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【咲-Saki-SS:白糸台?】「その時、弘世の尻が二つに割れた」【ギャグ】
<あらすじ>
小ネタです。
『激しいツッコミを入れてはいけない
インターハイ決勝戦1時間』
<登場人物>
弘世菫,竹井久,その他大勢
<症状>
・特になし
<その他>
・以下のお題に対する回答となるSSです。
#フォロワーにあげてもらった文体の特徴を全部変えて小説を書く
拘束、束縛、どろどろ、病み
ハッピーエンド展開を禁止。
地の文を淡泊にして
激しいツッコミはせず、
ストレートな感情表現から
強い行動へ結ぶことを禁じ、
キャラに「ふきゅっ」と言わせず
日本語以外の言語で書く事。
※さすがに日本語禁止はやめます。
※意図的に一つ禁を破っています。
--------------------------------------------------------
久「というわけで、これから1時間
激しいツッコミが禁止になります」
久「皆さん、ボケに対して
生温いツッコミを入れるように
心掛けましょう」
久「それではスタート―…」
清澄高校元部長、竹井久の気の抜けた返事と共に、
番組がぬるりとスタートした。
なぜこんな事になっているのか説明が必要だろう。
発端は、お騒がせアナウンサー福与恒子の
思い付きから始まった。
恒子
「インターハイの子達ってすごいよね。
可愛い子ばっかりだし、個性てんこもりだし」
恒子
「あの子達でバラエティーやったら
すごい受けるんじゃないかなー」
以上。
この発言からどうして
『激しいツッコミを入れてはいけない
インターハイ決勝戦1時間』
に変貌を遂げたのかはよく知らない。
…おそらくは私への当てつけだろう。
とにもかくにも。インターハイ団体戦の決勝戦参加校のうち、
TV局のオファーに応じた者が会場に集められた。
私?もちろん出たくはなかったが
他の虎姫が全員出たがったから仕方ない。
ここで私だけ出なかったら、
『白糸台の部長って実はぼっち』とか
言われかねないからな。
そして今、選手が一堂に会して
放置されるという状況に至る。
何をしてもいいし、何を話してもいいらしい。
…本当にそれで番組になるのか?
あまりにだるーんとした雰囲気の中、
清澄高校の先鋒がおっくうそうにその手を挙げた。
優希
「じゃーせっかくだから麻雀打つじょ。
私と一緒に麻雀打つ人は
3回回ってワンって鳴くじょ」
じろり。
周囲の視線が私に集中する。
おい、その期待に満ちた目を向けるのをやめろ。
別に私はツッコミのスペシャリストとかじゃない。
おい片岡、お前もチラチラこっちを見るな。
なんでだよ。ツッコミ役なら他にも一杯いるだろう。
例えばほら、原村。お前はこっち側なんじゃないか?
和「ワンワンワン」
菫「お前が回るのかよ!!!」
『デデーン。弘世菫、アウト―』
これは卑怯ではないだろうか。
どう考えても私にツッコミを入れさせるために
仕込んできたとしか思えない。
『罰ゲームと言えばうちやんなー』
罰ゲーム役に抜擢された姫松高校の副将が
何度もキックの所作を取りながら近づいてくる。
聞けばあまたのバラエティーにて
参加者の尻を二つに割って来たとの事だ。
バカな。尻は最初から二つに割れている。
『シッ、シッ!』
キックから風を切る鋭い音が放たれている。
おいちょっと待てこれは死ぬ。
もうすでに半分涙目になりながら
私はおしりを差し出した。
「はい、お仕置きの『ぺちん』やでー」
のほほんとした声で笑みを浮かべる愛宕。
あ、なんださっきのはただのブラフかよか
『ドゴォォォッ!!!』
尻が、二つに割れた。
--------------------------------------------------------
あまりにも残酷かつ無慈悲な罰ゲームに関わらず、
それに恐怖するものは居ないようだった。
同情の視線を向けられはしたものの、
皆私への攻撃を緩めるつもりはないらしい。
とはいえ。流石に素人の女子高校生を
バラエティーで使っている上の配慮はあるのだろう。
音や見た目のインパクトの割に、
意外にキックは痛くなかった。
精神的な屈辱はそれを補って余りあるが。
「…む?な、なんだお前達」
気付けば全員が私を中心に同心円状ににじり寄っている。
なんだこれ、完全に四面楚歌じゃないか。
もうこの状況にツッコミたい。
なんて憤っていたら、救いの手が差し伸べられた。
智葉
「まあ待て。よってたかって
一人のツッコミを攻めるのは気が進まない」
智葉
「分散しようじゃないか。
さ、まずは自分がツッコミだと思う者は
正直に手を挙げてくれ」
なるほど。ツッコミとボケを洗い出して、
それぞれで負荷を分散しようという作戦か。
確かに、辻垣内もどちらかといえばツッコミ役だろう。
悪くない。その共同戦線乗らせてもらおう。
菫「…私はツッコミだ」サッ
その他「……」
菫「なんで誰も手を挙げないんだよ!?」
『デデーン。弘世菫、アウト―』
尻が、二つに割れた。
--------------------------------------------------------
事態は私が想像していた以上に恐ろしいものだった。
この場に私以外のツッコミはいないらしい。
否、実際にはいるのだろう。
だが、状況がそれを許さない。
確かにツッコミとして絹キックの脅威に晒されるよりは、
自らをボケと偽って攻める側に回る方が得策だ。
久「あらあら。どうやらツッコミは
一人しかいないみたいね?」
久「もうこの際だから全員ずらっと一列に並んで、
一人一人弘世さんにつっこんでもらいましょうか」
一同
「賛成」
最悪の布陣が敷かれ始めた。
どうやらこいつら、徹頭徹尾
私にツッコミ役を押し付けるつもりらしい。
竹井の言葉に促され一同が動き始める。
やけに統率された動きで、
全員が綺麗に私の周りをうずまき状に取り囲んで…
一同
「ウェーブ」
菫「一人ずつやるんじゃないのかよ!?」
『デデーン。弘世菫、アウト―』
尻が、二つに割れた。
--------------------------------------------------------
先程のウェーブで判明した事がある。
こいつらは最初から結託していて、
私だけが孤立無援状態という事だ。
いくらなんでも、素人全員が即興で
ウェーブなんて発想に至るものか。
菫「お前達。最初からグルなんだろう」
久「はいはいはーい。
弘世さんと私で漫才やりまーす」
菫「無視か」
『弘世菫、セーフーー』
菫「セーフならいちいち言うな!!!」
『デデーン、弘世菫、アウトー』
尻が、二つに割れた。
--------------------------------------------------------
アナウンスにまでツッコミを要求される事態に辟易し、
私は無情に天を仰いだ。
ちなみに竹井は漫才をせずに
にこにこしながら去っていった。自由か。
(…これ、後どれだけ続くんだ?)
半分くらいは終わっていると思いたい。
壁に掛けられた時計に目をやると、
そこでは高鴨が私の視線から
時計を隠すべく、汗だくになって
ディフェンスしていた。
「隠すんだ!時計を!!」
『お前ずっとディフェンスしてたのかよ!』
反射的に言葉が喉を飛び出しかけたがぐっとこらえる。
流石にそう何度もやられてたまるか。
言葉を飲み込んだ私に新子が囁きかけてくる。
「しずはね。もう始まってからずっと、
ああやってディフェンスしてるのよ」
「貴女に突っ込んでもらえるまで…かわいそうに」
「もう34分も、ああやって
時計を見せないように頑張ってるの」
「お前が時間バラすのかよ!!!」
『デデーン、弘世菫、アウトー』
尻が、二つに割れた。
--------------------------------------------------------
尻が、二つに割れた。
尻が、二つに割れた。
尻が、二つに割れた。
--------------------------------------------------------
「弘世さん…これ以上はあかんで…?
尻が、二つに割れてまう」
絹キック担当の愛宕妹にそっと囁きかけられる。
うるさい、尻は最初から二つに割れている。
ちなみに私が受けた絹キックの回数は11回。
大体5分に1回はツッコミを入れている計算になる。
だが、流石に後残り5分。
ここは心を無にして耐えさせてもらおう。
…視界の端に、いまだディフェンスし続ける
高鴨がちらつくが見なかった事にする。
見ざる言わざる聞かざるを貫こうとしていると、
部屋内のスピーカーから蛍の光が流れ始めた。
〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜
『当スーパーは後5分で閉店いたします』
〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜
なんでだよ。心の中でツッコミながらも
私は無言を貫いた。
〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜
『本日もご利用ありがとうございました。
なお、本録音の再生終了後、
このテープは速やかに自爆する』
〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜
その程度のボケで尻が二つに割れた私を
動かせると思うな。
『デデーン、弘世菫、セーフー』
数秒後、『ボーン!』という爆発音が
部屋に鳴り響いた時も、私は言葉を飲み込んだ。
『この罠に耐えるとはなかなかやるね!
じゃ、本番もこの調子でよろしくね!』
「…は?」
『これにて、リハーサルを終了します!
本番撮影は3日後、みんな忘れないでね!』
「リハーサルだったのかよぉぉぉっ!!!」
『デデーン、弘世菫、アウトー』
尻が、二つに割れた。
--------------------------------------------------------
地獄のような催しから2週間後。
私の元に、1枚のDVDが届けられた。
どうやら、あの番組が完成したらしい。
淡「見よう見よう!」
菫「見ない」
淡「あまりの素早い判断に理解が遅れた」
言いながらも淡はディスクを再生機にセットする。
『激しいツッコミを入れてはいけない
インターハイ決勝戦1時間
〜その時、弘世の尻が二つに割れた〜』
タイトルだけで端的に私の苦悩が記されている。
私はげんなりしながらため息をついた。
菫「…これが全国のお茶の間に流れると思うと
死にたくなるな」
照「あれ?菫知らないの?」
菫「何がだ」
照「これ、あくまでインターハイ決勝校の
親睦企画だから外部には流れないよ」
菫「放送されないのかよ!?」
照「女子高生が女子高生のお尻を痛烈に
蹴り続ける動画なんて流せるわけないでしょ」
まったくもってその通り。
その通りなのだが…
そのツッコミ、企画開催時に欲しかった。
私はぐったりしながらソファーにもたれかかる。
虚ろに開かれた瞳の先で、
尻が二つに割れていた。
(完)
小ネタです。
『激しいツッコミを入れてはいけない
インターハイ決勝戦1時間』
<登場人物>
弘世菫,竹井久,その他大勢
<症状>
・特になし
<その他>
・以下のお題に対する回答となるSSです。
#フォロワーにあげてもらった文体の特徴を全部変えて小説を書く
拘束、束縛、どろどろ、病み
ハッピーエンド展開を禁止。
地の文を淡泊にして
激しいツッコミはせず、
ストレートな感情表現から
強い行動へ結ぶことを禁じ、
キャラに「ふきゅっ」と言わせず
日本語以外の言語で書く事。
※さすがに日本語禁止はやめます。
※意図的に一つ禁を破っています。
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久「というわけで、これから1時間
激しいツッコミが禁止になります」
久「皆さん、ボケに対して
生温いツッコミを入れるように
心掛けましょう」
久「それではスタート―…」
清澄高校元部長、竹井久の気の抜けた返事と共に、
番組がぬるりとスタートした。
なぜこんな事になっているのか説明が必要だろう。
発端は、お騒がせアナウンサー福与恒子の
思い付きから始まった。
恒子
「インターハイの子達ってすごいよね。
可愛い子ばっかりだし、個性てんこもりだし」
恒子
「あの子達でバラエティーやったら
すごい受けるんじゃないかなー」
以上。
この発言からどうして
『激しいツッコミを入れてはいけない
インターハイ決勝戦1時間』
に変貌を遂げたのかはよく知らない。
…おそらくは私への当てつけだろう。
とにもかくにも。インターハイ団体戦の決勝戦参加校のうち、
TV局のオファーに応じた者が会場に集められた。
私?もちろん出たくはなかったが
他の虎姫が全員出たがったから仕方ない。
ここで私だけ出なかったら、
『白糸台の部長って実はぼっち』とか
言われかねないからな。
そして今、選手が一堂に会して
放置されるという状況に至る。
何をしてもいいし、何を話してもいいらしい。
…本当にそれで番組になるのか?
あまりにだるーんとした雰囲気の中、
清澄高校の先鋒がおっくうそうにその手を挙げた。
優希
「じゃーせっかくだから麻雀打つじょ。
私と一緒に麻雀打つ人は
3回回ってワンって鳴くじょ」
じろり。
周囲の視線が私に集中する。
おい、その期待に満ちた目を向けるのをやめろ。
別に私はツッコミのスペシャリストとかじゃない。
おい片岡、お前もチラチラこっちを見るな。
なんでだよ。ツッコミ役なら他にも一杯いるだろう。
例えばほら、原村。お前はこっち側なんじゃないか?
和「ワンワンワン」
菫「お前が回るのかよ!!!」
『デデーン。弘世菫、アウト―』
これは卑怯ではないだろうか。
どう考えても私にツッコミを入れさせるために
仕込んできたとしか思えない。
『罰ゲームと言えばうちやんなー』
罰ゲーム役に抜擢された姫松高校の副将が
何度もキックの所作を取りながら近づいてくる。
聞けばあまたのバラエティーにて
参加者の尻を二つに割って来たとの事だ。
バカな。尻は最初から二つに割れている。
『シッ、シッ!』
キックから風を切る鋭い音が放たれている。
おいちょっと待てこれは死ぬ。
もうすでに半分涙目になりながら
私はおしりを差し出した。
「はい、お仕置きの『ぺちん』やでー」
のほほんとした声で笑みを浮かべる愛宕。
あ、なんださっきのはただのブラフかよか
『ドゴォォォッ!!!』
尻が、二つに割れた。
--------------------------------------------------------
あまりにも残酷かつ無慈悲な罰ゲームに関わらず、
それに恐怖するものは居ないようだった。
同情の視線を向けられはしたものの、
皆私への攻撃を緩めるつもりはないらしい。
とはいえ。流石に素人の女子高校生を
バラエティーで使っている上の配慮はあるのだろう。
音や見た目のインパクトの割に、
意外にキックは痛くなかった。
精神的な屈辱はそれを補って余りあるが。
「…む?な、なんだお前達」
気付けば全員が私を中心に同心円状ににじり寄っている。
なんだこれ、完全に四面楚歌じゃないか。
もうこの状況にツッコミたい。
なんて憤っていたら、救いの手が差し伸べられた。
智葉
「まあ待て。よってたかって
一人のツッコミを攻めるのは気が進まない」
智葉
「分散しようじゃないか。
さ、まずは自分がツッコミだと思う者は
正直に手を挙げてくれ」
なるほど。ツッコミとボケを洗い出して、
それぞれで負荷を分散しようという作戦か。
確かに、辻垣内もどちらかといえばツッコミ役だろう。
悪くない。その共同戦線乗らせてもらおう。
菫「…私はツッコミだ」サッ
その他「……」
菫「なんで誰も手を挙げないんだよ!?」
『デデーン。弘世菫、アウト―』
尻が、二つに割れた。
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事態は私が想像していた以上に恐ろしいものだった。
この場に私以外のツッコミはいないらしい。
否、実際にはいるのだろう。
だが、状況がそれを許さない。
確かにツッコミとして絹キックの脅威に晒されるよりは、
自らをボケと偽って攻める側に回る方が得策だ。
久「あらあら。どうやらツッコミは
一人しかいないみたいね?」
久「もうこの際だから全員ずらっと一列に並んで、
一人一人弘世さんにつっこんでもらいましょうか」
一同
「賛成」
最悪の布陣が敷かれ始めた。
どうやらこいつら、徹頭徹尾
私にツッコミ役を押し付けるつもりらしい。
竹井の言葉に促され一同が動き始める。
やけに統率された動きで、
全員が綺麗に私の周りをうずまき状に取り囲んで…
一同
「ウェーブ」
菫「一人ずつやるんじゃないのかよ!?」
『デデーン。弘世菫、アウト―』
尻が、二つに割れた。
--------------------------------------------------------
先程のウェーブで判明した事がある。
こいつらは最初から結託していて、
私だけが孤立無援状態という事だ。
いくらなんでも、素人全員が即興で
ウェーブなんて発想に至るものか。
菫「お前達。最初からグルなんだろう」
久「はいはいはーい。
弘世さんと私で漫才やりまーす」
菫「無視か」
『弘世菫、セーフーー』
菫「セーフならいちいち言うな!!!」
『デデーン、弘世菫、アウトー』
尻が、二つに割れた。
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アナウンスにまでツッコミを要求される事態に辟易し、
私は無情に天を仰いだ。
ちなみに竹井は漫才をせずに
にこにこしながら去っていった。自由か。
(…これ、後どれだけ続くんだ?)
半分くらいは終わっていると思いたい。
壁に掛けられた時計に目をやると、
そこでは高鴨が私の視線から
時計を隠すべく、汗だくになって
ディフェンスしていた。
「隠すんだ!時計を!!」
『お前ずっとディフェンスしてたのかよ!』
反射的に言葉が喉を飛び出しかけたがぐっとこらえる。
流石にそう何度もやられてたまるか。
言葉を飲み込んだ私に新子が囁きかけてくる。
「しずはね。もう始まってからずっと、
ああやってディフェンスしてるのよ」
「貴女に突っ込んでもらえるまで…かわいそうに」
「もう34分も、ああやって
時計を見せないように頑張ってるの」
「お前が時間バラすのかよ!!!」
『デデーン、弘世菫、アウトー』
尻が、二つに割れた。
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尻が、二つに割れた。
尻が、二つに割れた。
尻が、二つに割れた。
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「弘世さん…これ以上はあかんで…?
尻が、二つに割れてまう」
絹キック担当の愛宕妹にそっと囁きかけられる。
うるさい、尻は最初から二つに割れている。
ちなみに私が受けた絹キックの回数は11回。
大体5分に1回はツッコミを入れている計算になる。
だが、流石に後残り5分。
ここは心を無にして耐えさせてもらおう。
…視界の端に、いまだディフェンスし続ける
高鴨がちらつくが見なかった事にする。
見ざる言わざる聞かざるを貫こうとしていると、
部屋内のスピーカーから蛍の光が流れ始めた。
〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜
『当スーパーは後5分で閉店いたします』
〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜
なんでだよ。心の中でツッコミながらも
私は無言を貫いた。
〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜
『本日もご利用ありがとうございました。
なお、本録音の再生終了後、
このテープは速やかに自爆する』
〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜
その程度のボケで尻が二つに割れた私を
動かせると思うな。
『デデーン、弘世菫、セーフー』
数秒後、『ボーン!』という爆発音が
部屋に鳴り響いた時も、私は言葉を飲み込んだ。
『この罠に耐えるとはなかなかやるね!
じゃ、本番もこの調子でよろしくね!』
「…は?」
『これにて、リハーサルを終了します!
本番撮影は3日後、みんな忘れないでね!』
「リハーサルだったのかよぉぉぉっ!!!」
『デデーン、弘世菫、アウトー』
尻が、二つに割れた。
--------------------------------------------------------
地獄のような催しから2週間後。
私の元に、1枚のDVDが届けられた。
どうやら、あの番組が完成したらしい。
淡「見よう見よう!」
菫「見ない」
淡「あまりの素早い判断に理解が遅れた」
言いながらも淡はディスクを再生機にセットする。
『激しいツッコミを入れてはいけない
インターハイ決勝戦1時間
〜その時、弘世の尻が二つに割れた〜』
タイトルだけで端的に私の苦悩が記されている。
私はげんなりしながらため息をついた。
菫「…これが全国のお茶の間に流れると思うと
死にたくなるな」
照「あれ?菫知らないの?」
菫「何がだ」
照「これ、あくまでインターハイ決勝校の
親睦企画だから外部には流れないよ」
菫「放送されないのかよ!?」
照「女子高生が女子高生のお尻を痛烈に
蹴り続ける動画なんて流せるわけないでしょ」
まったくもってその通り。
その通りなのだが…
そのツッコミ、企画開催時に欲しかった。
私はぐったりしながらソファーにもたれかかる。
虚ろに開かれた瞳の先で、
尻が二つに割れていた。
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しかし…なんだこれは⁈まるで意味が分からんぞ!
ボケでもツッコミでもいける竹井久の柔軟さが光ってますな。
菫さんは松実館あたりでお尻を療養しないと…
お尻を突き出す菫さんはエロいですな。強気な女性はお尻が弱いという説もあった様な無かった様な。ふむ……
相談室もそうだけど笑いのセンスというか、制限有りでもここまで書けるのは凄い。
このDVDは菫のファンの間で永久保存されるんですねわかります。