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【咲-Saki-SS:哩姫花】花田「貴女と私を繋ぐ鎖」【小ネタ】【R18】
<あらすじ>
不貞。せっかく愛する人と結ばれたのに、
別の誰かと肌を重ねる人間は、
どうしてその行為に至るのだろう。
答えなんて知りたくなかった。
ましてや理解したくはなかった。
でも、今、私は確かに。
彼女と不貞を働いている。
<登場人物>
鶴田姫子,花田煌,白水哩
<症状>
・異常行為
<その他>
・Pawoo(Pixivが運営するSNSの一部)でだべってた時に
『フェロモン』をお題にもらって書いた小ネタSSです。超短い。
小ネタなのでド直球にエロだけです。
なお個人的には三人とも傷つかない
ハッピーエンド???のつもりで書いてます。
・ド直球に性的な表現を含みます。
苦手な方や未成年の方は読むのをお控えください。
--------------------------------------------------------
まだ小さかった頃。不貞を働く女のドラマを見て、
母に質問した事がある。
『どうしてこの人達は、結婚してるのに別の人とキスするの?』
子供に見られた時点で失敗、
さらにはこんな質問を受け、さぞ答えに窮しただろう。
それでも母はごまかす事なく、真摯に答えを返してくれた。
『人間はね、悪いとわかってても、
本能が勝っちゃう時があるの』
『煌だって、駄目だと思っても
お菓子を食べちゃう事があるでしょ?』
『それと同じ。わかってても惹きつけられちゃうの。
フェロモンって言うんだけどね?』
それは私にとって衝撃で、酷く恐ろしい事に思えた。
どんなに深く愛する人が居ても、
『フェロモン』は心を捻じ曲げてしまうのだ。
いわば麻薬のようなもの。怖くて思わず体が震える。
願わくば、経験せずに済む事を。
そう祈らずにはいられなかった。
願いは断ち切られるものだ。希望は奪われるものだ。
あれから数年。私は見事に、フェロモンにやられる事になる。
目の前で、甘やかな吐息が私をくすぐっている。
絶頂に達した後のように、気だるく緩慢に腰をくねらせるその少女は、
まさに今、私の理性を本能で塗り替えようとしていた。
◆
もちろん頭では理解していた。
彼女の痴態は、彼女自身が望んだものではないと。
さらに言えば、今彼女の中で荒れ狂う快楽のうねりは、
私が与えたものでもなかった。
リザベーション。姫子と部長の絆の証。
今全身をヒクつかせるこの少女は、
見えない鎖で部長と繋がり、秘めやかな蜜事に耽っているのだ。
いつからか。姫子は7飜以上のリザベーションを掛けられると、
絶頂を覚えるようになってしまった。
知っているのは、姫子を除けば私だけ。
姫子は他人に知られるのを嫌がった。
当然だ。誰が好き好んで暴露したがるだろう。
隠し通す対象は、愛すべき部長も含まれていた。
こんな事実を告げてしまえば、
部長はリザベーションを使わなくなるだろう。
それだけは嫌だ、そう言いながら、今日も姫子は一人で耐える。
姫子は私に介助を頼んだ。
自分の体が跳ね出したら、人知れず皆の目から自分を覆い隠して。
こっそりと、人気のないところに連れ出すように。
「はっ……ぁっ」
目の前で、蕩け切った表情でよだれを垂らす姫子。
皆には見られたくない、彼女は確かにそう言った。
なのに、私にはその痴態を隠そうともしない。
もぞり、もぞり。姫子は内股を擦り合わせる。
それが何を意味するのか、分からない程子供ではない。
自慰だ。姫子は、私の前で自慰を始めている。
「……姫子。流石に、それは駄目だよ」
「鎮まらんっ……早ようせんと、部長の対局終わってしまうっ……」
少し強めた非難の声。なのに、姫子はなおも腰をもぞつかせる。
彼女はわかっているのだろうか。今、自分がしている事が、
間違いなく『不貞』である事を。
「ねえ姫子、私が居るんだよ?見られちゃっていいの?」
むせ返るメスの匂い。ねばりつくような汗、
ううん、愛液すら肌に塗りつけられている気分になる。
頭の奥がじんと痺れて、甘く蕩けてあやふやになる。
「……っ」
ああ、フェロモンだ。今、私は、
姫子のフェロモンに犯されているのだ。
「姫子!!」
妖しく危うい空気をかき消すように、鋭く冷たい声を出す。
雰囲気に呑まれないように。でもそれは失策だった。
私の冷気は、むしろ姫子の熱を燃え上がらせる。
そして、姫子はタガを外してしまった。
「今更、やろっ……もう、何度もイクとこっ……見らるっ、とけんっ…」
ちろりと舌を舐めずりながら、姫子が指を伸ばしていく。
ゆっくりとめくりあげられるスカート、
隠されていた繁みが露になった。
姫子が指を『く』の字に曲げる。
くちゅり。自ら吐き出した蜜をすくいとると、
リズミカルに動かし始めた。
「ちょっと姫子!それ以上しちゃ駄目っ!」
「急がんと、間に合わんっ……!」
駄目だ、流石にこれは許されない。
私は咄嗟に腕を掴む。そして見てしまった。
てらてらと滑り光り輝く指、愛液でねばり糸を引く指を。
鼓動が一段速度を上げる。
「何しよっと……っ!」
「だから言ってるでしょ、私が居るって!
人前でする事じゃないってば!!」
声を荒げて非難する。甘い吐息を振り払うように。
駄目だった。姫子は私の欺瞞に気づいていたから。
「花田……息、あがっとーよ?」
心臓が止まったかと思う程の衝撃。
虚を突かれ力が抜けた私の指を、姫子の指が絡めとる。
蜜に塗れたその指で。
「そもそも花田、何で見とると?」
言い返す言葉がなかった。そう、姫子の言う通りなのだ。
姫子が劣情に耐え切れず自慰を始めたとして、
それを私が視姦する必要はない。
ここに連れてきた時点で役目は終わっている。
何も言わず、ただ黙って消えればそれでよかったのだ。
なのにこの場に居続けたのは。
私自身が、姫子の痴態を愉しんでたから。
「わかっとるよ。花田が、コーフンしとる事」
ぬちゅり、ぬちゅり。ねばる指が一本一本重ねられる。
熱くて甘くて淫らな吐息を、姫子が耳朶に擦りこんでくる。
蕩けていく、お腹の奥が熱を持つ。
浅ましさを自覚させられて、理性が屈服の鳴き声を上げる。
『今更取り繕っても、どうせ手遅れでしょ』
一本一本繋ぎ合わされ、愛液で接着された指。
その指を姫子はいざなっていく。
どこに?決まっている。元居た場所に帰るのだ。
「んっ……」
ぬるり、濡れた唇のような艶めかしい感触。
私の指を咥えこんだまま、姫子は指を動かし始める。
ぴん、と可愛らしく存在を主張する突起が、
何度も私の指にぶつかった。
「こいで、花田も、共犯、やけんっ……」
快楽に声を上擦らせながら、酷く妖艶に姫子は微笑む。
蕩け切った瞳に囚われて、それだけで、ぷちゅり、
私の奥からはしたない蜜が肉に押し出されるのを感じた。
指が、動く。姫子が、鳴く。
こね回す、鳴く。嬉しそうに、鳴く。
呼吸が浅くなっていく。
弄っているのは姫子の肉。なのに、まるで
自分の肉芽を引っかき回しているような錯覚に襲われる。
自然と腰がくねり出す。止められない。
姫子の足が割り込んできた。
ぐちゅり、秘部に太ももが擦りつけられる。
腰を振る、擦りつける、姫子に愛液を塗りたくる。
「はな、だっ……わたしっ、もっ…イっ……!」
「わたしもっ…ひめこっ、いっしょ、いっしょにっ……!」
「〜〜〜〜っっっ!!!」
二匹揃って激しく硬直。ビクビクビクッ、肉だけが卑猥に蠕動して。
やがて私達は弛緩すると、ぐったり地面と同化した。
「はぁっ……はぁっっ……!」
全身が溶けてしまったように覚束ない。
姫子と二匹、どろどろのぐちゃぐちゃに混ざり合って、
もう輪郭がわからない。
それがどうしようもなく心地いい。
私の上で荒い息を吐き続ける姫子。
痴情に塗れたその瞳が、ねっとりと私を見つめている。
ああ、二人を隔てる境界があった。
無くしたいと思ってしまう。
姫子も同じだったのだろう。目を閉じると、唇が近づいてくる。
ゼロ距離、マイナス。姫子の舌がぬるりと入り込んできて。
当然のように、受け入れるように、自分の舌を絡ませた。
にゅちゅり、にゅるり。唾液が、舌が絡み合う。
二人して背中に腕を回し、互いを固く抱き締める。
もう境界なんてなかった。今、私達は一つになっている。
やがて姫子の舌が離れる。とろりと糸の橋を架けながら、
首に腕を絡ませて姫子が囁く。
「花田とも、リザベーション、できっかも、しれんね……」
その言葉を聞いた瞬間、『さっき』よりも大きく体が跳ねた。
◆
まだ小さかった頃。不貞を働く女のドラマを見て、
母に質問した事がある。
『どうしてこの人達は、結婚してるのに別の人とキスするの?』
母は知っていたのだろうか。
このどうしようもなく甘美なフェロモンの味を。
理性が本能を凌駕して。
友愛も、敬愛も、結束も、何もかも破壊し尽くす背徳を。
今も姫子との関係は続いている。
もう、友達とは呼べない関係が。
罰としてあえて口にしよう。
私達はセックスフレンドだ。
堕ちていく。罪を犯すたび涙をこぼし、
なのに止める事ができない。
そして欲望が手招くままに、堕ちるところまで堕ちてしまった。
フェロモンに囚われた、哀れであさましい獣。
それが私、花田煌の最終形。
(……死のう。この関係が部長に知られる前に)
事故を装う事にした。
階段を滑り落ちて死ぬ確率を計算する。
大切なのは落ち方。後転するように頭から落ちれば、
学校の階段でも十分死ねる。
誰も居ない廊下、誰も居ない階段。
私は階段を背にして立ち、
軽やかなバックステップを踏む。
その身を宙に投げ出すために。
一瞬の浮遊感。でも、求めた衝撃はいつになっても来なかった。
代わりに与えられたのは、誰かに抱きとめられる感覚。
反射的に後ろを振り向く。
そこには、目を細めて笑う部長が居た。
「わかっとるよ。花田がそうくっ事も」
「姫子とはリザベーションがあっけん、
姫子と花田の繋がりもすぐわかった」
心拍数が上がっていく。
秘密がバレていたから?違う。
私を抱き締め、にたりと嗤うその顔が。
『あの時』の姫子とまるで同じだったから。
私を抱き寄せる腕。私を縛り付ける腕。
その末端が、やがて妖しく蠢き始める。
赤子を慈しむ様に腹を撫で、
でも、その指先は徐々にせり上がり。
なだらかな山を登り始めて、
僅かに尖り始めた突起にまで辿りつくと、中指の腹で弄んだ。
「そいない、私とも繋がらんとな。
……もちろん、花田に拒否権はなかよ?」
はは、何が『堕ちるところまで堕ちた』だろう。
あまりに烏滸がましい思い込み。
本当に堕ちていくのはこれからなのに。
今度は部長のフェロモンに惑わされた。
あさましく腰を振り続ける私。
絶頂に背を仰け反らせる刹那、遠い未来が見えた気がした。
姫子と部長の二人に飼われ、肌を晒し、
愛玩動物のように愛でられる私の姿が。
『ガシャンッ』
突然、首に襲い掛かる硬質な衝撃。
思わず目を閉じ、やがて恐る恐る瞼を開くと。
首に、酷く武骨な枷が掛けられていた。
「こいで私とも繋がったな」
私の首輪に繋がる鎖。それを弄びながら部長が嗤う。
言葉を返す余裕はなかった。だって、私は。
あの時と同じように、激しくイッてしまっていたから。
(完)
不貞。せっかく愛する人と結ばれたのに、
別の誰かと肌を重ねる人間は、
どうしてその行為に至るのだろう。
答えなんて知りたくなかった。
ましてや理解したくはなかった。
でも、今、私は確かに。
彼女と不貞を働いている。
<登場人物>
鶴田姫子,花田煌,白水哩
<症状>
・異常行為
<その他>
・Pawoo(Pixivが運営するSNSの一部)でだべってた時に
『フェロモン』をお題にもらって書いた小ネタSSです。超短い。
小ネタなのでド直球にエロだけです。
なお個人的には三人とも傷つかない
ハッピーエンド???のつもりで書いてます。
・ド直球に性的な表現を含みます。
苦手な方や未成年の方は読むのをお控えください。
--------------------------------------------------------
まだ小さかった頃。不貞を働く女のドラマを見て、
母に質問した事がある。
『どうしてこの人達は、結婚してるのに別の人とキスするの?』
子供に見られた時点で失敗、
さらにはこんな質問を受け、さぞ答えに窮しただろう。
それでも母はごまかす事なく、真摯に答えを返してくれた。
『人間はね、悪いとわかってても、
本能が勝っちゃう時があるの』
『煌だって、駄目だと思っても
お菓子を食べちゃう事があるでしょ?』
『それと同じ。わかってても惹きつけられちゃうの。
フェロモンって言うんだけどね?』
それは私にとって衝撃で、酷く恐ろしい事に思えた。
どんなに深く愛する人が居ても、
『フェロモン』は心を捻じ曲げてしまうのだ。
いわば麻薬のようなもの。怖くて思わず体が震える。
願わくば、経験せずに済む事を。
そう祈らずにはいられなかった。
願いは断ち切られるものだ。希望は奪われるものだ。
あれから数年。私は見事に、フェロモンにやられる事になる。
目の前で、甘やかな吐息が私をくすぐっている。
絶頂に達した後のように、気だるく緩慢に腰をくねらせるその少女は、
まさに今、私の理性を本能で塗り替えようとしていた。
◆
もちろん頭では理解していた。
彼女の痴態は、彼女自身が望んだものではないと。
さらに言えば、今彼女の中で荒れ狂う快楽のうねりは、
私が与えたものでもなかった。
リザベーション。姫子と部長の絆の証。
今全身をヒクつかせるこの少女は、
見えない鎖で部長と繋がり、秘めやかな蜜事に耽っているのだ。
いつからか。姫子は7飜以上のリザベーションを掛けられると、
絶頂を覚えるようになってしまった。
知っているのは、姫子を除けば私だけ。
姫子は他人に知られるのを嫌がった。
当然だ。誰が好き好んで暴露したがるだろう。
隠し通す対象は、愛すべき部長も含まれていた。
こんな事実を告げてしまえば、
部長はリザベーションを使わなくなるだろう。
それだけは嫌だ、そう言いながら、今日も姫子は一人で耐える。
姫子は私に介助を頼んだ。
自分の体が跳ね出したら、人知れず皆の目から自分を覆い隠して。
こっそりと、人気のないところに連れ出すように。
「はっ……ぁっ」
目の前で、蕩け切った表情でよだれを垂らす姫子。
皆には見られたくない、彼女は確かにそう言った。
なのに、私にはその痴態を隠そうともしない。
もぞり、もぞり。姫子は内股を擦り合わせる。
それが何を意味するのか、分からない程子供ではない。
自慰だ。姫子は、私の前で自慰を始めている。
「……姫子。流石に、それは駄目だよ」
「鎮まらんっ……早ようせんと、部長の対局終わってしまうっ……」
少し強めた非難の声。なのに、姫子はなおも腰をもぞつかせる。
彼女はわかっているのだろうか。今、自分がしている事が、
間違いなく『不貞』である事を。
「ねえ姫子、私が居るんだよ?見られちゃっていいの?」
むせ返るメスの匂い。ねばりつくような汗、
ううん、愛液すら肌に塗りつけられている気分になる。
頭の奥がじんと痺れて、甘く蕩けてあやふやになる。
「……っ」
ああ、フェロモンだ。今、私は、
姫子のフェロモンに犯されているのだ。
「姫子!!」
妖しく危うい空気をかき消すように、鋭く冷たい声を出す。
雰囲気に呑まれないように。でもそれは失策だった。
私の冷気は、むしろ姫子の熱を燃え上がらせる。
そして、姫子はタガを外してしまった。
「今更、やろっ……もう、何度もイクとこっ……見らるっ、とけんっ…」
ちろりと舌を舐めずりながら、姫子が指を伸ばしていく。
ゆっくりとめくりあげられるスカート、
隠されていた繁みが露になった。
姫子が指を『く』の字に曲げる。
くちゅり。自ら吐き出した蜜をすくいとると、
リズミカルに動かし始めた。
「ちょっと姫子!それ以上しちゃ駄目っ!」
「急がんと、間に合わんっ……!」
駄目だ、流石にこれは許されない。
私は咄嗟に腕を掴む。そして見てしまった。
てらてらと滑り光り輝く指、愛液でねばり糸を引く指を。
鼓動が一段速度を上げる。
「何しよっと……っ!」
「だから言ってるでしょ、私が居るって!
人前でする事じゃないってば!!」
声を荒げて非難する。甘い吐息を振り払うように。
駄目だった。姫子は私の欺瞞に気づいていたから。
「花田……息、あがっとーよ?」
心臓が止まったかと思う程の衝撃。
虚を突かれ力が抜けた私の指を、姫子の指が絡めとる。
蜜に塗れたその指で。
「そもそも花田、何で見とると?」
言い返す言葉がなかった。そう、姫子の言う通りなのだ。
姫子が劣情に耐え切れず自慰を始めたとして、
それを私が視姦する必要はない。
ここに連れてきた時点で役目は終わっている。
何も言わず、ただ黙って消えればそれでよかったのだ。
なのにこの場に居続けたのは。
私自身が、姫子の痴態を愉しんでたから。
「わかっとるよ。花田が、コーフンしとる事」
ぬちゅり、ぬちゅり。ねばる指が一本一本重ねられる。
熱くて甘くて淫らな吐息を、姫子が耳朶に擦りこんでくる。
蕩けていく、お腹の奥が熱を持つ。
浅ましさを自覚させられて、理性が屈服の鳴き声を上げる。
『今更取り繕っても、どうせ手遅れでしょ』
一本一本繋ぎ合わされ、愛液で接着された指。
その指を姫子はいざなっていく。
どこに?決まっている。元居た場所に帰るのだ。
「んっ……」
ぬるり、濡れた唇のような艶めかしい感触。
私の指を咥えこんだまま、姫子は指を動かし始める。
ぴん、と可愛らしく存在を主張する突起が、
何度も私の指にぶつかった。
「こいで、花田も、共犯、やけんっ……」
快楽に声を上擦らせながら、酷く妖艶に姫子は微笑む。
蕩け切った瞳に囚われて、それだけで、ぷちゅり、
私の奥からはしたない蜜が肉に押し出されるのを感じた。
指が、動く。姫子が、鳴く。
こね回す、鳴く。嬉しそうに、鳴く。
呼吸が浅くなっていく。
弄っているのは姫子の肉。なのに、まるで
自分の肉芽を引っかき回しているような錯覚に襲われる。
自然と腰がくねり出す。止められない。
姫子の足が割り込んできた。
ぐちゅり、秘部に太ももが擦りつけられる。
腰を振る、擦りつける、姫子に愛液を塗りたくる。
「はな、だっ……わたしっ、もっ…イっ……!」
「わたしもっ…ひめこっ、いっしょ、いっしょにっ……!」
「〜〜〜〜っっっ!!!」
二匹揃って激しく硬直。ビクビクビクッ、肉だけが卑猥に蠕動して。
やがて私達は弛緩すると、ぐったり地面と同化した。
「はぁっ……はぁっっ……!」
全身が溶けてしまったように覚束ない。
姫子と二匹、どろどろのぐちゃぐちゃに混ざり合って、
もう輪郭がわからない。
それがどうしようもなく心地いい。
私の上で荒い息を吐き続ける姫子。
痴情に塗れたその瞳が、ねっとりと私を見つめている。
ああ、二人を隔てる境界があった。
無くしたいと思ってしまう。
姫子も同じだったのだろう。目を閉じると、唇が近づいてくる。
ゼロ距離、マイナス。姫子の舌がぬるりと入り込んできて。
当然のように、受け入れるように、自分の舌を絡ませた。
にゅちゅり、にゅるり。唾液が、舌が絡み合う。
二人して背中に腕を回し、互いを固く抱き締める。
もう境界なんてなかった。今、私達は一つになっている。
やがて姫子の舌が離れる。とろりと糸の橋を架けながら、
首に腕を絡ませて姫子が囁く。
「花田とも、リザベーション、できっかも、しれんね……」
その言葉を聞いた瞬間、『さっき』よりも大きく体が跳ねた。
◆
まだ小さかった頃。不貞を働く女のドラマを見て、
母に質問した事がある。
『どうしてこの人達は、結婚してるのに別の人とキスするの?』
母は知っていたのだろうか。
このどうしようもなく甘美なフェロモンの味を。
理性が本能を凌駕して。
友愛も、敬愛も、結束も、何もかも破壊し尽くす背徳を。
今も姫子との関係は続いている。
もう、友達とは呼べない関係が。
罰としてあえて口にしよう。
私達はセックスフレンドだ。
堕ちていく。罪を犯すたび涙をこぼし、
なのに止める事ができない。
そして欲望が手招くままに、堕ちるところまで堕ちてしまった。
フェロモンに囚われた、哀れであさましい獣。
それが私、花田煌の最終形。
(……死のう。この関係が部長に知られる前に)
事故を装う事にした。
階段を滑り落ちて死ぬ確率を計算する。
大切なのは落ち方。後転するように頭から落ちれば、
学校の階段でも十分死ねる。
誰も居ない廊下、誰も居ない階段。
私は階段を背にして立ち、
軽やかなバックステップを踏む。
その身を宙に投げ出すために。
一瞬の浮遊感。でも、求めた衝撃はいつになっても来なかった。
代わりに与えられたのは、誰かに抱きとめられる感覚。
反射的に後ろを振り向く。
そこには、目を細めて笑う部長が居た。
「わかっとるよ。花田がそうくっ事も」
「姫子とはリザベーションがあっけん、
姫子と花田の繋がりもすぐわかった」
心拍数が上がっていく。
秘密がバレていたから?違う。
私を抱き締め、にたりと嗤うその顔が。
『あの時』の姫子とまるで同じだったから。
私を抱き寄せる腕。私を縛り付ける腕。
その末端が、やがて妖しく蠢き始める。
赤子を慈しむ様に腹を撫で、
でも、その指先は徐々にせり上がり。
なだらかな山を登り始めて、
僅かに尖り始めた突起にまで辿りつくと、中指の腹で弄んだ。
「そいない、私とも繋がらんとな。
……もちろん、花田に拒否権はなかよ?」
はは、何が『堕ちるところまで堕ちた』だろう。
あまりに烏滸がましい思い込み。
本当に堕ちていくのはこれからなのに。
今度は部長のフェロモンに惑わされた。
あさましく腰を振り続ける私。
絶頂に背を仰け反らせる刹那、遠い未来が見えた気がした。
姫子と部長の二人に飼われ、肌を晒し、
愛玩動物のように愛でられる私の姿が。
『ガシャンッ』
突然、首に襲い掛かる硬質な衝撃。
思わず目を閉じ、やがて恐る恐る瞼を開くと。
首に、酷く武骨な枷が掛けられていた。
「こいで私とも繋がったな」
私の首輪に繋がる鎖。それを弄びながら部長が嗤う。
言葉を返す余裕はなかった。だって、私は。
あの時と同じように、激しくイッてしまっていたから。
(完)
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小ネタにするのがもったいない完成度ですね〜
この後堕ちきったすばらさんも見てみたいです
小ネタにするのがもったいない>
煌「割とSNSで上がったネタで
気が向いたら4000文字くらい
書く感じなのですが……
真面目に書いてもいいかもですね!」
煌「ただ、新道寺組はやっぱり方言が…」
姫子
「実は最近佐賀弁勉強しよっとです」
リザベ対象が増えたら
煌「3人目は効果4倍キーとか!」
哩「和了れんかった場合地獄ぞ」
リザべの鎖に仲間を惹き込むふたり>
煌「今思うと、最初から
仕組まれていたのかもしれませんね」
哩「花田も大切な仲間やけんね」
姫子
「仲間外れは悲しかよね?」