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【咲-Saki-SS:久咲】 咲「私、アイドルになります」【前編】【カオス】
<あらすじ>
なし。その他をご覧ください。
<登場人物>
長野いっぱい。
<症状>
・カオス
・ギャグ
<その他>
以下のリクエストに対する作品です。
三部構成になる予定(というかなった)。
・久咲のギャグで聡明で人気者の久さんに相応しい人に成るため、
なぜか学園のアイドルを目指すべく猛勉強始める咲さんと
可愛さから意地悪したり邪魔したりする
久さんによる久咲日和みたいな話。
※原村はピンクじゃないです
※カオスなので内容にツッコミはいれないように!
※今回は病み成分ほぼゼロです。ご注意を。
※読み返したらけっこうリクエストとずれてた。
どうしてこうなった…!
--------------------------------------------------------
『第1話:発端』
--------------------------------------------------------
咲「和ちゃん。私、アイドルになるよ」
和「……」
和「…はい?」
咲「だから、私アイドルになる」
和「…一体どういう経緯でその結論に至ったのか、
聞いてもいいですか?」
咲「そりゃ、部長と釣り合う女性になるためだよ」
和「部長と…ですか」
和(また始まりましたか…)はぁ
咲「うん。ほら、部長人気でしょ?
ふさわしい人間になるには
アイドルになるくらいはしないと」
和「無理にアイドルにならなくても、
麻雀の腕では十分部長に
匹敵すると思いますが」
咲「麻雀が強くても意味ないんだよ。
それはお姉ちゃんが証明してる」
和「照さんがですか?」
咲「うん」
咲「お姉ちゃんが菫さんを
捕まえた時の話なんだけどね…?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
照『咲、私はついに成し遂げた』
咲『何を?』
照『菫に想いを告げて受け入れられた』
咲『すごい!おめでとうお姉ちゃん!』
照『ありがとう。思えばつらい戦いだった。
何度弘世菫ファンクラブに恋路を阻まれた事か』
咲『そ、そうなんだ』
照『どこに居てもファンクラブの監視に晒される。
ちょっと行動を起こそうとすると、
下駄箱に≪思い上がるなよこのホーン女≫とか
手紙で警告される』
照『ある時なんか、ちょっと手を握っただけで
大量の紙まな板が部屋に届けられた』
照『何なの。なんで私にまな板送ってくるの。
何かの暗喩なの』
咲『あー、菫さん人気者だもんね…
でもお姉ちゃんぐらい
知名度あってもダメなんだ?』
照『菫のファンは麻雀好きだけじゃないから』
照『≪お前なんかただ麻雀強いだけのホーンだろう≫
って何度言われた事か』
咲『ホーンってそんなにダメなんだ…
それでどうしたの?』
照『仕方ないから、私自身も人気者になる事にした』
照『具体的には圧倒的に外面をよくして、
過剰にファンサービスして、
私にもファンクラブができるようにした』
咲『…それ、余計に拗れるだけじゃない?』
照『それが狙い。私の予想通り、
宮永照ファンクラブと弘世菫ファンクラブで
対立が始まった』
咲『うわわ』
照『菫は紛争の仲介で疲弊していった。
私がそれを慰める事で、
菫はどんどん私に依存していった』
照『そして、頃合いを見て菫に提案した。
いっそ私達が付き合ってる事にして、
両者のファンクラブを解散させようと』
照『菫は言われた通りに実行して、
もう私達を阻む者はいない』
咲『お姉ちゃんすごい!策士!!』
照『咲も覚えておくといい。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。
人気者を射とめるにはまず
周りを何とかする必要がある』
咲『わかったよお姉ちゃん!』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
咲「というわけなんだよ」
和「…そ、それでアイドルですか」
咲「うん。お姉ちゃんは3年間一緒だったから、
公式大会とかメディアで
地道にアピールできたけど。
私の場合それをやってたら
部長が卒業しちゃうもん」
和「…理由はわかりましたけど。
そうは言っても、そんな簡単に
アイドルになる機会なんて…」
咲「そこなんだよね…アイドルって、
どうやったらなれるんだろう」
和「一般的な方法だと
街頭でスカウトを受けるとか、
オーディションに出る、とかですかね」
咲「いやいや、そこまでは求めてないよ。
せいぜい学園のアイドルくらいでいいんだけど」
咲「あー、手っ取り早く
アイドルになる方法ないかなぁ」
久『んー?咲、アイドルになりたいの?』
咲「ぶ、部長!?どこに!?」
久「あー、ここここ。いつも通りお昼寝」むくっ
和「…どこまで聞いてました?」
久「さっきまで寝てたから、
『手っ取り早くアイドルになりたい』
からだけど」
咲(ほっ)
久「で、本当になりたいの?アイドル」
咲「は、はい!…ちょっとわけあって、
理由は話せませんけど」
久「ふーん。そういう事なら任せなさい!
私がとっておきの舞台を用意してあげるわ!」
和「さすが部長。こういう時は
本当に頼りになりますね」
咲「でも任せっきりでなんですけど
どうやってやるんですか?」
久「ふふーん。そこは後日のお楽しみ!」
久「ただ、やるからには本気でやってね?
後になって尻込みして
『あ、やっぱりいいです』は無しよ?」
咲「が…頑張ります!
私、アイドルになって見せます!」
久「よーしその意気よ!目指せアイドル!」
咲「お、おー!」
和「……」
和(アイドルになる努力をする前に、
まず部長に告白して
受け入れてもらう方が先なのでは…?)
--------------------------------------------------------
久『というわけで、こんな企画はどうでしょう?』
恒子
『面白そう!でも人は集められるの?』
久『そこは問題ないと思います。
長野予選の決勝進出校は
お互いに交流がありますから』
久『ただ、レパートリー的に完全に
地元ローカルになっちゃいますけど』
恒子
『あー逆にその方がいかも。。
何しろインターハイで台風の目になった学校だし、
龍門渕高校だっているし』
恒子
『将来プロ有望視の子がゴロゴロしてる割りに
あんまりフォーカスされてこなかったわけだからね。
うちのブログで宣伝したら、
スポンサーの方から勝手にオファーしてくるよ』
恒子
『むしろ思った以上に大事になると思うけど、
そっちの方が大丈夫?』
久『あはは、どんとこいです』
久『むしろ、大事にならないと意味がありませんから』
--------------------------------------------------------
久「…というわけで、ローカル番組で
麻雀アイドルのオーディションをする事になったわ」
咲「えぇえっ!?」
和「あ、相変わらず無茶苦茶しますね…」
久「インターハイ長野予選の
決勝進出校から2名ずつ出場してもらう。
当然参加は自由だけどね?」
久「で、8人でオーディション形式で予選。
予選を抜けた4人で麻雀を打って、
勝ち残った子が優勝よ」
久「ローカルとはいえテレビだし、
こ…福与アナはネットでも
リアルタイム配信するって言ってるから、
影響力は抜群」
久「これに優勝すれば、
アイドルへの道は開けたも同然ね」
久「今頃、各校にも連絡が言ってると思うわ」
--------------------------------------------------------
透華
「清澄のサプライズ部長から
変な手紙が届きましたわ!」
はじめ
「ん、何々…?インハイ予選の決勝進出校で
麻雀アイドルコンテスト…?」
純「各校で2人ずつ選出か。
ま、いいんじゃねーの?オレは出ねーけど」
衣
「麻雀が打てるのか!?なら衣は出たい!」
はじめ
「じゃ、うちは衣と透華で決まりかな?」
透華
「…私は出ませんわよ?」
はじめ
「ど、どうしたの透華!?
何か悪いものでも食べたの!?」
透華
「どうしてそうなるんですの!?
単に食指が動かないだけですわ!」
智紀
「…原村さんより目立てるチャンスなのに?」
透華
「私は偶像崇拝されたいわけではありませんわ!」
透華
(…どうせ世の男どもなんて、
胸部の脂肪にしか興味がないのでしょう?)
透華
(わかってくださるのは一部の玄人だけ!)
透華
(いくらなんでも、この局面で全ツッパするほど
無謀ではありませんわ。ここはベタオリ一択でしょう)
はじめ
「そっかぁ。純君は男だし、
ともきーはこういうの苦手だろうから…
じゃぁボクが出ようかな?」
透華
「それでかまいませんわ。
はじめなら手品もできますから
もってこいでしょうし」
純「異論はねぇけどさりげなくオレを男にすんな」
衣「またあの魑魅魍魎とまみえるのか…!
今からワクワクして眠れないぞ!」
智紀
「…その前に予選を抜けないといけないんだけど」
--------------------------------------------------------
桃子「アイドルコンテストっすか」
智美「ワハハ、各校で2人出してくれってさー」
ゆみ「2人か…自分が出たいという者はいるか?」
睦月「……」
佳織「……」
智美「……」
桃子「……」
ゆみ「モモ、出てみたらどうだ?
存在を世間に認知してもらう
大きなチャンスだと思うが」
桃子「別に私は誰彼問わず
注目してほしいわけじゃないっす」
桃子「アイドルになるっていうなら、
先輩専用のアイドルになりたいっすよ」
ゆみ「…その気持ちはうれしいんだが」
智美「場合によっては決勝で麻雀するしなー。
せっかくだし2年生以下が
行く方がいいと思うぞー?」
佳織「ぎゃ、逆も考えられないかな?」
睦月「下手に決勝に残ってしまったら、
全国エースレベルのメンバーと
卓を囲んで公開処刑、とも言えますよ…?」
ゆみ「…そういう事なら、もう捨てる物がない
蒲原と私で出るか」
桃子「そ、それは駄目っすよ!?
先輩がアイドルとか絶対に駄目っす!」くわっ!
智美「わ、ワハハー。ま、じっくり考えようやー」
--------------------------------------------------------
華菜
「アイドルコンテストの連絡が来たし」
未春
「各校で2人選ぶんだね。
うちはキャプテンと華菜ちゃんで
いいんじゃないかな?」
美穂子
「わ、私もなの!?わ、わたしは、
そういうのはちょっと…!」
未春
「でもこれ竹井さん主催ですし…
キャプテンが出ないのも
逆に変じゃないですか?」
文堂星夏
「確かに…期待されてそうですよね」
深堀純代
「…出ないと、がっかりされるかも」
美穂子
「…!そ、そういう事なら…
私なんかがアイドルコンテストに出るなて、
正直おこがましいけれど…
出てみようかしら」
華菜
「キャプテンが出たら優勝間違いなしだし!
風越でワンツーフィニッシュ飾りましょう!」
純代
「…それがいいと思う」
純代
(キャプテンと並んで出場とか
その時点で拷問…)
星夏
(そもそもアイドルコンテスト出場者という時点で
自意識過剰って思われる…)
未春
(絶対に出たくない)
未春
「じゃあ、風越はキャプテンと華菜ちゃんという事で」
--------------------------------------------------------
久「…って感じで」
咲「……」
咲(よ、予想以上に大事になってきたよ…!)
咲(せいぜい学生議会長権限で、
学園祭でアイドルコンテスト開くとか、
そのくらいのノリで来ると思ってたのに…!)
咲「……」ふるふる
久「……」
久「…それにしても、知り合いから
アイドルが出るとか素敵よねー。
私、一生おっかけになっちゃうかも」
咲「…!そ、それが私でもですか!?」
久「あはは、もちもち」
咲「…頑張ります!私、
絶対にアイドルになって見せます!」
久「応援してるわ!何しろ相手も強敵揃い!
さっそく今日から特訓するわよ!」
咲「はい!!」
和「……」
和(…本物のアイドルになってしまったら、
それこそ恋愛禁止に
なってしまうのではないでしょうか…)
--------------------------------------------------------
優希
「…って感じで、ひょんな事から咲ちゃんは
アイドルを目指す事になったんだじょ」
優希
「でも和ちゃんも言ってるけど…
アイドルになったら恋愛禁止だじょ?
咲ちゃんどうするつもりなんだじぇ?」
優希
「ま、それはそれとして、その日から
部長による咲ちゃんの猛特訓が始まったじょ!」
--------------------------------------------------------
『第2話:修行』
--------------------------------------------------------
和「…咲さん、その恰好はいったい…?」
咲(猫耳)
「部長がつけろって」
久「咲はちょっとあがり症の癖があるからねー。
まずはそこから直さないと」
咲(猫耳)
「うぅ…恥ずかしいです」
久「アイドルになるなんて
みんなの目を釘付けにするのよ?
このくらい余裕にならないと」パシャッ
咲(猫耳)
「ちょ、ちょっと撮らないでください!」
久「何言ってんの?アイドルになったら
むしろ撮られてなんぼでしょうに。
はい、ポーズポーズ。
両手丸めてにゃーんとか言ってみて?」
咲(猫耳)
「…にゃ、にゃーん……」パシャッ
久「ふふ、咲にゃんかわいいわよ?」
咲(猫耳)
「ぶ、部長が喜んでくれるなら…
頑張る、にゃん」パシャッ
久「そうそうその調子!」
パシャッ、パシャッ
和「……」
和(…これ、完全に部長の趣味ですよね?)
--------------------------------------------------------
久「アイドルになる以上ファンは神様です」
咲「…はい」
久「だからファンにはサービスしないと駄目」
久「…というわけで、はい」
咲-「…はい」
RECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECREC
咲「『着信ですよ?早く取ってくださいね?』」
咲「『久さん、メールが着てますよ?』」
咲「『久、朝ですよ…?起きてください』」
咲「『久さん、一緒にお風呂に入りませんか…?』」
咲「『久さん、大好きです…おやすみなさい』」
咲「『久さん、愛してます…ずっと』」
RECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECREC
和「…な、何してるんですか?」
久「ファンサービスで着ボイスみたいな奴あるでしょ?
あれの練習」
和「…内容が思いっきり部長限定なのは?」
久「最初は身近な人に言う方が
気持ちを込めやすいかなーって思って」
久「実際うまくいってると思うわよ?
なんか、本気で私の事が好きなんじゃないかって
錯覚するくらい真に迫ってるもの」
和「…そうですか」
咲「よ、よかったですか?部長」
久「ええ、いい感じよ!あ、次はこれ言って?」
咲「『部長以外誰もいりません』ですか…
わかりました」
和「……」
和(この人…本当は全部わかってるんじゃないですか…?)
--------------------------------------------------------
咲「ぶ…部長…ほ、ホントに
ここまでしちゃうんですか…?」
久「何よー。私が相手じゃ不満?」
咲「そ、そうじゃなくて…!
で、でもやり過ぎっていうか…」
久「チッチッチ。アイドルになった後、
女優とかになったら避けて通れない道よ?」
久「そうでもなくても、アイドルだって演技力は必要。
好きでもない人に媚を売らないといけないんだから」
久「咲のアイドルになりたいって気持ちは、
その程度だったの?」
咲「…!わ、わかりました…やります」
久「わかったならよし。ほら、行くわよ…?」
……
久「…はぁっ…」
咲「……」
和「ちょ、ちょっと待ってください!?
二人とも何してるんですか!?」
久「何って、キスの練習だけど」
和「なんでアイドルの特訓で
そんなのが必要になるんですか!」
久「その辺の説明はさっきしたから省略〜」
和「そ、そんな!?咲さんも
いやならいやって言わないと駄目ですよ!?」
咲「ふにゃぁ…部長とキスしちゃったぁ…」
和「……」
久「ほらほら、咲も1回でとろけてないの。
まだまだ行くわよー?」
咲「ふ、ふぁい」
和「……」
和(…これ、もうアイドルになる必要ありませんよね?)
--------------------------------------------------------
優希
「…って感じで、咲ちゃんはアイドルになるために
部長のちょうky…特訓を受け続けたじぇ!」
優希
「特訓のかいあって、咲ちゃんは人前でも
堂々と『宮永咲だにゃん!』って
言えるようになったじょ!」
優希
「でもそれはスタートライン!
並み居る強豪に対して、
咲ちゃんは太刀打ちする事ができるのか!」
優希
「次回、第3話『予選』」
優希
「お楽しみにだじぇ!」
(続く)
なし。その他をご覧ください。
<登場人物>
長野いっぱい。
<症状>
・カオス
・ギャグ
<その他>
以下のリクエストに対する作品です。
三部構成になる予定(というかなった)。
・久咲のギャグで聡明で人気者の久さんに相応しい人に成るため、
なぜか学園のアイドルを目指すべく猛勉強始める咲さんと
可愛さから意地悪したり邪魔したりする
久さんによる久咲日和みたいな話。
※原村はピンクじゃないです
※カオスなので内容にツッコミはいれないように!
※今回は病み成分ほぼゼロです。ご注意を。
※読み返したらけっこうリクエストとずれてた。
どうしてこうなった…!
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『第1話:発端』
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咲「和ちゃん。私、アイドルになるよ」
和「……」
和「…はい?」
咲「だから、私アイドルになる」
和「…一体どういう経緯でその結論に至ったのか、
聞いてもいいですか?」
咲「そりゃ、部長と釣り合う女性になるためだよ」
和「部長と…ですか」
和(また始まりましたか…)はぁ
咲「うん。ほら、部長人気でしょ?
ふさわしい人間になるには
アイドルになるくらいはしないと」
和「無理にアイドルにならなくても、
麻雀の腕では十分部長に
匹敵すると思いますが」
咲「麻雀が強くても意味ないんだよ。
それはお姉ちゃんが証明してる」
和「照さんがですか?」
咲「うん」
咲「お姉ちゃんが菫さんを
捕まえた時の話なんだけどね…?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
照『咲、私はついに成し遂げた』
咲『何を?』
照『菫に想いを告げて受け入れられた』
咲『すごい!おめでとうお姉ちゃん!』
照『ありがとう。思えばつらい戦いだった。
何度弘世菫ファンクラブに恋路を阻まれた事か』
咲『そ、そうなんだ』
照『どこに居てもファンクラブの監視に晒される。
ちょっと行動を起こそうとすると、
下駄箱に≪思い上がるなよこのホーン女≫とか
手紙で警告される』
照『ある時なんか、ちょっと手を握っただけで
大量の紙まな板が部屋に届けられた』
照『何なの。なんで私にまな板送ってくるの。
何かの暗喩なの』
咲『あー、菫さん人気者だもんね…
でもお姉ちゃんぐらい
知名度あってもダメなんだ?』
照『菫のファンは麻雀好きだけじゃないから』
照『≪お前なんかただ麻雀強いだけのホーンだろう≫
って何度言われた事か』
咲『ホーンってそんなにダメなんだ…
それでどうしたの?』
照『仕方ないから、私自身も人気者になる事にした』
照『具体的には圧倒的に外面をよくして、
過剰にファンサービスして、
私にもファンクラブができるようにした』
咲『…それ、余計に拗れるだけじゃない?』
照『それが狙い。私の予想通り、
宮永照ファンクラブと弘世菫ファンクラブで
対立が始まった』
咲『うわわ』
照『菫は紛争の仲介で疲弊していった。
私がそれを慰める事で、
菫はどんどん私に依存していった』
照『そして、頃合いを見て菫に提案した。
いっそ私達が付き合ってる事にして、
両者のファンクラブを解散させようと』
照『菫は言われた通りに実行して、
もう私達を阻む者はいない』
咲『お姉ちゃんすごい!策士!!』
照『咲も覚えておくといい。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ。
人気者を射とめるにはまず
周りを何とかする必要がある』
咲『わかったよお姉ちゃん!』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
咲「というわけなんだよ」
和「…そ、それでアイドルですか」
咲「うん。お姉ちゃんは3年間一緒だったから、
公式大会とかメディアで
地道にアピールできたけど。
私の場合それをやってたら
部長が卒業しちゃうもん」
和「…理由はわかりましたけど。
そうは言っても、そんな簡単に
アイドルになる機会なんて…」
咲「そこなんだよね…アイドルって、
どうやったらなれるんだろう」
和「一般的な方法だと
街頭でスカウトを受けるとか、
オーディションに出る、とかですかね」
咲「いやいや、そこまでは求めてないよ。
せいぜい学園のアイドルくらいでいいんだけど」
咲「あー、手っ取り早く
アイドルになる方法ないかなぁ」
久『んー?咲、アイドルになりたいの?』
咲「ぶ、部長!?どこに!?」
久「あー、ここここ。いつも通りお昼寝」むくっ
和「…どこまで聞いてました?」
久「さっきまで寝てたから、
『手っ取り早くアイドルになりたい』
からだけど」
咲(ほっ)
久「で、本当になりたいの?アイドル」
咲「は、はい!…ちょっとわけあって、
理由は話せませんけど」
久「ふーん。そういう事なら任せなさい!
私がとっておきの舞台を用意してあげるわ!」
和「さすが部長。こういう時は
本当に頼りになりますね」
咲「でも任せっきりでなんですけど
どうやってやるんですか?」
久「ふふーん。そこは後日のお楽しみ!」
久「ただ、やるからには本気でやってね?
後になって尻込みして
『あ、やっぱりいいです』は無しよ?」
咲「が…頑張ります!
私、アイドルになって見せます!」
久「よーしその意気よ!目指せアイドル!」
咲「お、おー!」
和「……」
和(アイドルになる努力をする前に、
まず部長に告白して
受け入れてもらう方が先なのでは…?)
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久『というわけで、こんな企画はどうでしょう?』
恒子
『面白そう!でも人は集められるの?』
久『そこは問題ないと思います。
長野予選の決勝進出校は
お互いに交流がありますから』
久『ただ、レパートリー的に完全に
地元ローカルになっちゃいますけど』
恒子
『あー逆にその方がいかも。。
何しろインターハイで台風の目になった学校だし、
龍門渕高校だっているし』
恒子
『将来プロ有望視の子がゴロゴロしてる割りに
あんまりフォーカスされてこなかったわけだからね。
うちのブログで宣伝したら、
スポンサーの方から勝手にオファーしてくるよ』
恒子
『むしろ思った以上に大事になると思うけど、
そっちの方が大丈夫?』
久『あはは、どんとこいです』
久『むしろ、大事にならないと意味がありませんから』
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久「…というわけで、ローカル番組で
麻雀アイドルのオーディションをする事になったわ」
咲「えぇえっ!?」
和「あ、相変わらず無茶苦茶しますね…」
久「インターハイ長野予選の
決勝進出校から2名ずつ出場してもらう。
当然参加は自由だけどね?」
久「で、8人でオーディション形式で予選。
予選を抜けた4人で麻雀を打って、
勝ち残った子が優勝よ」
久「ローカルとはいえテレビだし、
こ…福与アナはネットでも
リアルタイム配信するって言ってるから、
影響力は抜群」
久「これに優勝すれば、
アイドルへの道は開けたも同然ね」
久「今頃、各校にも連絡が言ってると思うわ」
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透華
「清澄のサプライズ部長から
変な手紙が届きましたわ!」
はじめ
「ん、何々…?インハイ予選の決勝進出校で
麻雀アイドルコンテスト…?」
純「各校で2人ずつ選出か。
ま、いいんじゃねーの?オレは出ねーけど」
衣
「麻雀が打てるのか!?なら衣は出たい!」
はじめ
「じゃ、うちは衣と透華で決まりかな?」
透華
「…私は出ませんわよ?」
はじめ
「ど、どうしたの透華!?
何か悪いものでも食べたの!?」
透華
「どうしてそうなるんですの!?
単に食指が動かないだけですわ!」
智紀
「…原村さんより目立てるチャンスなのに?」
透華
「私は偶像崇拝されたいわけではありませんわ!」
透華
(…どうせ世の男どもなんて、
胸部の脂肪にしか興味がないのでしょう?)
透華
(わかってくださるのは一部の玄人だけ!)
透華
(いくらなんでも、この局面で全ツッパするほど
無謀ではありませんわ。ここはベタオリ一択でしょう)
はじめ
「そっかぁ。純君は男だし、
ともきーはこういうの苦手だろうから…
じゃぁボクが出ようかな?」
透華
「それでかまいませんわ。
はじめなら手品もできますから
もってこいでしょうし」
純「異論はねぇけどさりげなくオレを男にすんな」
衣「またあの魑魅魍魎とまみえるのか…!
今からワクワクして眠れないぞ!」
智紀
「…その前に予選を抜けないといけないんだけど」
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桃子「アイドルコンテストっすか」
智美「ワハハ、各校で2人出してくれってさー」
ゆみ「2人か…自分が出たいという者はいるか?」
睦月「……」
佳織「……」
智美「……」
桃子「……」
ゆみ「モモ、出てみたらどうだ?
存在を世間に認知してもらう
大きなチャンスだと思うが」
桃子「別に私は誰彼問わず
注目してほしいわけじゃないっす」
桃子「アイドルになるっていうなら、
先輩専用のアイドルになりたいっすよ」
ゆみ「…その気持ちはうれしいんだが」
智美「場合によっては決勝で麻雀するしなー。
せっかくだし2年生以下が
行く方がいいと思うぞー?」
佳織「ぎゃ、逆も考えられないかな?」
睦月「下手に決勝に残ってしまったら、
全国エースレベルのメンバーと
卓を囲んで公開処刑、とも言えますよ…?」
ゆみ「…そういう事なら、もう捨てる物がない
蒲原と私で出るか」
桃子「そ、それは駄目っすよ!?
先輩がアイドルとか絶対に駄目っす!」くわっ!
智美「わ、ワハハー。ま、じっくり考えようやー」
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華菜
「アイドルコンテストの連絡が来たし」
未春
「各校で2人選ぶんだね。
うちはキャプテンと華菜ちゃんで
いいんじゃないかな?」
美穂子
「わ、私もなの!?わ、わたしは、
そういうのはちょっと…!」
未春
「でもこれ竹井さん主催ですし…
キャプテンが出ないのも
逆に変じゃないですか?」
文堂星夏
「確かに…期待されてそうですよね」
深堀純代
「…出ないと、がっかりされるかも」
美穂子
「…!そ、そういう事なら…
私なんかがアイドルコンテストに出るなて、
正直おこがましいけれど…
出てみようかしら」
華菜
「キャプテンが出たら優勝間違いなしだし!
風越でワンツーフィニッシュ飾りましょう!」
純代
「…それがいいと思う」
純代
(キャプテンと並んで出場とか
その時点で拷問…)
星夏
(そもそもアイドルコンテスト出場者という時点で
自意識過剰って思われる…)
未春
(絶対に出たくない)
未春
「じゃあ、風越はキャプテンと華菜ちゃんという事で」
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久「…って感じで」
咲「……」
咲(よ、予想以上に大事になってきたよ…!)
咲(せいぜい学生議会長権限で、
学園祭でアイドルコンテスト開くとか、
そのくらいのノリで来ると思ってたのに…!)
咲「……」ふるふる
久「……」
久「…それにしても、知り合いから
アイドルが出るとか素敵よねー。
私、一生おっかけになっちゃうかも」
咲「…!そ、それが私でもですか!?」
久「あはは、もちもち」
咲「…頑張ります!私、
絶対にアイドルになって見せます!」
久「応援してるわ!何しろ相手も強敵揃い!
さっそく今日から特訓するわよ!」
咲「はい!!」
和「……」
和(…本物のアイドルになってしまったら、
それこそ恋愛禁止に
なってしまうのではないでしょうか…)
--------------------------------------------------------
優希
「…って感じで、ひょんな事から咲ちゃんは
アイドルを目指す事になったんだじょ」
優希
「でも和ちゃんも言ってるけど…
アイドルになったら恋愛禁止だじょ?
咲ちゃんどうするつもりなんだじぇ?」
優希
「ま、それはそれとして、その日から
部長による咲ちゃんの猛特訓が始まったじょ!」
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『第2話:修行』
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和「…咲さん、その恰好はいったい…?」
咲(猫耳)
「部長がつけろって」
久「咲はちょっとあがり症の癖があるからねー。
まずはそこから直さないと」
咲(猫耳)
「うぅ…恥ずかしいです」
久「アイドルになるなんて
みんなの目を釘付けにするのよ?
このくらい余裕にならないと」パシャッ
咲(猫耳)
「ちょ、ちょっと撮らないでください!」
久「何言ってんの?アイドルになったら
むしろ撮られてなんぼでしょうに。
はい、ポーズポーズ。
両手丸めてにゃーんとか言ってみて?」
咲(猫耳)
「…にゃ、にゃーん……」パシャッ
久「ふふ、咲にゃんかわいいわよ?」
咲(猫耳)
「ぶ、部長が喜んでくれるなら…
頑張る、にゃん」パシャッ
久「そうそうその調子!」
パシャッ、パシャッ
和「……」
和(…これ、完全に部長の趣味ですよね?)
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久「アイドルになる以上ファンは神様です」
咲「…はい」
久「だからファンにはサービスしないと駄目」
久「…というわけで、はい」
咲-「…はい」
RECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECREC
咲「『着信ですよ?早く取ってくださいね?』」
咲「『久さん、メールが着てますよ?』」
咲「『久、朝ですよ…?起きてください』」
咲「『久さん、一緒にお風呂に入りませんか…?』」
咲「『久さん、大好きです…おやすみなさい』」
咲「『久さん、愛してます…ずっと』」
RECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECRECREC
和「…な、何してるんですか?」
久「ファンサービスで着ボイスみたいな奴あるでしょ?
あれの練習」
和「…内容が思いっきり部長限定なのは?」
久「最初は身近な人に言う方が
気持ちを込めやすいかなーって思って」
久「実際うまくいってると思うわよ?
なんか、本気で私の事が好きなんじゃないかって
錯覚するくらい真に迫ってるもの」
和「…そうですか」
咲「よ、よかったですか?部長」
久「ええ、いい感じよ!あ、次はこれ言って?」
咲「『部長以外誰もいりません』ですか…
わかりました」
和「……」
和(この人…本当は全部わかってるんじゃないですか…?)
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咲「ぶ…部長…ほ、ホントに
ここまでしちゃうんですか…?」
久「何よー。私が相手じゃ不満?」
咲「そ、そうじゃなくて…!
で、でもやり過ぎっていうか…」
久「チッチッチ。アイドルになった後、
女優とかになったら避けて通れない道よ?」
久「そうでもなくても、アイドルだって演技力は必要。
好きでもない人に媚を売らないといけないんだから」
久「咲のアイドルになりたいって気持ちは、
その程度だったの?」
咲「…!わ、わかりました…やります」
久「わかったならよし。ほら、行くわよ…?」
……
久「…はぁっ…」
咲「……」
和「ちょ、ちょっと待ってください!?
二人とも何してるんですか!?」
久「何って、キスの練習だけど」
和「なんでアイドルの特訓で
そんなのが必要になるんですか!」
久「その辺の説明はさっきしたから省略〜」
和「そ、そんな!?咲さんも
いやならいやって言わないと駄目ですよ!?」
咲「ふにゃぁ…部長とキスしちゃったぁ…」
和「……」
久「ほらほら、咲も1回でとろけてないの。
まだまだ行くわよー?」
咲「ふ、ふぁい」
和「……」
和(…これ、もうアイドルになる必要ありませんよね?)
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優希
「…って感じで、咲ちゃんはアイドルになるために
部長のちょうky…特訓を受け続けたじぇ!」
優希
「特訓のかいあって、咲ちゃんは人前でも
堂々と『宮永咲だにゃん!』って
言えるようになったじょ!」
優希
「でもそれはスタートライン!
並み居る強豪に対して、
咲ちゃんは太刀打ちする事ができるのか!」
優希
「次回、第3話『予選』」
優希
「お楽しみにだじぇ!」
(続く)
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鶴賀は誰が出るんでしょうかね。
つづきも期待してます
ところで咲にゃんの挿絵とかはないんですかねぇ……?