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【咲-Saki-SS:久美】久「貴女に、最高のプレゼントを」【誕生日SS】【あまあま】

<あらすじ>
福路美穂子誕生日ということで
あまあまSSです。超短編。

<登場人物>
竹井久,福路美穂子,池田華菜,文堂星夏

<症状>
・あまあま
・ヤンデレ要素はありません

<その他>
・特になし。
 あえて言うと池田がちょっとかわいそうですが
 池田自身は別にキャプテンに恋心を抱いてるわけではなく
 忠猫という設定なのでお許しを。


--------------------------------------------------------







9月23日、11時59分。







--------------------------------------------------------




時計の長針がカチカチと時を刻み、
9月24日0時0分に差し掛かった時。

突如、部屋に携帯電話の
振動音が鳴り響きました。


「わっ、わわっ!?」


机に置かれたその振動は、
予想以上の大きさで。

私は驚き戸惑いながら、慣れない手つきで
バイブレーションを停止させます。

画面には紙飛行機のマークが
表示されていました。
どうやらあのけたたましい音は、
メールの着信を通知していたようでした。


「…こんな時間に誰かしら」


なんて、送り主を確認しようと携帯電話を操作して。
心臓が一気に跳ね上がります。

画面に表示された送り主。それは、
私が密かに恋焦がれている相手だったのです。


『From:竹井久(上埜さん)
 ---------------------------------------------------
 誕生日おめでとう!これからもよろしくね!      』


文字数にしてたったの20文字。それでも、
その20文字が私に与えた衝撃はすさまじく。

思わず見開いた両目から、
涙が滲んでしまう程でした。


「そう…そう言えば私、今日誕生日だったのね」


私はぽそりと独り言ちます。
そして、それを口に出して言葉にしたら、
より一層思いがこみ上げてきました。


自分でも忘れていた誕生日。
それを、あの人が知っていたのが嬉しくて。
誰よりも早く祝ってくれたのが嬉しくて。

胸がいっぱいになって、つい携帯電話を
ぎゅっと抱き締めてしまいます。


「…って、そうだわ!返事しなきゃ!」


感極まって返事を忘れていた事に
気づきました。
慌てて携帯電話と睨めっこ。
操作に悪戦苦闘して、文章を考えるのに
ひとしきり頭を悩ませて。

気づけばメールをもらってから
送信ボタンを押すまでに、
たっぷり10分もかかっていました。

それでも、送信ボタンを押して間もないうちに、
また携帯電話が振動し始めます。
今度は電話のようでした。

相手は言うまでもなく久で。
私は動揺を気取られないように深呼吸すると、
意を決して通話ボタンをタッチします。

途端、スピーカーから
明るい久の声が飛んできました。


『やっほー美穂子。今ちょっと外に出られる?』

「え、ええと…?外って、
 どこに行けばいいのかしら?」

『あ、ホントにちょっと外よ?
 玄関を出るだけでいいわ』

「…?え、ええ…それならすぐ出られるけれど」


久の真意がつかめませんでした。
戸惑いながらも、言われるがままに
玄関の扉を開けます。


そして、私は驚きのあまり息をのみました。
だって、だって、そこに居たのは…!


「誕生日おめでとう!美穂子さんに
 プレゼントをお届けにまいりました!」


自らの体をリボンに包んだ、
竹井久その人だったんですから。



--------------------------------------------------------







『…数日前』







--------------------------------------------------------



『ねえねえ、美穂子の誕生日っていつ?』

『…いきなり電話してきたと思ったらなんだし。
 ていうか、なんで私が教えなきゃいけないんだし。
 知りたきゃ本人に聞けばいいじゃないか』

『本人に聞いちゃったらサプライズ感が薄れるでしょう?
 なんで知ってるの!?みたいな驚きが欲しいのよ』

(…それストーカーを疑われるだけだし。
 あ、そうか。ストーカーと思われて
 嫌われてしまえばいいし)

 『……9月24日だし』

『ありがと!ついでに言うと
 美穂子が欲しがってそうなものを
 教えてくれるとなおよし!』

『そんなの突き止めてたら私が自分で
 キャプテンにプレゼントするし』

『ていうか、知ってても
 竹井さんにだけは絶対教えないし』

『なんでよ』

『敵に塩を送る奴がどこにいるんだ』

『ありゃ?池田さんって
 私のライバルになりうる人なのかしら?』

『違うし!違うけど竹井さんは駄目だし!
 なんかタラシっぽい雰囲気がぷんぷんするし!』

『私はただ、悪い虫からキャプテンを
 守りたいだけだし!』

『失礼ねぇ。生まれてこの方
 誰かと付き合った事なんてないのに』

『…あ、池田先輩。その電話の相手って、
 もしかして清澄高校の竹井さんですか?』

『そうだけど…何だし?』

『ちょっと変わってもらってもいいですか?』

『…ほら』

『あ、竹井さんですか?風越の文堂です。
 9月24日に、うちの麻雀部で
 キャプテンの誕生日会をするつもりなんですけど
 竹井さんも参加しませんか?』

『文堂ぉぉお!?人の話聞いてたなら
 もうちょっと空気読むしぃぃい!?』

『す、すいません…でも、竹井さんが参加してくれたら
 キャプテン絶対喜びますし…
 私竹井さんの連絡先知りませんから』

『ふふ、ありがとう文堂さん。でも遠慮するわ』

『と言うより、その誕生日会…
 絶対に日付ずらした方がいいわよ?』

『?どうしてですか?』

『9月24日、美穂子は
 学校に来れないかもしれないから』

『なぁ!?何考えてるんだし!?』

『じゃーねー。誕生日教えてくれてありがとー』

『ちょっ!待てし竹井!勝手に切るな!竹井!!』



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「…というわけ。さすがに寝てたりしたら悪いから、
 前もってメールで起きてるか
 確認したってわけよ」

「そ、そう……」


私が淹れたコーヒーを
美味しそうに流し込みながら、
久はしたり顔で説明を終えました。

なるほど、それなら確かに誕生日を
知っていてもおかしくはありません。
でも…


「それって、家に押しかける理由には
 ならないんじゃ…?」


私の問い掛けに、久は少しだけ
逡巡したように目を泳がせると。

やがて、はにかみながらも、
私の両目を見据えて話始めました。


「……私ってね?こう見えて
 結構ロマンチストなのよ」

「今日は、貴女と再会して初めての誕生日。
 最高のプレゼントを贈りたい」

「でも、付き合いの長さで言えば、
 私は風越の部員にはかなわない。
 だから単純なプレゼントだったら、
 あの子達の方が、私が用意した物より
 よっぽど貴女にあった物を用意するでしょうね?」

「だから、賭けに出てみたの」


賭け?私が首をかしげると、
久は自分の首元をちょんちょんと指差します。


「そ、賭け。ほら見て?このリボン」

「もし、貴女の一番欲しいものが『私』だったなら…
 賭けは私の勝ちなんだけど」

「どうかしら?」


久が私を見つめます。
その目はいつも飄々とした久には
似つかわしくない程真剣で。

それでいて、どこか少しだけ、
不安の色を帯びている気がしました。

もっとも、そんな不安は
杞憂以外の何物でもありません。

だって、私は。久のその言葉を聞いただけで。
その強いまなざしで見つめられただけで。

涙腺が緩んで、泣き出してしまいそうな程に
喜んでいるのですから。


「…貴女の、勝ちよっ……ひさっ……」


震える声で何とかそれだけ告げると、
私は久の胸に頭を乗せます。


「…よかった。じゃあ、召し上がれ?」


久も安堵のため息をつくと、
私を優しく包み込んだのでした。



--------------------------------------------------------







9月24日、8時15分。







--------------------------------------------------------



「…ああ…この日が来てしまったし」

「竹井の奴、絶対何か企んでるはずだし…
 キャプテン、何もされてないといいけど…んん?」


ヴーーー、ヴーーー


「メール…嫌な予感しかしないし」ピッ


『From:福路美穂子(キャプテン)
 ---------------------------------------------------
 予定通り、今日は私達痛くて歩けないから
 学校休むわね?みんなの分も誕生日祝っておくから
 心配しないでいいわよ?     美穂子の竹井久より 』


「……」



「にゃーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」



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9月24日。それは、私福路美穂子の誕生日。

この日私は、今まで生まれてきた中で
最高のプレゼントをもらいました。

もらったものがあまりに大きすぎて
どう返せばいいかわからない程の。

そんな事を呟いたら、
あの人はにっこり微笑んで。

私を抱き締めながらこう言ったんです。


『だったら、11月13日に、今度は貴女を頂戴?』


私は頬を染めながら、
小さくこくりと頷きました。
11月13日。今度は私が贈る番。
待っていてくださいね?



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Happy Birthday!!



(完)
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posted by ぷちどろっぷ at 2015年09月24日 | Comment(6) | TrackBack(0) | 咲-Saki-
この記事へのコメント
リボンはアレですか? 極一般的なNAGANOスタイルですか?
Posted by at 2015年09月24日 19:52
咲ワンこれで参加でいいのではなかろうか
Posted by at 2015年09月25日 14:23
ぷちさんの部キャプが読めるなんて
とても嬉しいです!しかもあまあま…!
今年のみっぽ誕も部キャプで
盛り上がり幸せです!
Posted by at 2015年09月25日 14:40
あら^〜〜〜〜〜
Posted by at 2015年09月25日 20:03
happybirthday!
Posted by at 2015年09月25日 20:32
コメントありがとうございます!

リボンはアレですか?>
久「普通に服着てるわよ?」
はじめ
 「インパクトが足りないんじゃないかなぁ」

咲ワンこれで参加>
久「ぶっちゃけ短編なら1日で書けるから
  出ようと思えば出れたのよねー」

ぷちさんの部キャプが読めるなんて>
久「この手のあまあまは誕生日リクエスト
  以外だと受け付けないから
  貴重かもね?」
美穂子
 「普通のヤンデレを書いてもいいのよ?」
Posted by ぷちどろっぷ(管理人) at 2015年10月13日 11:21
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