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【咲-Saki-SS:照玄】照「松実館でお菓子中毒を克服する」【強迫】

<あらすじ>
玄「宮永さんはお菓子の食べ過ぎです!
  これは私が管理しないと!」

照「私は別に今のままでいいんだけど…
  まあ、お手柔らかによろしく」


<登場人物>
松実玄,宮永照,弘世菫

<症状>
・強迫観念

<その他>
以下のリクエストに対する作品です。
・照玄で玄ちゃんが病んでる感じで。
 ギャグかシリアスかはお任せ。
 →割とほのぼのな感じになりました。

※割と小ネタです。

※リクエストの都合上
 玄が若干原作より闇成分多めです。
 苦手な方はご注意を。



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玄(…うん。買い出しはこんなところかな)

玄(やっぱりこの時期じゃ売店にカイロはないよね…。
  随分遠回りしちゃったよ)

玄(みんな心配してるかも。
  急いで会場に戻らなくっちゃ)


照「……」


玄(あっ、えっ…?み、宮永さんだ。
  ど、どうしてこんな
  会場から遠いコンビニに…?)

照「……」

玄(す、すごい勢いでお菓子買ってる…。
  宮永さんも買い出しなのかな?)

照「すいません、このお菓子在庫在りますか?」

玄(て、店員さんを呼んでお菓子を箱買いしてる…
  そんな事できるんだ)

玄(で、でも3箱は買い過ぎだと思うけど)

玄(あれ、持って帰れるのかな)

玄(…ちょ、ちょっと心配だからこっそり見てよう)


照「……」

照「ちょっと買い過ぎたかな。前が見えない」


玄(言わんこっちゃないよ!)


照「だがしかし、強敵との対局で脳を摩耗した
  私には必須の量。是が非でも持ち帰らないと」

照「だがしかし……ん?…『駄菓子菓子』……?」


照「うん、駄菓子も欲しいかな」

玄「増やすの!?」


照「え?阿知賀の…松実玄さん?」

玄「あっ、ご、ごめんなさい!!
  つい驚いちゃって…!」

玄「で、でも買い過ぎですよ!
  今の量でも持ち帰れませんってば!」

照「むむ。やっぱり貴女もそう思う?
  どうしようかな…」

照「そうだ、妙案を思いついた。
  いっそ食べてしまうのはどうだろう」

玄「ここで!?」

照「流石にそこまで常識知らずじゃないよ。
  近くに公園があったからそこで食べよう。
  ほら、半分持って」

玄「私もですか!?」

照「袖振り合うも多生の縁」



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照「……」

玄「……」

照「私には夢がある」

照「それはうまい棒を1000本大人買いして、
  寮の自室にうまい棒タワーを建造する事」

玄「そ、それ卒業するまでに食べきれないんじゃ」

照「1日50本消費する計算だと、
  1か月も持たないけど」

玄「1日50本消費する計算がおかしいですよ!?」

玄「…あ、そっか!部員の人全員で
  食べるとかですか?」

照「いや、普通に一人で食べるけど」

玄「おかしいですよ!?30分に1本は
  サクサクしてる計算ですよ!?」

照「30分ごとに訪れる至福の時…!
  やはり、タワーの建造を急がなくては」

玄「もしかして…この段ボールに詰められた
  お菓子も、全部自分用なんですか?」

照「そうだけど?」

玄「食べ過ぎですよ!!」

照「大丈夫。私はその分頭を使ってるから。
  ほら、体形も別に普通でしょ?」

玄「皮下脂肪になってるかも
  しれないじゃないですか!」

玄「後、こんな暑い日に
  チョコレート買い過ぎです!」

玄「ほら、この箱の中ほとんど
  溶けちゃってますよ!?」

照「チョコレートフォンデュ…
  成程そういうのもあるのか」

玄(駄目だこの人…!お姉ちゃんと
  おんなじタイプだよ…!)


玄(誰かが、ちゃんと管理してあげなくちゃ…!)



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照「ただいま」

菫「随分遅かったな。あれ?お菓子買いに
  行ったんじゃなかったのか?」

照「そうだけど」

菫「段ボールはどうした。待ちきれずに
  道中で食べたとかそういうオチか?」

照「それもあってるけど、
  大半はお母さんに没収された」

菫「お前の親はもうお前の偏食を治すのを
  諦めたとばかり思っていたが」

照「違う。今日また一人増えた」

菫「?」

照「阿知賀女子学院の松実玄さん。
  コンビニで出会って
  一緒にお菓子を食べてたら
  急にお母さんになった」

菫「…まあ、その気持ちは痛い程にわかる」

菫「一人で売店のお菓子を食い潰した挙句、
  さらにコンビニにまで遠征するようではな」

菫「これを機に、第二のお母さんとして
  私も厳しくいくべきだろうか」

照「菫は今のままで居て…ん?」


プルルルー、プルルルー、


照「…第三のお母さんだ…もしもし」

玄『あ、宮永さんですか?いきなりですけど、
  今度松実館に来てください!』

玄『松実館で宮永さんの異常食欲をきっと
  矯正して見せますから!』

照「い、いや…別に私は治さなくてもいいんだけd」

菫「いや、いい機会だ。この際住み込みで
  徹底的に鍛え直してもらって来い」

照「お母さんが二人でいじめてくる」

玄『あ、弘世さんもご一緒にどうですか?
  お姉ちゃんが弘世さんに
  逢いたいって言ってましたよ?』

照「だって」

菫「私はパスしておこう。なんか、
  松実からは底知れない何かを感じる」

照「菫は今まさにその松実に私を単身で
  ほおり込もうとしてるんだけど」

照「というわけで、二人で行くと伝えて」

菫「おい」

玄『わかりました!全力でおもてなししますから
  楽しみにしててくださいね!』

照「お茶請けの和菓子を楽しみにしてる」


ガチャッ…


菫「なんで私を巻き込むんだよ」

照「私も、松実玄さんから
  少し危険な匂いを感じる。
  でも別に嫌いではないんだよね」

照「菫も同じでしょ?何かあったら
  二人で身を守り合おう」

菫「…守り合うどころか、
  いきなり引き離されて
  個別撃破されかねないんだが」



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照(…ちなみに、菫の予想は正しかった)

照(二人で松実館に辿りつくなり、
  菫は松実宥さんにマフラーでぐるぐる巻きにされて
  芋虫スタイルで退場した)

照(……)

照(後で淡に写メールを送っておこう)



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照「家には生きて帰してもらえるんだよね?」

玄「そこは宮永さんの頑張りしだいです!」

照「お菓子を減らされるくらいなら潔く死を選ぶけど」

玄「じょ、冗談ですよ!?
  お客様にそんなひどい事しませんから!」

照「いや、今さっきそのお客様が
  拉致監禁されたんだけど」

玄「それでですね、宮永さんがお菓子を食べ続けるのは、
  お菓子を我慢しなくても許される環境が
  よくないと思うんです」

照「当然のように監禁をスルーするとは」

玄「…だってあのお姉ちゃん私も怖いんだもん」

照「聞きたくない事実をぶちまけられた」

玄「というわけで、私達は健全に
  宮永さんの食生活を改善していきましょう!」

照「…まあ、来たからにはある程度は頑張るよ。
  お手柔らかに」



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…一時間後。






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照「お、おかし……!」

照「おかしが…足りない……!」

照「お願い…おかしを…!」

玄「まだ始まったばっかりなのに…!
  お、思ったより重症だったよ…!」

玄「宮永さん、頑張ってください!
  この辛さを乗り越えれば、
  後でほっぺたが落ちるくらい美味しい
  和菓子を食べさせてあげますから!」

照「わ…が…し…!」


照「…わらび…もち……!」


ガクッ


玄「みやながさぁぁああああんっ!!」



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照「この和菓子は絶品…!絶品…!!」

玄「ふふっ、この和菓子が
  美味しいのは事実ですけど、
  やっぱりちゃんと我慢したから
  より美味しく感じるんだと思いますよ?」

玄「だらだら食べ続けるよりも、
  メリハリをつけた方が美味しいです」

玄「これからも、この調子で頑張りましょうね」

照「…なんだか玄が本当に
  お母さんみたいなってる」

玄「なんだか、お姉ちゃんみたいで
  ほおっておけなくて」

照「…私の世話を焼くよりも、
  今まさに犯罪者に堕ちようとしている
  実の姉を救うべきだと思うけど」

玄「あ、縄で縛ってた場所痛かったですよね。
  今全身マッサージしますね?」

照「…おねがい」



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…次の日。






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照「今日の料理も凄く美味しかった。
  風情のある佇まいに加え、美味しい料理に
  温泉と至れり尽くせり」

照「素晴らしい。今度虎姫で
  普通にリピートしたいくらい」

玄「えへへ…ありがとうございます」

照「…でも一つだけ足りないものがある。
  そう、食後のデザート」

玄「本当はついてるんですけどね。
  でも、照さんはお菓子中毒だから」

照「今日は3時間我慢したでしょ」

玄「お腹いっぱいの時は我慢しましょうね!
  お腹がすいた時に食べるのが健康の秘訣です」

玄「それ以外だったら何でも提供しますから!」

照「…玄が甘いのか厳しいのかよくわからない」

照「あ、じゃあ膝枕して耳掃除して」

玄「お任せあれ!」



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…3日後。






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玄「だいぶお菓子量が減って来たね!」

照「まことに遺憾だけど…今の私はもはや
  一般人程度のお菓子力しかない」

玄「油断は禁物だよ!回数は減らせたけど、
  まだ1回に食べるお菓子の量が
  尋常じゃないもん!」

玄「もう少し頑張らないとね」

照「……」

照「…玄は、どうしてそんなに
  私の健康を気にするの?」

玄「…え?」

照「確かに、私が食べるお菓子の量が
  普通じゃないのは理解してる。
  一般の人から見たら健康を心配するレベルな事も」

照「でも、だからってほとんど面識のない人を
  自宅に呼んで特訓させるのも普通じゃない」

照「…何か、深い理由でもあるの?」

玄「……」

玄「そんな、深い意味はないよ」

玄「ただ…怖いの」

照「怖い?」

玄「元気だった人が病気で、苦しんで……
  二度と会えなくなっちゃうのが」

玄「本当はわかってるんだよ。酷いお節介だって。
  照さんにとっては、元のお菓子量でも
  問題ないのかもしれないって」


玄「でも。もし。万が一、
  不摂生で体調を崩しちゃって」

玄「病院行って。戻ってこれなくなって。
  人工透析。毎日苦しんで。
  苦しんで。苦しんで。苦しんで。苦しんで」

玄「さ、さいごには……
  お花に包まれて、い、行っちゃって」

玄「……っ」

玄「そういうの想像すると…
  夜も眠れなくなっちゃうんだ」

照「……玄」

照「ごめん。そこまで心配させてたなんて」

照「でも、大丈夫だよ。元々私の
  代謝量は常人よりはるかに大きいし、
  玄のおかげで量も減った」


照「私は、玄を置いて逝ったりしないから」



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照(…ここ数日間玄の世話を受けて
  わかった事がある)

照(玄は、健康を害する行為にものすごく敏感。
  病気に罹りやすくなる行為を酷く恐れてる)

照(それこそ、玄の方が病的なくらいに)

照(お姉さんの宥さんを働かせないのも、
  病弱な宥さんが無理する事で
  体に負担がかかるのを避けるため)

照(だから、健康に害する行為さえ取らなければ、
  玄は異常なくらいに甘い)

照(…甘やかしなのも、何か
  理由があるのかもしれない)

照(……自分が、甘やかして
  もらえなかったから、とか)

照(……)


照「はあ。なんで私の周りには、
  こう病んだ人ばかりが集まるんだろう」

菫「同感だな」

菫「まあ、玄ちゃんは物理的に拘束してこない分
  ましだと思うがな」

照「あんまり変わらないと思うけど」

照「少しずつ、心が玄に侵食されてるのを感じる。
  甘やかされて、管理されて、
  駄目になっていくのを感じる」

照「それでいて、離れようと思ったら。
  止めこそしないだろうけど、
  泣きそうな顔で笑うんだろうね」

菫「たった数日で随分陥落されてるじゃないか」

照「一見明るくて元気なのに、
  心の闇をちらつかせるのはズルいと思う」

菫「お前も結構難儀な性格だよな。
  実の妹ならともかく、
  赤の他人にそこまで
  心を砕く必要はないと思うが」

照「監禁されてまで宥さんを受け入れてる
  菫が言う台詞でもないと思うけど」

菫「受け入れてないからな?
  チャンスがあればいつでも
  脱出しようと企んでるからな?」

菫「というかしれっと会話してないで
  ここから出してくれよ」

照「菫が本気で摩耗してたら考えたけど」

照「まだ割と大丈夫そうだし、
  悪いけどとりあえず放置する」

照(…それよりも。私自身が、
  玄との向き合い方で悩みたい)

照(それとなくあの子と距離を取るのか。
  それとも…)


照(あの子の、病的な面を受け入れるのか)



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…数日後。






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玄「…完全に克服したね」

照「うん。もはや私は、15時のおやつにしか
  おやつを食べないなどという
  非現実的な生活も可能になった」

玄「あはは、今までの照さんの方が
  非現実的だったんだよ?」

玄「……」

玄「…じゃあ、そろそろお別れだね」

玄「私が居ないからって油断しちゃ駄目だよ?
  中毒の人ってすぐぶり返すんだから」

玄「お菓子は6時間に1回。
  量はうまい棒5本程度までを守らなきゃ駄目」

玄「定期健診で松実館にも来てね?
  それで、それで……」

照「…玄」

玄「…なに?」

照「自分で言うのもなんだけど。
  私は、お菓子に対して
  自制心の強い方じゃない」

照「きっと、私はまた近いうちに
  元に戻ってしまうと思う。
  だから、そうなったその時は…」


照「玄の力で、私を矯正してくれないかな?」


玄「……っ」

玄「…っ」


玄「よ…よろこんで!!」


照「また近いうちに連絡するよ。
  今度は自分から」

照「またね」

玄「うん!!」


……


菫「…お前も、大概あまい奴だな」

照「わかってる」

菫「それなりの期間過ごしてみてわかった。
  松実は、姉も妹も真っ黒だ」

菫「生半可な気持ちで触れると、
  今度は戻って来れないかもしれないぞ」

照「…わかってる。私だって、
  玄の闇に何度も触れた」

照「だからなんとなくわかるんだ。
  玄の危うさは、
  家族との離別に起因してるって」

照「それは形こそ違えど、
  私も経験した類のものだって」

照「……」

照「穴を埋めるピースは多い方がいい。
  そのピースの一つに、
  私がなれたらいいなと思う」

菫「そうだな。できればもう、
  座敷牢は勘弁願いたいものだが」

照「まあ、それもまだ当分先の話。
  少なくとも次来るとしても
  冬休みになるだろうし」

照「とりあえず今は、しみじみと。
  玄の顔でも思い浮かべながら――


照「お菓子を食べよう」


菫「…やれやれ」

菫「どうやら、また松実館に
  強制入院させられる日も近そうだな」


(完)
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posted by ぷちどろっぷ at 2016年06月04日 | Comment(8) | TrackBack(0) | 咲-Saki-
この記事へのコメント
てるてる「誰にも邪魔されず、気を遣わずお菓子を食べるという孤高の行為。この行為こそが、現代人に平等に与えられた、最高の癒しと言えるのである」

菫さん生還エンドはまっっったく欠片も想像してませんでしたが、ぽかぽか訓練とかされてなかったんでしょうか?
Posted by at 2016年06月05日 01:26
てるてるは兎も角…SSSは流石に。
分かってて飛び込むなんて、惚れた弱みなのか、被虐フェチなのか。
明暗分かれ過ぎてて笑ってしまいました。

何時も楽しませて頂いています。
お菓子中毒レベルで見返してる時もあるので、是非これからも病み病みなSSをば……どうぞよろしくお願い致します。
Posted by at 2016年06月05日 02:07
さらっと宥菫が混ざる様は最早伝統芸の域。

いつか、へーきへーきと油断してたら虫歯になって歯医者に連れてかれる照が見たいですねぇ……
Posted by at 2016年06月05日 08:37
菫さんが何されてたのかも気になる
Posted by at 2016年06月05日 10:53
菫さんは一体何をされていたんだ…
というか照は今まで虫歯が出来たりはしなかったのかな?
Posted by at 2016年06月05日 18:53
玄さんは美穂子さんか霞さんに引き取って貰っては…?黒久さんなら嫌といっても離しませんよ?
Posted by at 2016年06月05日 20:37
照ちゃんのお菓子食べ過ぎの矯正するSS面白かったです。病みもありつつもほんわかな感じがまたいいですね。
Posted by at 2016年06月05日 22:33
菫さんはポカポカ特訓してたのかな?
Posted by at 2016年06月08日 18:13
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