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【咲-Saki-SS:穏淡】穏乃「一生終わらない100回勝負!」【ギャグ】【咲ワン】
<あらすじ>
インターハイ中、
山登りに対する禁断症状が出て
屋上へ駆け出した穏乃。
そんな穏乃は、屋上の階段室の上で
星を眺める淡と遭遇する。
「この階段室は今白糸台の領地だから
阿知賀は進入禁止!」
「はぁ!そんなの知らないよ!」
「じゃぁ勝負して決めよう!」
徹夜で勝負した二人は、
それからもことあるごとに
勝負を続けていって…?
<登場人物>
高鴨穏乃,大星淡,新子憧,その他
<症状>
・あえて言うなら共依存?
<その他>
次のリクエストに対する作品です。
・穏淡。淡がシズにちょっかい出す感じので…
2人とも明るく元気で相性も良さそうなだけに病むのが
創造しずらいなー
※ごめんなさい、あんまり病みませんでした
☆咲ワンというイベント用に書いたSSです。
よろしければこちらのサイトも覗いてみてください!
(投票期間は8月19日〜8月21日。
無理に私のSSに投票しなくてもいいです(笑))
http://isidorus560.info/
--------------------------------------------------------
穏乃
「山に登りたい」
憧「諦めなさい。ていうか今
インターハイ真っ只中なんだけど?」
穏乃
「私は3日に一度は山登りしないと
禁断症状が出るんだよ!
東京に来てもう何日になると思ってるのさ!」
憧「いやそんな事言われても。
大体、こんな都会のど真ん中に
山なんてあるわけないじゃない」
穏乃
「そこをなんとか!
標高500m級でいいから!」
憧「思ったより高っ!だから
あるわけないって言ってるでしょ!」
穏乃
「〜〜〜〜!!いいよもう!
だったら屋上で我慢する!」
穏乃
「あ、ホントに我慢できなくなってきた。
ちょっと今から登ってくる!」
憧「今から!?もう夜なんだけど!?」
穏乃
「うぉぉぉおおお
みなぎってきたぁああーっ!!
山が私を待っているーーっ!!!」
憧(あ、これ止めても無理だ)
憧「あーもう、好きにしな。
でもホテルが施錠される前には
帰ってきなさいよ?」
穏乃
「了解!!いってきまーーーす!!!」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
ダダダダダダダダッ!
ダダッ!!
穏乃
「屋上!登頂成功!!」
穏乃
「って全然物足りない!」
穏乃
「あ、この階段室上に上れそう。
これに上ったらもう少しは気分晴れるかな」
カンッ、カンッ、カンッ
穏乃
「んしょんしょっ…あれ?」
淡「……」
穏乃
「大星…さん?」
淡「ん、誰…って、高鴨穏乃!?」
穏乃
「大星さん…どうしてここに?」
淡「そりゃスーパーノヴァ淡ちゃんなんだから
星を見るために決まってるでしょ」
穏乃
「なるほど。確かにここなら、
ちょっとは星が見えるかも」んしょ
淡「ってちょっと何
勝手に入ってこようとしてるの!
ここは今私の領地だから!
高鴨穏乃は立ち入り禁止!!」
穏乃
「はぁ!?何言ってるんですか!
屋上なんか誰のものでもないでしょう!?
いや多分持ち主はいるけど!」
淡「知ーりーまーせーんー!
今この屋上は白糸台高校の領土ですー!
ていうかアンタこそなんで
こんな時間にこんなところに来たの!」
穏乃
「そこに山があるからですよ!」
淡「ないよ!?」
穏乃
「私はこの屋上を山と決めたんです!
山である以上は登頂しないと気が済まない!
何が何でも登らせてもらいますよ!」
淡「何それ意味わかんない!
わかんないけど絶対に
登らせてやんないから!!」
穏乃
「むむむむむー!!」
淡「むむむむむー!!」
穏乃
「……」
淡「……」
淡・穏乃「勝負だ!!」
淡「何かで100回勝負して
勝った方がこの屋上を占拠する!
それでいい?」
穏乃
「いいですとも!」
淡「あ、って言っても元々は
私の領土だったんだし、
そこはアドバンテージもらうからね。
具体的には10勝分くらい」
穏乃
「んー、まぁそのくらいは仕方ないかぁ。
でも何やるんですか?」
淡「そりゃ私達がやる事なんて
麻雀以外ないでしょ」
穏乃
「インハイの出場者同士は
対戦できませんってば」
淡「えぇー!?そんなの聞いてないー!」
穏乃
「まあ私も赤土先生に言われなかったら
知らなかったと思うけど」
淡「むむむー…
麻雀ができないとなると…うーん」
穏乃
「うーん」
--------------------------------------------------------
穏乃
「いっせーのーせー…いち!
やった私の勝ちだ!」
淡「うぁああああーっ!!負けたーー!!!」
穏乃
「これで51勝49敗…!
あ、ちょうど100回だ!
決着ついたんじゃない?」
淡「はぁ!?何言ってんの!?
思いっきり中途半端じゃん!」
淡「100回勝負なんだから、
相手を先に100回倒した方が
勝ちに決まってるでしょ!
そんな常識もわからないの!?」
穏乃
「そんな常識知りませんー。
淡国のルールを押し付けないでくださいー」
淡「残念でしたー。まだこの階段室は淡国だから
淡国の法律が適用されますー」
穏乃
「むむ、一理ある」
淡「わかったら続ける!大丈夫、
ここから私が51連勝すれば
今までの半分の時間で終わるから!」
穏乃
「こっちの台詞だよ!!
こうなったら言い訳できないくらい
完璧に叩きのめしてやる!」
--------------------------------------------------------
淡「やった…!これで100勝…!
つまり、私の勝ち…!!」
淡「やったーーー!!!」
淡「テル、菫先輩!私やったよ!
白糸台の領土を守り切ったんだ!」
淡「イェー!!!」
穏乃
「も、もう一回!もう100回勝負!!」
淡「さすがにもう時間的に無理だってば。
ていうか、アンタもう
陣地入ってきちゃってるじゃん。勝手に」
穏乃
「そりゃはしご上りながら勝負とか無理だし。
あ、じゃぁいつの間にか領地を侵略してた
私の戦略勝ちってことで」
淡「いやいや何言ってるの。
私がお情けで淡国の住民として
入国を許可してあげただけだから」
淡「下々の高鴨穏乃は女王である私に
跪くべきでしょ」
淡「わかったら早く
『図々しくも負け犬が
淡様に楯突いて申し訳ありませんでした』
って絶叫しなよ!」
穏乃
「絶対に言うもんか!言ってほしいなら
もう100回勝負やりなよ!」
淡「むむむむむー!!」
穏乃
「むむむむむー!!」
淡「……」
穏乃
「……」
淡・穏乃「勝負だ!!」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
淡「た…ただいまぁ……」
菫「フラフラじゃないか…!
お前、結局昨日はどこ行ってたんだ」
淡「や、前もって言った通り屋上だけど」
照「一晩中星を見てたの?」
淡「んー…」
淡「白糸台の領土を守ってた」
菫「…このホテルは白糸台の領土じゃないが?」
……
憧「シズ、アンタ昨日どこ行ってたのよ!?
結局一晩戻ってこないし…!」
憧「まさか屋上で我慢できなくて、本当に山まで
行っちゃったんじゃないでしょうね!?」
穏乃
「…いや、屋上は屋上だったんだけど…」
憧「だけど?」
穏乃
「…宿敵と戦ってた」
憧「何それ」
穏乃
「あーもう悔しい!次は絶対に私が勝つ!」
憧「いやだから何と戦ってきたっていうのよ」
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--------------------------------------------------------
穏乃
「行ってきまーす!」
憧「ちょ、シズ!今日も行くの!?」
穏乃
「東京にいる間に決着をつけないと駄目なんだ!」
穏乃
「ごめん!行ってくる!」
憧「あっ、シズっ…!」
憧「…あーあー、あんなに目を輝かせてまぁ」
憧「もしかして恋とか?
って、あのシズに限ってそれはないか」
……
穏乃
「あーわーいー!おまたせー!!」
淡「遅い!これはペナルティで負け3回分だね」
穏乃
「ずっこ!王者なら王者らしく
寛大に見逃すところだろ!」
淡「王者だからこそ厳しく罰するんですー!
…で、何する?今日の100回勝負」
穏乃
「UNO持ってきた!」
淡「二人でUNOとか不毛すぎでしょ。
私はトランプ持ってきたけど」
穏乃
「あ、そっちの方がいいかも!でかした!淡」
淡「へへーん!とりあえず私の一勝ね!」
穏乃
「むむむ、いいもんね!
本番の勝負ではぶっちぎりで勝つから!」
--------------------------------------------------------
穏乃
「ふっふっふ…!今日は勝ってきた!」
憧「そりゃよかった。で、通算何勝何敗なの?」
穏乃
「523勝477敗かな」
憧「多っ!!バカなのアンタ達!?」
穏乃
「100回単位で勝負してるんだけどさ。
どっちが勝っても引き下がらないから
ズルズルとねー」
憧「バカでしょアンタ達」
穏乃
「帰るまでに1000回倒して、
負けを認めさせたいなぁ」
憧「…まさかシズ並みのおバカが
他にもいたとはねぇ」
穏乃
「バカバカ言うな!バカって言う奴が
バカなんだからな!」
憧「そういう事言っちゃうのがまたおバカなのよ」
穏乃
「むー」
穏乃
(…でも、実際そうなんだよね)
穏乃
(淡は、私のバカな思い付きに
全力で向かってきてくれる)
穏乃
(昔の憧と一緒に居るような感じなんだよな)
穏乃
(今の憧も付き合ってはくれるけど、
どっちかっていうと『はいはい』って感じ)
穏乃
(…正直周りのみんなが全員大人びてきて、
私一人だけ置いてきぼりくらったように
感じる事もあるけど)
穏乃
(淡といると、そう言うのを全然感じないんだ。
すごく、すっごく居心地がいい)
穏乃
(大会終わってからも…淡と勝負できるといいのにな)
--------------------------------------------------------
淡「今日は負けたー!悔しい!」ぼすっ
淡「ま、でもいっか。
明日取り返せばいいんだもんね!」
淡「明日は何しようかな。またトランプでもいいけど…」
淡「そう言えばコンビニにオセロあったっけ。
ま、この手の知的ゲームは
シズノが不利になるから
ちょっとフェアじゃないけど!」
淡「よーし明日は知将になってシズノを
叩きのめしちゃおう!」
淡「……」
淡(って、なんか私、最近ずっとシズノの事
ばっかり考えてるなぁ)
淡(シズノといると楽しい。
ムカつくんだけど楽しい)
淡(ノリが近いからかな?
菫先輩とかだったら、100回勝負するとか言っても
『馬鹿なのか?』の一言で終わりそうだよね)
淡(でもシズノはのってくる。
それも、嫌々じゃなくて本気で。
それが、すっごく楽しいんだ)
淡(シズノみたいなのは白糸台にはいない。
ううん。白糸台だけじゃなくて、
今まで会ってきた人全員合わせても)
淡(……)
淡(ずっと、シズノと勝負してたいな)
淡(シズノ、帰らなきゃいいのに)
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--------------------------------------------------------
淡「よっし勝った!今日は私の勝ち!」
穏乃
「負けたー…明日で帰るから絶対
勝っておきたかったんだけどなぁ」
穏乃
「通算で791勝709敗かぁ…
けっこう差がついちゃったね」
淡「……」
淡「そ、それなんだけどさ。
ツケにしといてあげてもいいよ?」
穏乃
「ツケ?」
淡「そ。だってほら、1000勝とかなら
ともかく、ここで終わっても微妙じゃん。
私もなんか勝った気がしないし」
淡「だから、勝負はお預けで。
つ、続きは帰ってから!」
穏乃
「……うん!」
淡「別に直接会えなくっても
ケータイがあればいくらでも連絡は取れるし!」
穏乃
「ネット麻雀とかネットで
対戦できるゲームだっていっぱいある!」
淡「負け逃げは許さないからね!
完膚なきまで叩きのめしてあげるよ!」
穏乃
「こっちの台詞だってば!
私に1000回負けて泣きじゃくるのは
目に見えてるんだから!」
淡「……」
穏乃
「……」
淡・穏乃
「……」くすっ
淡・穏乃
「あははははははっ!」
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--------------------------------------------------------
憧「ちょっとシズ。最近アンタ携帯ばっか見すぎ」
穏乃「そんなに見てる?」
憧「ほとんど睨めっこ状態じゃん。
もしかしてアンタ、
あの子の事好きだったりするわけ?」
穏乃「いっ、いやいや淡はそういうのじゃないってば!
言うなれば強敵と書いてライバル?」
憧「確かに知能指数はどっこいな感じするけどね」
憧「ま、とにかくちょっと控えなさいよ?
少なくとも麻雀打ってる時くらい
電源切っときなさい」
穏乃
「…はーい」
……
『From:シズノ
---------------------------------------------------
部活やるからちょっと離脱する! 』
淡「えぇー!!今ちょうどいいところじゃん!
部活と私とどっちが大切なの!?」
誠子
「いや、そりゃ部活だろうし
そもそもお前も部活中なんだけど?」
淡「ネット麻雀なんだから
練習してるようなもんだって!
シズノとは来年も再来年もどうせ
戦う事になるんだし、偵察だよ!偵察!!」
尭深
「…それはわかるけど…
皆との練習もしなくちゃ駄目だよ?」
尭深
「これから、弘世先輩や宮永先輩に代わって
私達が指導していかないといけないんだから」
淡「……はーい」
淡(って、テルや菫先輩がいなくなった今、
シズノより強い人なんていないしなぁ)
淡(指導はともかく、私がシズノと打つのは
白糸台高校のためにも
悪い事じゃないと思うんだけど?)ポチポチ
淡(というわけでこっそり続けちゃおう!)
淡(…て、シズノ電源切ってる…
別に切らなくてもいいじゃん)
淡(…なんかもやもやする)
--------------------------------------------------------
淡「なんで携帯の電源切ってたのさー」
穏乃
『私だって続けたかったけどさー、
部活中だから切れって言われちゃって』
淡「ちぇー…私と部活どっちが大事なのさ!」
穏乃
『ごめんごめん。その代わりといっちゃなんだけど、
部活以外の時間は全部淡に使うからさ!』
淡「ん、よろしい。
でもやっぱり直接会いたいなぁ」
穏乃
『遠いからなかなか難しいよなぁー。
冬休みとか春休みとかくらいしか』
淡「白糸台の遠征って名目で行けないかなぁ」
穏乃
『…うち4人しかいないんだけど。
団体戦の模擬戦すらできないよ?』
淡「あー…そう言えばそうだった。
ていうか来年大丈夫なの?
人数不足でインターハイ出場できず、
とかやめてよね?」
穏乃
『そ、そこはなんとか頑張る…』
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
穏乃
「ごめん、淡…うち、
インターハイ出られなさそう…」
淡「はぁ!?なんで!?」
穏乃
「前言ったとおりになっちゃった…
メンバーが集まらないんだ。
うち元々麻雀部なかったくらいだし」
淡「そ、そんな!一人くらい
数合わせで何とでもなるでしょ!?」
穏乃
「そんな簡単じゃないんだってば。
とりあえず麻雀できる人って条件で
探して見つからないんだし」
穏乃
「かといってずぶの素人なんて連れてきても、
うちには晩成がいるから地区予選を
突破できないんだよ…」
穏乃
「だから…ごめん」
淡「そんなぁ……」
--------------------------------------------------------
穏乃
「淡ごめん。今年も無理っぽい」
淡「……」
淡「ま、去年駄目だったなら
今年は余計駄目だろうとは思ってたけどさ」
穏乃
「ほんとごめん。東京には何かしら
理由つけて遊びに行くから」
淡「うん……」
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--------------------------------------------------------
淡「…結局、阿知賀の出場はあの1年だけかぁ」
穏乃
「変なジンクスできちゃったなぁ。
赤土先生の時もそうだったんだよね」
穏乃
「1年だけ伝説のごとく勝ち進んで、
でもその後は全国からふっと消える、みたいな」
穏乃
「……ホント、ごめん」
淡「……」
淡「ま、過ぎた事は仕方ない!
その代わり、来年からはみっちり
付き合ってもらうからね!」
穏乃
「来年?」
淡「来年私ら大学生じゃん。
そしたら一人暮らしだってできるし
大学だって選べる」
淡「いっそ東京の大学選びなよ!
そしたらもう人数不足で悩む事なんてないし、
何より二人で遊び放題だよ!」
穏乃
「……そっか。言ってなかったっけ」
淡「え、なに?」
穏乃
「私さ…高校卒業したら、
実家の和菓子屋を継ぐんだよね」
淡「はぁっ!?何それ聞いてない!!」
穏乃
「ごめ…言ったと思ってた」
淡「そんな!?じゃぁ私はどうすればいいの!?
2年生の時も、3年生の時も会えなくて!
それでも大学なら…って我慢してたのに!」
淡「ずっと…!ずっと我慢してたんだよ!?」
穏乃
「…ごめん」
淡「……」
淡「ふーん」
淡「頑張って覆そうとは思わないんだ?」
淡「わかったよ。そっちがその気なら
こっちにも考えがある!」
穏乃
「…?」
淡「高鴨穏乃!アンタに100回勝負を申し込む!」
淡「アンタが勝ったら好きにしていい。
和菓子屋でもなんでも勝手に継いじゃいなよ」
淡「でも、私が勝ったら…
アンタには私のものになってもらう!」
淡「東京に出てきて私の指定した
大学に入ってもらうし、
私の部屋で暮らしてもらうから!」
穏乃
「はぁっ!?滅茶苦茶すぎでしょ!
そんな条件飲めるはずが…!」
淡「ふーん?私に勝てる自信がないんだ?
私は勝手にライバルだと思ってたけど、
どうやら買いかぶり過ぎてたみたい!」
淡「肝心なところで怖じ気づいちゃう
スーパー雑魚だったんだ?」
淡「ま、でも仕方ないかもね?
状況に負けて、私に謝ってばっかりの
弱気な駄目シズノじゃぁね!」
穏乃
「ムカッ!!」
穏乃
「大人しく聞いてたら言いたい放題
言ってくれるじゃんか!」
穏乃
「私だって、私だって…!
この二年間、淡と遊べなくて
ずっと苦しんできたんだ!」
穏乃
「いいよ、その勝負受けて立ってやる!」
穏乃
「私が勝ったら好きにしていいんだよね?
だったら、淡には奈良に引っ越してもらうから」
淡「え?」
穏乃
「私と一緒に和菓子屋を継いでもらうからね?」
淡「…いいよ!いったんは怯んだような雑魚に
私が負けるはずがないもの!」
穏乃
「むむむむむー!!」
淡「むむむむむー!!」
穏乃
「……」
淡「……」
淡・穏乃「勝負だ!!」
--------------------------------------------------------
淡・穏乃「というわけでレフェリーお願い」
憧(…めんどくさ)
憧「ま、ちゃっちゃと終わらせましょっか。
で?何で勝負するつもりなの?」
淡・穏乃「告白100本勝負!」
憧「帰っていい?」
穏乃
「いやさ、やっぱりこう、
お互いの人生を大きく左右する勝負なわけだし。
特別な勝負をしたいよね」
淡「そうでもなくても私達
いい加減ほとんどの勝負やりつくしてるしねー」
憧「帰っていい?」
穏乃
「というわけで二人で頭を捻った結果、
プロポーズ合戦とかいいんじゃない?
ってなったんだよ」
淡「お互いに100回プロポーズして、
より相手をきゅんってさせた方が勝ち!」
憧「帰っていい?」
穏乃
「でもさ、それだと淡はきゅんってなっても
我慢して『なってませんー。ときめいてませんー』とか
言い出すかもしれないし」
淡「シズノが言い訳できないように
第三者に評価してもらおうってわけ」
憧「帰っていいかって聞いてるでしょ!?」
淡・穏乃「いいわけないでしょ(だろ)!!」
憧「ていうか何アンタ達付き合ってたの?
そこからして初耳なんだけど」
穏乃
「え、そこは、その…まだっていうか…///」
淡「こ、この際ここで一気に
告白しちゃおうかなって…///」
憧「付き合ってないの!?なのに
告白合戦なんて選んじゃったの!?」
穏乃
「……///」
淡「……///」
憧「あ、もういいわ早くやっちゃって。
この甘酸っぱい雰囲気に耐えられない」
--------------------------------------------------------
……
穏乃
「あの日の夜。二人で勝負した時から
ずっと好きだった」
穏乃
「私と一緒に和菓子屋を継いでほしい」
淡「ふぁっ…///」
穏乃
「どう憧!今の私の勝ちだよね!」
憧「あーはいはい、シズに1P」
淡「ふ、ふんだ///次は私の番だもんね!」
……
淡「アンタに会うまで、私は一人ぼっちだった。
本当の意味で、心を全部許せる人なんて
誰もいなかった」
淡「シズノ以上に、私が全てをさらけ出せる相手はいない。
私は、シズノがいないと駄目なんだよ」
淡「だから、お願い…」
淡「一人にしないで」
穏乃
「……っ」
穏乃
「あわいぃいいいいっ!!」ぎゅーっ!
淡「シズノォォオオオッ!!」ぎゅーっ!
穏乃
「私もだよ!…淡ほど全部がピッタリ来る人は
他にはいない!」
淡「だよね!もう、ホント好きー!」すりすりすり
穏乃
「私も好きだー!!」すりすりすり
憧「あはは、今月の咲日和最高だわ」
淡・穏乃「聞けよ!!」くわっ!
憧「なんで聞いてないといけないのよ!!!」くわっ!
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
宥「…そ、それで結局どうなったの…?」
憧「100勝100敗でドロー」
玄「あー……」
憧「まぁでも、告白しまくってるうちに
なんか意見がまとまったらしいわ」
憧「結局二人一緒でいられるなら
無理に大学に行く必要もないって事で、
大星淡がシズの家に嫁ぐことに決めたみたい」
憧「まったく、私何のために徹夜で付き合ったんだか」
玄「あはは…なんというか、お疲れ様…」
憧「ホントにね…なんか、
シズを二人相手にしてる気分だったわ」
灼「で、その二人は今どこに?」
憧「あー、あの二人なら今頃…」
……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
淡「だーかーらー!私の方が絶対好きなんだってば!」
穏乃
「いーやここは譲れないね!
絶対私の方が好きなはずだよ!」
淡「私なんかシズノが屋上に
上ってきた時から好きだったもんね!」
穏乃
「そんなの私だって同じですー!」
淡「あ、後ほら!私の方がメール送ってる回数多いよ!」
穏乃
「その代わりキスするのは私からの方が多いじゃん!」
穏乃
「むむむむむー!!」
淡「むむむむむー!!」
穏乃
「……」
淡「……」
淡・穏乃「勝負だ!!」
穏乃
「……」
淡「……」
淡「…私達、後何回勝負したら決着つくんだろうね」
穏乃
「さぁ。一生決着つかないかもね」
淡「まあそれでもいいけどねー」
穏乃
「うん。ずっと勝負しあってるのが
私達にはお似合いだよ」
淡「そだね。今日は何で勝負する?」
穏乃
「そうだなぁ…じゃあポッキーゲームで!」
淡「それ絶対ドローで終わるじゃん。
まあ別にいいけど」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
……
憧「またくだらない理由で
100回勝負してるんじゃない?」
憧「多分、一生終わらない100回勝負をさ」
(完)
インターハイ中、
山登りに対する禁断症状が出て
屋上へ駆け出した穏乃。
そんな穏乃は、屋上の階段室の上で
星を眺める淡と遭遇する。
「この階段室は今白糸台の領地だから
阿知賀は進入禁止!」
「はぁ!そんなの知らないよ!」
「じゃぁ勝負して決めよう!」
徹夜で勝負した二人は、
それからもことあるごとに
勝負を続けていって…?
<登場人物>
高鴨穏乃,大星淡,新子憧,その他
<症状>
・あえて言うなら共依存?
<その他>
次のリクエストに対する作品です。
・穏淡。淡がシズにちょっかい出す感じので…
2人とも明るく元気で相性も良さそうなだけに病むのが
創造しずらいなー
※ごめんなさい、あんまり病みませんでした
☆咲ワンというイベント用に書いたSSです。
よろしければこちらのサイトも覗いてみてください!
(投票期間は8月19日〜8月21日。
無理に私のSSに投票しなくてもいいです(笑))
http://isidorus560.info/
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穏乃
「山に登りたい」
憧「諦めなさい。ていうか今
インターハイ真っ只中なんだけど?」
穏乃
「私は3日に一度は山登りしないと
禁断症状が出るんだよ!
東京に来てもう何日になると思ってるのさ!」
憧「いやそんな事言われても。
大体、こんな都会のど真ん中に
山なんてあるわけないじゃない」
穏乃
「そこをなんとか!
標高500m級でいいから!」
憧「思ったより高っ!だから
あるわけないって言ってるでしょ!」
穏乃
「〜〜〜〜!!いいよもう!
だったら屋上で我慢する!」
穏乃
「あ、ホントに我慢できなくなってきた。
ちょっと今から登ってくる!」
憧「今から!?もう夜なんだけど!?」
穏乃
「うぉぉぉおおお
みなぎってきたぁああーっ!!
山が私を待っているーーっ!!!」
憧(あ、これ止めても無理だ)
憧「あーもう、好きにしな。
でもホテルが施錠される前には
帰ってきなさいよ?」
穏乃
「了解!!いってきまーーーす!!!」
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ダダダダダダダダッ!
ダダッ!!
穏乃
「屋上!登頂成功!!」
穏乃
「って全然物足りない!」
穏乃
「あ、この階段室上に上れそう。
これに上ったらもう少しは気分晴れるかな」
カンッ、カンッ、カンッ
穏乃
「んしょんしょっ…あれ?」
淡「……」
穏乃
「大星…さん?」
淡「ん、誰…って、高鴨穏乃!?」
穏乃
「大星さん…どうしてここに?」
淡「そりゃスーパーノヴァ淡ちゃんなんだから
星を見るために決まってるでしょ」
穏乃
「なるほど。確かにここなら、
ちょっとは星が見えるかも」んしょ
淡「ってちょっと何
勝手に入ってこようとしてるの!
ここは今私の領地だから!
高鴨穏乃は立ち入り禁止!!」
穏乃
「はぁ!?何言ってるんですか!
屋上なんか誰のものでもないでしょう!?
いや多分持ち主はいるけど!」
淡「知ーりーまーせーんー!
今この屋上は白糸台高校の領土ですー!
ていうかアンタこそなんで
こんな時間にこんなところに来たの!」
穏乃
「そこに山があるからですよ!」
淡「ないよ!?」
穏乃
「私はこの屋上を山と決めたんです!
山である以上は登頂しないと気が済まない!
何が何でも登らせてもらいますよ!」
淡「何それ意味わかんない!
わかんないけど絶対に
登らせてやんないから!!」
穏乃
「むむむむむー!!」
淡「むむむむむー!!」
穏乃
「……」
淡「……」
淡・穏乃「勝負だ!!」
淡「何かで100回勝負して
勝った方がこの屋上を占拠する!
それでいい?」
穏乃
「いいですとも!」
淡「あ、って言っても元々は
私の領土だったんだし、
そこはアドバンテージもらうからね。
具体的には10勝分くらい」
穏乃
「んー、まぁそのくらいは仕方ないかぁ。
でも何やるんですか?」
淡「そりゃ私達がやる事なんて
麻雀以外ないでしょ」
穏乃
「インハイの出場者同士は
対戦できませんってば」
淡「えぇー!?そんなの聞いてないー!」
穏乃
「まあ私も赤土先生に言われなかったら
知らなかったと思うけど」
淡「むむむー…
麻雀ができないとなると…うーん」
穏乃
「うーん」
--------------------------------------------------------
穏乃
「いっせーのーせー…いち!
やった私の勝ちだ!」
淡「うぁああああーっ!!負けたーー!!!」
穏乃
「これで51勝49敗…!
あ、ちょうど100回だ!
決着ついたんじゃない?」
淡「はぁ!?何言ってんの!?
思いっきり中途半端じゃん!」
淡「100回勝負なんだから、
相手を先に100回倒した方が
勝ちに決まってるでしょ!
そんな常識もわからないの!?」
穏乃
「そんな常識知りませんー。
淡国のルールを押し付けないでくださいー」
淡「残念でしたー。まだこの階段室は淡国だから
淡国の法律が適用されますー」
穏乃
「むむ、一理ある」
淡「わかったら続ける!大丈夫、
ここから私が51連勝すれば
今までの半分の時間で終わるから!」
穏乃
「こっちの台詞だよ!!
こうなったら言い訳できないくらい
完璧に叩きのめしてやる!」
--------------------------------------------------------
淡「やった…!これで100勝…!
つまり、私の勝ち…!!」
淡「やったーーー!!!」
淡「テル、菫先輩!私やったよ!
白糸台の領土を守り切ったんだ!」
淡「イェー!!!」
穏乃
「も、もう一回!もう100回勝負!!」
淡「さすがにもう時間的に無理だってば。
ていうか、アンタもう
陣地入ってきちゃってるじゃん。勝手に」
穏乃
「そりゃはしご上りながら勝負とか無理だし。
あ、じゃぁいつの間にか領地を侵略してた
私の戦略勝ちってことで」
淡「いやいや何言ってるの。
私がお情けで淡国の住民として
入国を許可してあげただけだから」
淡「下々の高鴨穏乃は女王である私に
跪くべきでしょ」
淡「わかったら早く
『図々しくも負け犬が
淡様に楯突いて申し訳ありませんでした』
って絶叫しなよ!」
穏乃
「絶対に言うもんか!言ってほしいなら
もう100回勝負やりなよ!」
淡「むむむむむー!!」
穏乃
「むむむむむー!!」
淡「……」
穏乃
「……」
淡・穏乃「勝負だ!!」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
淡「た…ただいまぁ……」
菫「フラフラじゃないか…!
お前、結局昨日はどこ行ってたんだ」
淡「や、前もって言った通り屋上だけど」
照「一晩中星を見てたの?」
淡「んー…」
淡「白糸台の領土を守ってた」
菫「…このホテルは白糸台の領土じゃないが?」
……
憧「シズ、アンタ昨日どこ行ってたのよ!?
結局一晩戻ってこないし…!」
憧「まさか屋上で我慢できなくて、本当に山まで
行っちゃったんじゃないでしょうね!?」
穏乃
「…いや、屋上は屋上だったんだけど…」
憧「だけど?」
穏乃
「…宿敵と戦ってた」
憧「何それ」
穏乃
「あーもう悔しい!次は絶対に私が勝つ!」
憧「いやだから何と戦ってきたっていうのよ」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
穏乃
「行ってきまーす!」
憧「ちょ、シズ!今日も行くの!?」
穏乃
「東京にいる間に決着をつけないと駄目なんだ!」
穏乃
「ごめん!行ってくる!」
憧「あっ、シズっ…!」
憧「…あーあー、あんなに目を輝かせてまぁ」
憧「もしかして恋とか?
って、あのシズに限ってそれはないか」
……
穏乃
「あーわーいー!おまたせー!!」
淡「遅い!これはペナルティで負け3回分だね」
穏乃
「ずっこ!王者なら王者らしく
寛大に見逃すところだろ!」
淡「王者だからこそ厳しく罰するんですー!
…で、何する?今日の100回勝負」
穏乃
「UNO持ってきた!」
淡「二人でUNOとか不毛すぎでしょ。
私はトランプ持ってきたけど」
穏乃
「あ、そっちの方がいいかも!でかした!淡」
淡「へへーん!とりあえず私の一勝ね!」
穏乃
「むむむ、いいもんね!
本番の勝負ではぶっちぎりで勝つから!」
--------------------------------------------------------
穏乃
「ふっふっふ…!今日は勝ってきた!」
憧「そりゃよかった。で、通算何勝何敗なの?」
穏乃
「523勝477敗かな」
憧「多っ!!バカなのアンタ達!?」
穏乃
「100回単位で勝負してるんだけどさ。
どっちが勝っても引き下がらないから
ズルズルとねー」
憧「バカでしょアンタ達」
穏乃
「帰るまでに1000回倒して、
負けを認めさせたいなぁ」
憧「…まさかシズ並みのおバカが
他にもいたとはねぇ」
穏乃
「バカバカ言うな!バカって言う奴が
バカなんだからな!」
憧「そういう事言っちゃうのがまたおバカなのよ」
穏乃
「むー」
穏乃
(…でも、実際そうなんだよね)
穏乃
(淡は、私のバカな思い付きに
全力で向かってきてくれる)
穏乃
(昔の憧と一緒に居るような感じなんだよな)
穏乃
(今の憧も付き合ってはくれるけど、
どっちかっていうと『はいはい』って感じ)
穏乃
(…正直周りのみんなが全員大人びてきて、
私一人だけ置いてきぼりくらったように
感じる事もあるけど)
穏乃
(淡といると、そう言うのを全然感じないんだ。
すごく、すっごく居心地がいい)
穏乃
(大会終わってからも…淡と勝負できるといいのにな)
--------------------------------------------------------
淡「今日は負けたー!悔しい!」ぼすっ
淡「ま、でもいっか。
明日取り返せばいいんだもんね!」
淡「明日は何しようかな。またトランプでもいいけど…」
淡「そう言えばコンビニにオセロあったっけ。
ま、この手の知的ゲームは
シズノが不利になるから
ちょっとフェアじゃないけど!」
淡「よーし明日は知将になってシズノを
叩きのめしちゃおう!」
淡「……」
淡(って、なんか私、最近ずっとシズノの事
ばっかり考えてるなぁ)
淡(シズノといると楽しい。
ムカつくんだけど楽しい)
淡(ノリが近いからかな?
菫先輩とかだったら、100回勝負するとか言っても
『馬鹿なのか?』の一言で終わりそうだよね)
淡(でもシズノはのってくる。
それも、嫌々じゃなくて本気で。
それが、すっごく楽しいんだ)
淡(シズノみたいなのは白糸台にはいない。
ううん。白糸台だけじゃなくて、
今まで会ってきた人全員合わせても)
淡(……)
淡(ずっと、シズノと勝負してたいな)
淡(シズノ、帰らなきゃいいのに)
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
淡「よっし勝った!今日は私の勝ち!」
穏乃
「負けたー…明日で帰るから絶対
勝っておきたかったんだけどなぁ」
穏乃
「通算で791勝709敗かぁ…
けっこう差がついちゃったね」
淡「……」
淡「そ、それなんだけどさ。
ツケにしといてあげてもいいよ?」
穏乃
「ツケ?」
淡「そ。だってほら、1000勝とかなら
ともかく、ここで終わっても微妙じゃん。
私もなんか勝った気がしないし」
淡「だから、勝負はお預けで。
つ、続きは帰ってから!」
穏乃
「……うん!」
淡「別に直接会えなくっても
ケータイがあればいくらでも連絡は取れるし!」
穏乃
「ネット麻雀とかネットで
対戦できるゲームだっていっぱいある!」
淡「負け逃げは許さないからね!
完膚なきまで叩きのめしてあげるよ!」
穏乃
「こっちの台詞だってば!
私に1000回負けて泣きじゃくるのは
目に見えてるんだから!」
淡「……」
穏乃
「……」
淡・穏乃
「……」くすっ
淡・穏乃
「あははははははっ!」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
憧「ちょっとシズ。最近アンタ携帯ばっか見すぎ」
穏乃「そんなに見てる?」
憧「ほとんど睨めっこ状態じゃん。
もしかしてアンタ、
あの子の事好きだったりするわけ?」
穏乃「いっ、いやいや淡はそういうのじゃないってば!
言うなれば強敵と書いてライバル?」
憧「確かに知能指数はどっこいな感じするけどね」
憧「ま、とにかくちょっと控えなさいよ?
少なくとも麻雀打ってる時くらい
電源切っときなさい」
穏乃
「…はーい」
……
『From:シズノ
---------------------------------------------------
部活やるからちょっと離脱する! 』
淡「えぇー!!今ちょうどいいところじゃん!
部活と私とどっちが大切なの!?」
誠子
「いや、そりゃ部活だろうし
そもそもお前も部活中なんだけど?」
淡「ネット麻雀なんだから
練習してるようなもんだって!
シズノとは来年も再来年もどうせ
戦う事になるんだし、偵察だよ!偵察!!」
尭深
「…それはわかるけど…
皆との練習もしなくちゃ駄目だよ?」
尭深
「これから、弘世先輩や宮永先輩に代わって
私達が指導していかないといけないんだから」
淡「……はーい」
淡(って、テルや菫先輩がいなくなった今、
シズノより強い人なんていないしなぁ)
淡(指導はともかく、私がシズノと打つのは
白糸台高校のためにも
悪い事じゃないと思うんだけど?)ポチポチ
淡(というわけでこっそり続けちゃおう!)
淡(…て、シズノ電源切ってる…
別に切らなくてもいいじゃん)
淡(…なんかもやもやする)
--------------------------------------------------------
淡「なんで携帯の電源切ってたのさー」
穏乃
『私だって続けたかったけどさー、
部活中だから切れって言われちゃって』
淡「ちぇー…私と部活どっちが大事なのさ!」
穏乃
『ごめんごめん。その代わりといっちゃなんだけど、
部活以外の時間は全部淡に使うからさ!』
淡「ん、よろしい。
でもやっぱり直接会いたいなぁ」
穏乃
『遠いからなかなか難しいよなぁー。
冬休みとか春休みとかくらいしか』
淡「白糸台の遠征って名目で行けないかなぁ」
穏乃
『…うち4人しかいないんだけど。
団体戦の模擬戦すらできないよ?』
淡「あー…そう言えばそうだった。
ていうか来年大丈夫なの?
人数不足でインターハイ出場できず、
とかやめてよね?」
穏乃
『そ、そこはなんとか頑張る…』
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
穏乃
「ごめん、淡…うち、
インターハイ出られなさそう…」
淡「はぁ!?なんで!?」
穏乃
「前言ったとおりになっちゃった…
メンバーが集まらないんだ。
うち元々麻雀部なかったくらいだし」
淡「そ、そんな!一人くらい
数合わせで何とでもなるでしょ!?」
穏乃
「そんな簡単じゃないんだってば。
とりあえず麻雀できる人って条件で
探して見つからないんだし」
穏乃
「かといってずぶの素人なんて連れてきても、
うちには晩成がいるから地区予選を
突破できないんだよ…」
穏乃
「だから…ごめん」
淡「そんなぁ……」
--------------------------------------------------------
穏乃
「淡ごめん。今年も無理っぽい」
淡「……」
淡「ま、去年駄目だったなら
今年は余計駄目だろうとは思ってたけどさ」
穏乃
「ほんとごめん。東京には何かしら
理由つけて遊びに行くから」
淡「うん……」
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
淡「…結局、阿知賀の出場はあの1年だけかぁ」
穏乃
「変なジンクスできちゃったなぁ。
赤土先生の時もそうだったんだよね」
穏乃
「1年だけ伝説のごとく勝ち進んで、
でもその後は全国からふっと消える、みたいな」
穏乃
「……ホント、ごめん」
淡「……」
淡「ま、過ぎた事は仕方ない!
その代わり、来年からはみっちり
付き合ってもらうからね!」
穏乃
「来年?」
淡「来年私ら大学生じゃん。
そしたら一人暮らしだってできるし
大学だって選べる」
淡「いっそ東京の大学選びなよ!
そしたらもう人数不足で悩む事なんてないし、
何より二人で遊び放題だよ!」
穏乃
「……そっか。言ってなかったっけ」
淡「え、なに?」
穏乃
「私さ…高校卒業したら、
実家の和菓子屋を継ぐんだよね」
淡「はぁっ!?何それ聞いてない!!」
穏乃
「ごめ…言ったと思ってた」
淡「そんな!?じゃぁ私はどうすればいいの!?
2年生の時も、3年生の時も会えなくて!
それでも大学なら…って我慢してたのに!」
淡「ずっと…!ずっと我慢してたんだよ!?」
穏乃
「…ごめん」
淡「……」
淡「ふーん」
淡「頑張って覆そうとは思わないんだ?」
淡「わかったよ。そっちがその気なら
こっちにも考えがある!」
穏乃
「…?」
淡「高鴨穏乃!アンタに100回勝負を申し込む!」
淡「アンタが勝ったら好きにしていい。
和菓子屋でもなんでも勝手に継いじゃいなよ」
淡「でも、私が勝ったら…
アンタには私のものになってもらう!」
淡「東京に出てきて私の指定した
大学に入ってもらうし、
私の部屋で暮らしてもらうから!」
穏乃
「はぁっ!?滅茶苦茶すぎでしょ!
そんな条件飲めるはずが…!」
淡「ふーん?私に勝てる自信がないんだ?
私は勝手にライバルだと思ってたけど、
どうやら買いかぶり過ぎてたみたい!」
淡「肝心なところで怖じ気づいちゃう
スーパー雑魚だったんだ?」
淡「ま、でも仕方ないかもね?
状況に負けて、私に謝ってばっかりの
弱気な駄目シズノじゃぁね!」
穏乃
「ムカッ!!」
穏乃
「大人しく聞いてたら言いたい放題
言ってくれるじゃんか!」
穏乃
「私だって、私だって…!
この二年間、淡と遊べなくて
ずっと苦しんできたんだ!」
穏乃
「いいよ、その勝負受けて立ってやる!」
穏乃
「私が勝ったら好きにしていいんだよね?
だったら、淡には奈良に引っ越してもらうから」
淡「え?」
穏乃
「私と一緒に和菓子屋を継いでもらうからね?」
淡「…いいよ!いったんは怯んだような雑魚に
私が負けるはずがないもの!」
穏乃
「むむむむむー!!」
淡「むむむむむー!!」
穏乃
「……」
淡「……」
淡・穏乃「勝負だ!!」
--------------------------------------------------------
淡・穏乃「というわけでレフェリーお願い」
憧(…めんどくさ)
憧「ま、ちゃっちゃと終わらせましょっか。
で?何で勝負するつもりなの?」
淡・穏乃「告白100本勝負!」
憧「帰っていい?」
穏乃
「いやさ、やっぱりこう、
お互いの人生を大きく左右する勝負なわけだし。
特別な勝負をしたいよね」
淡「そうでもなくても私達
いい加減ほとんどの勝負やりつくしてるしねー」
憧「帰っていい?」
穏乃
「というわけで二人で頭を捻った結果、
プロポーズ合戦とかいいんじゃない?
ってなったんだよ」
淡「お互いに100回プロポーズして、
より相手をきゅんってさせた方が勝ち!」
憧「帰っていい?」
穏乃
「でもさ、それだと淡はきゅんってなっても
我慢して『なってませんー。ときめいてませんー』とか
言い出すかもしれないし」
淡「シズノが言い訳できないように
第三者に評価してもらおうってわけ」
憧「帰っていいかって聞いてるでしょ!?」
淡・穏乃「いいわけないでしょ(だろ)!!」
憧「ていうか何アンタ達付き合ってたの?
そこからして初耳なんだけど」
穏乃
「え、そこは、その…まだっていうか…///」
淡「こ、この際ここで一気に
告白しちゃおうかなって…///」
憧「付き合ってないの!?なのに
告白合戦なんて選んじゃったの!?」
穏乃
「……///」
淡「……///」
憧「あ、もういいわ早くやっちゃって。
この甘酸っぱい雰囲気に耐えられない」
--------------------------------------------------------
……
穏乃
「あの日の夜。二人で勝負した時から
ずっと好きだった」
穏乃
「私と一緒に和菓子屋を継いでほしい」
淡「ふぁっ…///」
穏乃
「どう憧!今の私の勝ちだよね!」
憧「あーはいはい、シズに1P」
淡「ふ、ふんだ///次は私の番だもんね!」
……
淡「アンタに会うまで、私は一人ぼっちだった。
本当の意味で、心を全部許せる人なんて
誰もいなかった」
淡「シズノ以上に、私が全てをさらけ出せる相手はいない。
私は、シズノがいないと駄目なんだよ」
淡「だから、お願い…」
淡「一人にしないで」
穏乃
「……っ」
穏乃
「あわいぃいいいいっ!!」ぎゅーっ!
淡「シズノォォオオオッ!!」ぎゅーっ!
穏乃
「私もだよ!…淡ほど全部がピッタリ来る人は
他にはいない!」
淡「だよね!もう、ホント好きー!」すりすりすり
穏乃
「私も好きだー!!」すりすりすり
憧「あはは、今月の咲日和最高だわ」
淡・穏乃「聞けよ!!」くわっ!
憧「なんで聞いてないといけないのよ!!!」くわっ!
--------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------
宥「…そ、それで結局どうなったの…?」
憧「100勝100敗でドロー」
玄「あー……」
憧「まぁでも、告白しまくってるうちに
なんか意見がまとまったらしいわ」
憧「結局二人一緒でいられるなら
無理に大学に行く必要もないって事で、
大星淡がシズの家に嫁ぐことに決めたみたい」
憧「まったく、私何のために徹夜で付き合ったんだか」
玄「あはは…なんというか、お疲れ様…」
憧「ホントにね…なんか、
シズを二人相手にしてる気分だったわ」
灼「で、その二人は今どこに?」
憧「あー、あの二人なら今頃…」
……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
淡「だーかーらー!私の方が絶対好きなんだってば!」
穏乃
「いーやここは譲れないね!
絶対私の方が好きなはずだよ!」
淡「私なんかシズノが屋上に
上ってきた時から好きだったもんね!」
穏乃
「そんなの私だって同じですー!」
淡「あ、後ほら!私の方がメール送ってる回数多いよ!」
穏乃
「その代わりキスするのは私からの方が多いじゃん!」
穏乃
「むむむむむー!!」
淡「むむむむむー!!」
穏乃
「……」
淡「……」
淡・穏乃「勝負だ!!」
穏乃
「……」
淡「……」
淡「…私達、後何回勝負したら決着つくんだろうね」
穏乃
「さぁ。一生決着つかないかもね」
淡「まあそれでもいいけどねー」
穏乃
「うん。ずっと勝負しあってるのが
私達にはお似合いだよ」
淡「そだね。今日は何で勝負する?」
穏乃
「そうだなぁ…じゃあポッキーゲームで!」
淡「それ絶対ドローで終わるじゃん。
まあ別にいいけど」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
……
憧「またくだらない理由で
100回勝負してるんじゃない?」
憧「多分、一生終わらない100回勝負をさ」
(完)
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大笑いしましたよ!
淡瀕死>
穏乃
「私の嫁なら慣れてもらわないと」
淡「3000m級は勘弁して…!」
いつもの黒さとは真逆の真っ白さ>
穏乃
「黒くしようとして
ならなかったらしいです」
淡「できなくはないけど
すっごく長くなるんだよねー」
甘酸っぺーーー>
淡「いやだってシズノが性的なアレとか
想像つかないし」
穏乃
「強敵と書いてライバルがちょうどいい!」
>心理描写が丁寧なので凄く腑に落ちる
穏乃
「初めて見た人は『なんでこの二人?』って
疑問を感じると思ったんです。
だから経緯をじっくり書きました。
淡「だからこの感想はすっごく嬉しい!」