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【咲-Saki-SS:久咲】 咲「私、アイドルになります」【後編】【カオス】
<あらすじ>
なし。その他をご覧ください。
前編はこちら。
中編はこちら。
<登場人物>
竹井久,宮永咲
<症状>
・ギャグ
・カオス
・ヤンデレ
・軟禁
<その他>
以下のリクエストに対する作品です。
・久咲のギャグで聡明で人気者の久さんに相応しい人に成るため、
なぜか学園のアイドルを目指すべく猛勉強始める咲さんと
可愛さから意地悪したり邪魔したりする
久さんによる久咲日和みたいな話。
※ごめんなさい。もう咲日和っぽくするのは
あきらめてます。
※原村はピンクじゃないです
※カオスなので内容にツッコミはいれないように!
--------------------------------------------------------
『第5話:本選』
--------------------------------------------------------
恒子
「というわけでここからは本選!
麻雀アイドル候補として麻雀で魅せてもらいましょう!」
久「予選での投票でも、対局に期待する票が
けっこう入ってたみたいですしね。
ぜひ期待に応えるような熱い戦いを見せてほしいです」
美穂子
「よろしくお願いします」
和「よろしくお願いします」
咲「…よろしくお願いします」ぺっこりん
衣「うむ!」
久「それでは、対局開始……と、
その前に大切な事言い忘れてた」
恒子
「?」
久「このオーディション、
ぶっちゃけ私の思いつきなので…
今こうして参加してくれてる人には、
メリットほとんどないんですよね」
恒子
「え、そうなの?
アイドル志望の子とかはいないの?」
久「中には本気で目指してる人もいるかもしれないですが…
多分私に付き合ってくれたって人の方が多いかと」
恒子
「そうなんだ」
久「なので、少しでもやる気になるスパイスを一つ。
この対局で勝った人には、
私が聞ける範囲で一つだけ、
何でもいう事聞いちゃいます!」
美穂子
「!?」ゴッ!
衣「?」ゴッ?
咲「!?」ゴゴゴッ!!
和「……」
和(まためんどくさい事を…)
久「それじゃあ、今度こそ対局スタート!!」
--------------------------------------------------------
和(…さて、どうしたものでしょうか)
和(私があんな茶番を演じてまで本選に入った理由。
それは咲さんのサポートをするためなのですが)
和「……」(ちらっ)
咲「……」ゴゴゴゴゴッ
和(…これは、余計な手出しは無用ですね…)
和「……」(ちらっ)
美穂子
「……」ぺかーっ
和(はぁ…いきなり開眼ですか…
目を開いたからなんだという話ではありますが)
和(部長も部長ですよ…あんな条件つけるなら、
別に放送中に言わなくても
楽屋裏で咲さんにだけ
こっそり伝えればいいでしょうに)
衣「サイコロまわれー!」ピッ
和「……」
和(…そうですね。この際私も、
何も考えずに楽しんでしまいますか…)
--------------------------------------------------------
恒子
「というわけで始まったわけだけど…
なんか、雰囲気めっちゃ重くない?」
久「そりゃ高校トップクラスの真剣勝負ですし。
バラエティーじゃないんですから
ボケたりはしませんよ?」
恒子
「いやこれバラエティーなんだけど!?
なんか会場全体がドス黒い
霧みたいなのに覆われてると思うの私だけ!?」
久「実際に覆われてますね。
咲のオーラと天江さんのオーラで
半々だと思います。
これがわかるとは、福与アナ
麻雀の素質あるんじゃないですか?」
恒子
「毎日すこやんの横に座ってるからかな?
ってそうじゃなくてね?
あっちの子なんか目が光ってない?」
久「あー、美穂子は開眼すると光りますね」
恒子
「のどっちはなんか羽が生えてるし…
ってあれやっぱり自羽だったんだ!?」
久「おはようのどっちですね」
恒子
「…コンセプト間違えたなぁ」
恒子
「『人外大結集』とかにして、
ゴールデンに放送すべきだったよこれ…」
--------------------------------------------------------
美穂子
「……」スッ
和「ポン」
美穂子
「……」スッ
和「…ポン」
……
和「ツモ。2000です」
和(…明らかにサポートされてますね。
これはどう見るべきでしょうか)
美穂子
「……」
美穂子
(後になればなるほど、夜に近づいて
天江さんが強力になるでしょう。
宮永さんもスロースターター)
美穂子
(原村さんはあまり火力があるタイプじゃないし、
統計を重視するタイプだから
魔物相手に単体では太刀打ちできないはず)
美穂子
(だとしたら上がれる局では早上がりして、
そうでない時は原村さんを支援して
早上がりしてもらいましょう)
美穂子
「…ツモ。4000,2000!」
衣「やるな、異色の瞳を持つ者よ」
咲「……」
--------------------------------------------------------
恒子
「終始重苦しい雰囲気が続いたこの対局も
いよいよオーラス!
ここまでは福路選手が場面を支配しています!」
久「今日は天江さんの支配が
さほど強くないのもありますけど…
他家を使ってスピード勝負をすることで
うまく卓をコントロールしてますね」
恒子
「とはいえ原村選手も持ち前の
機械みたいに正確な打ち筋を見せてますし、
天江選手もここぞというところで
どでかい役を上がって存在感は抜群ですねー。
さすが全国レベル」
久「唯一、宮永選手だけが焼き鳥状態ですね」
恒子
「ていうかあの子局が進むごとに
怖くなってない?
なんかもう大魔王って感じの雰囲気
出してるんだけど」
久「というわけでオーラス行ってみましょう!」
恒子
「スルー!?」
--------------------------------------------------------
和(…さて、ついにオーラスですか…
さすがに咲さんがこのまま終わるとは思えません)
美穂子
(宮永さんは予選でもオーラスに数え役満を上がって
一気に大逆転した…油断はできないわ)
咲「……」
衣(伏龍(ふくりゅう)鳳雛(ほうすう)…
全てはこの局面のために温存したか)
衣(…その力。見せてみよ嶺上使い)
咲「……」
咲「っ」
咲「!!」ゴッ!!!
--------------------------------------------------------
……パリンッ!!
…フッ
--------------------------------------------------------
恒子
「うえぇ!?今度は何!?また停電!?」
久「あー、咲が気合い入れたみたいですねー。
これ、蛍光灯割れちゃったかな?」
恒子
「いやいやなんで気合い入れたら蛍光灯割れるの!?
ホントにあの子人間なの!?」
AD
「すいませーん、照明がいかれちゃったんで
非常用ライトで照らしまーす!」
久「はーい」
恒子
「え、この暗闇の中続行!?」
久「まあ公式試合じゃないですし
いいんじゃないですか?」
久「…どうせ、すぐ終わるでしょうし」
恒子「…へ?…ぁっ」
咲『カン』
咲『カン』
咲『カン』
咲『ツモ』
咲『清一色、対々和、三暗刻、三槓子、赤三、嶺上開花』
咲『…32000です』ゴッ!
恒子「ホントにすぐ終わったー!!?」
--------------------------------------------------------
恒子
「というわけで最後にまさかの役満が飛び出して、
宮永さんのトップ終了で終わった
麻雀対決でしたが、いかがでしたでしょうか」
久「各選手がそれぞれ自分の特徴を出した
素晴らしい対局だったと思います」
恒子
「と言ってもこれはあくまでアイドルオーディション!
勝敗は関係ありません!
覚えてた?アイドル決定戦だよこれ!」
恒子
「というわけで、この対局を見て、
アイドルに一番ふさわしいと
思った子に投票してください!」
久「……」
久「ま、咲は私にベタ惚れだから、
アイドルになっても
絶対に振り向いてもらえませんけどねー」
恒子
「…へ?」
久「じゃあ投票行きましょう!栄光は誰の手に!!
続きはCMの後!」
恒子
「え、ちょっと待って
今ものすごい爆弾発言しなかった!?ねぇ!?」
--------------------------------------------------------
『第6話:エピローグ』
--------------------------------------------------------
はやり
「はややー、のどっちお疲れ様☆
今日もすっごくよかったよ☆」
和「ありがとうございます」
はやり
「今日はこの後知り合いと会うんだっけ?」
和「はい。高校のOGと」
はやり
「一応聞いておくけど、彼女とかじゃないよね?」
和「あ、それはないです。
はやりさんが危惧しているような
展開にもならないと思います」
和「その人…彼女持ちですから」
--------------------------------------------------------
結局、あの日のオーディションで
トップを飾ったのは私でした。
得票数について内々に教えてもらいましたが、
2位に大差をつけてのトップだったそうです。
私自身の知名度がそれなりにあったのもありますが、
何より他の面子が放つ雰囲気が
怖すぎたという方が大きいでしょう。
ちなみに、トップで終了した咲さんについては…
圧倒的な最下位だったそうです。
--------------------------------------------------------
久「お疲れ様、和。アイドル業はどう?」
和「…思ったより悪くはありませんね。
可愛い服が好きなだけ着られますし、
自分専用の歌というのも恥ずかしいですが
嬉しくもあります」
久「そりゃ何より。いやぁ和が
トップになってくれて本当によかったわ」
和「……」
久「ん?どした?」
和「いえ。あれってそもそも、咲さんを
アイドルにするための企画でしたよね?」
久「そうね」
和「なのに、私がトップになってくれてよかったって…
変じゃないですか?」
久「そうね」
和「…」
和「…結局、久さんは何がしたかったんですか?」
久「ありゃ?和はわかってたと思うけど」
和「なんとなく察しはついてますが…
この際なんで、全部吐き出してほしいですね」
久「と言ってもそんなに言う事もないけどねー。
ま、和には迷惑かけてるし話しておきましょうか」
--------------------------------------------------------
あの日。ぶっちゃけ私は、
すべてを最初から聞いていた。
咲が私の事を好きだという事。
周りから邪魔されることを危惧している事。
その状況を打開するために
アイドルになろうとしている事。
正直なんでそれでアイドルになるのか
さっぱりだったけど、
それならそれで利用できると思った。
だって、私も咲の事が好きだったから。
そもそも清澄高校は共学だし、
弘世さんみたいに熱狂的なファンがいるわけでもない。
だから、咲の心配は杞憂以外の何物でもない。
むしろ逆。心配するのは私の方。
咲が将来プロになったら、絶大な人気を得るだろう。
プロ雀士自体アイドルみたいな側面があるし、
そうなったらやりづらくなるのは私の方。
今のうちに手を打っておく必要があると思った。
だから、わざわざあんな企画をぶち上げた。
咲のイメージを恐怖の魔王として作り上げて、
周りから恋慕の感情を持たれないように。
それでも惹かれる変わり者への威嚇として、
咲が私以外見てないことを周知するために。
--------------------------------------------------------
久「…ってところだけど」
和「つまり最初から咲さんを
アイドルにする気なんてなかったと」
久「当たり前じゃない。誰が自分の好きな人を
他人にベタベタ触られる
アイドルにしたいなんて思うのよ。
そもそもアイドルは恋愛禁止じゃない」
和「はぁ…本当に怖い人ですね。
私をアイドルにしたのも
私を咲さんから遠ざけるためですか?」
久「あはは、そこまで露骨に邪魔者扱いはしてないわよ?
ま、念のためって意味くらいはあるけど」
和「これ、咲さんは知ってるんですか?」
久「まさか。こんな醜い感情
咲に見せられるわけないでしょ」
久「和だから話したのよ。咲には絶対に言わないでね?
ま、信用してるから話したんだけど」
和「報復が怖いので話しませんけど。
話してしまっても構わないとは思いますけどね」
和「…今更久さんが狂っていたと知ったところで、
咲さんが心変わりするとも思えませんし」
--------------------------------------------------------
久「たっだいまー」
咲「お帰りなさい!ご飯できてますよ」
久「ちょっと咲、そこは違うでしょ?」
咲「え、えっと…」
咲「ご、ご飯にします?お風呂にします…?
そ、それとも…」
咲「わ、わたし…?」
久「いただきます」
咲「わっ、ひ、ひささんっ、そんな、いきなりっ……!」
……
久「ごちそうさまでした」
咲「…も、もう…そういえば、
今日はちょっと遅かったですね」
久「ちょっと和に会ってきたからねー」
咲「……」
咲「どうして?」
久「あはは、そんな怒らないの。
ちょっと状況確認しただけよ?
私のせいでアイドルになっちゃったわけだし」
咲「…おっかけとかじゃないんですよね?」
久「ないない。私が好きなのは咲だけだってば」
咲「えへへ…うれしい」
久「ていうか、本当に好きな人を
アイドルになんかするわけないでしょ」
久「人それぞれでしょうけど。
私だったら、本当に好きな人は
誰の目にも届かない、
私しか見えないように
閉じ込めてたいって思うわ」
咲「…その結果が、『これ』ですか?」
久「うん。いや?」
咲「いえ…むしろ、嬉しいです」
久「そか。じゃあ、これからもずっと、
私だけのアイドルでいてね?」
咲「はい!誓います!私は…
ずっと、ずっと」
咲「久さんだけのアイドルです!」
(終わり)
なし。その他をご覧ください。
前編はこちら。
中編はこちら。
<登場人物>
竹井久,宮永咲
<症状>
・ギャグ
・カオス
・ヤンデレ
・軟禁
<その他>
以下のリクエストに対する作品です。
・久咲のギャグで聡明で人気者の久さんに相応しい人に成るため、
なぜか学園のアイドルを目指すべく猛勉強始める咲さんと
可愛さから意地悪したり邪魔したりする
久さんによる久咲日和みたいな話。
※ごめんなさい。もう咲日和っぽくするのは
あきらめてます。
※原村はピンクじゃないです
※カオスなので内容にツッコミはいれないように!
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『第5話:本選』
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恒子
「というわけでここからは本選!
麻雀アイドル候補として麻雀で魅せてもらいましょう!」
久「予選での投票でも、対局に期待する票が
けっこう入ってたみたいですしね。
ぜひ期待に応えるような熱い戦いを見せてほしいです」
美穂子
「よろしくお願いします」
和「よろしくお願いします」
咲「…よろしくお願いします」ぺっこりん
衣「うむ!」
久「それでは、対局開始……と、
その前に大切な事言い忘れてた」
恒子
「?」
久「このオーディション、
ぶっちゃけ私の思いつきなので…
今こうして参加してくれてる人には、
メリットほとんどないんですよね」
恒子
「え、そうなの?
アイドル志望の子とかはいないの?」
久「中には本気で目指してる人もいるかもしれないですが…
多分私に付き合ってくれたって人の方が多いかと」
恒子
「そうなんだ」
久「なので、少しでもやる気になるスパイスを一つ。
この対局で勝った人には、
私が聞ける範囲で一つだけ、
何でもいう事聞いちゃいます!」
美穂子
「!?」ゴッ!
衣「?」ゴッ?
咲「!?」ゴゴゴッ!!
和「……」
和(まためんどくさい事を…)
久「それじゃあ、今度こそ対局スタート!!」
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和(…さて、どうしたものでしょうか)
和(私があんな茶番を演じてまで本選に入った理由。
それは咲さんのサポートをするためなのですが)
和「……」(ちらっ)
咲「……」ゴゴゴゴゴッ
和(…これは、余計な手出しは無用ですね…)
和「……」(ちらっ)
美穂子
「……」ぺかーっ
和(はぁ…いきなり開眼ですか…
目を開いたからなんだという話ではありますが)
和(部長も部長ですよ…あんな条件つけるなら、
別に放送中に言わなくても
楽屋裏で咲さんにだけ
こっそり伝えればいいでしょうに)
衣「サイコロまわれー!」ピッ
和「……」
和(…そうですね。この際私も、
何も考えずに楽しんでしまいますか…)
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恒子
「というわけで始まったわけだけど…
なんか、雰囲気めっちゃ重くない?」
久「そりゃ高校トップクラスの真剣勝負ですし。
バラエティーじゃないんですから
ボケたりはしませんよ?」
恒子
「いやこれバラエティーなんだけど!?
なんか会場全体がドス黒い
霧みたいなのに覆われてると思うの私だけ!?」
久「実際に覆われてますね。
咲のオーラと天江さんのオーラで
半々だと思います。
これがわかるとは、福与アナ
麻雀の素質あるんじゃないですか?」
恒子
「毎日すこやんの横に座ってるからかな?
ってそうじゃなくてね?
あっちの子なんか目が光ってない?」
久「あー、美穂子は開眼すると光りますね」
恒子
「のどっちはなんか羽が生えてるし…
ってあれやっぱり自羽だったんだ!?」
久「おはようのどっちですね」
恒子
「…コンセプト間違えたなぁ」
恒子
「『人外大結集』とかにして、
ゴールデンに放送すべきだったよこれ…」
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美穂子
「……」スッ
和「ポン」
美穂子
「……」スッ
和「…ポン」
……
和「ツモ。2000です」
和(…明らかにサポートされてますね。
これはどう見るべきでしょうか)
美穂子
「……」
美穂子
(後になればなるほど、夜に近づいて
天江さんが強力になるでしょう。
宮永さんもスロースターター)
美穂子
(原村さんはあまり火力があるタイプじゃないし、
統計を重視するタイプだから
魔物相手に単体では太刀打ちできないはず)
美穂子
(だとしたら上がれる局では早上がりして、
そうでない時は原村さんを支援して
早上がりしてもらいましょう)
美穂子
「…ツモ。4000,2000!」
衣「やるな、異色の瞳を持つ者よ」
咲「……」
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恒子
「終始重苦しい雰囲気が続いたこの対局も
いよいよオーラス!
ここまでは福路選手が場面を支配しています!」
久「今日は天江さんの支配が
さほど強くないのもありますけど…
他家を使ってスピード勝負をすることで
うまく卓をコントロールしてますね」
恒子
「とはいえ原村選手も持ち前の
機械みたいに正確な打ち筋を見せてますし、
天江選手もここぞというところで
どでかい役を上がって存在感は抜群ですねー。
さすが全国レベル」
久「唯一、宮永選手だけが焼き鳥状態ですね」
恒子
「ていうかあの子局が進むごとに
怖くなってない?
なんかもう大魔王って感じの雰囲気
出してるんだけど」
久「というわけでオーラス行ってみましょう!」
恒子
「スルー!?」
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和(…さて、ついにオーラスですか…
さすがに咲さんがこのまま終わるとは思えません)
美穂子
(宮永さんは予選でもオーラスに数え役満を上がって
一気に大逆転した…油断はできないわ)
咲「……」
衣(伏龍(ふくりゅう)鳳雛(ほうすう)…
全てはこの局面のために温存したか)
衣(…その力。見せてみよ嶺上使い)
咲「……」
咲「っ」
咲「!!」ゴッ!!!
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……パリンッ!!
…フッ
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恒子
「うえぇ!?今度は何!?また停電!?」
久「あー、咲が気合い入れたみたいですねー。
これ、蛍光灯割れちゃったかな?」
恒子
「いやいやなんで気合い入れたら蛍光灯割れるの!?
ホントにあの子人間なの!?」
AD
「すいませーん、照明がいかれちゃったんで
非常用ライトで照らしまーす!」
久「はーい」
恒子
「え、この暗闇の中続行!?」
久「まあ公式試合じゃないですし
いいんじゃないですか?」
久「…どうせ、すぐ終わるでしょうし」
恒子「…へ?…ぁっ」
咲『カン』
咲『カン』
咲『カン』
咲『ツモ』
咲『清一色、対々和、三暗刻、三槓子、赤三、嶺上開花』
咲『…32000です』ゴッ!
恒子「ホントにすぐ終わったー!!?」
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恒子
「というわけで最後にまさかの役満が飛び出して、
宮永さんのトップ終了で終わった
麻雀対決でしたが、いかがでしたでしょうか」
久「各選手がそれぞれ自分の特徴を出した
素晴らしい対局だったと思います」
恒子
「と言ってもこれはあくまでアイドルオーディション!
勝敗は関係ありません!
覚えてた?アイドル決定戦だよこれ!」
恒子
「というわけで、この対局を見て、
アイドルに一番ふさわしいと
思った子に投票してください!」
久「……」
久「ま、咲は私にベタ惚れだから、
アイドルになっても
絶対に振り向いてもらえませんけどねー」
恒子
「…へ?」
久「じゃあ投票行きましょう!栄光は誰の手に!!
続きはCMの後!」
恒子
「え、ちょっと待って
今ものすごい爆弾発言しなかった!?ねぇ!?」
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『第6話:エピローグ』
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はやり
「はややー、のどっちお疲れ様☆
今日もすっごくよかったよ☆」
和「ありがとうございます」
はやり
「今日はこの後知り合いと会うんだっけ?」
和「はい。高校のOGと」
はやり
「一応聞いておくけど、彼女とかじゃないよね?」
和「あ、それはないです。
はやりさんが危惧しているような
展開にもならないと思います」
和「その人…彼女持ちですから」
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結局、あの日のオーディションで
トップを飾ったのは私でした。
得票数について内々に教えてもらいましたが、
2位に大差をつけてのトップだったそうです。
私自身の知名度がそれなりにあったのもありますが、
何より他の面子が放つ雰囲気が
怖すぎたという方が大きいでしょう。
ちなみに、トップで終了した咲さんについては…
圧倒的な最下位だったそうです。
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久「お疲れ様、和。アイドル業はどう?」
和「…思ったより悪くはありませんね。
可愛い服が好きなだけ着られますし、
自分専用の歌というのも恥ずかしいですが
嬉しくもあります」
久「そりゃ何より。いやぁ和が
トップになってくれて本当によかったわ」
和「……」
久「ん?どした?」
和「いえ。あれってそもそも、咲さんを
アイドルにするための企画でしたよね?」
久「そうね」
和「なのに、私がトップになってくれてよかったって…
変じゃないですか?」
久「そうね」
和「…」
和「…結局、久さんは何がしたかったんですか?」
久「ありゃ?和はわかってたと思うけど」
和「なんとなく察しはついてますが…
この際なんで、全部吐き出してほしいですね」
久「と言ってもそんなに言う事もないけどねー。
ま、和には迷惑かけてるし話しておきましょうか」
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あの日。ぶっちゃけ私は、
すべてを最初から聞いていた。
咲が私の事を好きだという事。
周りから邪魔されることを危惧している事。
その状況を打開するために
アイドルになろうとしている事。
正直なんでそれでアイドルになるのか
さっぱりだったけど、
それならそれで利用できると思った。
だって、私も咲の事が好きだったから。
そもそも清澄高校は共学だし、
弘世さんみたいに熱狂的なファンがいるわけでもない。
だから、咲の心配は杞憂以外の何物でもない。
むしろ逆。心配するのは私の方。
咲が将来プロになったら、絶大な人気を得るだろう。
プロ雀士自体アイドルみたいな側面があるし、
そうなったらやりづらくなるのは私の方。
今のうちに手を打っておく必要があると思った。
だから、わざわざあんな企画をぶち上げた。
咲のイメージを恐怖の魔王として作り上げて、
周りから恋慕の感情を持たれないように。
それでも惹かれる変わり者への威嚇として、
咲が私以外見てないことを周知するために。
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久「…ってところだけど」
和「つまり最初から咲さんを
アイドルにする気なんてなかったと」
久「当たり前じゃない。誰が自分の好きな人を
他人にベタベタ触られる
アイドルにしたいなんて思うのよ。
そもそもアイドルは恋愛禁止じゃない」
和「はぁ…本当に怖い人ですね。
私をアイドルにしたのも
私を咲さんから遠ざけるためですか?」
久「あはは、そこまで露骨に邪魔者扱いはしてないわよ?
ま、念のためって意味くらいはあるけど」
和「これ、咲さんは知ってるんですか?」
久「まさか。こんな醜い感情
咲に見せられるわけないでしょ」
久「和だから話したのよ。咲には絶対に言わないでね?
ま、信用してるから話したんだけど」
和「報復が怖いので話しませんけど。
話してしまっても構わないとは思いますけどね」
和「…今更久さんが狂っていたと知ったところで、
咲さんが心変わりするとも思えませんし」
--------------------------------------------------------
久「たっだいまー」
咲「お帰りなさい!ご飯できてますよ」
久「ちょっと咲、そこは違うでしょ?」
咲「え、えっと…」
咲「ご、ご飯にします?お風呂にします…?
そ、それとも…」
咲「わ、わたし…?」
久「いただきます」
咲「わっ、ひ、ひささんっ、そんな、いきなりっ……!」
……
久「ごちそうさまでした」
咲「…も、もう…そういえば、
今日はちょっと遅かったですね」
久「ちょっと和に会ってきたからねー」
咲「……」
咲「どうして?」
久「あはは、そんな怒らないの。
ちょっと状況確認しただけよ?
私のせいでアイドルになっちゃったわけだし」
咲「…おっかけとかじゃないんですよね?」
久「ないない。私が好きなのは咲だけだってば」
咲「えへへ…うれしい」
久「ていうか、本当に好きな人を
アイドルになんかするわけないでしょ」
久「人それぞれでしょうけど。
私だったら、本当に好きな人は
誰の目にも届かない、
私しか見えないように
閉じ込めてたいって思うわ」
咲「…その結果が、『これ』ですか?」
久「うん。いや?」
咲「いえ…むしろ、嬉しいです」
久「そか。じゃあ、これからもずっと、
私だけのアイドルでいてね?」
咲「はい!誓います!私は…
ずっと、ずっと」
咲「久さんだけのアイドルです!」
(終わり)
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それと最後の『これ』って何を指しているのでしょうか?久さんに『日替わりあいどるプレイ』とかしてあげてるって事でよろしいのでしょうか(笑)
今回続き物でブログの初期の頃のワクワク感を思い出しました。
改めて久咲を書いてくれる管理人さんには本当に感謝しかないです
リク受けありがとうございました。
ツモ2000はツモ500-1000なのかツモ2000オールなのか
まあ次の美穂子が積み棒無しで上がってるところを見ると500-1000なのかな?
まあしかし久さんの策略は流石ですね
久さんかわいい!?
はやりんはアイドル引退したんでしょうか。だとしたら恋愛ok?
もしくは40ぐらいまでアイドル続ければ『寧ろ早く結婚しろ』みたいな空気に ……?