキス(祝福/友情)』
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「はいキース!キース!キース!キース!」

「ちょ、ちょっと待てよ!
 なんでお前そんなにやる気なんだよ!」


やたら高いテンションの大星に、
私はつい後ずさる。


「だって亦野先輩ヘタレじゃん?
 私から迫っていかないと
 いっつまでも終わらなさそうだしー」


じりじりと、逃げ場を塞ぐように
にじり寄りながら、大星は
にやりと口角を上げる。

ちなみにこんな事になった発端も、
やっぱりこのトラブルメーカーによるものだった。


それは特打ちが始まって2時間くらい経った時の事。
大星は唐突にこう切り出した。


『ただ麻雀打つのも飽きてきたし、
 そろそろ罰ゲームを導入しよう!』

『ふむ…悪くないかもな』

『私も賛成。だいぶ緊迫感が抜けてきてる』

『じゃぁ少しキツめの罰ゲームにするか』

『ハイハイ!私にいい案があります!』

『…淡ちゃんどうぞ』

『罰ゲームは私にキスってどうかな!
 ほら、この特打ち合宿って、
 一応虎姫の親交も兼ねてるわけだし!』

『いやいや大星。だからって
 キスはやり過ぎだろ』

『別に唇じゃなくていいんだよ。
 ほっぺとかおでことか、
 そういうのなら普通にありでしょ』

『私はそれでいい。さっそく始めよう』

『…これは、是が非でもラスを回避しないとな』

『…大丈夫。私は負けないはず…』

『って、本気でやる気なんですか!?』


確かにちょっと集中力が欠けてきた頃だったから、
ついみんなも提案に乗っかってしまい。
結果、今私はこんな窮地に追いやられている。


照「亦野、早くして」

菫「こういうのは長引くと余計やりにくくなるぞ」

尭深「…別に唇にするってわけじゃないんだから…ね?」


傍観者と化した三人が言いたい放題煽ってくる。
いや確かにそうなんだけど、
おでことかほっぺただって
結構ハードル高くない?


「亦野先輩、んーーーー」

「ちょっ、大星!?」


もう一人の当事者の大星は
まったく恥じらいもせず、
目を閉じると顔を突き出してくる。


「…ん!」


慌てて拒絶しようにも、
大星はなおもぐいぐいと迫ってくる。

ええい、ままよ!
私もこの際覚悟を決めて、
大星のおでこに唇を押しつけた。


「……」


ゆっくりとまぶたを上げると、
にへらっ、とやわらかく笑う大星。


「えっへっへ、毎度ありー。
 次負けたらほっぺただからねー」


このまま負け続けたらどんどんエスカレートして、
最終的にとんでもないところまで
キスさせられそうだ。


「つ、次なんて来ないからな!」


私は頬に溜まる熱を必死に振り払いながら、
ごまかすようにサイコロを回し始めた…




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『(03)瞼(憧憬)』
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見てて面白い子がいます。
それは今年入ってきた一年生、
大星淡ちゃん。

コロコロと笑い、ムカムカと怒り、
わんわんと泣き、にこにこと楽しむ。
自然体で感情をあらわにするその姿に、
少しだけ憧憬の念を禁じえませんでした。

あんな風に、感情を素直に
吐き出すことができたなら、
きっと人生は楽しいんだろうなって。

なんて思いを、言葉に乗せる事もできない私だから。
代わりに唇に乗せて伝えてみたんです。


「んっ…タカミー…どうして?」


瞼にそっと触れられた淡ちゃんは、
きょとんとした表情を浮かべます。
確かに顔にキスをするとしたら、
額か、頬か、唇か。
この三択くらいが一般的でしょう。


「この機会に、伝えておきたかったから」

「えぇ!?何か意味があるの!?
 すっごい気になる!!」


にわかにざわめき始める淡ちゃんを前に、
私はにこっと微笑みました。

淡ちゃんと一緒に居ると、
私も少しだけ素直になれるのかもしれません。


なんて、これも本人には伝えませんけどね?




--------------------------------------------------
『(04)耳にキス(誘惑)』
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淡の奴は引っ込み思案だと思う。

え、あいつのどこが引っ込み思案だって?
確かに、ある程度のラインまでは
相手の距離感も無視して
ぐいぐいと攻め込んでくるのも事実だ。

でも、いざこちらから一線を越えようと近づくと、
途端にしり込みしてしまう。

ほら、今日も淡は逃げ出した。


「え、えと…そう言うのは、
 まだ、ちょっと、早いんじゃないかな!!」


私達が所謂、恋人と呼ばれる
関係になってからもう半年。

なのに私は、まだ唇を重ねる事すら
受け入れてもらえない。

別に我慢ができないほど
盛っているわけでもないが、
いい加減、次のステップに進んでも
いい頃合いだろう?


いい加減じれったくなった私は、
矛先を変えてみる事にした。
今しがた拒絶された唇は諦めて。

長い髪をかき分け、そっと顔を出した
耳に優しく口づける。


「ひぁっ…スミレ、先輩……っ?」


淡はぞくりと体を震わせると、
か細い声で名前を呼んだ。
その声に、少しだけ普段と違う
色が含まれている事を聞き取って、
私はさらに唇を這わせる。


「やぁっ…だめっ、スミレ…先輩……」


もちろん私が止める事はない。

淡、お前がまだ、今一つ
踏み切れないならそれでもいいさ。

それなら私は誘惑するまでの事。
お前が、我慢できなくなるまでな?

ついばむように唇を落とし、
熱い吐息を吹きかけるうちに…
淡の息は少しずつ荒くなり、
されるがままに身を委ねてくる。


「んっ…すみ…れぇ……」


その瞳を潤ませて、頬を上気させながら。
淡が切なそうに私を求める。

…どうやら少しやり過ぎた。
この調子だと、唇だけでは
おさまりがつかないかもしれない。

まぁ、それならそれで…
一向に構わないんだがな?


なんて、にやりと微笑みながら、
私はなおも淡を誘惑し続けた。




(その2に続く!)
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posted by ぷちどろっぷ at 2015年06月10日 | Comment(3) | TrackBack(0) | 咲-Saki-
この記事へのコメント
この後も亦野さん負けるんだろうなと思ってしまった。本人とレジェンド赤土の弁によれば弱くないハズなのに。
菫さんはエロいね。側から見たら体格で勝る上級生が『やぁっ……』とか言ってる下級生にキスしてる訳だからね。エロいね。
Posted by at 2015年06月10日 14:28
その1【ノーマル】…
これは続編に期待ですねぇ
Posted by 上上 at 2015年06月10日 16:04
いつもながら上手ですね…。
ぷちさんなら綺麗な詩をつくれるのではと思います。
Posted by at 2015年06月10日 23:36
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