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【咲-Saki-SS:末洋】末原「愛され過ぎて参るわ」【ヤンデレ】【ギャグ】【監禁】
<あらすじ>
なし。その他のリクエストを参照してください。
<登場人物>
末原恭子,愛宕洋榎,真瀬由子,愛宕絹恵,上重漫
<症状>
・ギャグ
・共依存
・監禁
<その他>
・末洋でインハイ前の5月くらいに付き合いだしてから
洋榎の独占欲が強いのが発覚。
麻雀部の皆が驚くけどまんざらでもない末原さんが
わざと洋榎を煽るような行動をとって
気をひいたりするなどのギャグめで。
洋榎は末原さんが誰かと話してるのが嫌だとか
監禁も考えてたり。
--------------------------------------------------------
洋榎
「なぁ恭子、話したい事があるんやけど」
末原
「なんや改まって」
洋榎
「うちら、付き合ぅとるわけやん?」
末原
「せやな」
洋榎
「つまりは、お互いがお互いのもんなわけやん?」
末原
「…せやな?」
洋榎
「なのになんで…
うち以外の奴としゃべるん?」
末原
「いやそれはしゃぁないやろ。
これからの人生ずっと
お口チャックで暮らせ言うんか?」
洋榎
「100パーやれとは言わんけど、
ある程度は心がけるべきやん。
うち、毎日めっちゃ傷ついとるんやけど?」
末原
「あー、わかったわかった。
ホンマ主将はヤキモチ妬きで困りますわ」
洋榎
「二人っきりの時に主将呼び&丁寧語やめっ!!」
--------------------------------------------------------
洋榎と私は付き合っている。
事の始まりは5月。告白は洋榎から。聞くに、
「ずっと前から好きでした」
状態だったらしい。
正直私も好きだったので、
二つ返事で承諾した。
こうして私たちは、あっけないほど簡単に結ばれた。
とは言っても、それを周囲に明かす事はできない。
何しろもうすぐインターハイ。
3年生である私達はチームの主力であり、
特に洋榎に至ってはエースで主将。
そんなチームの中核が、
これまたチームの参謀役で右腕である私と、
麻雀そっちのけで
イチャイチャなんてできるはずもなく。
結果、私達は今まで通り、皆の前では
主将と参謀という立場を演じている。
でもそれが、洋榎にとっては
気に食わないらしかった。
--------------------------------------------------------
洋榎
「ちゅぅかなんやねん、
恋人のうちをほっぽり出しといて
自分は漫とばっかり
イチャイチャイチャイチャ」
洋榎
「あれか?もううちに飽きたんか!」
末原
「飽きたも何も付き合ぅて
まだ1か月経っとらんやん」
洋榎
「やっぱり若いピッチピチの方がええんか!」
末原
「まだ肌重ねとらんやろ…
第一漫ちゃんも2年やし、
1年でそんな変わるわけないやん」
洋榎
「ならなんでや!もっとうちに構えや!」
末原
「仕方ないやろ。漫ちゃんと絹ちゃんが
仕上がってくれんと大問題なんやから」
洋榎
「そこはわかっとるけど…
でもデコに落書きってなんやねん!
漫に落書きしとる暇があんなら
うちにラブレターの一つでも書いてみぃや!」
末原
「ほれ」
洋榎
「おっ、おぉ…おぉ?な、何やこれ」
末原
「お望み通りラブレターや」
洋榎
「なっ、ちょっ、おまっ、なぁっ!?」
末原
「自分で要求しといて何驚いとんねん」
洋榎
「ノータイムで出てくると思わへんやん!?
うわぁっ、何これ開けてええの!?」
末原
「高級菓子折りもらったオバチャンか」
洋榎
「うわぁ…うわぁ……勿体のぉて開けれへん。
このまま額縁に入れて飾るわ」
末原
「ええからはよ開け」
--------------------------------------------------------
付き合ってみて気づいた事がある。
それは、洋榎は意外と独占欲が強いという事。
そして一度ヤキモチを妬くと
なかなか収まってはくれない事。
たとえば今回の件でも、
ラブレターでシャットアウトしなければ
平気で1時間2時間は
ぐちぐちと言い続けていただろう。
ぶっちゃけめんどくさい。
まあ、そこが可愛いのだけれど。
ふと考えてみた。なぜ洋榎はこんなに
私を独り占めしたがるのか。
洋榎はバカばかりやっているようで、
実は意外に周りをよく見ている。
や、ガサツなのはガサツなのだけれど。
そして一見粗野で自分勝手なように見えて、
思いのほか相手への気配りを忘れない。
や、それでもガサツには違いないのだけれど。
そんな洋榎は…私が考えている以上に、
甘え下手なのかもしれない。
だから、初めてできた恋人に、
どっぷり依存してしまっているのかもしれない。
私はそこまでわかっていながら、
時折洋榎を突き放す。
すねる洋榎が可愛くて。
もっと私に執着してほしくて。
つい、洋榎の独占欲を煽ってしまうのだ。
(ああ、うちも結構めんどくさいな?)
わかっていながらもやめられない。
ああ本当に、洋榎は魔性の女だ。
--------------------------------------------------------
赤阪郁乃
「遠征行くでー。みんなバス乗ってやー」
……
洋榎
「一番乗りやっ!」
由子
「2番なのよー」
洋榎
「…恭子はどこ行ったん?」
由子
「さっきまではおったけど…
あ、今乗り込んできたのよー」
末原
「…下級生引率してきました。
うちはそやな…あ、漫ちゃんの横が空いとるな。
バス中もずっとしごいたるで」
漫「うぅ…お手柔らかにお願いしますぅ」
洋榎
「待てや」
末原
「ん?」
洋榎
「うちの横も空いとるやん?」
洋榎
「ちゅうか恭子用に空けとるんやん?」
洋榎
「なんでわざわざ漫の横行くん?」
洋榎
「うちの横嫌なん?」
末原
「鞄置いてあったんで、今日は
大御所っぽく行くんかと思いまして」
洋榎
「こんなぎゅうぎゅうのバスで
えげつない事するかっ!!
場所取りに決まっとるやろ!」
末原
「そないな場所取りせんでも、
主将の隣行く人なんておりませんて」
洋榎
「えっ、何やそれ普通に傷つくんやけど」
末原
「すんません」
洋榎
「謝んな!余計に悲しなるやろ!」
洋榎
「ええからこっちこいや!
こっちはもう二人で食べよ思て
封開けたジャガ○コで
腕がプルプルしとんねん!」
末原
「虚弱か」
洋榎
「じゃじゃーん!嬉し恥ずかしポッキーゲームー!」
末原
「なんでじゃがり○用意したんですか。
後うち何で罰ゲーム受けんといかんのですか」
洋榎
「うちを寂しがらせた罰や!」
末原
「はぁ…」
由子
(洋榎、隠す気ないのよー?)ボソボソ
末原
(…本人はあれで隠しとるつもりなんやろ)ボソボソ
洋榎
「何ボソボソ言っとんねん。
ええからはよもう片方くわえぇや」
末原
「ファーストキスが
じゃが○こサラダ味は
勘弁してください」
--------------------------------------------------------
問題なく隠し通せると思っていた。
何、2年間隠し続けていたのだから、
後数か月くらい訳はないと。
考えが甘かった。
2年越しの想いを結実させた洋榎は、
若干引くくらい浮かれていて。
それでいて独占欲バリバリなのだから、
あっさりと周りに勘付かれてしまった。
「恭子、もしかして洋榎と付き合ぅてる?」
想いを遂げた次の日には
由子に看破された。
(まあ由子はあれで意外と鋭いしな?
どの道打ち明けようと思っとったしいいか)
なんて思っていたら。
「末原先輩、お姉ちゃんと
付き合い始めたんですね」
若干シスコン気味の妹には
当然のように知られていて。
「末原先輩…うち、もしかして主将に
目の敵にされとります…?」
数日後には、洋榎のヤキモチの
ターゲットにされた漫ちゃんにも
バレる結果となった。
つまり一軍で私達の関係を
知らないものはいなかったりする。
まあ、勝手知ったる一軍メンバーはともかく。
このまま、二軍三軍にまで伝搬していくのは
さすがに問題だろう。
対策を講じる必要があると思った。
--------------------------------------------------------
末原
「第三回、主将をなんとかする会議ー」
由子
「のよー」
漫「ていうか、もうバラしても
ええんちゃいます?」
末原
「アホ言いなや。うちらの代で終わりならともかく、
姫松は今後も続いていくんやで?」
末原
「主将と参謀がくっついて恋愛に現を抜かすとか、
下の代まで悪影響出るわ」
末原
「むしろ今からでも自粛して
表面上だけでも元の関係に戻るべきやろ」
絹恵
「…無理やと思いますよ…?
お姉ちゃんはお姉ちゃんで、最近毎日
『恭子に主将呼びをやめさせる計画』
立ててますし」
由子
「…無理に押さえつけた反動の方が怖いのよー」
由子
「この会議だって、開いてる事バレたら
大変な事になるのよー」
末原
「…単独インタビュー中やし大丈夫や。
後15分は出てこん。鬼の居ぬ間に洗濯や」
洋榎
「ふーん」
由子
「…きょ、きょうこー?」
末原
「なんや由子?主将に睨まれた
漫ちゃんみたいな声出し…て…」
洋榎
「……」
洋榎
「…うちがおらん間に、
ずいぶん面白い事しとるやん?」
末原
「なんでおるんですか」
洋榎
「インタビュー短くしてもらったんや。
はよ恭子に会いたい思ってな」
洋榎
「…まさか、こんな裏切りを
目にするとは思わんかったけどな…」
洋榎
「…覚悟はええか?」
恭子
「…はいはい。
もう好きにしたってください」
--------------------------------------------------------
私は怒り狂った洋榎に連れられて、
愛宕家に護送される事になった。
驚いた事に、家には私の部屋ができていた。
…ご丁寧に外からも掛かる鍵付きで。
洋榎は私をその部屋に押し込むと、
自分も部屋に入って内側から鍵をかけた。
第一次末原恭子監禁事件の勃発である。
--------------------------------------------------------
洋榎
「うち、常日頃から思っとったんやけど」
末原
「何をや」
洋榎
「恋愛したら弱なるとか迷信ちゃう?」
末原
「根拠は?」
洋榎
「ほれ、おるやん新道寺に。
なんか試合中にビビクンしとる奴」
末原
「鶴田姫子と白水哩か」
洋榎
「せや。あいつら公然と付き合っとるけど、
むしろそれが強さに変わっとるやん」
洋榎
「あいつらにできるんならうちらかてできるやろ。
むしろ、二人で新しい能力でも身に着けようや。
ラヴの力で」
末原
「うちは凡人や。
あんなバケモンどもと一緒にすなや」
洋榎
「ラヴの方につっこめや。
それにやってみんとわからんやろ」
末原
「やるって何をや」
洋榎
「ナニをや」
末原
「おっさんか」
洋榎
「愛のためならおっさんにもなったるわ!」どっやぁあっ
末原
「全然決まってへんからな?」
--------------------------------------------------------
洋榎の監禁はなかなか終わる事はなかった。
まぁ監禁といっても、本気で逃げようと思えば
いくらでも逃げられるのだけど。
私自身、しがらみを忘れて思い切り
洋榎とイチャつきたいという気持ちもあり。
特に抵抗する事もなく乗っかっていたら、
あれよあれよと時間が過ぎて…
気づけば監禁が始まってから、
10日が流れてしまっていた。
--------------------------------------------------------
漫「…主将と末原先輩、今日も来ませんね…」
由子
「家ではどうしてるのよー?」
絹恵
「ご飯とかトイレとかお風呂は
普通に出てきますね」
絹恵
「後はずっと末原先輩の部屋で
イチャイチャしてるみたいです」
漫「…それ、ただの同棲やん」
由子
「まぁ洋榎と恭子ならそんなもんなのよー」
漫「でも、もう10日ですよ?
いい加減部活に影響でますって」
漫「今日来いひんなら、
無理矢理にでも押し入った方が…」
由子
「親友二人の痴態とか見たくないのよー」
漫「ちた…生々しい言い方やめてくださいよ…」
絹恵
「うちはもうちょっと撮り溜めが欲しいかも」
漫「録画してるん!?ていうか
やっぱりヤってるん!?」
由子
「ヤってるとか、漫ちゃんの言い方が
一番危ないのよー」
絹恵
「さては上重さん意外とムッツリやね?」
漫「あかんツッコミが間に合わへん!
末原先輩はよ帰ってきてください!」
--------------------------------------------------------
末原
「…もうそろそろええやろ」
洋榎
「あかん。まだ足りん」
末原
「…何がそんなに不安なん」
洋榎
「…恭子のせいやろ」
末原
「うちのせい?」
洋榎
「わざとうちから距離を置いたり、
うちだけ除いて会議開いたり…」
洋榎
「そうやって恭子がうちを遠ざけようとするから、
うちはごっつい不安になるんや」
洋榎
「なんでそんな事するんや…
うちの事好きちゃうんか」
末原
「…アホ。好きでもない奴に、
ここまで体許したりするか」
洋榎
「…ならなんでや」
末原
「…正直に言ったら洋榎引くやろ」
洋榎
「…引かへん。
恭子の事なら何でも受け止めたる」
末原
「…嘘やろ」
洋榎
「嘘やない!うちは何言われても
恭子の事嫌いになったりせぇへん!
もし嘘やったら、この右腕くれたるわ!」
末原
「や、重すぎやろ。
その発言のほうがドン引きや」
末原
「……」
末原
「…まあ、でも、そこまで言うなら…
打ち明けたるわ」
末原
「うちが、洋榎を遠ざけとった理由」
洋榎
「……お、おぅ。ばっちこいや」
末原
「それは…」
洋榎
「そ、それは……?」
末原
「……」
洋榎
「……」ゴクリッ…
末原
「ヤキモチ妬く洋榎が可愛いくてつい」
洋榎
「ふっざけんなや!!!」
--------------------------------------------------------
漫「あ、お二人ともようやく出てきはったんですね…
って、うわぁ」
漫「その…首のそれ、なんですか?」
末原
「…洋榎の愛の証や」キスマーク
由子
「隠すのはやめたのよー?」
洋榎
「恭子の奴、周りに関係を隠すのを口実に、
うちの事煽っとったんや!」
由子
「あー…やっぱりそうだったのよー」
洋榎
「もう立ち場なんて知らん。
そもそもバカップルが弱いなんて
誰が決めたんや!
うちらはもういっそバカップルと化して、
リザベーション路線で行ったるわ!」
洋榎
「ちゅぅわけでこれからは遠慮禁止や。
うちを遠ざけたら、その度に罰として
キスマーク一個増やしたるからな?」
末原
「わかっとるって…あ、漫ちゃん」
洋榎
「さっそく罰やな」ちゅーっ
漫「呼びかけただけですやん!?」
洋榎
「漫は恋敵やし。話しかけただけでキスマークの刑や」
末原
「部活成り立ちませんやん…」
洋榎
「丁寧語禁止言うたよな?
これはキスマーク2回分やな!」ちゅちゅーっ
末原
「すんません」
洋榎
「…もっかい追加や」ちゅーっ
末原
「えろぅすんません」
洋榎
「わかってやっとるやろ!?」ちゅーっ
ちゅっちゅっちゅー
由子
「……」
絹恵
「……」
漫「……」
ちゅっちゅっちゅー
絹恵
「えーと…これ、もしかして…」
漫「全部、末原先輩が悪いんと違います?」
絹恵
「むしろ、末原先輩の方が重症なんじゃ…」
由子
「…親友が両方ともヤンデレだったのよー…」
絹恵
「…姉がヤンデレもなかなかキツイですよ…?」
漫「うちなんか全然関係ないのに
ダシに使われとったんやけど…」
由子
「というか、これからこれがずっと続くとか…
正直勘弁なのよー」
末原
「そう言わず、仲よぅしたってや。
特に漫ちゃん」
四人
「「「「……」」」」
四人
「「「「アンタはもう黙っとってください!!」」」」
(完)
なし。その他のリクエストを参照してください。
<登場人物>
末原恭子,愛宕洋榎,真瀬由子,愛宕絹恵,上重漫
<症状>
・ギャグ
・共依存
・監禁
<その他>
・末洋でインハイ前の5月くらいに付き合いだしてから
洋榎の独占欲が強いのが発覚。
麻雀部の皆が驚くけどまんざらでもない末原さんが
わざと洋榎を煽るような行動をとって
気をひいたりするなどのギャグめで。
洋榎は末原さんが誰かと話してるのが嫌だとか
監禁も考えてたり。
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洋榎
「なぁ恭子、話したい事があるんやけど」
末原
「なんや改まって」
洋榎
「うちら、付き合ぅとるわけやん?」
末原
「せやな」
洋榎
「つまりは、お互いがお互いのもんなわけやん?」
末原
「…せやな?」
洋榎
「なのになんで…
うち以外の奴としゃべるん?」
末原
「いやそれはしゃぁないやろ。
これからの人生ずっと
お口チャックで暮らせ言うんか?」
洋榎
「100パーやれとは言わんけど、
ある程度は心がけるべきやん。
うち、毎日めっちゃ傷ついとるんやけど?」
末原
「あー、わかったわかった。
ホンマ主将はヤキモチ妬きで困りますわ」
洋榎
「二人っきりの時に主将呼び&丁寧語やめっ!!」
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洋榎と私は付き合っている。
事の始まりは5月。告白は洋榎から。聞くに、
「ずっと前から好きでした」
状態だったらしい。
正直私も好きだったので、
二つ返事で承諾した。
こうして私たちは、あっけないほど簡単に結ばれた。
とは言っても、それを周囲に明かす事はできない。
何しろもうすぐインターハイ。
3年生である私達はチームの主力であり、
特に洋榎に至ってはエースで主将。
そんなチームの中核が、
これまたチームの参謀役で右腕である私と、
麻雀そっちのけで
イチャイチャなんてできるはずもなく。
結果、私達は今まで通り、皆の前では
主将と参謀という立場を演じている。
でもそれが、洋榎にとっては
気に食わないらしかった。
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洋榎
「ちゅぅかなんやねん、
恋人のうちをほっぽり出しといて
自分は漫とばっかり
イチャイチャイチャイチャ」
洋榎
「あれか?もううちに飽きたんか!」
末原
「飽きたも何も付き合ぅて
まだ1か月経っとらんやん」
洋榎
「やっぱり若いピッチピチの方がええんか!」
末原
「まだ肌重ねとらんやろ…
第一漫ちゃんも2年やし、
1年でそんな変わるわけないやん」
洋榎
「ならなんでや!もっとうちに構えや!」
末原
「仕方ないやろ。漫ちゃんと絹ちゃんが
仕上がってくれんと大問題なんやから」
洋榎
「そこはわかっとるけど…
でもデコに落書きってなんやねん!
漫に落書きしとる暇があんなら
うちにラブレターの一つでも書いてみぃや!」
末原
「ほれ」
洋榎
「おっ、おぉ…おぉ?な、何やこれ」
末原
「お望み通りラブレターや」
洋榎
「なっ、ちょっ、おまっ、なぁっ!?」
末原
「自分で要求しといて何驚いとんねん」
洋榎
「ノータイムで出てくると思わへんやん!?
うわぁっ、何これ開けてええの!?」
末原
「高級菓子折りもらったオバチャンか」
洋榎
「うわぁ…うわぁ……勿体のぉて開けれへん。
このまま額縁に入れて飾るわ」
末原
「ええからはよ開け」
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付き合ってみて気づいた事がある。
それは、洋榎は意外と独占欲が強いという事。
そして一度ヤキモチを妬くと
なかなか収まってはくれない事。
たとえば今回の件でも、
ラブレターでシャットアウトしなければ
平気で1時間2時間は
ぐちぐちと言い続けていただろう。
ぶっちゃけめんどくさい。
まあ、そこが可愛いのだけれど。
ふと考えてみた。なぜ洋榎はこんなに
私を独り占めしたがるのか。
洋榎はバカばかりやっているようで、
実は意外に周りをよく見ている。
や、ガサツなのはガサツなのだけれど。
そして一見粗野で自分勝手なように見えて、
思いのほか相手への気配りを忘れない。
や、それでもガサツには違いないのだけれど。
そんな洋榎は…私が考えている以上に、
甘え下手なのかもしれない。
だから、初めてできた恋人に、
どっぷり依存してしまっているのかもしれない。
私はそこまでわかっていながら、
時折洋榎を突き放す。
すねる洋榎が可愛くて。
もっと私に執着してほしくて。
つい、洋榎の独占欲を煽ってしまうのだ。
(ああ、うちも結構めんどくさいな?)
わかっていながらもやめられない。
ああ本当に、洋榎は魔性の女だ。
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赤阪郁乃
「遠征行くでー。みんなバス乗ってやー」
……
洋榎
「一番乗りやっ!」
由子
「2番なのよー」
洋榎
「…恭子はどこ行ったん?」
由子
「さっきまではおったけど…
あ、今乗り込んできたのよー」
末原
「…下級生引率してきました。
うちはそやな…あ、漫ちゃんの横が空いとるな。
バス中もずっとしごいたるで」
漫「うぅ…お手柔らかにお願いしますぅ」
洋榎
「待てや」
末原
「ん?」
洋榎
「うちの横も空いとるやん?」
洋榎
「ちゅうか恭子用に空けとるんやん?」
洋榎
「なんでわざわざ漫の横行くん?」
洋榎
「うちの横嫌なん?」
末原
「鞄置いてあったんで、今日は
大御所っぽく行くんかと思いまして」
洋榎
「こんなぎゅうぎゅうのバスで
えげつない事するかっ!!
場所取りに決まっとるやろ!」
末原
「そないな場所取りせんでも、
主将の隣行く人なんておりませんて」
洋榎
「えっ、何やそれ普通に傷つくんやけど」
末原
「すんません」
洋榎
「謝んな!余計に悲しなるやろ!」
洋榎
「ええからこっちこいや!
こっちはもう二人で食べよ思て
封開けたジャガ○コで
腕がプルプルしとんねん!」
末原
「虚弱か」
洋榎
「じゃじゃーん!嬉し恥ずかしポッキーゲームー!」
末原
「なんでじゃがり○用意したんですか。
後うち何で罰ゲーム受けんといかんのですか」
洋榎
「うちを寂しがらせた罰や!」
末原
「はぁ…」
由子
(洋榎、隠す気ないのよー?)ボソボソ
末原
(…本人はあれで隠しとるつもりなんやろ)ボソボソ
洋榎
「何ボソボソ言っとんねん。
ええからはよもう片方くわえぇや」
末原
「ファーストキスが
じゃが○こサラダ味は
勘弁してください」
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問題なく隠し通せると思っていた。
何、2年間隠し続けていたのだから、
後数か月くらい訳はないと。
考えが甘かった。
2年越しの想いを結実させた洋榎は、
若干引くくらい浮かれていて。
それでいて独占欲バリバリなのだから、
あっさりと周りに勘付かれてしまった。
「恭子、もしかして洋榎と付き合ぅてる?」
想いを遂げた次の日には
由子に看破された。
(まあ由子はあれで意外と鋭いしな?
どの道打ち明けようと思っとったしいいか)
なんて思っていたら。
「末原先輩、お姉ちゃんと
付き合い始めたんですね」
若干シスコン気味の妹には
当然のように知られていて。
「末原先輩…うち、もしかして主将に
目の敵にされとります…?」
数日後には、洋榎のヤキモチの
ターゲットにされた漫ちゃんにも
バレる結果となった。
つまり一軍で私達の関係を
知らないものはいなかったりする。
まあ、勝手知ったる一軍メンバーはともかく。
このまま、二軍三軍にまで伝搬していくのは
さすがに問題だろう。
対策を講じる必要があると思った。
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末原
「第三回、主将をなんとかする会議ー」
由子
「のよー」
漫「ていうか、もうバラしても
ええんちゃいます?」
末原
「アホ言いなや。うちらの代で終わりならともかく、
姫松は今後も続いていくんやで?」
末原
「主将と参謀がくっついて恋愛に現を抜かすとか、
下の代まで悪影響出るわ」
末原
「むしろ今からでも自粛して
表面上だけでも元の関係に戻るべきやろ」
絹恵
「…無理やと思いますよ…?
お姉ちゃんはお姉ちゃんで、最近毎日
『恭子に主将呼びをやめさせる計画』
立ててますし」
由子
「…無理に押さえつけた反動の方が怖いのよー」
由子
「この会議だって、開いてる事バレたら
大変な事になるのよー」
末原
「…単独インタビュー中やし大丈夫や。
後15分は出てこん。鬼の居ぬ間に洗濯や」
洋榎
「ふーん」
由子
「…きょ、きょうこー?」
末原
「なんや由子?主将に睨まれた
漫ちゃんみたいな声出し…て…」
洋榎
「……」
洋榎
「…うちがおらん間に、
ずいぶん面白い事しとるやん?」
末原
「なんでおるんですか」
洋榎
「インタビュー短くしてもらったんや。
はよ恭子に会いたい思ってな」
洋榎
「…まさか、こんな裏切りを
目にするとは思わんかったけどな…」
洋榎
「…覚悟はええか?」
恭子
「…はいはい。
もう好きにしたってください」
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私は怒り狂った洋榎に連れられて、
愛宕家に護送される事になった。
驚いた事に、家には私の部屋ができていた。
…ご丁寧に外からも掛かる鍵付きで。
洋榎は私をその部屋に押し込むと、
自分も部屋に入って内側から鍵をかけた。
第一次末原恭子監禁事件の勃発である。
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洋榎
「うち、常日頃から思っとったんやけど」
末原
「何をや」
洋榎
「恋愛したら弱なるとか迷信ちゃう?」
末原
「根拠は?」
洋榎
「ほれ、おるやん新道寺に。
なんか試合中にビビクンしとる奴」
末原
「鶴田姫子と白水哩か」
洋榎
「せや。あいつら公然と付き合っとるけど、
むしろそれが強さに変わっとるやん」
洋榎
「あいつらにできるんならうちらかてできるやろ。
むしろ、二人で新しい能力でも身に着けようや。
ラヴの力で」
末原
「うちは凡人や。
あんなバケモンどもと一緒にすなや」
洋榎
「ラヴの方につっこめや。
それにやってみんとわからんやろ」
末原
「やるって何をや」
洋榎
「ナニをや」
末原
「おっさんか」
洋榎
「愛のためならおっさんにもなったるわ!」どっやぁあっ
末原
「全然決まってへんからな?」
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洋榎の監禁はなかなか終わる事はなかった。
まぁ監禁といっても、本気で逃げようと思えば
いくらでも逃げられるのだけど。
私自身、しがらみを忘れて思い切り
洋榎とイチャつきたいという気持ちもあり。
特に抵抗する事もなく乗っかっていたら、
あれよあれよと時間が過ぎて…
気づけば監禁が始まってから、
10日が流れてしまっていた。
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漫「…主将と末原先輩、今日も来ませんね…」
由子
「家ではどうしてるのよー?」
絹恵
「ご飯とかトイレとかお風呂は
普通に出てきますね」
絹恵
「後はずっと末原先輩の部屋で
イチャイチャしてるみたいです」
漫「…それ、ただの同棲やん」
由子
「まぁ洋榎と恭子ならそんなもんなのよー」
漫「でも、もう10日ですよ?
いい加減部活に影響でますって」
漫「今日来いひんなら、
無理矢理にでも押し入った方が…」
由子
「親友二人の痴態とか見たくないのよー」
漫「ちた…生々しい言い方やめてくださいよ…」
絹恵
「うちはもうちょっと撮り溜めが欲しいかも」
漫「録画してるん!?ていうか
やっぱりヤってるん!?」
由子
「ヤってるとか、漫ちゃんの言い方が
一番危ないのよー」
絹恵
「さては上重さん意外とムッツリやね?」
漫「あかんツッコミが間に合わへん!
末原先輩はよ帰ってきてください!」
--------------------------------------------------------
末原
「…もうそろそろええやろ」
洋榎
「あかん。まだ足りん」
末原
「…何がそんなに不安なん」
洋榎
「…恭子のせいやろ」
末原
「うちのせい?」
洋榎
「わざとうちから距離を置いたり、
うちだけ除いて会議開いたり…」
洋榎
「そうやって恭子がうちを遠ざけようとするから、
うちはごっつい不安になるんや」
洋榎
「なんでそんな事するんや…
うちの事好きちゃうんか」
末原
「…アホ。好きでもない奴に、
ここまで体許したりするか」
洋榎
「…ならなんでや」
末原
「…正直に言ったら洋榎引くやろ」
洋榎
「…引かへん。
恭子の事なら何でも受け止めたる」
末原
「…嘘やろ」
洋榎
「嘘やない!うちは何言われても
恭子の事嫌いになったりせぇへん!
もし嘘やったら、この右腕くれたるわ!」
末原
「や、重すぎやろ。
その発言のほうがドン引きや」
末原
「……」
末原
「…まあ、でも、そこまで言うなら…
打ち明けたるわ」
末原
「うちが、洋榎を遠ざけとった理由」
洋榎
「……お、おぅ。ばっちこいや」
末原
「それは…」
洋榎
「そ、それは……?」
末原
「……」
洋榎
「……」ゴクリッ…
末原
「ヤキモチ妬く洋榎が可愛いくてつい」
洋榎
「ふっざけんなや!!!」
--------------------------------------------------------
漫「あ、お二人ともようやく出てきはったんですね…
って、うわぁ」
漫「その…首のそれ、なんですか?」
末原
「…洋榎の愛の証や」キスマーク
由子
「隠すのはやめたのよー?」
洋榎
「恭子の奴、周りに関係を隠すのを口実に、
うちの事煽っとったんや!」
由子
「あー…やっぱりそうだったのよー」
洋榎
「もう立ち場なんて知らん。
そもそもバカップルが弱いなんて
誰が決めたんや!
うちらはもういっそバカップルと化して、
リザベーション路線で行ったるわ!」
洋榎
「ちゅぅわけでこれからは遠慮禁止や。
うちを遠ざけたら、その度に罰として
キスマーク一個増やしたるからな?」
末原
「わかっとるって…あ、漫ちゃん」
洋榎
「さっそく罰やな」ちゅーっ
漫「呼びかけただけですやん!?」
洋榎
「漫は恋敵やし。話しかけただけでキスマークの刑や」
末原
「部活成り立ちませんやん…」
洋榎
「丁寧語禁止言うたよな?
これはキスマーク2回分やな!」ちゅちゅーっ
末原
「すんません」
洋榎
「…もっかい追加や」ちゅーっ
末原
「えろぅすんません」
洋榎
「わかってやっとるやろ!?」ちゅーっ
ちゅっちゅっちゅー
由子
「……」
絹恵
「……」
漫「……」
ちゅっちゅっちゅー
絹恵
「えーと…これ、もしかして…」
漫「全部、末原先輩が悪いんと違います?」
絹恵
「むしろ、末原先輩の方が重症なんじゃ…」
由子
「…親友が両方ともヤンデレだったのよー…」
絹恵
「…姉がヤンデレもなかなかキツイですよ…?」
漫「うちなんか全然関係ないのに
ダシに使われとったんやけど…」
由子
「というか、これからこれがずっと続くとか…
正直勘弁なのよー」
末原
「そう言わず、仲よぅしたってや。
特に漫ちゃん」
四人
「「「「……」」」」
四人
「「「「アンタはもう黙っとってください!!」」」」
(完)
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愉快な姫松メンバーとぷちさんのギャグSSは相性抜群ですね。
すばらしかったです。ご馳走様でした。
ぷちさんのSSが毎日の癒しなのでこれからも頑張って下さい!!
そして、淡菫のストーカーSSの菫さん視点が待ち遠しいです!!あっわあわ!!(今更)
上の子は人を監禁して、下の子はそれを録画して……
それとも『やっぱウチの子やな』とか思ってたりするんでしょうか。愛宕家って遺伝子強そうですし。
全部末原さんのせいだ(断言
>2000%同意
末原
「主将ならヤキモチ妬いても
ギャグになるんで重たなりませんしね」
漫「や、十分で怖いですけど」
>ヤンデレ、そして甘甘、すばらです
由子
「結局ずっとイチャついてただけなのよー」
末原
「かわいいもんやったな?」
漫「いやだから…」
>あーわあわ
淡「……あれ?」
菫「あれ、次の日には書いて
アップしてなかったか?」
淡「…上がってない!?書いただけだ!」
菫「…すまん」
>やっぱウチの子やな
雅枝
「そんなわけあるかい!
どこで育て方間違ぅたんや…」
絹恵
「うちを生んだところちゃうかな」
雅枝
「そこからか!?」
>最初から公認でよかったのでは
末原
「部の規律とか風紀とかな?」
洋榎
「うっさいわ!」
ヤンデレかわいい洋ちゃんがすごく…すてきです…!
あと病みっぷりが重症な末原さんもいいですね
眼福です、幸せです。ありがとうございました‼