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【咲-Saki-SS:誠淡】淡「ねえ、亦野先輩。名前を呼んで?」【依存】

<あらすじ>
なし。リクエストがそのまま
あらすじ代わりです。

<登場人物>
亦野誠子,大星淡,弘世菫,宮永照

<症状>
・共依存
・ヤンデレ
・異常行動
・狂気

<その他>
次のリクエストに対する作品です。
・虎姫の狂気に気づきつつも自分は
 それに囚われないように生活してきた亦野さんが、
 照菫の卒業後徐々に病んでいく淡の姿を見ていられず、
 後戻りできなくなるとわかって自ら狂気の中へ身を投じてしまう話
 →すいません、徐々どころか一気に病みました。


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今でも時々思うんだ。


あの日、淡を見捨てていれば。
普通の人生を歩めていたんじゃないかって。


そして思ってしまうんだ。
凡人に過ぎない私にとっては、
そっちの方が幸せだったじゃないかって。


なんてね。今更考えても遅いんだけどさ。
ああ、大丈夫だよ淡。もう逃げたりしないから。


そのかわり、逃がしてもあげないけど。



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『ねえ、亦野先輩。名前を呼んで?』




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これは、あくまで個人的な見解に過ぎないけれど。
インターハイで上位に残るようなチームは、
大体何らかの歪さをはらんでいると思う。

例えば、全国ランキング2位の千里山女子。
今年先鋒になった園城寺は、
能力を酷使して試合終了直後に倒れた。
聞けば過去には生死の境をさまよった事もあるだとか。
インターハイのために命までかけるか?
ちょっと普通じゃ考えられない。

例えば、決勝戦常連の臨海女子。
去年までは日本人が一人もいなかった。
今年は辻垣内が居たけれど
基本雀士を輸入する方針は変わらず。
いやいやインターハイって部活動の一環だろ?
手段と目的を取り違えてるとしか思えない。

例えば、今年準決勝でうちを倒した阿知賀女子学院。
聞けば出場の目的は、疎遠になった友達と遊ぶ事だったらしい。
いやいや遊びたいなら遊びに行けばいいじゃん。
なんでそれでインターハイの頂点目指しちゃうの?
思考回路がさっぱりよくわからない。


とまあ、他校について挙げ連ねてきたわけだけど。
ならお前達はどうなんだと問われれば、
残念ながら例に漏れない。
そう、白糸台も十分異常だ。

なのが異常なのかって?それは――



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――常軌を逸した団結力。

もはや依存と呼べるほどに、
常識を踏み外したチームワークにあった。



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白糸台に入学した生徒の大半は、
その青春を寮の中で過ごす事になる。

酷く閉鎖的な生活だ。朝起きてから夜ベッドに入るまで、
一度として学校の敷地を出る必要がない。
むしろ外に出るためには外出申請が必要という徹底ぶり。

雁字搦めにされた鳥かごの中、
その窮屈さにあえぎながら籠の中を飛び跳ねる小鳥。
それが、私達白糸台生だ。

そんな、ある種異様な空間においてすら
異常者扱いされる存在。それがチーム虎姫だった。


とにかく本当に離れないのだ。
まあ寮生活してて部活でもチームが一緒なのだから、
必然と言われればそうなんだけど。
朝ご飯、部活動、夕ご飯、お風呂、その後の自由時間。
およそ融通が利くすべての時間をチームで過ごす。
ここまでくると流石に異常だ。


ちょっと考えてみて欲しい。
例えば、貴方にとても親しい友達が居るとしよう。
貴方はその友達と、24時間365日
一緒に居たいと思うだろうか。

私はノーだ。いくら親しいとは言っても、
少しはひとりの時間が欲しい。
それが『普通』ってもんだろう?


虎姫は『普通』じゃない人間の集まりだった。
筆頭が弘世先輩と宮永先輩だ。
私が入学してからの1年間、お二人が自由時間に
1時間以上離れていた記憶がない。


一度聞いた事がある。
ずっと一緒だと息苦しくならないですかって。
たまには一人になりたくないですかって。
その時の事を思い出すと、今でも背筋がぶるりと震える。

宮永先輩は薄く嗤った。その目は漆黒に塗り固められていた。
そして語る。あの温厚な先輩が、ひどく鋭く冷たい声で。


『亦野は幸せだね。本当の孤独を味わった事がないんだ』

『一度でも本当の孤独を味わえば。
 そんな質問は出てこなくなると思うよ』


弘世先輩は溜息を吐いた。その目はどこか寂しそうだった。
そして語る。死刑囚が、今わの際に教訓を残すかのように。


『だが、お前はそれでいい。
 私達を異常だと思える自分を大切にしろ』

『近づきすぎるな。お前が普通の人生を送りたいなら、な』

『私達のようになってからでは遅い』


正直に言えばよくわからなかった。
本当の孤独とはなんなのだろう。
あの時弘世先輩は何を思っていたのだろう。
わからない。ただ、言葉は心に刻み込んだ。

距離を置いて接するべき。
私はその言いつけを忠実に守り、
可能な限り単独行動を心掛けた。

1日1回、一人の時間を必ず作る。
まとまった休みが取れた時は必ず外出申請する。
どんなに忙しかったとしても、
月に1回は一人でゆっくり釣りをする時間を作る。


なんて事のないルーチンだ。でも大切な事だった。
この些細なルーチンが、どれだけ私を救ってくれたか、
私は後になって思い知る事になる。

だって私の逆を行った後輩は――



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――虎姫が解体されてから、
ほんの数週間で狂ってしまったのだから。



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大星淡。チーム虎姫最年少にして、
次代のエースを担うであろう期待の新人。

酷く人懐っこいこの新人は、
私とは真逆の行動をとっていた。


どっぷり虎姫に浸かったのだ。
率先して単独行動をとる私とは対照的に、
むしろ空白の時間を埋め尽くすかのように
虎姫メンバーに纏わりついた。

正直に言ってしまえば、
少し異常なんじゃないかと思った。
懐き方が尋常じゃない。
何らかのトラウマがあるのではと
思わず疑ってしまう程に。


そんな淡はとりわけ先輩のお二人に懐いていた。
親鳥の後ろをついて歩く小鳥のように、
どこに行くにもついて回る。

もはや束縛と言っても過言じゃない
愛情をぶつけてくる淡に対し、お二人もまた愛で応えた。

休日を一日中弘世先輩の部屋で過ごし、
翌日三人揃って部屋から出てくるなんて事もしょっちゅうで。
寮生の間では、『三人は肉体関係にある』なんて
噂がまことしやかに語られていた。


噂の真相がどうであれ、淡が先輩方の愛情を
一心に受けていたのは事実だ。
淡はさぞ幸せな事だったろう。
先輩と一緒に居る淡はいつも笑顔に溢れていて、
その目をキラキラ輝かせていた。
まるで今が人生のピークだとばかりに。

でも。

先輩方が居なくなった今ならわかる。
それが、どれ程残酷な行為だったのか、が。



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淡がおかしくなり始めたのは、
先輩方が白糸台を出てすぐの事だった。


朝ご飯を食べに出てこない。
学校が始まる時間になっても姿を現さない。

異変に気付いた寮監が部屋を訪ねてももぬけの殻。
もしや、と思い今は空室となった弘世先輩の部屋の
扉を開けると、淡が小さく縮こまっていた。


「こんなところで何してるんだ。
 みんな心配してたんだぞ?」


呼び掛けに返された言葉は狂っていた。


「テルが居ないの。スミレが居ないの」

「朝はね。テルとくっついて二度寝して、
 先に起きたスミレが起こしに来るんだよ」

「で、布団を引っぺがそうとするスミレを
 テルと二人で返り討ちにして。
 三人で三度寝して、遅刻ギリギリになって慌てて起きる」

「それが私の黄金パターンなんだ」

「でもね、テルが居ないの。スミレが居ないの」

「だから私、いつまでたっても起きれない」


ぞっとした。ぶつぶつと独り言のように呟く淡の目は、
ガラス玉のように透き通っている。
人形みたいだ。そこには何も映っていない。

たった一日。親しい先輩が居なくなっただけで、
ここまでおかしくなってしまうものなのか。

一歩間違えれば自分もこうなっていたのかと思うと、
背筋がぞっと凍りついた。


「大星……先輩達はもう卒業したんだよ。
 いい加減独り立ちしなきゃ駄目だ」

「……そっか。そうだね。そうだった。
 私、二人に捨てられたんだった」

「独りで、立たなきゃ駄目なんだよね」


儚げな笑みを浮かべながら、淡がよろよろと立ち上がる。
と思ったらバランスを崩してへたり込んだ。
淡はそれを繰り返す。起き上がろうとしては崩れ。
崩れては起き上がろうとして。結局淡は立ち上がれない。


「ああもう…何してんだよ。ほら、肩貸してやるから」


見るに見かねて手を差し伸べた。
強引に体を引っ張り起こして、肩を貸して固定する。

途端、淡は大粒の涙を溢れさせて、
ぼろぼろと雫をこぼし始めた。


「ねえ、亦野先輩」

「なんだ」

「私、これからどうやって生きていけばいいのかなぁ」


言葉に詰まる。思いついた選択肢は三つ。
でも、どれも正解とは思えなかった。

一つ目。甘えるなって突っぱねる?
駄目だ。今の淡じゃ耐えられそうにない。

二つ目。当たり障りなく言葉を濁す?
問題を先延ばしするだけだ。


……なら、三つ目。私に甘えさせてやる?


駄目だ。私じゃ淡の愛情を受け止められる気がしない。
結局臆病で卑怯な私は、無難な返事を返してしまう。
拒絶する事もせず、でも踏み込まず一歩引いた答えを。


「それも含めて、自分で考えられるようにならなくちゃな」

「……そうだよね」


期待した答えではなかったのだろう。
淡は短く返した後、そっと静かに瞼を閉じる。
目にたまった涙が押し出されて、ぼたりと床に落下した。

気まずさを押しのけるように足を踏み出す。
のしかかる淡の体重が重たさを増した気がする。
横目で見れば、淡はぐったりと私に寄りかかっていて、
もう意識があるかすら怪しかった。
その様子を見て思ってしまう。


(こいつ……本当に生きていけるのかな)


かぶりを振って打ち消した。駄目だ、深く考えるな。
肩入れすれば私まで壊される。

そう、今はちょっと参ってるだけだ。
そのうち時間が解決してくれる。

必死で心に栓をする。ただただ無心に足を動かす。
それでも。肩に圧し掛かり続ける重みは、
私を解放してはくれなかった。



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たっぷり数日休んだ後、淡は学校に復帰した。
放課後の部活動にもちゃんと出ている。
だが、それで淡が復活したのかと問われると、
首を横に振らざるを得なかった。


逆だ。淡はどんどん壊れていってる。


目から光が消えている。
人懐っこく笑顔を振りまいていた面影は、
もうどこにも見当たらない。
まるで膜が張ったように曇った瞳を、
ぼんやり虚空に向けている。


前はこんな奴じゃなかった。
例え自分が負けたとしても、
「やるじゃん!」なんて目を輝かせて。
心底楽しそうに麻雀を打つ奴だった。

なのに今は、ただ、ただ。
無表情のまま、冷酷に相手を打ち倒す。

何より不気味で寒気がするのは、それで前よりも強くなってる事だ。
先輩方が卒業する前と比較しても、今の方が明らかに強い。


そんな淡の変貌は、部に悪影響をもたらした。


『すいません……もう、心が折れました』

『退部、させてください』


日に日に部員の数が減っていく。
淡に潰されてしまうのだ。

元々本気の淡を相手できるのはあのお二人だけだった。
それでも淡が今まで疎外されずにやって来れたのは、
その人懐っこさゆえだろう。

人間味を失い、ただ機械的に相手を蹂躙する今の淡は、
もはや壊し屋と呼んでも過言ではなかった。

今、淡は何を思って麻雀を打っているのだろう。
楽しむための麻雀でにこりとも笑わず、
ただ相手を壊し続ける淡は、
何のために麻雀を打つのだろう。

なあ、淡。お前、今麻雀打ってて楽しいのか?


「……楽しくないよ」


思わず目を見開いた。いつの間にか声に出ていたのだろうか。
淡は牌を持つ手を止めると、私の顔を覗き込んでいる。


「楽しくないなら、何のためだ?」

「生きるため」

「プロ雀士になるためって事?」

「違うよ。ほら、テルと菫先輩が
 卒業した次の日の事、覚えてる?」

「……お前が登校拒否になったやつか」

「うん。私、亦野先輩に聞いたでしょ。
 どうやって生きて行けばいいのかなって。
 私、自分なりに考えてみたんだ」


「これが、その結論」


淡は山から牌をツモると、
ゆっくり手牌を倒して見せる。
清一色、一通、ツモ、ドラ3。数え役満だ。

三人同時に飛び終了。一緒に打っていた部員が
「もう嫌だ!!!」と飛び出していく。
どうやら今日も部員が減りそうだ。


「わけわかんないよ。私からしたら
 生きるどころか自殺行為だ」

「お前、寂しがり屋だろ?
 なのにこんな打ち方してちゃ…
 独りぼっちになっちゃうぞ」

「うん。だからそうなるように打ってるの」

「スミレがね、卒業する前に言ってたんだ。
 『お前はもう一人じゃない。部員のみんなが居てくれる』って」

「テルがね、それに続けて言ったんだ。
 『私達が居なくても、淡はもう大丈夫』って」

「だったら。みんなが居なくなれば、どうなるのかな」

「私、独りぼっちだよね?大丈夫じゃなくなるよね?
 そしたら――」

「二人は戻ってきてくれるよね?」

「なっ……」


全身を戦慄が駆け抜ける。つまり、
淡は自分以外の全員を潰す気なのだ。

狂ってる。いや、わかりきった事ではあった。
でも、ここまで重症とは思わなかった。


「だから、ね。亦野先輩。さっさと潰れてくれないかなぁ」


淡の目が私をギョロリと見据える。
その目は光を灯さないどころか…
もはや、どろりと濁りを帯びていた。


どうすればいいんだろう。


淡が目指すその道は、誰も幸せになれない絶望の道だ。
瞬間、未来が脳裏に浮かぶ。
誰からも助けてもらえず疲れきった淡の姿。
淡が首に縄をかけ、足元の空箱を蹴り倒すイメージが。


駄目だ!それだけは絶対に避けないと!


「大星、考え直せ。こんな事しても先輩は戻ってこない!」

「本当はわかってるんだろ!?
 先輩方は卒業したんだ!お前が部を潰したところで、
 戻ってなんか来ない!」


「このまま続けても…お前は独りぼっちになるだけだ!」


大星淡の体が大きく震える。そして硬直。
気まずい沈黙の中、固唾をのんで淡の言葉を待つ。


「……はぁ」


決死の言葉が通じたのだろうか。
やがて淡は息を吐き、自嘲にまみれた嗤いを浮かべた。


「……そうだね。うん。亦野先輩の言う通りだよ」

「もう、やめる」


そう言って淡は立ち上がると、
ふらふらとロッカーの方に歩いていく。
やがてロッカーからかばんを取り出した。
どうやらもう帰るつもりのようだ。


ほっと胸を撫で下ろす。
何も解決はしていないけれど、
最悪の未来だけは回避できそうだ。

緊張の糸が消れた私は、
ぐったりと背もたれに深く腰掛ける。



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そんな私は気づかなかった。
淡の吐いた言葉の真意に。

ううん、目を背けていたのだろう。
自分が楽になるために。

ちょっと考えればわかったはずだ。
すがっていた最後の望みを断ち切られ。
絶望した人間がどんな行動に出るのかなんて。



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ただ。一つだけ不幸中の幸いだったのは。

淡が。私の目の前で直接。



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自殺、しようとした事だろう。



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反射的に体が動いた。大きく振りかぶり、
振り下ろされた腕をがしりと掴む。

手に握るものを見て血の気が引いた。
家庭科で使う裁ちばさみ。
こんなものを首に振り下ろしたら、
絶命は免れないだろう。

それまでの虚無が一転、
淡は烈火のごとく叫び始めた。


「なんで邪魔するのっ……!亦野先輩が言ったんじゃん!
 もう、私に望みはないって!」

「そんな事言ってないだろ!?
 今の方法じゃまずいって言っただけじゃないか!」


淡が力任せに腕を振り回す。握った腕が離れてしまう。
振りかぶろうとした瞬間、すんでのところで掴み直した。


「だったら他に何があるって言うの!?」

「それ、は……でも死んだら全部終わりだろ!」

「終わりにしたいって言ってるの!!
 邪魔しないでよ!
 どうせ、どうせ、どうせ、どうせ……っ!」


「一緒に゛居てくれな゛いくせに゛っ゛っっ!!!」


言葉のナイフが私を突き刺す。
図星だった。虚を突かれて力が緩む。

淡は乱暴に手を振りほどく。
バックステップ。私から距離を取ると、淡はそのまま、
振りかざした腕を首に振り下ろして――


「やめろーーーっっ!!!」



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――ずぶり。



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手に感じるは強烈な衝撃。一瞬視界が明滅する。
暗転した視界が戻ってきて、次に感じたのは激痛と熱。
酷く酷く重厚な痛みが腕を駆け抜け、
掌に場違いなぬくもりを覚えた。


ぼたり、ぼたり。先端から赤黒い血が滴り落ちる。


淡の振り下ろした裁ちばさみが、私の手のひらを貫いていた。
淡は一瞬きょとんとした表情を浮かべて、
でも次の瞬間どっと涙を溢れさせる。


「なんで…なんで、今更、どう゛して!!!」

「ずっと、ずっと遠巻きに゛してたじゃん゛!!!」

「助けてくれなかっ゛たじゃん!!!」

「なんで今更近寄ってくるのっ゛っ!?」


淡の怒りももっともだ。というか本音を言わせてもらえば、
今でも逃げ出したくて仕方ない。


「そりゃ、逃げ出したいけどさ……」


だからってこれは無理だろう?
目の前で人が死のうとしてるんだ。
見殺しにできる程狂っちゃいない。

突き刺さったハサミが痛い。
一思いに抜いちゃいたいけど、
確か抜いたら血がすごい事になるんだっけ。

仕方なく私は貫かれたまま、
泣きじゃくる淡を抱き締めた。


「ま、こうなっちゃったら仕方ないさ。
 代わりになるかわからないけど」

「淡が立ち直るまでの間……
 お二人の代役を務めさせてもらうよ」


淡がその目を大きく見開く。やがて大粒の涙をこぼしながら、
目を細めてほほ笑んだ。


「やっと……名前、呼んでもらえた……っ」


人知れずはぁ、とため息を一つ。
ああ、やっちゃった。これで淡は私に依存するだろう。
もう後戻りは許されない。

後は天に祈るだけだ。私が壊れてしまう前に、
誰かにバトンタッチできる事を。

なんて。そんな虫のいい願いが、
聞き入れられるはずもないのだけれど。



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期せずして大怪我を負った私。

理由こそ隠し通したものの、利き手が使えないとなると
日常生活に支障をきたすのは当然で。
完治までの二か月間、
誰かにサポートをお願いする事になった。


「もちろん私がお世話するよ!」


断る事はできなかった。実際、私は
淡レベルの手厚い介助を必要としていたからだ。

指をほんの少し動かすだけで鈍痛が走る。
耐えられない程ではないけど痛い。
これが酷く厄介だった。

痛みとは酷く原始的な感覚で、
本能に直接訴えかけてくるものだ。
精神に与える影響は計り知れず、
気力をそぐには十分。
となれば必然、動く事すら億劫になる。

何しろ着替えですら大変な重労働なのだ。
そんな時、援助してくれる人間が居たらどうなるか。
そりゃ、助けを求めたくもなるだろう?

結果として、私は淡がべったりと
張り付くのを許す事になる。
淡が孤立気味なのも災いした。
先輩方が卒業後散々暴れ回った淡に慄いて、
誰も私達に近寄ろうとしてこない。

誰かにヘルプを頼むとしたら、
必然淡しかいない状況。
自然、私達の距離は急速に縮まっていった。
自分でも驚くほどの速さで、
病的と呼すらべるほどに。



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『はい、亦野先輩あーんして?』

『いや、ご飯くらい自分で食べられるって』

『ダメダメ。そーやって油断して
 つい右手動かしちゃうんでしょ?
 隠せてると思ったら大間違いだよ』

『ほら。やせ我慢しないで。あーん』

『……あーん』



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『淡。悪いけど着替え手伝ってくれる?』

『お任せあれ!はい、バンザーイ』

『うへぇ……幼児にでもなった気分だ』



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『ねぇねぇ、これからはセーコって呼んでいい?』

『ダメ。仮にも白糸台高校の部長だからな。
 弘世先輩だって許してなかっただろ?』

『ああ、そっか、知らないんだね。スミレは、
 テルと三人だけの時は呼ばせてくれてたよ?』

『……今更呼び方変える必要もないだろ』

『あるよ。大ありだよ。それがわかってるから、
 セーコもずっと、私の事大星って呼び続けてきたんでしょ』

『……』

『というわけで!これからは
 二人きりの時はセーコって呼ぶから!』

『はぁ……勝手にしろ』



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あの事件から二か月経って、
私の右手から包帯が取れる頃。

かつて自分に課したルーチンは
一つ残らず崩壊していた。

たった1日1回ですら、一人になる時間はない。
まとまった休みが取れた日は淡と二人で外出する。
釣り?そういえば全然行ってない。


なんて事のないルーチンだ。でも大切な事だった。
この些細なルーチンを破った事が、
どれだけ私を狂わせてしまったのか、
私は思い知る事になる。


気づけば淡と二人でいる事が当たり前になっていた。
居ても全然苦にならない。
それどころか。淡の姿が見当たらないと、
妙に胸騒ぎがして探してしまう。

でも一番厄介なのは。そんな状況に陥ってもなお、
この生活をやめる気がしない事だ。

ふと、弘世先輩の言葉が頭に浮かぶ。


『私達を異常だと思える自分を大切にしろ』

『近づきすぎるな。お前が普通の人生を送りたいなら、な』


『私達のようになってからでは遅い』


考える。あれはこの事を言っていたのだろうか。
でも、考えてもよくわからなかった。

だって今の私では。今の状況の何が問題なのか、
てんで見当がつかなかったから。



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無事に傷も完治して、ついに
インターハイの地区大会が始まった。

問題なく全国に駒を進め、
インターハイの開会式を終えた帰り。
淡を捨てたあの人が、私達に近づいてきた。


「久しぶり」


私は淡の手を離すと、先に行けと横目で促す。
淡は気遣わし気にこちらを何度も振り向きつつも、
指示に従い離れていった。

淡の姿が消えるのを確認した後、
弘世先輩に向き直る。


「お久しぶりです。何の用ですか?」

「OGとして顔を出しに来ただけさ
 特に用があるわけではない」

「それにしても。随分とげのある対応だな」


言われてみて初めて気づく。
いつの間にか、私はこぶしを握り締めていた。
なんだこれ。どうしてこんなにイライラするんだ?

この人が淡を捨てて出て行ったから?
いくらなんでもそれは理不尽だ。
生徒が卒業するのは当たり前の事なのだから。

卒業後、今まで顔を見せに来なかったから?
それを責めるのも酷だろう。
お二人も新生活で忙しかったはずだ。
今こうして顔を見せているのだからいいじゃないか。

うん、状況はちゃんと理解できている。
なのに、どうして私はこんなに苛立ってるんだ?
ここまで敵意を抱いているんだ?


理解不能な感情に戸惑いながらも、
弘世先輩をにらみつける。
先輩は視線から目をそらすと、
やれやれ、とばかりに肩をすくめた。


「結局、お前も『こちら』に来てしまったか。
 まあ、おそらく私達のせいなのだろうが」

「……どういう事です?」

「昔、お前に忠告しただろう?
 『近づきすぎるな』と。どうやらお前は
 忠告に従わなかったようだな」

「今、私から淡を遠ざけて睨んでいるのがいい証拠だ」


はっと思わず息を呑む。そういえば、
私はどうして淡を遠ざけたのだろう。
お二人に一番会いたがっていたのは
ほかならぬ淡だったのに。


「正直、私には自分の感情がよくわからないんですが」

「単純だよ。嫉妬だ。お前は淡に近づきすぎた。そして溺れた。
 だから、自分から淡を奪おうとする存在を看過できない」

「……私から淡を奪う気なんですか?」

「心配するな。手を出すつもりは毛頭ない。
 照だけで手一杯だからな」


手を出すつもりはない。先輩のその一言で、
私の中のもやもやが霧散していく。
なんとなく悔しいけれど、先輩の言った通りらしい。


「とはいえ、淡の事が心配だったのは事実だ」

「忠告とは矛盾するが、
 お前が淡を救ってくれてよかった」


そう言うと、先輩は柔らかな笑みを浮かべた。
慈愛に満ちたその笑みに、私は過去抱いた疑問を思い出す。


「そもそも、どうして淡を捨てたんですか?
 お二人ともあんなに淡を可愛がっていたのに」

「そりゃ、卒業がどうしようもないのはわかります。
 それでも、もうちょっとやりようがあった気がしますけど」


笑顔は一転、先輩の眉間にしわが寄る。
場の雰囲気が凍り付いた。二人の間に霜が降りる。

聞いてはいけない事だったのだろうか。
いや、だとしても。
どうしても聞いておきたかった。


一歩も引くつもりはない。
そんな決意を読み取ったのだろう。
弘世先輩は小さくため息をつくと、
今度はくたびれた笑顔を見せた。


「……お前にも、すぐにわかる日が来るよ。
 こう言われたら不本意だろうが、
 お前の置かれた状況は私によく似ている」

「私が、ですか?」

「ああ。そしてそれこそが、
 私がお前に忠告した理由でもある」

「覚悟しておけ。お前が苦しむのはこれからだ」


先輩はそう言い残すと、踵を返して帰路に就く。

頭には疑問符が浮かんでいた。
結局聞きたい事は聞けず、謎だけが増えた気がする。
苦しむのはこれからだって?
一体私が何に苦しむって言うんだろう。

わからない。わからないけれど、

胸騒ぎが止まらなかった。

よくわからないけれど、
弘世先輩の予言は的中する。
そんな、確信に近い予感があった。



--------------------------------------------------------



弘世先輩が張った不穏な伏線、その回収はすぐだった。
まさに予言された通り、
私は地獄の苦しみを味わう事になる。


インターハイ団体戦を終えて、
続けて開かれた個人戦。
私の実力では個人戦に出る事は叶わず、
一人選ばれた淡をモニターの前で応援する事になった。


『またこの三人かぁ。ま、パワーアップした
 スーパーノヴァ淡ちゃんが
 三人まとめてボッコボコにしてあげるよ!』

『私だってあれからずっと
 山登りの回数を増やしてきたんだ!
 そう簡単には山は支配させないぞ!』

『なんで麻雀強くなるために山登りする?
 ま、いいか。スポンサーも注目してるだろうし
 三人とも無残に死んでもらうよ』

『え、えっと……よろしくお願いします!』


ああ、そっか。先輩の言ってた事はこれだったんだ。
答えは単純。淡と私では住む世界が違い過ぎる。


目の前のモニターが映し出す激闘。
それは完全に人間の領域を超越したもので。
もし私があの卓に入っていれば、
あっという間に飛ばされてしまっただろう。

住む世界が違い過ぎた。
淡は魔物だ。牌に愛された存在だ。
そんな淡が個人戦の決勝で鎬を削る中、
私は大会に出場すらできず
一観客としてその戦いを眺めるだけ。


モニターに三人の魔物が映し出される。
高鴨穏乃。ネリー・ヴィルサラーゼ。宮永咲。
私とは違う、淡と同等の力を持つ魔物達。
もしあの中の誰かが、淡と仲良くなった時。
淡は、そいつと私のどっちを選ぶんだろうか。


「はは、そんなのわかりきってるじゃないか」


ああ。だから弘世先輩は言葉を濁したんだろう。
そりゃ言いにくいよな。
『凡人のお前じゃ淡と釣り合わない』なんて。

そして先輩も同じ恐れを抱いたんだろう。
宮永先輩と淡、二人の魔物が手を取り合って、
自分の元を去ってしまう事を。

だから宮永先輩だけを連れて、淡を自分達から遠ざけた。


「…………楽しそうだな、淡」


目を輝かせて牌をツモる淡。
目の前の光景が歪んでいく。

私ではない誰かに笑いかける淡。
歪んでいく。

歪んでいく。

歪んでいく。

歪んでいく。

歪んでいく――



--------------------------------------------------------



――違う、歪んでるのは私の方だ



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自分が醜く歪んでいく
でも、もう止めようとは思わなかった

そして決めた
どうせ、もう後戻りはできないんだ



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私は、何が何でも淡を独り占めする



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暗い、暗い部屋の中
私は一人目を覚ます

六畳一間、小さな窓のあるこの部屋が
私に与えられた世界


唯一外界と繋がる扉には、
外からカギが掛かってる

外から私を奪おうとする者を、
そして、私がここから逃げ出す事を阻むために


カレンダーも時計もないから、
時間の感覚がよくわからない

窓を見上げたら星空が見えた
どうやら今は夜みたい


だとしたらセーコが帰ってくるはず
早く、早く帰ってきて欲しいな



--------------------------------------------------------







--------------------------------------------------------



高校卒業後、私は進学せず就職する道を選んだ
実家から出てすぐアパートを借りて、
淡の事を迎えに行った


『淡専用の部屋を用意したんだ。
 一生そこで暮らして欲しい』

『私だけを見て、私の事だけ考えて生きてほしい』


私の提案を聞いた淡は、二つ返事で快諾した
それどころか、大喜びして私にしがみついて
わんわん大声で泣きじゃくった


『そう言ってくれるのを待ってたんだ……っ!』


狂ってるよな、お互いに
でも、だからこそ
こうするのが一番幸せなんだろう


残念ながら、私は弘世先輩みたいな財力も才能もない
高卒で人を一人囲うとなると、相当の覚悟が必要で
朝早く外に出て、毎晩遅くまで働き続けている


へとへとになった帰り道、
月を見上げながらふと思う

もしあの日、あの時淡に手を差し伸べなければ
淡を見捨ててしまっていれば、
私は普通の人生を送れていただろう

凡人の私にとっては、その方が幸せだったのかもしれない
少なくとも、18にして働き詰めの生活なんて
無縁の人生だったに違いない

でも、ならやり直したいかと問われれば、
私は首を横に振る
生活が厳しいのは確かだけれど
今、私は幸せだから

自宅に帰り、淡の部屋に取り付けた南京錠を開錠する
扉を開くなり、待ってましたとばかりに淡が飛びついてきた


「おかえりなさい!!!」


ああ、これだ この一言があるだけで
私はいつまでも頑張れる
他の何を犠牲にしても、淡を愛し続けられる


「……でも、不思議なもんだなぁ」

「何がー?」

「どうしてこうなっちゃったのかな、ってさ」


滑稽な話だ
虎姫の中で一番まともで、皆から距離を置いていた私
なのにそんな私こそが、一番壊れてしまっている


「んー、でも私はこうなると思ってたよ」

「どうして?」

「だってセーコ、変だったもん。
 名前呼びは頑なに拒否してたくせに、
 ほっぺもにもにつまんできたりとか」

「矛盾してるなーって思ってた。
 でも、セーコが私をかばってケガしてさ。
 一緒に居るようになってから
 なんとなくわかったんだ」

「ああこの人、歯止めが効かない人なんだだって」


にぱっ、と笑顔を見せる淡を前に、
喉を詰まらせて目をそらす
うるさく高鳴る胸の鼓動を感じながら、
心の中でぼそりと呟いた


(ああ、そういう事だったのか)


多分、私は最初から
淡の事が好きだった

でも自分には届かないと諦めて
だから距離を置いていた

他の人は名前で呼べたのに、淡の事だけ
名字で呼び続けたのがいい証拠だ

そんな私が、救いを求めて手を伸ばす淡に
溺れてしまうのは至極当然の事だったんだ

そう考えてみれば
人生を狂わされたのは、私じゃなくて
淡の方だったのかもしれない


「ま、私達、意外とお似合いだと思うよ!
 コワレモノ同士でさ!」

「だから、一生一緒に居ようね?」


そう言って淡は微笑むと、
私の唇にキスを落とした



--------------------------------------------------------



今、淡は私の腕の中に納まっている
きっと選べた未来を捨てて、
幸せそうに頬ずりしている

でも時々、頬に涙の跡がついている
私以外の全てを捨ててしまったから
もし私に捨てられたら、そう考えると
怖くて仕方なくなるらしい


ああ、大丈夫だよ淡
もう逃げたりしないから
一生囲い続けてあげる


そのかわり、逃がしてもあげないけど


(完)
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posted by ぷちどろっぷ at 2018年04月30日 | Comment(9) | TrackBack(0) | 咲-Saki-
この記事へのコメント
メリーバッドエンド最高…最高…
Posted by at 2018年04月30日 23:15
「らかのトラウマ」は「昔からのトラウマ」?

それにしても白糸台唯一の良心まで堕ちてしまった……。
まあ、元から我が強い分踏み込まれたら弱いんだろうなぁ……。

あと白糸台唯一の良心が堕ちてしまったか……。
Posted by at 2018年04月30日 23:42
ぷちさんの珍しいカプで新しい世界に目覚めました…
Posted by at 2018年05月01日 19:29
最後の捨てられることを考えて泣いてた描写すんごい好きです
Posted by at 2018年05月02日 16:02
誠子はこれまで淡に対する想いを殺して距離を取ったから普通でいられたと考えられますね。
それが淡を自殺から守ってぐんと近づいた途端、遠慮なく溺れるようにになってしまったって訳ですか。
そう考えるともしここで淡を見捨てても誠子はどの道その時点で壊れたことでしょうから、この結末が誠子にとって一番幸せな気がします。

菫は自分が照と釣り合わないと感じて不安感を抱いた様ですが、そもそも照は何故に菫に溺れたのでしょうか。
少なくとも手一杯という事から照もかなり菫に依存していそうですが。
Posted by at 2018年05月02日 21:34
またあわは咲カプの1つの到達点だと常々思ってました(意味不明)
もし神様がいるなら亦野先輩に宝くじ当てさせて...
Posted by at 2018年05月04日 14:40
たかみーはどうなったんだろう。
あっちは誠子に依存してて、かっさらったりしそうだな。
何だかんだ妥協して淡はペット枠とか。
Posted by at 2018年05月06日 01:37
コメントありがとうございます!

メリーバッドエンド>
誠子
 「割とバッドエンド寄りだよなこれ」
淡「おおよそ幸せ!」

白糸台唯一の良心まで>
誠子
 「リクエストだから仕方ないね」
菫「後白糸台の良心は私だ」
淡「あ、誤字の連絡もありがとう!
  しれっと直した!」

珍しいカプで新しい世界に>
淡「リクエストじゃないとまず
  書かない組み合わせだろうから
  リクエストした人に感謝!」
誠子
 「でもTwitterでは地味に人気あるよな
  この組み合わせ」

捨てられることを考えて泣いてた描写
誠子
 「まっとうな思考持ってれば
  捨てられて困るのは私の方だって
  わかりそうなんだけどね」
菫「淡は麻雀でいくらでも食っていけるしな」
淡「心の支えっていう点では
  どっちが有利、とかないもんだよ」

この結末が誠子にとって一番幸せ>
誠子
 「最初から淡の事が好きだったわけだから
  私としては割とベストな展開なのかも」
淡「私が病んでる以上どうしようもないよね」
照「私の方は割と原作準拠。
  妹と離別して友人も作らず孤独だった」
菫「私が手を差し伸べた結果
  孤独は解消されたが
  原作よりも私に依存しているな」
照「後、菫は私が淡とくっついて離れる事を
  不安視してたけど、
  私も同じ不安を抱いていた」

亦野先輩に宝くじ当てさせて>
淡「菫先輩以外の人だとどうしても
  生活苦が問題に出てきちゃうよね」
誠子
 「私レベルだと麻雀で食い扶持稼ぐのは
  ちょっと厳しそうだしなぁ」

たかみーはどうなった>
尭深
 「…実は虎姫の中で唯一まともでした」
淡「なので虎姫が解体された後は
  一切二人に近寄ろうとしてこないよ!」
Posted by ぷちどろっぷ@管理人 at 2018年05月06日 09:33
遅ればせながらリクエストの者です。
ありがとうございます!
狂気に落ちても亦野先輩って感じのラスト好きです
Posted by at 2018年05月11日 22:59
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