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【咲-Saki-SS:菫照】照「触れていいのは私だけ」【ヤンデレ】
<あらすじ>
なし。リクエストがあらすじ代わりです。
<登場人物>
宮永照,弘世菫,棚橋菜月,渡辺琉音,宇野沢栞,沖土居蘭
<症状>
・ヤンデレ(かわいい)
・依存(かわいい)
<その他>
次のリクエストに対する作品です。
・菫呼びに変わった辺りの照が、
白糸台生にモテまくる菫さんに嫉妬する話。
甘くても病みでも大丈夫。
→病みシリアスで書こうと思ったらドロドロになったので
ボツって書き直しました。
「テルーの病みが見たい!」的なコメントが多かったら
シリアス版も公開します。
--------------------------------------------------------
照「ねえ菫。聞いてもいい?」
菫「なんだ?」
照「今、私達は部活動を終えて
寮に帰ろうとしてる状況だよね」
菫「ああ」
照「今日は予定外の特打ちがあったから、
いつもより帰る時間が2時間も遅くなってるよね?」
菫「なんだ、実は早く帰りたかったのか?」
照「いや、そう言う事じゃなく――」
『あ、弘世さーん!ちょっといいですかー!』
菫「あ、すまん。呼ばれたから行ってくる」
照「……行ってらっしゃい」
……
菫「……お待たせ。で、帰る時間が
遅くなったのがどうかしたのか?」
照「いや、今の割り込みで気づいて欲しいんだけど。
どうして予定外の時間に帰ってるのに、
こんなにファンの人と出くわすの?」
菫「たまたまだろ」
照「今の割り込みで4回目。そもそも
プレゼント持ってる時点で偶然はあり得ないでしょ」
菫「なら出待ちしてたんじゃないか?」
照「さも当然のように言われるとは思わなかった。
気持ち悪いとか思わないの?」
菫「純然たる好意なわけだしな。好意には好意で返したい」
照「流石は親切な人だね。驚くべき博愛精神。
アイドルとか向いてるんじゃない?」
菫「いやいや私のどこがアイドルに――『弘世さーん』
……ちょっと行ってくる」
照「……どうぞ」
--------------------------------------------------------
照「――という事があったんですが」もきゅもきゅ
渡辺琉音(わたなべるね)
「あー。まあ弘世だしなぁ」
照「納得なんですか?」もきゅもきゅ
宇野沢栞(うのざわしおり)
「インターミドルで大活躍だったしね。
テレビで映ってたけど応援の横断幕凄かったもん」
琉音
「『I ♥ Sumire』の奴な。
こいつらアイドルのイベント会場と間違えてんじゃねぇかって思った」
棚橋菜月(たなはしなつき)
「ファンへの対応が真摯なのも大きいんだよね。
あの外見で優しく対応してくるのはずるいよ」
沖土居蘭(おきどいらん)
「ど、どう見ても食べきれないお菓子をもらってるのに
笑顔で『ありがとう』だもんね。
あ、あれ本当に全部食べてたのかな」
照「今はもらった傍から私の胃袋に流し込まれていきますが」もきゅもきゅ
琉音
「鬼畜じゃねぇか。心の籠ったプレゼントを横流しかよ」
栞
「あ、あはは……でも仕方ないんじゃないかな。
生菓子とか大量にもらっても食べきれないし」
菜月
「ファンとしてはもらってもらえた時点で満足だろうし……
捨てられるよりはいいんじゃないかと思う」
照「処理しきれないならもらわなければいい。
いちいち対応するから面倒な事になる」もきゅもきゅ
琉音
「なんだぁ宮永?お前、もしかして妬いてんのか?」
照「……どうして私が?」もきゅ
琉音
「いや、お前からすりゃ弘世のファンは
全自動高級お菓子提供マシーンだろ。
むしろ弘世にファンが群がった方が都合いいじゃねぇか」
琉音
「なのにそれを嫌がるって事は…
そういう事なんじゃねぇのか?」
照「そういうのじゃないです」
栞「はいっ!私は宮永さんを応援します!」
照「そういうのじゃない」
菜月
「いいんじゃないの、そういうのも青春っぽくて」
照「そういうのじゃないって言ってるでしょ」
蘭「ええ、と、その、ボクは」
照「そういうのじゃないですってば」
蘭「まだ何も言ってないよ!?」
--------------------------------------------------------
照「では、お先失礼します」
菫「お疲れさまでした」
……
琉音
「行ったか。んで、お前らはあいつらの事どう思う?」
栞「えーと、最初は弘世さんの方が
宮永さんを勧誘してたと思うんだけど……」
菜月
「最近は逆転してるよね。照ちゃんの方が
菫ちゃんの後をついて行ってる感じ」
琉音
「今思うと結構謎だよな。弘世の奴、
どういう経緯で宮永の奴捕まえてきたんだ?」
菜月
「天性の勘?……女たらしの」
蘭「お、女たらしって」
栞「あ、あはは……でも弘世さんってそういうところあるよね。
ちょっとでも興味を持ったらぐいぐい来るっていうか。
勘違いしちゃう子多そう」
蘭「……確かに。ボクも声掛けられた時ビックリしたし」
琉音
「トータルすると、一匹狼気質の宮永が
空気読まずに土足で踏み込んで来た弘世に
うっかりほだされたって感じか」
栞「るねさんも気を付けないと」
琉音
「あぁ!?なんで私が弘世なんかに
落とされなきゃなんねぇんだよ」
菜月
「まあその辺は置いとくとして。
実際問題、二人は恋愛に発展しそうかな?」
琉音
「宮永はほぼ黒に近いグレーだろ。
あいつって大体一人で居るか
弘世と一緒に居るかの二択じゃねえか?」
蘭「菫ちゃんはけっこう単独行動してるんだけどね。
照ちゃんが一人で誰かと話してるところ
見た覚えがないや」
栞「皆でいる時も基本弘世さんの方見てるしね。
問題は弘世さんがそういうの無頓着そうなのが……」
菜月
「照ちゃんの話によると、二人で居る時に
6回もファンに邪魔されたのに
全部丁寧に対応したんだよね。
照ちゃんが怒るのも無理ないと思うけど」
栞「うん。なんか宮永さんがかわいそうになってきた。
やっぱりみんなで応援しよう」
琉音
「ま、宮永が自分から泣きついてきたら、だけどな」
--------------------------------------------------------
『お、応援してます!これ差し入れです!
インターハイも頑張ってください!』
『ありがとう。期待にそえるよう全力を尽くすよ』
菫「おまたせ」
照「ん。なんかまた凄そうなのもらってきたね」
菫「なんと手作りケーキだそうだ」
照「……流石に手作りを
横流しされるのは気が引けるんだけど」
菫「ああ、これは渡さない。
もらっておいて悪いが焼却処分だな」
照「食べないの?」
菫「……手作りは危険過ぎるからな。
何が入ってるかわかったもんじゃない」
照「……」
--------------------------------------------------------
照「だったら受け取り拒否すればいいのに」もきゅもきゅ
琉音
「違いねぇ。捨てる位なら最初から拒否れよ」
栞「あー、もしかしてあの噂本当なのかなぁ」
菜月
「噂って?」
栞「弘世さんと同じ中学校の友達から聞いたんだけどね。
弘世さん絡みで大騒ぎになった事があるんだって。
……『血のバレンタイン事件』って言うんだけど」
蘭「あ、ボクもそれ聞いた事あるかも」
照「詳しく」もきゅもきゅ
蘭「あ、その、ええと……」
栞「宮永さん食事中だけど大丈夫かな……」
照「……」ごくん
照「詳しく」
栞「弘世さんが中学校二年生のバレンタインでね、
異物混入事件があったんだって。それも複数」
照「……」
栞「髪の毛とか、爪、とか、まぁよくわからないものとか、
果てはなんか鉄の味がする……
みたいなチョコもあったらしくて。
流石に不審に思った弘世さんが
ファンクラブ経由で調査したら、
何か凄いおぞましい結果がわかっちゃって。
で、それ以来手作りのお菓子は
受け取り拒否の方針になったらしいんだ」
琉音
「うげぇ……でも、ならなんで今は
受け取ってんだ?」
栞「ええと、去年のバレンタインで
また事件が起きたらしくって。
弘世さん、受け取るチョコは
既製品に限定するって公言してたんだけど、
既製品だって偽って手作りを
紛れ込ませてくる子が多発したらしいの」
栞「それで、結局弘世さんは諦めて
全部受け取ったらしいけどね。
それを全部食べたかっていうと……
ちょっと厳しいんじゃないかな」
琉音
「……」
照「……」
蘭「……」
菜月
「……行き過ぎた恋心って怖いね」
琉音
「中途半端に規制するより、まず受け取って
捨てちまった方が安全って事か……」
照「だったら全部受け取り拒否すればいいのに」
菜月
「多分その方が厄介なんじゃない?
どうしてもってすがってくる子も居るだろうし、
断られたら泣きじゃくる子とかも居るんじゃないかな」
照「……」
照「うん、決めた」
琉音
「何をだ?」
照「菫を取り巻く環境は異常過ぎる。
こんな負の循環は取り払うべき」
蘭「え、ええと……どうやって?」
照「私が菫のマネージャーになって守ります」
菜月
「具体的には」
照「菫への贈り物は必ず私を経由する事にして、
菫には直接送れない事にする。
不審物は受け取り拒否で、既製品は私が食べる」
照「この条件を徹底すれば、
そのうち誰も贈って来なくなるでしょう」
琉音
「お、おぅ」
栞「が、頑張ってね」
蘭「で、でもそんな事したら、ファンの皆から
照ちゃんへの風当たりが強くなるんじゃないかな」
照「菫を助けるためなら我慢します。
むしろこの際返り討ちにします」
菜月
「そっか。ま、いいんじゃない?」
琉音
「よくねぇよ!?」
菜月
「よくないかー」
--------------------------------------------------------
琉音
「……で、どう思うよ」
菜月
「照ちゃんヤンデレ説に一票」
栞「付き合ってないのに贈り物検閲はやり過ぎだよね…
弘世さんはあの条件飲むのかな」
菜月
「割と普通に飲むんじゃない?今だって
プレゼント横流ししてるんだから大差ないでしょ」
琉音
「宮永の言い分もわからなくはないんだよな。
正直弘世の状況は異常過ぎんだろ」
菜月
「まあ、誰も得してないのは確かだよね」
栞「じゃあ、宮永さんを援護するって方向で?」
蘭「う、うーん……いいのかなぁ」
菜月
「蘭先輩的には乗り気じゃないと」
蘭「乗り気じゃないっていうか……
なんか、このままじゃ大事になっちゃいそうな気がして」
蘭「正直、最近の照ちゃんの目怖過ぎるから」
--------------------------------------------------------
照「……という事で、これから菫に届く贈り物は
私が全部検閲する事にした」
菫「別に構わないが……どうして急に?
そもそもお前の負担が大き過ぎるんじゃないか?」
照「二人で居る時にいちいち邪魔されるのも不快だし。
どうせ食べられるものは私に横流しするんだから、
最初から私が受け取った方が早いでしょ」
菫「まあ確かに」
照「というわけでファンクラブに伝達しておいて。
贈り物は全部私を仲介する事。
菫に直接渡してきた場合は全部受け取り拒否で」
菫「随分徹底してるな」
照「こうでもしなきゃ
いつまでたっても改善されないから」
--------------------------------------------------------
照「今日の贈り物は13件か」
照「一つ目。クッキーだね。一つ一つ個包装で
穴とかをあけられた形跡はなし。OK」
照「二つ目。和菓子か…
あ、シールをはがした形跡がある。
これは廃棄処分」
照「三つ目は手紙か……ラブレターだね。廃棄処分」
照「四つ目は…タオル?うーん、
未使用か判断がつかないし廃棄処分」
照「五つ目。ヨックモック……
うん、包装も大丈夫。OK」
照「六つ目。手紙。内容は普通の応援か。
まあこのくらいの内容ならいいかな。OK」
照「七つ目は……なんだろう、
手紙っぽいけど何か他にも入ってるような――」
照「痛っ」
照「カミソリ……か。今度からは
直接手渡し以外は全部廃棄にしよう」
照「八つ目……」
--------------------------------------------------------
照「というわけで。昨日の結果は食べられるお菓子が3件、
応援の手紙が1件、廃棄処分が7件、危険物が2件だった」
菫「危険物ってなんだ!?」
照「カミソリ。私の事をよく思ってない人が居るみたい」
菫「よし、やめよう。お前が
そんな危険に晒される必要はない」
照「今止めたら余計に付け上がらせるだけでしょ。
というか菫が気づくべきはそこじゃない」
菫「どこだよ」
照「菫のファンには、マネージャーに平然と
カミソリを送ってくるような危険人物が居るって事だよ」
照「そんなの野放しにできないでしょ。
今回は私だったけど、いつ
菫本人に牙を剥くかわからないんだよ?」
菫「心配するな。これでも護身術には覚えがある。
実際に襲ってきた奴を撃退した経験もな」
照「……もしかして菫って頭おかしいの?」
--------------------------------------------------------
照「まさか襲撃経験済みなのに
ファン対応を続けてるとは思わなかった」もきゅもきゅ
琉音
「あいつ鋼の心臓過ぎんだろ」
栞「私だったらもう外に出るのも嫌になっちゃうかも」
蘭「ぼ、ボクも」
菜月
「襲われたってどのくらい危険な状況だったの?」
照「屋上に呼び出されて、告白を断ったら
せめてキスだけでも、って詰め寄られたらしいです」もきゅもきゅ
照「それも断ったら襲われたので返り討ちにしただとか」もきゅもきゅ
栞「うわぁ」
照「後は単純に夜道を襲われたケースが4件。
撃退はしたけど穏便な対応に留めたとか」もきゅもきゅ
蘭「……洒落になってないよ」
琉音
「で、お前はどうするつもりなんだ?」
照「……」もきゅ
照「この際、徹底抗戦を挑もうと思います」
琉音
「お前こそ状況を甘く見てねぇか?
相手はなりふり構わず弘世を手に入れようって奴だぞ。
……『その手』も誰かにやられたんだろ?」
栞「そ、そうだよ。できるだけ刺激しないで
今のままの状態を保った方が……」
蘭「そ、それに……相手と同じとこまで落ちちゃ駄目だよ」
菜月
「私もおおむね皆と同意見だけど。
このまま現状維持ってのもどうかと思う」
菜月
「で。照ちゃんは具体的にどうするつもりなのかな?」
照「そうですね。とりあえず――」
--------------------------------------------------------
照「――メディアの前で、菫と付き合ってるって公言します」
--------------------------------------------------------
照「というわけで、今度の取材で
菫との仲を暴露するから」
菫「おいちょっと待て。それ以前に、
私にはお前と付き合ってるって認識がないんだが」
照「そういう情報を流すって事だよ。
手に入る可能性が残ってるから夢を見る。
なら、手に入らないんだと思い知らせればいい」
照「菫がすでに私のものだとわかれば、
熱狂的なファンは激減するはず」
菫「作戦に穴があり過ぎるだろう。
沈静化するまでは大幅に危険度が増すじゃないか。
私はともかくお前に危害が及ぶのは看過できない」
菫「そもそもお前はそれでいいのか?
別段好きでもない奴と恋仲だったって記録が
一生残り続けるんだぞ?」
照「……」
照「……はぁ。だから菫は心配なんだよ」
菫「どういう事だ」
照「ここまでしようとする相手。
メディアの前で恋人宣言しようって提案する相手を前に、
もしかして……って疑念すら抱かない」
照「そもそも菫、手作りは危険って知ってるよね?
なのに、どうして私が淹れたお茶は
無警戒でゴクゴク飲んだの?
筋弛緩剤とか入ってたらって思わなかった?」
菫「っ!?」
照「あ、ちなみに今部屋には鍵掛かってるよ。
私が後から取りつけた南京錠だから菫じゃ外せない。
この部屋防音しっかりしてるし助けも呼べないね」
菫「照、お前……!」
照「今まで運がよかっただけなんだよ。
菫はいつこういう状況になってもおかしくなかった。
危険は今も継続してる。
一刻も早く手を打つ必要があるんだよ」
照「じゃないと――」
--------------------------------------------------------
照「私が、いつまでたっても安心できないから」
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西田
『Weekly麻雀TODAY独占インタビュー!
白糸台のツートップ、弘世宮永の関係に迫る!!
という事で、うん。こちらとしては歓迎なんだけど』
西田
『これ、本当に記事にしちゃっていいの?
多分色んな意味で大事になっちゃうと思うんだけど』
照『構いません。むしろ大々的にお願いします』
西田
『えーと。流石にぼかすべきところはぼかすけど……
学校によっては停学とか退学とかいう
話になっちゃうんじゃないかしら。
その、不純同性交友禁止とかの校則で』
照『白糸台にその校則はありませんし、
そもそも結婚を前提にした上での交際なので大丈夫です』
西田
『宮永さんの意思はよくわかったけど、
弘世さんはどうなのかしら?
さっきから石像みたいに微動だにしないんだけど』
照『もちろん菫も同じ思いです。
ちゃんと二人で同意の上で来てますから』
照『……だよね?』
菫『……』
--------------------------------------------------------
菫『……ハイ。全面的ニ照ニ同意シマス』
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栞「あれからもう一か月かぁ。
二人はまだ復帰しないんだっけ?」
琉音
「もうそろそろ出てくるだろ。
犯人もあらかた捕まったみたいだしな」
蘭「そ、それにしてもまさか
殺害予告まで出てくるとは思わなかったよ。
ホントにアイドル扱いだったんだね……」
菜月
「でも、殺害予告した結果当の二人が雲隠れとか、
完全に裏目ってるとしか思えないんだけど」
栞「そんな事になったら絶対二人でイチャイチャするよね……
って、おお、噂をすれば!」
菫「……ただいま戻りました」
照「いろいろご迷惑をおかけしてごめんなさい」
琉音
「おぉ。まぁ、なんつぅか、お疲れさん」
栞「大変だったね。もう出てきて大丈夫なの?」
照「あ、はい。殺害予告犯も全員捕まりましたし、
今も弘世家のボディーガードがついててくれるので」
蘭「ぼ、ボディーガード……」
照「ファンクラブとかも無くなりましたし、
後は菫と私がいつも一緒に居れば
自然と風化していくかと」
照「ね、菫」
菫「……そうだな」
琉音
「それなんだけどよ。結局お前らって
本当に付き合ってんのか?
元々はファン避けのブラフだったんだろ?」
照「もちろん。何ならここで
誓いのキスでもしましょうか?」
栞「きゃー!!」
蘭「刺激が強すぎるよ!?」
菜月
「まあ仮に作戦だったとしても、
あんな内容暴露する時点でお察しではあるよね」
照「はい。そういう事で
菫と私は正式に付き合ってるので
手を出さないようにしてください」
照「ね、菫」
菫「……ソウダナ」
琉音
「おい、なんか弘世壊れてねぇか?」
--------------------------------------------------------
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菜月
「照ちゃん随分壊れちゃってたね」
菫『ええ。最近じゃ私が誰かと話して笑ってるだけで、
ものすごい勢いで睨んできますよ』
菜月
「こうやってこっそり話してるってバレたら
私殺されたりしない?」
菫『その時は流石に真実を伝えるので大丈夫です』
菜月
「照ちゃんがヤキモチ妬くのが可愛過ぎてつい、って?
あれはもうヤキモチどころか
完全に病気の領域だと思うけど」
菫『あの無表情で人に興味なさそうな照が、
目をどろどろ濁らせて睨みつけてくるんですよ?
あの眼差しを味わえるなら命など惜しくはない』
菜月
「はあ。照ちゃんもとんでもない
ヤンデレに捕まったもんだよね。
心から同情するよ」
菫『ヤンデレ同士で結ばれたなら
これ程素晴らしい事もないでしょう』
菜月
「はいはいご馳走様。お願いだから
こっちに刃が向かないようにしてね」
菫『もちろんです。……それでは今日はこの辺で』
プツッ――
菜月
「……」
菜月
「……うん。行き過ぎた恋心って、本当に怖いね」
(完)
なし。リクエストがあらすじ代わりです。
<登場人物>
宮永照,弘世菫,棚橋菜月,渡辺琉音,宇野沢栞,沖土居蘭
<症状>
・ヤンデレ(かわいい)
・依存(かわいい)
<その他>
次のリクエストに対する作品です。
・菫呼びに変わった辺りの照が、
白糸台生にモテまくる菫さんに嫉妬する話。
甘くても病みでも大丈夫。
→病みシリアスで書こうと思ったらドロドロになったので
ボツって書き直しました。
「テルーの病みが見たい!」的なコメントが多かったら
シリアス版も公開します。
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照「ねえ菫。聞いてもいい?」
菫「なんだ?」
照「今、私達は部活動を終えて
寮に帰ろうとしてる状況だよね」
菫「ああ」
照「今日は予定外の特打ちがあったから、
いつもより帰る時間が2時間も遅くなってるよね?」
菫「なんだ、実は早く帰りたかったのか?」
照「いや、そう言う事じゃなく――」
『あ、弘世さーん!ちょっといいですかー!』
菫「あ、すまん。呼ばれたから行ってくる」
照「……行ってらっしゃい」
……
菫「……お待たせ。で、帰る時間が
遅くなったのがどうかしたのか?」
照「いや、今の割り込みで気づいて欲しいんだけど。
どうして予定外の時間に帰ってるのに、
こんなにファンの人と出くわすの?」
菫「たまたまだろ」
照「今の割り込みで4回目。そもそも
プレゼント持ってる時点で偶然はあり得ないでしょ」
菫「なら出待ちしてたんじゃないか?」
照「さも当然のように言われるとは思わなかった。
気持ち悪いとか思わないの?」
菫「純然たる好意なわけだしな。好意には好意で返したい」
照「流石は親切な人だね。驚くべき博愛精神。
アイドルとか向いてるんじゃない?」
菫「いやいや私のどこがアイドルに――『弘世さーん』
……ちょっと行ってくる」
照「……どうぞ」
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照「――という事があったんですが」もきゅもきゅ
渡辺琉音(わたなべるね)
「あー。まあ弘世だしなぁ」
照「納得なんですか?」もきゅもきゅ
宇野沢栞(うのざわしおり)
「インターミドルで大活躍だったしね。
テレビで映ってたけど応援の横断幕凄かったもん」
琉音
「『I ♥ Sumire』の奴な。
こいつらアイドルのイベント会場と間違えてんじゃねぇかって思った」
棚橋菜月(たなはしなつき)
「ファンへの対応が真摯なのも大きいんだよね。
あの外見で優しく対応してくるのはずるいよ」
沖土居蘭(おきどいらん)
「ど、どう見ても食べきれないお菓子をもらってるのに
笑顔で『ありがとう』だもんね。
あ、あれ本当に全部食べてたのかな」
照「今はもらった傍から私の胃袋に流し込まれていきますが」もきゅもきゅ
琉音
「鬼畜じゃねぇか。心の籠ったプレゼントを横流しかよ」
栞
「あ、あはは……でも仕方ないんじゃないかな。
生菓子とか大量にもらっても食べきれないし」
菜月
「ファンとしてはもらってもらえた時点で満足だろうし……
捨てられるよりはいいんじゃないかと思う」
照「処理しきれないならもらわなければいい。
いちいち対応するから面倒な事になる」もきゅもきゅ
琉音
「なんだぁ宮永?お前、もしかして妬いてんのか?」
照「……どうして私が?」もきゅ
琉音
「いや、お前からすりゃ弘世のファンは
全自動高級お菓子提供マシーンだろ。
むしろ弘世にファンが群がった方が都合いいじゃねぇか」
琉音
「なのにそれを嫌がるって事は…
そういう事なんじゃねぇのか?」
照「そういうのじゃないです」
栞「はいっ!私は宮永さんを応援します!」
照「そういうのじゃない」
菜月
「いいんじゃないの、そういうのも青春っぽくて」
照「そういうのじゃないって言ってるでしょ」
蘭「ええ、と、その、ボクは」
照「そういうのじゃないですってば」
蘭「まだ何も言ってないよ!?」
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照「では、お先失礼します」
菫「お疲れさまでした」
……
琉音
「行ったか。んで、お前らはあいつらの事どう思う?」
栞「えーと、最初は弘世さんの方が
宮永さんを勧誘してたと思うんだけど……」
菜月
「最近は逆転してるよね。照ちゃんの方が
菫ちゃんの後をついて行ってる感じ」
琉音
「今思うと結構謎だよな。弘世の奴、
どういう経緯で宮永の奴捕まえてきたんだ?」
菜月
「天性の勘?……女たらしの」
蘭「お、女たらしって」
栞「あ、あはは……でも弘世さんってそういうところあるよね。
ちょっとでも興味を持ったらぐいぐい来るっていうか。
勘違いしちゃう子多そう」
蘭「……確かに。ボクも声掛けられた時ビックリしたし」
琉音
「トータルすると、一匹狼気質の宮永が
空気読まずに土足で踏み込んで来た弘世に
うっかりほだされたって感じか」
栞「るねさんも気を付けないと」
琉音
「あぁ!?なんで私が弘世なんかに
落とされなきゃなんねぇんだよ」
菜月
「まあその辺は置いとくとして。
実際問題、二人は恋愛に発展しそうかな?」
琉音
「宮永はほぼ黒に近いグレーだろ。
あいつって大体一人で居るか
弘世と一緒に居るかの二択じゃねえか?」
蘭「菫ちゃんはけっこう単独行動してるんだけどね。
照ちゃんが一人で誰かと話してるところ
見た覚えがないや」
栞「皆でいる時も基本弘世さんの方見てるしね。
問題は弘世さんがそういうの無頓着そうなのが……」
菜月
「照ちゃんの話によると、二人で居る時に
6回もファンに邪魔されたのに
全部丁寧に対応したんだよね。
照ちゃんが怒るのも無理ないと思うけど」
栞「うん。なんか宮永さんがかわいそうになってきた。
やっぱりみんなで応援しよう」
琉音
「ま、宮永が自分から泣きついてきたら、だけどな」
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『お、応援してます!これ差し入れです!
インターハイも頑張ってください!』
『ありがとう。期待にそえるよう全力を尽くすよ』
菫「おまたせ」
照「ん。なんかまた凄そうなのもらってきたね」
菫「なんと手作りケーキだそうだ」
照「……流石に手作りを
横流しされるのは気が引けるんだけど」
菫「ああ、これは渡さない。
もらっておいて悪いが焼却処分だな」
照「食べないの?」
菫「……手作りは危険過ぎるからな。
何が入ってるかわかったもんじゃない」
照「……」
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照「だったら受け取り拒否すればいいのに」もきゅもきゅ
琉音
「違いねぇ。捨てる位なら最初から拒否れよ」
栞「あー、もしかしてあの噂本当なのかなぁ」
菜月
「噂って?」
栞「弘世さんと同じ中学校の友達から聞いたんだけどね。
弘世さん絡みで大騒ぎになった事があるんだって。
……『血のバレンタイン事件』って言うんだけど」
蘭「あ、ボクもそれ聞いた事あるかも」
照「詳しく」もきゅもきゅ
蘭「あ、その、ええと……」
栞「宮永さん食事中だけど大丈夫かな……」
照「……」ごくん
照「詳しく」
栞「弘世さんが中学校二年生のバレンタインでね、
異物混入事件があったんだって。それも複数」
照「……」
栞「髪の毛とか、爪、とか、まぁよくわからないものとか、
果てはなんか鉄の味がする……
みたいなチョコもあったらしくて。
流石に不審に思った弘世さんが
ファンクラブ経由で調査したら、
何か凄いおぞましい結果がわかっちゃって。
で、それ以来手作りのお菓子は
受け取り拒否の方針になったらしいんだ」
琉音
「うげぇ……でも、ならなんで今は
受け取ってんだ?」
栞「ええと、去年のバレンタインで
また事件が起きたらしくって。
弘世さん、受け取るチョコは
既製品に限定するって公言してたんだけど、
既製品だって偽って手作りを
紛れ込ませてくる子が多発したらしいの」
栞「それで、結局弘世さんは諦めて
全部受け取ったらしいけどね。
それを全部食べたかっていうと……
ちょっと厳しいんじゃないかな」
琉音
「……」
照「……」
蘭「……」
菜月
「……行き過ぎた恋心って怖いね」
琉音
「中途半端に規制するより、まず受け取って
捨てちまった方が安全って事か……」
照「だったら全部受け取り拒否すればいいのに」
菜月
「多分その方が厄介なんじゃない?
どうしてもってすがってくる子も居るだろうし、
断られたら泣きじゃくる子とかも居るんじゃないかな」
照「……」
照「うん、決めた」
琉音
「何をだ?」
照「菫を取り巻く環境は異常過ぎる。
こんな負の循環は取り払うべき」
蘭「え、ええと……どうやって?」
照「私が菫のマネージャーになって守ります」
菜月
「具体的には」
照「菫への贈り物は必ず私を経由する事にして、
菫には直接送れない事にする。
不審物は受け取り拒否で、既製品は私が食べる」
照「この条件を徹底すれば、
そのうち誰も贈って来なくなるでしょう」
琉音
「お、おぅ」
栞「が、頑張ってね」
蘭「で、でもそんな事したら、ファンの皆から
照ちゃんへの風当たりが強くなるんじゃないかな」
照「菫を助けるためなら我慢します。
むしろこの際返り討ちにします」
菜月
「そっか。ま、いいんじゃない?」
琉音
「よくねぇよ!?」
菜月
「よくないかー」
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琉音
「……で、どう思うよ」
菜月
「照ちゃんヤンデレ説に一票」
栞「付き合ってないのに贈り物検閲はやり過ぎだよね…
弘世さんはあの条件飲むのかな」
菜月
「割と普通に飲むんじゃない?今だって
プレゼント横流ししてるんだから大差ないでしょ」
琉音
「宮永の言い分もわからなくはないんだよな。
正直弘世の状況は異常過ぎんだろ」
菜月
「まあ、誰も得してないのは確かだよね」
栞「じゃあ、宮永さんを援護するって方向で?」
蘭「う、うーん……いいのかなぁ」
菜月
「蘭先輩的には乗り気じゃないと」
蘭「乗り気じゃないっていうか……
なんか、このままじゃ大事になっちゃいそうな気がして」
蘭「正直、最近の照ちゃんの目怖過ぎるから」
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照「……という事で、これから菫に届く贈り物は
私が全部検閲する事にした」
菫「別に構わないが……どうして急に?
そもそもお前の負担が大き過ぎるんじゃないか?」
照「二人で居る時にいちいち邪魔されるのも不快だし。
どうせ食べられるものは私に横流しするんだから、
最初から私が受け取った方が早いでしょ」
菫「まあ確かに」
照「というわけでファンクラブに伝達しておいて。
贈り物は全部私を仲介する事。
菫に直接渡してきた場合は全部受け取り拒否で」
菫「随分徹底してるな」
照「こうでもしなきゃ
いつまでたっても改善されないから」
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照「今日の贈り物は13件か」
照「一つ目。クッキーだね。一つ一つ個包装で
穴とかをあけられた形跡はなし。OK」
照「二つ目。和菓子か…
あ、シールをはがした形跡がある。
これは廃棄処分」
照「三つ目は手紙か……ラブレターだね。廃棄処分」
照「四つ目は…タオル?うーん、
未使用か判断がつかないし廃棄処分」
照「五つ目。ヨックモック……
うん、包装も大丈夫。OK」
照「六つ目。手紙。内容は普通の応援か。
まあこのくらいの内容ならいいかな。OK」
照「七つ目は……なんだろう、
手紙っぽいけど何か他にも入ってるような――」
照「痛っ」
照「カミソリ……か。今度からは
直接手渡し以外は全部廃棄にしよう」
照「八つ目……」
--------------------------------------------------------
照「というわけで。昨日の結果は食べられるお菓子が3件、
応援の手紙が1件、廃棄処分が7件、危険物が2件だった」
菫「危険物ってなんだ!?」
照「カミソリ。私の事をよく思ってない人が居るみたい」
菫「よし、やめよう。お前が
そんな危険に晒される必要はない」
照「今止めたら余計に付け上がらせるだけでしょ。
というか菫が気づくべきはそこじゃない」
菫「どこだよ」
照「菫のファンには、マネージャーに平然と
カミソリを送ってくるような危険人物が居るって事だよ」
照「そんなの野放しにできないでしょ。
今回は私だったけど、いつ
菫本人に牙を剥くかわからないんだよ?」
菫「心配するな。これでも護身術には覚えがある。
実際に襲ってきた奴を撃退した経験もな」
照「……もしかして菫って頭おかしいの?」
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照「まさか襲撃経験済みなのに
ファン対応を続けてるとは思わなかった」もきゅもきゅ
琉音
「あいつ鋼の心臓過ぎんだろ」
栞「私だったらもう外に出るのも嫌になっちゃうかも」
蘭「ぼ、ボクも」
菜月
「襲われたってどのくらい危険な状況だったの?」
照「屋上に呼び出されて、告白を断ったら
せめてキスだけでも、って詰め寄られたらしいです」もきゅもきゅ
照「それも断ったら襲われたので返り討ちにしただとか」もきゅもきゅ
栞「うわぁ」
照「後は単純に夜道を襲われたケースが4件。
撃退はしたけど穏便な対応に留めたとか」もきゅもきゅ
蘭「……洒落になってないよ」
琉音
「で、お前はどうするつもりなんだ?」
照「……」もきゅ
照「この際、徹底抗戦を挑もうと思います」
琉音
「お前こそ状況を甘く見てねぇか?
相手はなりふり構わず弘世を手に入れようって奴だぞ。
……『その手』も誰かにやられたんだろ?」
栞「そ、そうだよ。できるだけ刺激しないで
今のままの状態を保った方が……」
蘭「そ、それに……相手と同じとこまで落ちちゃ駄目だよ」
菜月
「私もおおむね皆と同意見だけど。
このまま現状維持ってのもどうかと思う」
菜月
「で。照ちゃんは具体的にどうするつもりなのかな?」
照「そうですね。とりあえず――」
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照「――メディアの前で、菫と付き合ってるって公言します」
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照「というわけで、今度の取材で
菫との仲を暴露するから」
菫「おいちょっと待て。それ以前に、
私にはお前と付き合ってるって認識がないんだが」
照「そういう情報を流すって事だよ。
手に入る可能性が残ってるから夢を見る。
なら、手に入らないんだと思い知らせればいい」
照「菫がすでに私のものだとわかれば、
熱狂的なファンは激減するはず」
菫「作戦に穴があり過ぎるだろう。
沈静化するまでは大幅に危険度が増すじゃないか。
私はともかくお前に危害が及ぶのは看過できない」
菫「そもそもお前はそれでいいのか?
別段好きでもない奴と恋仲だったって記録が
一生残り続けるんだぞ?」
照「……」
照「……はぁ。だから菫は心配なんだよ」
菫「どういう事だ」
照「ここまでしようとする相手。
メディアの前で恋人宣言しようって提案する相手を前に、
もしかして……って疑念すら抱かない」
照「そもそも菫、手作りは危険って知ってるよね?
なのに、どうして私が淹れたお茶は
無警戒でゴクゴク飲んだの?
筋弛緩剤とか入ってたらって思わなかった?」
菫「っ!?」
照「あ、ちなみに今部屋には鍵掛かってるよ。
私が後から取りつけた南京錠だから菫じゃ外せない。
この部屋防音しっかりしてるし助けも呼べないね」
菫「照、お前……!」
照「今まで運がよかっただけなんだよ。
菫はいつこういう状況になってもおかしくなかった。
危険は今も継続してる。
一刻も早く手を打つ必要があるんだよ」
照「じゃないと――」
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照「私が、いつまでたっても安心できないから」
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西田
『Weekly麻雀TODAY独占インタビュー!
白糸台のツートップ、弘世宮永の関係に迫る!!
という事で、うん。こちらとしては歓迎なんだけど』
西田
『これ、本当に記事にしちゃっていいの?
多分色んな意味で大事になっちゃうと思うんだけど』
照『構いません。むしろ大々的にお願いします』
西田
『えーと。流石にぼかすべきところはぼかすけど……
学校によっては停学とか退学とかいう
話になっちゃうんじゃないかしら。
その、不純同性交友禁止とかの校則で』
照『白糸台にその校則はありませんし、
そもそも結婚を前提にした上での交際なので大丈夫です』
西田
『宮永さんの意思はよくわかったけど、
弘世さんはどうなのかしら?
さっきから石像みたいに微動だにしないんだけど』
照『もちろん菫も同じ思いです。
ちゃんと二人で同意の上で来てますから』
照『……だよね?』
菫『……』
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菫『……ハイ。全面的ニ照ニ同意シマス』
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栞「あれからもう一か月かぁ。
二人はまだ復帰しないんだっけ?」
琉音
「もうそろそろ出てくるだろ。
犯人もあらかた捕まったみたいだしな」
蘭「そ、それにしてもまさか
殺害予告まで出てくるとは思わなかったよ。
ホントにアイドル扱いだったんだね……」
菜月
「でも、殺害予告した結果当の二人が雲隠れとか、
完全に裏目ってるとしか思えないんだけど」
栞「そんな事になったら絶対二人でイチャイチャするよね……
って、おお、噂をすれば!」
菫「……ただいま戻りました」
照「いろいろご迷惑をおかけしてごめんなさい」
琉音
「おぉ。まぁ、なんつぅか、お疲れさん」
栞「大変だったね。もう出てきて大丈夫なの?」
照「あ、はい。殺害予告犯も全員捕まりましたし、
今も弘世家のボディーガードがついててくれるので」
蘭「ぼ、ボディーガード……」
照「ファンクラブとかも無くなりましたし、
後は菫と私がいつも一緒に居れば
自然と風化していくかと」
照「ね、菫」
菫「……そうだな」
琉音
「それなんだけどよ。結局お前らって
本当に付き合ってんのか?
元々はファン避けのブラフだったんだろ?」
照「もちろん。何ならここで
誓いのキスでもしましょうか?」
栞「きゃー!!」
蘭「刺激が強すぎるよ!?」
菜月
「まあ仮に作戦だったとしても、
あんな内容暴露する時点でお察しではあるよね」
照「はい。そういう事で
菫と私は正式に付き合ってるので
手を出さないようにしてください」
照「ね、菫」
菫「……ソウダナ」
琉音
「おい、なんか弘世壊れてねぇか?」
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菜月
「照ちゃん随分壊れちゃってたね」
菫『ええ。最近じゃ私が誰かと話して笑ってるだけで、
ものすごい勢いで睨んできますよ』
菜月
「こうやってこっそり話してるってバレたら
私殺されたりしない?」
菫『その時は流石に真実を伝えるので大丈夫です』
菜月
「照ちゃんがヤキモチ妬くのが可愛過ぎてつい、って?
あれはもうヤキモチどころか
完全に病気の領域だと思うけど」
菫『あの無表情で人に興味なさそうな照が、
目をどろどろ濁らせて睨みつけてくるんですよ?
あの眼差しを味わえるなら命など惜しくはない』
菜月
「はあ。照ちゃんもとんでもない
ヤンデレに捕まったもんだよね。
心から同情するよ」
菫『ヤンデレ同士で結ばれたなら
これ程素晴らしい事もないでしょう』
菜月
「はいはいご馳走様。お願いだから
こっちに刃が向かないようにしてね」
菫『もちろんです。……それでは今日はこの辺で』
プツッ――
菜月
「……」
菜月
「……うん。行き過ぎた恋心って、本当に怖いね」
(完)
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テルーの病みが見たい!
テルーの病みが見たい!
ふぅ…これで3カウントだな…
テルー病みが見たいですぜひぜひ見たいです。
シリアスも見たいです。
あ、シリアス希望です
事実上咲高校麻雀界のツートップなこの二人を一歩引いた保護者目線で見られる旧白糸台組いい...
照が策略家なのを見たいです。
白糸台の先輩達が出てきて嬉しかったです!
別バージョンリクエスト以外には
できるだけコメントします。
やはり菫もそっち側>
菫怖い>
菫「例によって私が攻め側に回ると
怖がられるな」
照「ほかの人と違って淡々と
狂ってるから怖いんだよ」
最後はサラリのヤンデレ>
照「結構病んでると思うので更生をお勧めする」
菫「他人のプレゼント検閲とか
実際に申し出てきたら正気を疑うな」
テルーはどうあがいても>
照「病んでる菫はそれを表に出さないから
たちが悪い」
菫「暴露したらヤキモチ
妬いてもらえないだろう?」
旧白糸台組>
るね
「毎日甘ったるいやり取りを
至近距離で見せられるんだぞ?
むしろ拷問じゃねぇか?」
照「まあまあ」
菫「まあまあ」
菫さんが壊れてるのは演技?>
菫「演技だな。黒幕である事がバレないための」
照「この菫本当に厄介」
白糸台の先輩達が出てきて嬉しかった>
照「17巻まで読んでないとわからないから
ちょっと迷ったけど
お題の都合上出てもらった」
菫「意外と『誰?』という反応もなかったから
今後は普通に出すかもしれないな」